沖縄の旧盆で供える重箱料理、定番おかずの作り方☆豚三枚肉の煮付けや昆布の結び方は?

2024.05.21

沖縄の重箱料理のおかずは、作り方が意外に簡単♪基本を理解して一度作ってしまうと、より気軽に作れるうえ、子ども達や家族の好みに合わせて、現代でも美味しいおかずへアレンジできるでしょう!本記事を読むことで、家庭で気軽に沖縄の重箱料理が作れます。

・沖縄のお供え「ジューバク(重箱)」とは?
・沖縄で供える重箱料理の定番おかずは?
・沖縄の重箱料理の作り方は?

旧盆やシーミー(清明祭)、ジュールクニチー(十六日祭)など、沖縄ではあらゆる旧暦行事で重箱料理を供えますよね。

現代ではスーパーやコンビニ、仕出し料理店などで重箱料理の注文ができますが、家族の好きなおかずも盛り込みながら、手軽に手作りで準備できれば、節約にもなり便利です。

本記事を読むことで、沖縄で供える重箱料理とは何か?
沖縄の重箱料理に詰める定番おかずや作り方レシピの他、慶事と弔事で違う昆布の結び方も分かります。

沖縄のジューバク(重箱)とは?

沖縄の重箱料理、慶事と弔事5つの違い
◇沖縄では重箱に詰めたご馳走をお供えします

沖縄の「ジューバク」は重箱を指し、重箱にご馳走を詰めたご先祖様へのお供えです。
沖縄でジューバク(重箱)に詰めたご馳走は「ウサンミ(御三味)」と呼ばれ、天・地・海の幸を取り入れたこの世の尊いご馳走を指します。

●沖縄のジューバク(重箱)は、おかず重ともち重でワンセットです。
おかず重…奇数品目を賽の目に詰める
もち重…奇数個を詰める

豚三枚肉の煮付けやお祝い事では田芋、魚の天ぷらなど、当時の沖縄ではご馳走が並べられたため、子ども達はみんな「ウサンデー」を楽しみにしていました。

<沖縄でジューバク(重箱)を供える行事>
①旧暦行事 ・ジュールクニチー(十六日祭)
・シーミー(清明祭)
・旧盆
…など。
②スーコー(焼香)
※全国的な法要
・ナンカスーコー(七日焼香)
・ワカスーコー(若焼香)
・ウフスーコー(大焼香)
…など。

「ウサンデー」とは「うさげる」を表す沖縄の言葉で、お供え物を下げて家族でいただくことです。

沖縄では供えたジューバク(重箱)を下げる際、「ウサンデーサビラ(下げさせていただきますね)」とひと言添えて下げます。

沖縄のジューバク(重箱)定番おかず

◇沖縄のジューバク(重箱)は、奇数品目を賽の目に詰めます

従来供える沖縄のジューバク(重箱)料理には、定番おかずがあるのをご存じでしょうか。
仕出し弁当やスーパーなどで提供される沖縄のジューバク(重箱)料理に必ず詰められるおかずは、豚三枚肉の煮付け、かまぼこ(赤・白)、昆布の煮しめ、などがあるでしょう。

この他、カステラかまぼこなども定番おかずですが、従来の沖縄のジューバク(重箱)料理には、これらの定番おかずを詰める位置が決まっています。

<沖縄のジューバク(重箱)定番おかず>
①かまぼこ(赤・白) ・中央に入れる
※慶事は赤、弔事は白
②豚三枚肉の煮付け ・かまぼこの手前
③昆布の煮しめ ・かまぼこの奥
※慶事と弔事で結びが違う

カステラかまぼこやかまぼこ(赤・白)などは、基本的にスーパーなどで購入するので、家庭で作る定番おかずとしては、この他に、お魚の天ぷらゴボウの煮しめ、大根の煮しめなどがあるでしょう。

