・2024年沖縄の旧暦11月(新暦12月)カレンダーは?
・2024年沖縄の旧暦11月(新暦12月)に行う主な行事は?
・沖縄の冬至「トゥンジー」とは?何をするの?
2024年新暦12月は、沖縄の旧暦11月1日~12月1日の31日間にあたります。
この時期は練ったお芋を供える「ウンネーウイミ(芋折目)」の他、新暦12月21日(土)はトゥンジー(冬至)がありますよね。
本記事を読むことで2024年新暦12月、沖縄では旧暦11月の年中行事と日程、行う事柄が分かります。
2024年12月:沖縄の旧暦11月カレンダーとは?

来る旧暦の年末~旧正月に向け、忙しくなる嵐の前の静けさではないですが、毎年旧暦11月、沖縄では多くの旧暦行事がありません。
旧暦10月に至ってはあまりに行事が少ないことから、昔の沖縄ではこの時期を「アキハッティージューグヮッチ(飽き飽きしちゃう十月)」「シムジチガーキ(霜月渇」き)」と例えていました。
昔の沖縄では旧暦行事でご馳走と宴で頼みましたから、人々にとっては「美味しいものがいただけず、飽き飽きしちゃう」と思ったのでしょう。
<2024年12月:沖縄の旧暦11月カレンダー> | ||
[新暦] | [旧暦] | [旧暦行事] |
[1]12月1日(日) | ・旧暦11月1日 | ・チィタチの拝み |
[2]12月13日(金) | ・旧暦11月13日 | ・ウンネーウイミ(芋折目) |
[3]12月15日(日) | ・旧暦11月15日 | ・ジューグニチの拝み |
[4]12月21日(土) | ・旧暦11月21日 | ・トゥンジー(冬至) |
2020年からの新型コロナ到来以降、家計安泰を守護していただこうと、家の守護神ヒヌカン(火の神)を仕立てる家が増えました。
けれども昔のように、実家や義実家からヒヌカンの灰を引き継ぐ方法は、少ない傾向です。
金運の神様など、目的の神様の元へ拝みに行き、そこで供えたお線香(もしくはヒラウコー)を、自宅で用意したヒヌカンに火を灯して供え、ウコール(香炉)の灰に神様に宿っていただく方法が多いでしょう。
・【沖縄のヒヌカン】ヒヌカンの始め方。親から引き継ぐ、一から仕立てる2つの方法を解説
2024年12月:年末の年中行事とは?

◇新暦12月「師走(しわす)」は、一年を締めくくる大晦日に備えて、全国的にもさまざまな年中行事があります
沖縄の旧暦行事でご紹介したトゥンジー(冬至)は、全国的にも昼の時間が最も短くなる冬至の日として、寒い冬を家族が元気に乗り切るため、柚子湯に入ったり、カボチャの煮物などの行事食をいただきますよね。
<2024年12月:全国的な年中行事> | |
[新暦] | [年中行事] |
[1]12月5日(木) | ・納めの水天宮 |
[2]12月8日(日) | ・針供養(主に関西地方) |
[3]12月13日(金) | ・正月事始め ・煤払い(大掃除) |
[4]12月17日(火) | ・羽子板市(浅草寺) |
[5]12月18日(水) | ・納めの観音 |
[6]12月21日(土) | ・納めの大師 |
[7]12月21日(土) | ・冬至 |
[8]12月25日(水) | ・終い天神 |
[9]12月28日(土) | ・納めの不動 |
[10]12月31日(火) | ・大祓い ・大晦日 |
●キリスト教の年中行事 | |
[11]12月24日(火) | ・クリスマスイブ |
[12]12月25日(水) | ・クリスマス |
納め観音や納めの不動、終いの天神などの日は、それぞれの神様仏様とよりご縁が深い日「縁日」にあたります。
例えば観音様の縁日は18日で、毎月18日が縁日になるのですが、1年を締めくくる参拝の日として、12月はそれぞれの神様仏様の縁日に、一年のお礼拝みをするのです。
沖縄では観音様が多いので、観音様の拝み納めは12月18日になりますね。
すでに自宅にヒヌカンを迎え入れた家であれば、ヒヌカンは遥拝所(ようはいじょ)の役割を果たしてくれますので、自宅のヒヌカンから神様仏様へ感謝を捧げると良いでしょう。
・沖縄で観音様・仏様を「三十日秘仏」の縁日に迎え入れる☆仏様の御利益と縁日を解説!
沖縄旧暦11月行事:ウンネーウイミ(芋折目)

