【図解】沖縄の旧正月はどう過ごす?お飾りや過ごし方、ヒヌカンやお仏壇へのお供えもの

2023.12.11
【図解】沖縄の旧正月はどう過ごす?お飾りや過ごし方、ヒヌカンやお仏壇へのお供えもの

沖縄の旧正月では、朝一番のお水「若水」を汲み、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へお飾りやお供えもの、一年の健康安泰祈願「タティウグァン(立て御願)」です。本記事では沖縄の旧正月の過ごし方、お飾りやヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えが分かります。

・2024年、沖縄の旧正月はいつ?
・沖縄の旧正月の過ごし方は?
・沖縄の旧正月の準備、お供えものは?

沖縄の旧正月、旧暦1月1日は2024年2月10日(土)、前日の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」から、ソーキ汁を家族でいただきながら新年を迎えるでしょう。

沖縄の旧正月で行うことは、朝一番のお水「若水」を汲み、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へお飾りやお供えもの、一年の健康安泰祈願「タティウグァン(立て御願)」です。

本記事を読むことで、イラストの分かりやすい図解から、沖縄での旧正月の過ごし方、お飾りやヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えものが分かります。

 

沖縄の旧正月:朝一番の「ワカミジ(若水)」

沖縄の旧正月:朝一番の「ワカミジ(若水)」
◇沖縄の旧正月で「ワカミジ(若水)」とは、朝一番で組んだお水です

その昔、沖縄では旧正月の朝に地域の井戸「ガー(井戸)」からお水を汲んできて、そのお水でお茶を立ててご先祖様へお供えし、家族でいただきました。

昔は地域の井戸「ガー(井戸)」から汲みましたが、現在は朝一番に汲んだお水で良いでしょう。

「ワカミジ(若水)」は名前の通り、沖縄では「若返りの水」と呼ばれています。
縁起の良いお水なので、お仏壇やヒヌカン(火の神)、床の間(リビング)へお供えを終えた後の水で、「ウビナディ(水撫で)」をする習慣もあります。

 

<沖縄の旧正月:ワカミジ(若水)>
[ワカミジ(若水)] ●朝一番に汲んだお水
・若返る
・お供えをする
・お茶を立てて供える
[ウビナディ(水撫で)] ●母や祖母が子どもに行う
・ワカミジ(若水)を右手中指の腹に浸ける
・子どものおでこに3回付ける

 
沖縄では縁起の良い旧正月にお屠蘇に当たるお酒をいただきました。
そこでお酒を飲めない年頃の赤ちゃんや子どもには、ウビナディ(水撫で)で新しい一年の健康安泰を祈願します。

沖縄の旧正月では、ワカミジ(若水)のの残り水で、手や足を洗ったりもします。
ワカミジ(若水)は「生命力」を表し、飲んだり洗ったりすると若返るのです。

そこでかつて沖縄の旧正月で挨拶をする際、「お若くなりましたか?」などと交わす地域もありました。

 

沖縄の旧正月:準備するお飾りは?

沖縄の旧正月:準備するお飾りは?
◇沖縄の旧正月では、みかんと炭、炭の昆布巻きや「ウカリー」を用意します

沖縄の旧正月では、新正月と同じように玄関先にしめ縄や門松を供えますが、それ以上にヒヌカン(火の神)・お仏壇へのお飾りやお供えものが重要です。

沖縄では旧正月の朝からお供えものとともに、お飾りを準備する家もありますが、朝一番に整えるため、沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」には、スーパー等で揃えることをおすすめします。

下記は沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)に購入しておきたい、沖縄旧正月でのお飾りです。

 

<沖縄の旧正月:準備するお飾りは?>
[飾る場所] [お飾り]
[大晦日]
①玄関ドア ●しめ縄
・左ないの縄
・中央にミカンと炭を飾る
②玄関の門前 ・若木
(門松でも良い)
③床の間 ・縁起物の若木や生け花
(南天など)
[正月明け]
①床の間のお供え ・花米(お米)…3合
②ヒヌカン(火の神) ・お仏壇
・橙(みかん)…5個
・炭の昆布巻き…5個
・ウチャヌク…5組
・ウカリー…5組

 
沖縄在住であれば旧正月に必要なお飾りは、スーパーやホームセンターなどで販売していることでしょう。

炭の昆布巻きも、かつては各家で作ってきましたが、現代は炭に昆布を巻いた状態で販売しています。

 