また、最近では現代でも子ども達も喜ぶご馳走となるように、ゴボウも肉巻きにして煮付けたりと、工夫を凝らしたおかずが増えました。

従来の沖縄のジューバク(重箱)には、供える際の並び方や詰め方にも決まり事があります。
詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

旧盆のジューバク(重箱)おかずは慶事用

◇沖縄の旧盆はお祝い事(慶事)です

沖縄のジューバク(重箱)は、慶事でも弔事でも供えますが、慶事と弔事では詰めるおかずに違いがあります。

全国的な法要と同じように、弔事で扱う沖縄のジューバク(重箱)は色味を控えた白かまぼこや白もちを詰め、お祝い事であつかうターンム(田芋)などの食材がありません。

●けれども沖縄の旧盆は供養行事ではありますが、ご先祖様が家に帰省するお祝い行事です。
そのため沖縄で旧盆に供えるジューバク(重箱)も慶事用で整えます。

具体的には赤かまぼこを中央に詰め、おかずにはターンム(田芋)やベニイモの食材を用いても問題はありません。

また、もち重は白もちだけではなく、あんこ入りや色がついた「よもぎもち」などを入れて、カラフルに詰めます。
沖縄のジューバク(重箱)慶事と弔事の違いについて、詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

沖縄の重箱:豚三枚肉の煮付け

沖縄の重箱:豚三枚肉の煮付け
◇豚三枚肉の煮付けは、慶事と弔事で詰め方が異なります

沖縄で豚は昔からご馳走であり、あらゆる儀礼で供えられてきました。
かつての沖縄では大晦日の日に豚をさばいて、正月料理としたほどです。

また弔事であっても、沖縄ではご先祖様へ捧げる「最大級のご馳走」として豚肉を供えます。
例えば通夜に故人の傍らに祀る「枕飾り」でも、豚肉を茹でただけの「シラベーシ」を供える風習があるほどです。

ただ、豚三枚肉の煮付けはご先祖様へ供えるにあたり、詰め方に決まり事があったり、慶事と弔事で詰め方に違いがあります。

<沖縄の重箱:豚三枚肉の煮付け>
①詰め方の決まり事 ●ご先祖様がら最も遠い位置に詰める
・中央列
・かまぼこの手前
②慶事と弔事の違い 慶事…皮を下に詰める
弔事…皮を上に詰める

全国的には檀家制度により仏教の考え方が根付いており、肉や魚など、殺生を連想させる食材をご先祖様へ供えることはありませんが、沖縄では独自の祖霊文化により、弔事であっても豚肉を供えます

 

豚三枚肉の煮付け:材料

◇豚三枚肉の煮付けは、そばつゆでも代用できます

沖縄の旧盆では、赤・白かまぼこの下(手前)に詰める定番おかずが豚肉三枚肉の煮付けです。
電気圧力鍋を使用すると、より簡単に時短で作ることができるでしょう。

<豚三枚肉の煮付け:材料>
[食材] 豚三枚肉…900g
[調味料] 白だし…適量
(かつおだしなら400ccほど)
お醤油…100cc
みりん…50cc
お砂糖…100cc
お酒(泡盛)…150cc
お水
サラダ油…適量

一般的な煮付けの調味料なので、白だし・お醤油・みりん・お砂糖は、そばつゆなどで代用する家庭も多いでしょう。
また豚三枚肉の煮付けは最初に茹でるため、大きな鍋とたっぷりの水も用意します。

豚三枚肉の煮付け:レシピ

◇豚の三枚肉を下茹でがポイントです

豚三枚肉の煮付けはゆっくり下茹でをすることで柔らかく仕上がります。
沸騰した鍋に、豚肉の皮を下にした豚三枚肉を浸し、弱火でゆっくり茹でてください。

沸騰したら一度茹でこぼして、再びたっぷりの水で茹でます。
竹串を用意して、豚三枚肉に通した際、スッと入ったら下準備の完成です!