◇芋を煮詰めた「ンムニー(芋煮)」をヒヌカンとお仏壇へ供えます
芋の収穫祭「ウンネーウイミ(芋折目)」は現代、家計安定や収入向上祈願行事です。
沖縄の旧暦行事は農耕と深い関わりがありますが、すっかり農耕が廃れた現代の沖縄では、「収穫=収入」へと変化しています。
サラリーマン家庭や自営業者のご家庭でも、自宅で行うようになりました。
<沖縄の旧暦11月行事:ウンネーウイミ> | |
[農耕儀礼(昔)の目的] | [現代の目的] |
・芋の収穫祭 ・芋の収穫への感謝 ・次期の豊作祈願 | ・クェーブン(食運)への感謝 ・家計の安泰 ・安定した収入の向上 |
宮古島「ウンプーズ」や、竹富島「ハンチメーの願い」も芋の収穫祭ですが、本当では北部を中心に、毎年旧暦11月13日頃の吉日にウンネーウイミ(芋折目)を行ってきました。
「クゥエーブン(食べる運)」とは、直訳すると「日々食べる運」を差し、意訳すると家計の安定です。
ウンネーウイミ(芋折目)の拝み方
◇煮た芋を練った「ンムニー(芋煮)」を供えます
沖縄の旧暦行事は、ヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)が中心です。
家にブチダン(仏壇)がない家庭では、ヒヌカン(火の神)のみでも良いですし、リビングに簡易的な祭壇を設けて、お供えをしても良いでしょう。
<ウンネーウイミ(芋折目)のお供え物> | |
[ヒヌカン] | [仏壇] |
・ウサク(酒) ・ンムニー(芋煮) | ・ウチャトゥ(お茶) ・ウサク(お酒) ・ンムニー(芋煮) |
●お線香(十五本御香) | ●お線香(十二本御香) |
・日本線香5本 (もしくは15本) ・沖縄線香2枚半 | ・日本線香4本 (もしくは12本) ・沖縄線香2枚 |
もともとは集落行事だったウンネーウイミ(芋折目)は、かつては神女であるノロやユタが、集落の家々から芋を集めて、集落のウガンジュ(拝所)に供え、祈願を行ってきました。
けれども集落行事が廃れ、現代の沖縄では各家庭の旧暦行事と変化するなか、家族で集落の御嶽(うたき)や、神社寺院などのウガンジュ(拝所)へ拝む家庭も増えています。
・沖縄の「琉球八社」とは?御朱印巡りで人気?御利益や参拝の注意点、アクセス方法とは?
ンムニー(芋煮)とは?
◇「ンムニー(芋煮)」とは、芋を煮て練った食べ物です
沖縄の旧暦行事ウンネーウイミ(芋折目)で供える「ンムニー(芋折目)」は、沖縄ならではのお芋、紅芋やターンム(田芋)を練りながら煮詰めたものが多いでしょう。
けれども現代であれば、さつま芋を煮詰めて作っても良いですし、市販のスイートポテトなどでも構いません。
<ウンネーウイミ(芋折目)のお供え物> | |
[昔] | [現代] |
●ンムニー(芋煮) ・紅芋 ・ターンム(田芋) ・チンヌク(里芋) …などを煮詰める | ・スイートポテト ・マッシュポテト …など |
現代では、紅芋やターンム(田芋)をレンジでチンしてマッシュし、生クリームやバター、お砂糖などを入れて甘いお菓子に仕上げたりもしています。
また現代は子ども達も美味しくウサンデー(お供え物を下げていただくこと)をするために、サツマイモやジャガイモでお供え物を作る家庭も増えました。
・【沖縄の御願】収入(収穫)を感謝し未来へ繋げるウンネーウイミ
沖縄の旧暦行事:12月のトゥンジー(冬至)