沖縄旧正月のお飾り:沖縄のしめ縄

沖縄の大晦日:旧正月のお飾りは?
沖縄のしめ縄は、中央にみかんと炭が付いたものを飾ります。
全国的なしめ縄でも良いですが、沖縄ではスーパーで沖縄のしめ縄をたくさん販売しているでしょう。

 

<沖縄のしめ縄>
[特徴] [意味]
●左ない 結界を張る
・家内を守る
●みかん 子孫繁栄
(袋をたくさん含むため)
●炭 炭は「住み」
・安住を表す
・万年(長寿)
黒い色が邪気を払う

 
全国的な新正月のしめ縄は華やかな雰囲気ですが、沖縄のしめ縄は藁で左ないに編む、重厚なイメージがあります。

 

沖縄旧正月のお飾り:花米

◇花米はお米、そのままのお米は無垢を表し、清められた存在です

沖縄では旧暦行事のウグァン(御願)において、貴重な収穫物であるお米を供えてきました。

沖縄の旧正月では、現代のリビングにあたる床の間に、お盆に盛ったお米を3合供えて、新しい一年の安泰を祈願する「タティウグァン(立て御願)」を行います。

沖縄で供えられるお米には、お米を7回水ですすいだ「アライミハナ(洗い花)」もありますよね。
供えられるお米について、詳しくはは下記をご参照ください。

 

 

沖縄旧正月のお飾り:橙

◇橙(だいだい)とは、みかん科の常緑小高木に実が成る果物です

沖縄の旧正月のお飾りは、「代々(だいだい)栄える」の語呂合わせである「橙(だいだい)」を飾ります。

しめ縄のお飾りも橙が良いですが、沖縄では橙の代用として、みかんを準備する家庭も多いでしょう。

みかんも多くの袋を子宝とし、子孫繁栄の縁起の良い果物なので、橙の代用として用いても問題はありません。

 

沖縄旧正月のお飾り:炭の昆布巻き

沖縄旧正月のお飾り:炭の昆布巻き
◇炭を昆布で巻いて作るお飾りです

昔の沖縄では炭を「たーん」と呼ぶ地域も多くありました。
昆布は全国的にも「喜ぶ(よろこぶ)」の語呂合わせで「よろ昆布(よろこぶ)」とし、おめでたい席の食材として有名です。

沖縄行事の開幕で披露される「かぎやで風」の歌詞でも有名ですよね。
あらたまる年に 炭と昆布かざて 心からしがた 若くなゆさ

 

<炭の昆布巻き>
①炭(たーん) ・万年(長寿)
・「住み」安住の地
・黒い色が邪気払い
②昆布(こぶ) ・よろ昆布
・縁起物
③炭の昆布巻き ・「たーんとよろ昆布」
(たくさん喜ぶ)

 
昔はそれぞれの家庭で炭と昆布を用意して、少し昆布を湿らせて巻き、紐で括ってきましたが、現代はきれいに飾り付けられた炭の昆布巻きが販売されています。
値段も100円以下、高くても200円ほどなので、購入する家庭が多いでしょう。

 

沖縄旧正月のお飾り:ウチャヌク

沖縄旧正月のお飾り:ウチャヌク
◇ウチャヌクは、もち粉で作った白もちを3段重ねたお供えです

ウチャヌクは沖縄言葉で「お茶の子」、名前の通り「お茶の子ども」として気軽な食べ物、軽食を差します。

ウチャヌクが白もち3段に積まれるのは、沖縄のウグァン(御願)で拝む神々様、つまりこの世を司る「ウティン(御天)・ジーチ(地)・リュウグ(竜宮・海)」です。

 

<沖縄旧正月のお飾り:ウチャヌク>
①シチャデー(下台) 下のおもち
・リュウグ(竜宮・海)
②ナカデー(中台) 中央のおもち
・ジーチ(地)
③ウヮーデー(上台) てっぺんのおもち
・ウティン(天)

 
ちなみにウチャヌクのお供えは、常に1個を多く用意します。
お供えをしてしばらく経ったら、真ん中に供えられたてっぺんのおもちを、1個交換するためです。
1個を交換することで、お供えを新しくしたとされます。

 