<豚三枚肉の煮付け:レシピ>
[下準備]
①豚三枚肉を水洗いする ・丁寧に水洗いしましょう
②豚三枚肉を茹でる(1回目) ・大きな鍋にたっぷりの水を用意
・豚肉の塊を、皮を下にして鍋に浸す
・沸騰したら茹でこぼす
③豚三枚肉を茹でる(2回目) ・再びたっぷりの水を入れる
・豚肉の塊を、側を上にして入れる
・強火で沸騰させる
・アクを取る
・中火にして30分ほど待つ
(豚肉の塊は浮いている状態)
・豚肉の塊をひっくり返す
・15分~30分ほど弱火に茹でる
・竹串が肉にスッと通ったら火を止める
・鍋のままゆっくり粗熱を取る
④豚三枚肉を均等に切り分ける ・長さは約7.5cmほど
・1cmほどの厚み
[調理]
①煮込む ・鍋にだし汁とお酒を入れる
・切り分けた豚肉を入れる
・砂糖を入れる
・お醤油を入れる
②仕上げ ・サラダ油を回し入れる

豚三枚肉を下茹でする時には大きな鍋を使用しますが、鍋蓋は閉めずに開けて調理すると、臭いもこもらず良いでしょう。
部屋に臭いが充満するので、窓を開けて喚起の良い環境で茹でます。

またお酒は料理酒などではなく、度数の高い30度以上の泡盛を使用すると、沖縄の豚三枚肉の煮付けになりおすすめです。

沖縄の重箱:昆布の煮しめ

沖縄の重箱:昆布の煮しめ
◇昆布の煮しめは、慶事と弔事で結び方が違います

沖縄のジューバク(重箱)料理の定番おかず「昆布の煮しめ」は、慶事と弔事で結び方が違うため、下準備では注意が必要です。

全国的には昆布は「喜ぶ(よろこぶ)」ために喜び事の慶事で出されますが、沖縄では結び方を変えて、慶事と弔事の双方で出されます。

<昆布の煮しめの慶事・弔事>
慶事…結び昆布
弔事…返し昆布

沖縄のジューバク(重箱)で昆布は、中央に配置するかまぼこの奥(上・仏壇側)です。
前述したように、豚三枚肉の煮付けはご先祖様から最も離れた位置に配置するため、必然的にご先祖様から見て(仏壇・お墓側)、最も近い位置に昆布が配置されることになります。

昆布は丁寧に煮しめることで数日保存できるので、美味しくいただきましょう。
「結び昆布は分かるけど、返し昆布が分からない!」と言う方もいますが、イラストを見ながら確認してみてください。

昆布の煮しめ:材料

◇沖縄ではかつお出汁が基本ですが、白だしでも代用できます

沖縄では旧盆近くなるとスーパーで販売されますが、煮しめ用の昆布は出汁を取る際の昆布ではなく、おでんや昆布煮などで料理される煮しめ用の昆布が美味しいです。

<昆布の煮しめ:材料>
[材料] 昆布…2枚
[煮汁] 白だし…適量
(かつお出汁なら50ccほど)
お砂糖…大さじ2
お醤油…大さじ3
みりん…小さじ1
(そばつゆで代用可)

砂糖・お醤油・みりんはそばつゆで代用もできます。
個人的なおすすめですが、北海道産(釧路~根室あたりの道東地区)の長昆布(ながこぶ)や厚葉昆布(あつばこぶ)などが、食べ応えもあり美味しいでしょう。

