【沖縄旧暦カレンダー2025】新暦3月(旧暦2月)の年中行事、春のお彼岸は17日~

【沖縄旧暦カレンダー2025】新暦3月(旧暦2月)の年中行事、春のお彼岸は17日~

2025.02.10

2024年、沖縄の旧暦2月にあたる3月には、春のお彼岸がやってきます。沖縄では彼岸明けを合図にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行いますよね。本記事では、沖縄で旧暦2月、2024年3月10日(日)~4月8日(月)に行う年中行事、が分かります。

2025年、沖縄の旧暦2月に行う大きな年中行事はないものの、沖縄で旧暦2月にあたる2025年3月には、春のお彼岸がやってきます。

沖縄では春のお彼岸にお墓参りへ行く風習は少ないですが、彼岸明けを合図にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行いますよね。

本記事を読むことで2025年3月1日~31日、沖縄で旧暦2月2日~3月3日にあたる旧暦行事が分かります。全国的にも行われる3月の春のお彼岸日程や進め方、春社やに2025年3月の二十四節気もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

沖縄で旧暦2月にあたる時期は2025年3月にあたり、旧暦行事ではないものの、全国的にも沖縄でも春のお彼岸が行われます。

全国的な「春のお彼岸」では「ニングァッチヒグァン(二月彼岸)」、お墓参りに行かず、お仏前祭と言う意味で「ウチマチヒングァン(内祀り彼岸)」とも呼ばれてきました。

<2025年3月:沖縄旧暦2月の年中行事>
[新暦] [旧暦] [年中行事]
(1)2025年2月28日(金) ・旧暦2月1日 ・チィタチ拝み
(2)2025年3月1日(土) ・旧暦2月2日 ・トゥーティークン
(土帝君)
(3)2025年3月14日(金) ・旧暦2月15日 ・ジュウグニチの拝み
(4)2025年3月14日(金) ・旧暦2月15日 ・ニングァッチウマチー
(二月ウマチー)
(5)2025年2月28日(金)
~2025年3月14日(金)
●旧暦2月上旬
・旧暦2月1日
~旧暦2月15日
・シマクサラシ
(6)2025年2月28日(金)
~2025年3月28日(金)
●旧暦2月吉日
・旧暦2月1日
~旧暦2月29日
・虫精進
[全国の年中行事]
(7)2025年春のお彼岸    
・2025年3月17日(月) ・旧暦2月18日 ・彼岸入り
・2025年3月20日(木・祝) ・旧暦2月21日 ・春分の日
・2025年3月23日(日) ・旧暦2月24日 ・彼岸明け
(8)2025年3月3日(月) ・旧暦2月4日 ・ひな祭り
(9)2025年3月14日(金) ・旧暦2月15日 ・ホワイトデー
(10)2025年3月20日(木・祝) ・旧暦2月21日 ・春社(春の社日)

また、全国的には春に産まれた土地の土地神様「産土神(うぶすながみ)」へ感謝する「社日」が行われます。もともと農業を中心に営んできた時代は、農業の神様への祀り日でした。現代は八幡様をはじめとする、地域の神社へ参拝に行く習慣になっています。

社日」は春分の日から最も近い戊(つちのえ)の日に行われ、2025年は3月20日(木・祝)の春分の日が正に戌の日、春社です。

全国的な社日と同じく、産まれた集落の土地神様「トゥーティークン(土帝君)」へ供物を供え、日ごろの感謝とともに巡りくる1年に向け、地域の繁栄を祈願する行事です。

沖縄では集落や門中単位での拝みが行われてきましたが、今では少なくなりました。ただ、なかには旧暦2月2日に「トゥーティークン(土帝君)祭」を営む集落も見受けます。

<沖縄旧暦2月2日:土帝君>
[お供え物] [具体例]
①ウサク(お酒) ・おちょこに入れたお酒
②果物
(盛り合わせ)
・バナナ(父性)
・りんご(母性)
・みかん(子孫繁栄)
…など
③ムイグァーシ(お菓子)
(盛り合わせ)
・マキガーシ(巻き菓子)
・ハナボウル(花ぼうろ)
・こんぺん
・ボタンコウ
・シルマンジュウ(かるかん)
・クシチグァーシ(落雁)
・モモガーシ(桃菓子)
[お線香]  
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ半(2枚半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

農耕が主流だった昔の沖縄では、トゥーティークン(土帝君)は土神様として豊作にご利益があるとされました。

また豊作から、家や集落の繁栄や子宝、子授け信仰もあります。

その昔の沖縄では、旧暦2月2日トゥーティークン(土帝君)の拝みの日に、その1年で授かった赤ちゃんをご紹介し、健やかな成長を祈願する子育て祈願も行われていました。

◇二月ウマチーは、豊作祈願の麦穂祭です

「二月ウマチー」は「二月御祭」沖縄の言葉で「ニングァッチウマチー」と呼び、農耕時代には盛んだった麦穂の豊作祈願祭として行われてきました。

また現代でも父方の血族「門中(むんちゅう)」単位のウマチーが、地域によっては残っているでしょう。その昔は霊力(セジ)があるとされるユタなどの「神人(カミンチュ)」が代表して、3~7本ほど、奇数穂の麦穂を拝所(拝所)に供えてきました。