沖縄旧正月のお飾り:ウカリー

◇「ウカリー(御嘉利)」とは、赤・黄・白3色の祝い紙です

沖縄の旧正月では、おめでたい色を3色重ねた「ウカリー(御嘉利)」の上にお供えものを供えます。

ウカリー(御嘉利)はこの他にも、「カリーカビ(嘉利紙)」「イルカビ(色紙)」とも呼ばれ、沖縄では「紙=カミ(神)」として大切な旧正月のお飾りです。

ただ、なぜウカリー(御嘉利)が3色なのかについては地域によって伝承がさまざまで、なかには2色のウカリー(御嘉利)を飾る地域もあります。

 

<沖縄旧正月のお飾り:ウカリー(御嘉利)>
①一番上の紙…赤色 ・紅白のお祝い
・日の出
・血液(健康)
・誕生
②二番目の紙…黄色 ・幸福の色
・日の入り
・黄金(金銭)
・人生
③三番目の紙…白色 ・紅白の色
・夜
・清浄(豊穣)
・人生の終焉

 
このように地域によって諸説あり、一般的にはお祝い事の意味合いが強い「赤色」を一番上に置いて、黄色・白色と重ねますが、幸福の黄色を上に置く地域もあります。

全国的に用いられる「ハレの日」の紅白、源氏平氏の紅白として2色のみのウカリー(御嘉利)もあるでしょう。

 

沖縄の旧正月:ヒヌカン(火の神)へのお供えもの

沖縄の旧正月:ヒヌカン(火の神)へのお供えもの
◇ヒヌカン(火の神)にはお供えものセットを3組、供えます

沖縄の旧正月は旧暦1月1日なので、毎月の「ヒヌカン(火の神)へチィタチの拝み(1日の拝み)」と重なりますので、チィタチの拝みは朝一番に行うと良いでしょう。

ワカミジ(若水)を汲んだらお水・お酒も取り替えて「チィタチの拝み」を捧げます。

続いてウカリー(アカカビとも言います)の上に、喜びの昆布を墨に巻いたもの、そしてみかん(橙)ウチャヌクも供えてください。

 

<沖縄の旧正月:ヒヌカン(火の神)>
[お供えもの] [内容]
①日ごろのお供えもの ・マース(お塩)
・ウサク(お酒)
ワカミジ(若水)
・供え葉
(縁起の良い万両などでも)
②赤ウブク 3膳
(赤飯、古代米、赤い着色料など)
③旧正月用 ウカリー(御嘉利)…3組
・ウチャヌク…3組
・炭の昆布巻き…3個
・橙(みかん)…3個

 
炭の昆布巻きを家庭で手作りするときは、バーベキュー用の墨などを、少しの水で湿らせて柔らかくした昆布を巻けば完成です!

市販の昆布巻きの墨はおしゃれな赤紙などで飾り付けされていますが、手作りでは普通の紐などで縛って問題はありません。
紅白の紙で飾り付けても良いですね。

 

沖縄旧正月に供えるお線香

沖縄の旧正月でヒヌカン(火の神)へ供えるお線香の本数は、「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」です。

 

<沖縄の旧正月:ヒヌカン(火の神)へのお線香>
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(平線香)…タヒラ半(2枚半)

 
近年の沖縄では、コンパクトでおしゃれなお仏壇ヒヌカン(火の神)祭壇を揃える家庭が増えています。

そのため燃えやすい沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」15本分を供えると、小さいウコール(香炉)が割れてしまうこともあり、略式として日本線香5本を供える家庭も増えました。

 

 

沖縄の旧正月:お仏壇へのお供えもの

沖縄の旧正月:お仏壇へのお供えもの
◇お仏壇には、おめでたい「ハレの膳」を供えます

ご先祖様であるお仏壇には、おめでたいおかずを揃えた「ハレの膳」の御膳です。

お仏壇に祀っている故人が一人であればひとつの御膳で良いですし、複数のご先祖様が祀られているならば、2膳など、複数のお膳を供えます。
ウカリー(御嘉利)に、それぞえれハレの膳を乗せて供えてください。

 