昆布の煮しめ:レシピ

◇昆布はしっかりと洗って、ぬめりを取ります

昆布はしっかりと洗って塩気やぬめりを取ることが大切です。
水に30分~50分ほど浸けて戻しますが、浸けた汁は出汁になりますので、捨てずに残しておきます。

<昆布の煮しめ:レシピ>
①昆布の下準備 ・昆布をしっかり洗う
・水に30分~50分ほど浸ける
(浸け汁は残す)
②昆布を結ぶ [慶事=結び昆布]
・均等に結び目を作る
・ハサミや包丁で切り分ける
[返し昆布]
・縦に三つ折りする
・中央に切り目を入れる
・切り目に昆布の端っこ差し込む
・差し込ん端っこを引っ張る
③煮しめる ・鍋に[煮汁]を入れる
・昆布を鍋に入れる
・鍋を煮立てる
・弱火~中火にする
・時々かき混ぜて煮しめる

特に沖縄の重箱料理では昆布巻きにしたりと、昆布を材料にしたおかずは多いため、必要な時は多めに戻しておきましょう。

沖縄ではジューバク(重箱)のおかずは9品・11品と多いため、忙しいですよね。
酢を入れると早く煮しめることができます。入れる時は、小さじ1杯ほどが目安です。

沖縄の重箱:魚天ぷら

沖縄の重箱:魚天ぷら
◇沖縄の天ぷらは、全国的な天ぷらとは異なります

沖縄のジューバク(重箱)料理で「天ぷら」と言えば、衣がしっかりとついたものです。

全国的な天ぷらは薄い衣がカリッ、サクッとしていて、塩や天ぷらたれを付けていただきますが、沖縄の天ぷらは厚い衣が付いていて、何も付けなくても美味しくいただけます。

<沖縄の重箱:魚天ぷら>
●白身魚の種類 ・シイラ
・メルルーサ
・キング
…など
●特徴 ・衣が厚い
・衣に塩味が付いている

おやつとしても親しまれており、沖縄では天ぷら専門店も多いでしょう。
最近ではコンビニで「沖縄天ぷら(白身魚の天ぷら)」が販売されているほどなので、忙しい日には購入しても良いかもしれません。

魚の天ぷら:材料

◇沖縄では天ぷら用に冷凍の魚が販売されています

従来の沖縄で利用される重箱は、一辺21cmの大きさが一般的です。
キレイな賽の目に詰める沖縄のジューバク(重箱)は、奇数品目とされますが、3列×3段に詰められる9品がキレイに整いやすいでしょう。

そのためおかずは7cmほどで整えますが、沖縄のスーパーではジューバク(重箱)用にカットされた、冷凍の白身魚も多く販売されています。

<魚の天ぷら:材料>
[材料] ・白身魚…200g
[衣] ・白だし…少々
・薄力粉…1カップ
・玉子…1コ
・卵黄…1コ
・水…適量(大さじ4ほど)
・塩…少々

沖縄の天ぷらには塩味が付いていますが、今回は白だしで味付けしたレシピです。
また玉子は全卵のみを使用する家庭も多いのですが、卵黄をさらに加えるとコクもまし、しっかりと付きます。

魚の天ぷら:レシピ

◇沖縄の魚天ぷらは衣に味を付けます

前述したように沖縄の魚天ぷらは全国的な天ぷらとは違い、揚げ物要素が強いです。
最も大きな違いは、しっかりと衣を付けるために玉子を使用することでしょう。

より沖縄の天ぷらの特徴を出したい方は卵黄を加えます。
そのため衣の生地は濃厚に作りますが、薄力粉はしっかりとふるいにかけることが大切です。

<魚の天ぷら:レシピ>
①白身魚を切り分ける ・1cm角ほど
・7cmほどの長さ
(他の食材と大きさを揃える)
②白身魚に下味を付ける ・薄く塩を振りかける
・しばらく置く
③衣を作る ・玉子、水、白だしをボウルに入れる
・薄力粉をふるいにかけて加える
・空気を含ませながら緩く混ぜ合わせる
④白身魚を揚げる ・白身魚に薄力粉をまぶす
・衣のタネに魚を通す
・油を180℃に熱する
・白身魚を揚げる
・長さを均等に切り揃える