<沖縄旧暦2月:二月ウマチー>
[お供え物]  
①麦穂 ・未成熟で良い
②神酒 ・ウサク(お酒)
③ハナグミ(花米) ・お米(乾いたお米)
[お線香]  
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
日本線香…15本、もしくは5本
沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ半(2枚半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

昔の沖縄では二月ウマチーに供えるウサク(お酒)は「シルマシ」と呼ばれる、未成熟の麦穂で作られたものでしたが、現代では一般的なお酒を供える家が多いです。

また麦穂も現代では必ず供えなければならないものではありません。

集落や門中単位での行事も廃れつつあるなか、家計安泰や安定した収入を祈願して、家族や個人単位で地元の拝所(ウガンジュ)を参拝する家が増えています。

特に沖縄本島、中南部を中心に広がる沖縄の旧暦2月の年中行事で、集落の境界線に魔除けの「ヒジャイナー(左縄)」による結界を張るなどします。現代に驚かれるのは、動物の骨や肉を縄に巻き付けるなどする点ではないでしょうか。

<沖縄旧暦2月の年中行事:シマクサラシ>
[お供え物]  
①集落の境界線 ・左に縄をなった「ヒジャイナー(左縄)」
・牛や豚の骨を巻き付ける
・牛や豚など、動物の汁をいただく
②家 ・動物の血を付けた小枝を家の四隅に差す
・牛や豚など、動物の汁をいただく
③集落の御嶽(うたき) ・お酒
・花米(乾いたお米)
[お線香]  
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
日本線香…15本
沖縄線香(ヒラウコー)…2枚と半分(タヒラ半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

現代の沖縄で行われるシマクサラシは、公民館などに集まり左縄に縄をない、肉の骨や肉を付けながら集落の境界線に結界を張ります。

その後、集落の御嶽(うたき)に門中の家長がビンシー(瓶子)とともにお肉を持ち寄りお供えした後、牛汁を作りふるまう行事です。

沖縄で春のお彼岸は旧暦2月に行うことから「ニングァッチヒングァン(二月彼岸)」と呼ばれます。

<2025年春のお彼岸>
●2025年3月17日(月)~2025年3月23日(土)の7日間
・春分の日…2025年3月20日(木・祝)

全国的にお彼岸と言えばお墓参り行事ですが、沖縄のお彼岸は仏前祭が一般的です。
ただ地域によっては春と秋のお彼岸で、供養の仕方が違います。

<沖縄旧暦2月の年中行事:お彼岸>
●沖縄の一部地域での「ウチマチ・フカマチ」
①春のお彼岸
(2025年3月17日~23日)
●ウチマチウグァン(内祀り御願)…仏前で供養する
・自然を敬愛する
・ご先祖様を供養する
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
②秋のお彼岸
(2025年9月20日~26日)
●フカマチ(外祀り御願)…墓前で供養する
・ご先祖様を供養する
・祖霊を供養する(アジシー墓)
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)

中国から伝わる沖縄の旧暦行事が多いなか、お彼岸は本州から伝わった風習です。

春分・秋分の日を中心として、前後3日間を合わせた7日間が「お彼岸」ですが、春分・秋分の日は毎年天文台より発表されるもので、決まった日取りではありません。

春分・秋分の日は太陽が真東から昇り真西に一直線に沈み、昼と夜の時間もほぼ同じになるため、「あの世とこの世が繋がる日」と言われます。

オススメ モダン仏壇

全国的に日本の季節を掴む五節句の一つ、新暦3月3日は女の子の幸せな人生と成長を祈願する「ひな祭り」がありますよね。2025年3月3日(月)はひな祭り、水とご縁が深く、水とともに厄を祓うおひな様人形は雨水(うすい)の節気に祀ります。

縁起の良い奇数が重なる暦は、より大きな果報や御縁のある日であり、一方で厄も大きくなるとして、厄祓いやお祝い行事を行います。

<沖縄旧暦2月の年中行事:全国の五節句>
(1)1月7日 尽日(じんじつ)の節句
(七草粥)
(2)3月3日 上巳(じょうし)の節句
(ひな祭り、桃の節句)
(3)5月5日 端午(たんご)の節句
(子どもの日、菖蒲の節句)
(4)7月7日 七夕(しちせき)の節句
(七夕)
(5)9月9日 重陽(ちょうよう)の節句
(菊酒)