<沖縄の旧正月:お仏壇へのお供えもの>
[お供えもの] [内容]
①日ごろのお供えもの ・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)
縁起の良い供え花
②ハレの膳 赤ウブク(赤飯など)
・汁物(ソーキ汁、イナムドゥチなど)
・おかず(煮物、クーブイリチーなど)
・ウサチ(酢の物、末広漬けなど)
③沖縄旧正月のお飾り
(御膳の数だけ準備)
ウカリー(御嘉利)
・炭の昆布巻き
・橙(みかん)

 
上記イラストの図解を確認しながら揃えてください。
ハレの膳ですので、おかずはおめでたい品であれば良いです。

ソーキ汁イナムドゥチ、クーブイリチー(昆布の血炒め)などの他、おめでたい席で出されるンムニー(芋の煮物)などでも良いです。

 

 

沖縄の旧正月:お仏壇のお線香

◇お仏壇へ供えるお線香はジュウニフンウコー(十二本御香)です

ご先祖様である祖霊神、お仏壇へ供えるお線香は、沖縄の旧正月に限らず、旧暦行事ではジュウニフンウコー(十二本御香)が多いでしょう。

 

<沖縄の旧正月:お仏壇のお線香>
●ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー(平線香)…タヒラ(2枚)

 
沖縄の旧正月では、家を守護する「カミ」祖霊神としてお供えものを供えますので、旧盆などとは違いウチカビ(打ち紙)などは供えません。

 

沖縄の旧正月:床の間のお供えもの

沖縄の旧正月:床の間のお供えもの
◇沖縄の旧正月でのお供えものは、主に花米です

沖縄の旧正月では、ヒヌカン(火の神)とお仏壇の他、床の間に南天などの若木を活け、炭の昆布巻きや橙など、縁起物を飾ってきました。

 

<沖縄の旧正月:床の間のお供えもの>
[お供えもの] [内容]
[お盆に揃える]
 
①サンゴーミハナ
(三合御花)
お米を3合分
②ウサク(お酒) ・徳利(とっくり)を2本
(左右に1対)
・おちょこを中央にい1杯
③マース(お塩) ・盛り塩を1皿
④ワカミジ(若水) 朝一番で汲んだお水
[旧正月のハレの膳]
①ウチャワキ(お茶脇) ご馳走のおかず
(お皿に盛りつける)
・お箸を添える

 
昔ながらの沖縄の平屋には床の間がありましたが、現代の家には床の間を置かない間取りも多いです。
そのため現代では、リビングに旧正月のお供えものを祀る家庭が増えています。

 

 

沖縄の旧正月:タティウグァン(立て御願)

沖縄の旧正月:タティウグァン(立て御願)
◇タティウグァン(立て御願)とは、祈願をするウグァン(御願)です

タティウグァン(立て御願)」とは、神々様へ対して祈願事をする、立てることで、沖縄の旧正月では主に、新しい年1年を通した、家族の健康や安泰祈願となります。

 

<沖縄の旧正月で行う1年の祈願>
[呼び方] [内容]
タティウグァン(立て御願)
・ハチィウグァン(初御願)
・ガンタティ(願立て)
新年のご挨拶
・日々の御守護への感謝
ニントゥーウグァン(年頭御願)
・ミードゥシヌウグァン(新年の御願)
新しい年の祈願
・家族それぞれの願い

 
その地域によって呼び名はさまざまですが、いずれも沖縄の旧正月で、新しい年の始まりに、1年の家族の健康や安泰、繁栄を祈願する、「1年の誓いを立て祈願をする」ウグァン(御願)儀礼です。

 

沖縄の旧正月:ガンタティ(願立て)を行う場所

◇お供えものを供えた後に、神々様へ新年のご挨拶をした後、願い事を立てます

沖縄の旧正月では、ヒヌカン(火の神)・お仏壇(祖霊神)・床の間(リビング)へそれぞれお供えものをした後、家族で新年のご挨拶です。

内容は今年も無事に、家族揃って旧正月を迎えていること、日々の御守護への感謝と、新しい1年の引き続きの御守護と繁栄を祈願します。

 

<ガンタティ(願立て)の拝み先>
[神様] [拝む場所]
[三か所で拝む場合]
・ヒヌカン(火の神) …キッチン
・お仏壇 …お仏壇(仏間)
・トゥクヌカミ(床の間の神) …床の間、リビング
[一ヶ所で拝む場合](下記いずれか)
①トゥクヌカミ(床の間の神) …床の間、リビング
②トゥパシラヌカミ(戸柱の神) …玄関