頃ものタネを作る際、薄力粉はダマにならないよう、細かくふるいをかけながら、ザックリと空気を入れるように緩く混ぜ合わせましょう。

沖縄天ぷらは「うちなぁ~天ぷら」とも呼ばれ、子ども達がおやつに天ぷらを食べるなど、日ごろから人気があるおかずです。

白身魚の魚天ぷらばかりではなく、さつま芋もずく天ぷらなども良いでしょう。
どのおかずも沖縄の旧盆では、魚天ぷらと同じように衣が厚めのものを作りますが、最近では全国的な天ぷらも見受けるようになりました。

沖縄の重箱:ゴボウの煮付け

沖縄の重箱:ゴボウの煮付け
◇ゴボウや大根などの根菜類は長さを揃えやすいです

沖縄のジューバク(重箱)は奇数品目を賽の目のようにキレイに詰めます。
そのため形が均等に揃いやすい根菜類の煮つけ料理は定番です。

使用する重箱の長さを確認し1/3になるよう切り揃えますが、沖縄でジューバク(重箱)料理は旧暦行事において頻繁に登場するため、型紙を準備する家庭が多いでしょう。

この他、アレンジした沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずには、ゴボウを豚バラで巻いて煮付けた「グンボーマチ(ゴボウ巻き)」なども人気です。

沖縄でお祝いのジューバク(重箱)料理になると、イモ類が多くなります。
例えば、ベニイモさつま芋の揚げ物、ターンム(田芋)などです。

ゴボウの煮付け:材料

◇沖縄の煮付けはかつお出汁です

沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずには、ゴボウや大根などの根菜類の煮付けが多いですが、出汁は基本的にかつお出汁で調理してきました。

たっぷりの鍋に大きなかつおパックをひと袋入れて、沸騰させて中火にした後、じっくりと出汁を煮だしてからザルに上げますが、現在では白だしで手軽に準備する家庭が多いでしょう。

<豚三枚肉の煮付け:材料>
[食材] ・ゴボウ…3本
[調味料] ・かつお出汁…250cc
・砂糖…50g
・塩…少々
・お醤油…適量(大さじ2ほど)
[市販出汁を使用する場合] ・そばつゆ…大さじ3
・砂糖…大さじ2
・白だし…適量

基本的にはかつお出汁にお醤油・お砂糖を加えた味付けですが、近年では市販の出汁で簡単に煮付ける家庭も増えました。

この場合はそばつゆや白だしが便利です。
そばつゆや白だしは濃縮されているものも多いので、割合を確認して濃くならないようにしましょう。

ゴボウの煮付け:レシピ

◇ゴボウは皮むきをして、柔らかく茹でてから調理します

沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずになる場合、ゴボウの煮付けは一般的に1cm角の7cmの長さで切り揃えるため、食材が大きめです。

そのためまず、ゴボウを柔らかく茹でてから味付けをすることが、美味しく仕上げるポイントになります。

他の食材も茹でてから調理しますが、ゴボウはあくが強いので、他の野菜やおかずと一緒に茹でると、臭いが他の食材にも移ってしまいやすいです。

<ゴボウの煮付け:レシピ>
①ゴボウの下準備 ・ゴボウの皮をこそげ取る
(包丁の背を使ってそぐ)
・同じ大きさに切り分ける
(重箱の1/3の長さに揃える)
・お米の洗い汁に浸ける
・ザルに上げてよく洗う
②ゴボウの下茹で ・鍋にゴボウを入れる
・ひたひたにお水を入れる
・柔らかくなるまで下茹で
・竹串がスッと通ったら上げる
③ゴボウを煮付ける ・下茹でした湯を捨てる
・改めてひたひたの水を入れる
・調味料を加える
・中火でじっくり煮付ける