※1月7日の尽日の節句は、本来の1月1日が元旦なので、年神様をおもてなしする幕の内が終わる1月7日を尽日の節句としました。

全国的には新暦で祝う五節句ですが、沖縄では現代も旧暦の年中行事として行事を行う家が多く、なかには新暦と旧暦の両日ともに行事を行う家も増えました。

例えば七夕(しちせき)の節句では、新暦7月7日は笹の葉を飾り願い事を書き、旧暦7月7日には家族でお墓参りを行い、旧盆のご案内をします。

<沖縄旧暦2月の年中行事:全国の五節句>
[旧暦] [行事]
(1)旧暦1月7日 ・ナンカヌシク(七日節句)
(2)旧暦3月3日 ・サングヮッチャー(三月三日)
・ハマウイ(浜降り)
(3)旧暦5月5日 ・グングァッチグニチ(五月五日)
(4)旧暦7月7日 ・タナバタ(七夕)
(5)旧暦9月9日 ・チクザキ(菊酒)

沖縄で行う旧暦3月3日は、重箱料理に三月菓子などを詰めて女性ばかりが浜へ降り、海に足を付ける禊祓い(みそぎばらい)の旧暦行事の日です。

重箱料理にはよもぎ餅を詰めます。全国的にもよもぎ餅はひな祭りの行事食ですよね。よもぎの香りが厄を祓うとして、よもぎ団子などをいただきます。

卒業シーズンとなる新暦3月は、草木が芽を出し、生き物が地上へ出てくる春の訪れを感じさせる啓蟄(けいちつ)の節気です。

<2025年新暦3月の節気>
【二十四節気】・雨水(うすい)…2月18日(火)~3月4日(火)
●七十二候
(末候) 草木萌動(そうもくめばえいずる) ・2月28日(金)~3月4日(火)
【二十四節気】・啓蟄(けいちつ)…3月5日(水)~3月19日(水)
●七十二候
(初候) 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) ・3月5日(水)~3月9日(日)
(次候) 桃始笑(ももはじめてわらう) ・3月10日(月)~3月14日(金)
(末候) 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) ・3月15日(土)~3月19日(水)
【二十四節気】・春分(しゅんぶん)…3月20日(木)~4月3日(木)
●七十二候
(初候) 雀始巣(すずめはじめてすくう) ・3月20日(木)~3月24日(月)
(次候) 桜始開(さくらはじめてひらく) ・3月25日(火)~3月29日(土)
(末候) 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) ・3月30日(日)~4月3日(木)

「桃始笑」は「桃初めて咲く」とされることが多いですが、「桃初めて笑う」と聴くと春の訪れを感じる可愛らしいですよね。

七十二候で桜の花が開く時期は春分の次候の節気、2025年3月25日(火)~3月29日(土)です。実際の開花時期は日本気象株式会社が発表します。

旧暦行事が根付く沖縄では馴染み深い二十四節気、季節を感じる美しい言葉を感じながら、過ごされてみてはいかがでしょうか。

今回は沖縄旧暦2月に行う年中行事を、新暦3月・全国的な年中行事とともに解説しました。

この他全国的な仏教行事としては、新暦3月15日のお釈迦様の命日に行う「涅槃会(ねはんえ)」もあります。

沖縄の離島では「虫精進(宮古など)」や「二月タカビ(八重山諸島など)」の虫祓い行事があるでしょう。

主には害虫による被害のないよう祈願する行事で、害虫などをハマオモトなどの葉を船に見立てて遥か海へと送り返します。

沖縄本島では旧暦4月に行う虫祓い行事「アブシバレー(畔祓い)」が、同じ意味合いを持つでしょう。

まとめ

沖縄旧暦2月の年中行事カレンダーとは

[沖縄]
(1)2025年2月28日(金)
・旧暦2月1日…チィタチ拝み
(2)2025年3月1日(土)
・旧暦2月2日…土帝君
(3)2025年3月14日(金)
・旧暦2月15日…ジュウグニチの拝み
(4)2025年3月14日(金)
・旧暦2月15日…(二月ウマチー)
(5)2025年2月28日(金)~3月14日(金)
・旧暦2月上旬…シマクサラシ
(6)2025年2月28日(金)~3月28日(金)
・旧暦2月吉日…虫精進

[全国・沖縄共通]
(7)2025年春のお彼岸
・2025年3月17日(月)~3月23日(日)
・2025年3月20日(木)…春分の日
(8)2025年3月3日(月)…ひな祭り
(9)2025年3月14日(金)…ホワイトデー
(10)2025年3月20日(木)…春社(春の社日)

前の記事
次の記事

関連記事

沖縄のハチナンカ(初七日)☆お供え物と進め方
沖縄のハチナンカ(初七日)☆お供え物と進め方
沖縄のタナバタ(七夕)にお仏壇事が多いのはなぜ?新調や交換に良い日取り
沖縄のタナバタ(七夕)にお仏壇事が多いのはなぜ?新調や交換に良い日取り
危篤の連絡を受けた時、かける言葉は?お見舞いに駆け付ける5つの注意点
危篤の連絡を受けた時、かける言葉は?お見舞いに駆け付ける5つの注意点
2024年全国のお盆やお盆休みはいつから?7月盆(新盆)と8月盆(月遅れ盆)とは?
2024年全国のお盆やお盆休みはいつから?7月盆(新盆)と8月盆(月遅れ盆)とは?