◇沖縄の旧暦行事としてのトゥンジー(冬至)は「カチュー湯」を供えます
全国的な「冬至」では、カボチャ料理や柚子のお風呂が有名です。
けれども沖縄の旧暦行事としての「トゥンジー(冬至)」では、寒い冬に体を労わるために、トゥンジージューシーやカチュー湯をいただきます。
<沖縄の旧暦行事:トゥンジー(冬至)> | |
[行事食] | [内容] |
①トゥンジージューシー (冬至雑炊) | ●沖縄風炊き込みご飯 (雑炊でも良い) ・ターンム(田芋) ・チンヌク(里芋) …などを入れるのが特徴 |
②カチュー湯 (力湯) | ●かつお節のだし汁 ・たっぷりのかつお節 ・出し汁 |
沖縄の旧暦行事のトゥンジー(冬至)としては、トゥンジージューシー(冬至雑炊)を造りヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)に供えて、カチュー湯を家族でいただきます。
ウンネーウイミ(芋折目)と同じく、ヒヌカン(火の神)やブチダン(仏壇)がない家庭では、リビングに簡易祭壇としてお盆に供えて拝んでも良いでしょう。
・【沖縄の旧暦行事】トゥンジー(冬至)の拝み方☆家族の健康を祈願には一年の感謝が大切
・沖縄トゥンジー(冬至)の行事食☆コクのあるトゥンジージューシーのレシピは何がポイント?
全国的な冬至は何をする?
◇全国の冬至では、カボチャや小豆料理をいただきます
「冬至」は二十四節気「冬至」が始まる日、年間で最も昼が短くなる1日です。
そのため毎年同じ暦ではなく、2024年の冬至は12月21日(土)となります。
ただ、数日のずれはあるものの、ほとんど同じ時期に冬至になるでしょう。
<冬至とは> | |
[意味] | ・昼が最も短い日 ・太陽の力が最も弱い日 ・冬至を境に力が復活する |
[行事食] | ●滋養を付ける ・カボチャ料理 ●邪気祓い ・小豆料理 |
[行うこと] | ●無病息災 ・柚子湯に入る |
また冬至では「冬の七草」と呼ばれる冬至の七草をいただくと良いともされます。
なんきん(南瓜)とは、カボチャです。
・なんきん(南瓜)
・にんじん(人参)
・ぎんなん(銀杏)
・かんてん(寒天)
・きんかん(金柑)
・れんこん(蓮根)
・うんどん(うどん)
冬至の七草とは「ん」の付く食べ物で、最も太陽の力が底を付き、これから上昇しかない運気である冬至の日に、「運(うん)」を付けるとも言われてきました。
沖縄の旧暦カレンダー:二十四節気

◇2024年12月の二十四節気は、小雪→大雪→冬至です
2024年12月21日(土)から冬至が始まりますね。
沖縄で雪は降りませんが、12月の年末へ向かう二十四節気は、寒さを表す小雪→大雪→冬至へと移る暦です。
<2024年12月:沖縄の旧暦11月の節気> | ||
【二十四節気】小雪(しょうせつ) | ||
●七十二候 | ||
(次候) | 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) | ・11月27日(水)~12月1日(日) |
(末候) | 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) | ・12月2日(月)~12月6日(金) |
【二十四節気】大雪(たいせつ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) | ・12月7日(土)~12月10日(火) |
(次候) | 熊蟄穴(くまあなにこもる) | ・12月11日(水)~12月15日(日) |
(末候) | 鱖魚群(さけのうおむらがる) | ・12月16日(月)~12月20日(金) |
【二十四節気】冬至(とうじ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 乃東生(なつかれくさしょうず) | ・12月21日(土)~12月25日(水) |
(次候) | 麋角解(おおしかのつのおつる) | ・12月26日(木)~12月30日(月) |
12月は年の瀬に走る「師走(しわす)」、別名では雪月(ゆきづき)などもありますが、沖縄では雪は降りませんね。
毎年郵便局は12月15日(金)頃から年賀状の受付を始めますので、12月初旬に年賀状の注文や準備を始め、12月8日(金)の煤払い(すすはらい)の時期から、年末に掛けての大掃除や縁起物の購入など、準備を始めます。
野菜ではカブや白菜、お魚ではタラや牡蛎、柚子も旬な冬真っただ中です。
時候の挨拶には「年の瀬もおしせまり」「歳末多忙のおりから」などと書くことが多く、結びには「来年も素晴らしい年になりますように」「ご多忙のおりではございますが、ご自愛ください」などとなるでしょう。
まとめ:沖縄の12月(旧暦11月)はトゥンジー(冬至)があります

旧正月が今も残る沖縄では、旧暦11月は師走に向けての静かな月で、あまり大きな旧暦行事がありません。
そこで「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう十月)」などの言葉もありますが、全国的に新暦12月には冬至があり、沖縄では「トゥンジー(冬至)」と呼んで家庭行事を行うでしょう。
沖縄のトゥンジー(冬至)は、トゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきますが、全国的にはカボチャ料理や小豆料理をいただき、柚子湯に入りますよね。
現代の沖縄ではトゥンジーの旧暦行事のみではなく、全国的な冬至として、柚子湯やカボチャのいとこ煮を楽しむ家庭も増えました。
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