ゴボウの皮むきは包丁の背を使ってこそぐ方が多いですが、たわしでこそぎ落しても美味しいでしょう。

沖縄の旧盆レシピと言っても、ゴボウも大根も、重箱料理に詰めやすい大きさに切り分けることが大きなポイントで、後は下茹でをして煮付ければ良いだけです。

最近では専用のタッパーに入れて味付けをした煮汁に浸し、レンジでチンと煮てしまう家も見受けます。

沖縄の重箱:コンニャクの煮付け

重箱料理は「奇数」品目
◇コンニャクは豚三枚肉の煮付けの隣を避けます

沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずには、コンニャクの煮付けも多く登場します。
コンニャクと豚三枚肉の煮付けなど、肉と隣り合わせになると肉が固くなるため、隣り合わせに詰めるのは避けましょう。

沖縄のジューバク(重箱)料理の定番おかずではありますが、赤・白かまぼこや豚三枚肉の煮付け、昆布の煮しめのように、必ず入るおかずとも限りません。

一般的に重箱に詰める時には、定番おかずを定位置に入れた残りのスペースに詰めるため、中央段の左端や右端に入ることが多いでしょう。

コンニャクの煮付け:材料

◇コンニャクと調味料のみで手軽に作れます

沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずは、いずれもかつお出汁で煮付けるものばかりです。
大きな鍋にかつお出汁を作っても良いですし、近年では白だしで代用しても良いでしょう。

<コンニャクの煮付け:材料>
[材料] コンニャク…1枚
[調理] ・かつお出汁…200cc
・お砂糖…適量(小さじ2ほど)
・お醤油…適量(大さじ1ほど)

コンニャクの煮付けも市販のめんつゆが代用できます。
めんつゆにはお砂糖やお醤油がすでに入っているので、大さじ2ほどで調整してみます。

コンニャクの煮付け:レシピ

◇コンニャクは切込みを入れて返します

コンニャクもアクが強いため、一度茹でてアクを取ってから、改めて煮付けると良いです。
また沖縄のジューバク(重箱)料理のおかずでコンニャクを調理する場合、返してねじりこんにゃくにします。

コンニャクを長さ7.5cmほど、厚さ4cmほどのサクに切り分けたら、中央の縦に切り込みを入れ、返し昆布のように切り口にサクの端っこを入れて引っ張り、手綱状にしましょう。

<コンニャクの煮付け:レシピ>
①コンニャクの下準備 ・長さ7.5cm×厚さ4cmほどに切り揃える
・中央の縦に切り込みを入れる
・切り込みに端っこを通す
・端っこを通して手綱状にする
②コンニャクのアク取り ・鍋に下準備をしたコンニャクを入れる
・鍋にひたひたの水を入れる
・水から煮立てる
・ザルに上げる
③コンニャクを煮付ける ・鍋に[調味料]を入れる
・そのまま煮立てる
・コンニャクを入れる
・弱火~中火で煮立てる
・火を止める
・染み込むまで放置する

下茹では軽く済ませる程度にしてください。
あまり長く茹でてしまうと、コンニャクが固くなってしまいます。

沖縄で使用される従来の重箱は21cmほどなので、基本的に食材の長さは7cmに切り揃えますが、コンニャクは縮みやすいため、少し大きめの長さに揃えると丁度良いです。
目安としては7.5cm~8cmほど、もちろん詰める際に切って整えても構いません。

沖縄の旧盆で重箱はウークイに供える

沖縄の旧盆:ウンケーに旧盆準備
◇沖縄の旧盆でジューバク(重箱)はウークイに供えます

沖縄の旧盆では最終日のウークイ(御送り)で供えるため、準備はナカビ(中日)などになりますが、コンビニやスーパーなどで手配するならば、早めに注文を済ませましょう

御仏前にジューバク(重箱)料理を供えたら、最初にウハチ(お初)を供えます。

「ウハチ(お初)」とは、初めて手を付けるおかずのことで、ご先祖様や神様がウハチ(お初)をいただいてから、生きている家族がご馳走に手を付けるとされてきました。

<ウハチ(お初)の供え方>
ウハチ(お初)のあげ方は、ジューバク(重箱)料理のおかずを取り出して、ひっくり返してから、ジューバク(重箱)の上に置く方法が一般的です。