 
分譲マンションなど、ヒヌカン(火の神)やトゥクヌカミ(床の間の神)を祀っていない家では、玄関から外へ向かう「トゥバシラヌカミ(戸柱の神)」へ向かって、ウグァン(御願)を行うこともあるでしょう。

 

沖縄の旧正月の拝み方

◇家族のウグァン(御願)は、お仏壇前でそれぞれに立てます

ヒヌカン(火の神)・お仏壇(祖霊神)・トゥクヌマ(床の間)のそれぞれにお供えものを供え、今日の日が沖縄の旧正月であること、ご挨拶をするガンタティ(願立て)の後、家族がそれぞれに目標を掲げる「ニントゥーウグァン(年頭御願)」です。

ニントゥーウグァン(年頭御願)は、主にお仏壇前で家族それぞれが、祈願事を立てます。

 

<沖縄の旧正月の拝み方>
●ヒヌカン(火の神)
「今年も家族でブジに、正月をに迎えることができました。
家族みな、元気に笑顔に溢れた良い正月を迎えさせていただき、ありがとうございます。新しい年も、家族みんなが健康で、家庭円満に過ごせますよう、どうかお見守りくださいますように。
そして我が家に果報がたくさん訪れますように。」
●トゥクヌマ(床の間)
・ヒヌカン(火の神)に同じ
●お仏壇(祖霊神)
①お供えの後、家長の拝み
「新しい年も一年を通して、家族みなが健康で笑顔に溢れ、夫婦和合・家族円満、幸せに暮らせますように。どうぞ、ミーマンティー ウタビニスーリー(ずっと見守っていてください)。
ウートゥートゥー(あな尊い)。」
②家族それぞれが、願い事を祈願する
(今年の目標・祈願事を掲げる)
「目標に到達するよう、日々たゆまず努力ができますように。」

 
沖縄の旧正月では、以上のウグァン(御願)を終えると、ウサンデーした(お供えものから下げること)ワカミジ(若水)を、家族それぞれが中指に浸します。
その指で額の中央を3回撫でながら下記のように唱えてください。

 

③ウビナディー(産水撫で)
「若々しく健康になりますように」

 
ウビナディー(産水撫で)は前述したように、まだお酒が飲めないような赤ちゃんや子どもの健康祈願としても、行われます。

 

まとめ:沖縄の旧正月は一年の祈願を行います

まとめ:沖縄の旧正月は一年の祈願を行います
ヒヌカン(火の神)・お仏壇(祖霊神)・トゥクヌマ(床の間)それぞれにお供えをする沖縄の旧正月では、旧暦1月1日の年明けから、それぞれにお供えをして、神々様へご挨拶をする「ウグァンタティ(御願立て)」を行います。

 

●また沖縄の旧正月、昔は家族で豚の肝を煮付けたものをいただきました。

 
肝をいただいて「肝(人の心)」を治す意味があります。
そのため「今年も清く広い心でいさせてください。」と願いながら、豚の肝をいただくとされてきました。

そして旧暦1月2日からは、家族の干支日に「マドゥトゥシビー・ウフトゥシビー」の、厄払いのウグァン(御願)があります。

手を合わせるだけでも構いませんので、一年の厄祓いや祈願を行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ

沖縄の旧正月の過ごし方
●ワカミジ(若水)
・朝一番で汲んだお水
・昔は地域の井戸「ガー」

①ヒヌカン(火の神)
・日ごろのお供え物
・赤ウブク…3膳
・ウカリー(御嘉利)…3組
・ウチャヌク…3組
・炭の昆布巻き…3個
・橙(みかんでも良し)…3個

②お仏壇(祖霊)
・日ごろのお供え物
・ハレの膳…1膳か2膳
・ウカリー(御嘉利)…1組か2組
・炭の昆布巻き…1組か2組
・橙(みかんでも良し)…1個か2個

③トゥクヌマ(床の間)
・サンゴーミハナ(三合御花)
・ウサク(お酒)
・マース(お塩)
・ワカミジ(若水)
・ウチャワキ(お茶脇)
・お箸

●ウガンタティ(御願立て)
・お供えをする
・ご挨拶
・ニントゥーウグァン(年頭御願)
(一年の祈願を家族がそれぞれ立てる)
・ウビナディ(産水撫で)
(若水をおでこに浸ける)

 


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