また別皿にウハチ(お初)を取り分ける家もあるでしょう。
ウハチ(お初)を供える際には「ウハチディービル」「ウハチです」などと伝えます。

シーミー(清明祭)などのお墓参り行事では、ヒジャイガミ(左神)と2回供えることがありますが、沖縄のジューバク(重箱)を2つ用意することは大変です。

そのため多めにおかずをタッパーに用意しておき、取り分けたおかずで空いたスペースにタッパーのおかずを詰めることで、「新しいジューバク(重箱)」としますが、これを沖縄では「ウチジヘイシ」と言います。

 

沖縄の旧盆、3日間のお供え物

◇沖縄の旧盆初日はウンケージューシーです

沖縄の旧盆と言えばジューバク(重箱)料理をイメージしますが、これは最終日ウークイ(御送り)の際に供えるご馳走となります。

沖縄の旧盆は広く3日間~4日間に渡って行われ、その内最終日のみがジューバク(重箱)料理をお供えする他は、地域や家によって違いもありますが、それぞれ日によって定番の御膳を供えるでしょう。

<沖縄の旧盆、3日間のお供え物>
[日程] [行事食]
①初日ウンケー(御送り)
・旧暦7月13日
・2024年8月16日(金)
・ウンケージューシー
(ショウガを入れる)
②2日目ナカビ(中日)
・旧暦7月14日
・2024年8月17日(土)
・スーミン汁(素麺汁)
・あまがし(おやつ)
[地域によって]
・芋料理
・酢の物
③最終日ウークイ(御送り)
・旧暦7月15日
・2024年8月18日(日)
・ジューバク(重箱)

従来から続く沖縄の旧盆では、このように定番のお供え物がありますが、現代はよりカジュアルにご先祖様や故人を迎える家庭も増えました。

そのため旧盆の3日間は、家族が日ごろからいただいているお食事やご馳走を、その都度御仏前にも供えるスタイルも定着しつつあります。

 

まとめ:沖縄旧盆のジューバク(重箱)は慶事用です


沖縄のジューバク(重箱)料理は慶事用と弔事用があり、弔事用では決まり事も多いですが、旧盆はご先祖様を迎えてもてなすため「お祝い事」、慶事として準備します。

また沖縄の旧盆は親族が訪問する家も多いため、現代の子ども達がウサンデー(お供え物を下げていただくこと)しやすい、現代的なおかずを詰めるジューバク(重箱)も増えました。

例えば最近では、ゴボウの煮付けがゴボウの肉巻き「グンボーマチ」で代用するなどです。
運動会の行楽弁当のように、エビフライなどが並ぶ沖縄のジューバク(重箱)もあります。

また沖縄の旧盆はオードブルを用意することが多く、ジューバク(重箱)はお仏壇に供える料理として分ける家も多いです。
それでも量を少なく作るだけで、みんなでウサンデーをするでしょう。

供えるお菓子も現代風になるなど、今の暮らしに合わせて変わりつつある沖縄の旧盆ですが、形は新しくなっても、故人の魂やご先祖様を供養する習慣は根強く残っています。

まとめ

沖縄のジューバク(重箱)料理の作り方
①豚三枚肉の煮付け
・下茹で
・調味料と煮詰める

②昆布の煮しめ
・昆布を下準備
・調味料と煮詰める

③魚の天ぷら
・魚は切り揃える
・衣を用意する
・衣を通して揚げる

④ゴボウの煮付け
・皮を剥く
・均等の長さに揃える
・下茹でをする
・改めて煮詰める
※他の野菜と一緒に下茹でしない

⑤コンニャクの煮付け
・コンニャクを返す
・軽く茹でてアク抜き
・改めて煮付ける

 

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