2026年のシーミー(清明祭)は、4月5日(日)から4月19日(日)です。
「お墓の前で何をすればいいか分からない…」
「変なことして、親戚に失礼にならないかな?」
初めてシーミー(清明祭)に参加する方なら、そんな不安を感じるのは当然のことですよね。
でも大丈夫。流れを知っておけば、自然に動けます!
本記事では、当日の流れ・マナー・手土産・役割分担など、参加する側として知っておきたいことを現場スタッフが分かりやすくお伝えします。どうぞ最後までお読みください。
※供養を通じて多くのご家族に寄り添ってきた「供養ギャラリー」の視点から、沖縄の大切な行事文化をお届けします。
シーミー(清明祭)ってどんなお祭り?

◇シーミー(清明祭)は、毎年4月頃に訪れる二十四節気「清明(せいめい)」の時期に行われる、沖縄のお墓参り行事です。
父方の血族「門中(むんちゅう)」が一堂に集まり、重箱料理を持ち寄ってご先祖様のお墓へ向かう——その光景は、本州のお墓参りとはずいぶん異なります。
名前に「祭」とあるように、シーミー(清明祭)はお祝いの意味合いを持つ、明るく賑やかな行事です。
お墓参りなのに「慶事」の理由
◇シーミー(清明祭)は、沖縄では「慶事」として位置づけられています。
本州のお墓参りといえば、しめやかに手を合わせる印象がありますよね。
ところがシーミー(清明祭)は違います。
沖縄では、ご先祖様は亡くなった後も家族を見守る守護神として、身近な存在であり続けます。
シーミー(清明祭)はそのご先祖様をお迎えして、「子孫みんなこんなに元気に集まっていますよ」とご報告し、ともにお祝いをする場なのです。
●お供えする重箱料理にも、慶事ならではの決まりがあります。
…紅白かまぼこ・色もち・結び昆布など、お祝い用の食材を使うのが基本です。
本州の法要のような精進料理ではなく、豚の三枚肉の煮付けや魚の天ぷらなど、沖縄のご馳走料理をそのまま供えます。
「お墓の前でこんなにご馳走を並べていいの?」と初めて参加した方が驚くのも、無理はありません。
でもそれこそが、ご先祖様への最高のおもてなしなのです。
[沖縄のお供え物「重箱料理」の慶事と弔事]
・沖縄の旧盆で供える重箱料理とは?慶事と弔事の違い・詰め方・意味を徹底解説
ウサンデーがシーミーの醍醐味
◇シーミー(清明祭)の拝みを終えた後に行われる「ウサンデー」が、この行事の最大の醍醐味です。
…シーミー(清明祭)で行う「ウサンデー」は、墓前にゴザやビニールシートを広げて、お供えしたご馳走を皆で取り分けていただくことです。
「お供え物を下ろす」という意味合いがあり、ご先祖様とともに食卓を囲むという考え方が込められています。
久しぶりに顔を合わせる親族と、春の陽気の中で賑やかに食事をする。
——その光景はまさに「お祭り」そのものです。
●近年では、重箱料理を取り分けるだけでなく、仕出し弁当やオードブルを手配する家庭も増えています。
…霊園など墓前のスペースが限られる場合には、近くの広場や施設に移動してウサンデーを行うケースもあるでしょう。
どんな形であっても、ご先祖様を思いながら親族で囲む食卓は、シーミー(清明祭)ならではの時間です。
喪中はシーミーを控える理由
◇シーミー(清明祭)はお祝い行事であるため、身内に不幸があった喪中の家庭では控えるのが基本の考え方です。
…お正月に年賀状を出さない、結婚式に参列しない——それと同じ感覚です。
ただし、「お墓に一切行ってはいけない」ということではありません。
お墓の掃除や家族のみでのお参りは問題ないとされています。
喪中であっても、できる範囲でご先祖様への気持ちを伝えることが大切です。
●喪中の家庭は、旧暦1月16日に行う「ジュールクニチー(十六日)」のお墓参りへ向かうことが多いです。
…ジュールクニチー(十六日)は「あの世の正月」とも呼ばれ、弔事として行われるお墓参り行事です。喪中でもお参りできます。
喪明け後に初めて迎えるシーミー(清明祭)は「ハチシーミー(初清明祭)」と呼ばれ、久しぶりに親族が明るく集まる特別な機会となります。詳しくは後ほど、解説します。
[沖縄の忌中・喪中の違いとは]
・忌中・忌明けとは?喪中との違いや忌中にやってはいけないこと、忌明けにすることを解説
当日どう動けばいい?シーミー(清明祭)の流れを参加者目線で解説

◇シーミー(清明祭)の当日は、家長やムートゥーヤー(本家)を中心に進みます。
参加する側は、流れを把握した上で家長の動きに合わせて自然に動けるようにしておきましょう。
全てを完璧に覚える必要はありません。家長やおばぁの動きをよく見て、周囲に合わせながら進めていけば大丈夫です。
お墓掃除をして、場を整える
◇お墓に到着したら、まず皆でお墓の掃除から始めます。
…草むしりや墓石の汚れを落とすなど、当日の最初の仕事はお墓をきれいに整えることです。
●昔は午前中に門中(むんちゅう・父方の血族)の男性がお墓掃除をしていましたが、近年ではみんなで掃除をする家も増えました。
掃除道具はムートゥーヤー(本家)が準備していることが多いですが、不安な場合は事前に確認しておくと安心です。
[沖縄のお墓の特徴に合わせた、お墓掃除のポイントや注意点]
・2026年版|沖縄の墓掃除でやってはいけないNG例と正しい洗い方【シーミー前対策】
墓前への拝みの前に、ヒジャイガミへ
◇ヒジャイガミ(左の神)とは、お墓を守る土地神様です。
…掃除が終わったら、最初に向かうのが「ヒジャイガミ(左の神)」への拝みです。
お墓に向かって右側(お墓の左側)に鎮座されており、シーミー(清明祭)では必ず最初にヒジャイガミへご挨拶をしてから、墓前へと進みます。
●参加する側は、家長がグイス(拝み言葉)を唱えている間、後ろで手を合わせて黙祷しましょう。
…基本的に宗家(本家)で進めてくれるでしょう。
宗家(本家)の家長が供えるお線香は、沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」がタヒラ(2枚)、日本線香12本分ですが、参加者が供えるお線香はヒラウコーを縦半分に割った半ヒラ、日本線香3本分です。
<ヒジャイガミへのお供え物>
●ヒジャイガミへのお供え物
・お酒
・シルカビ(白紙)
・重箱カタシー
(おかず重1箱・もち重1箱)
●ヒジャイガミへのお線香
・家長…ヒラウコー(平御香)タヒラ
(2枚=日本線香12本分)
・その他の参加者…ヒラウコー(平御香)半ヒラ
(半分=日本線香3本文)
ヒジャイガミへの拝みを終えたら、アルミボウルに水を張った「カビバーチ(火鉢)」でシルカビを焚き、最後にお酒をかけて鎮火です。
続いて墓前へと進みます。
※シルカビとは「神様への税金」と呼ばれる御願道具です。習字の半紙を3枚連ねて、手で四つに千切った後、さらに半分に折って作ります。
[シルカビの作り方など、より詳しく]
・沖縄の旧盆で焚く「ウチカビ」とは?いつ焚くの?沖縄線香ヒラウコーやシルカビも解説!
墓前での御願の進め方
◇ヒジャイガミへの拝みを終えたら、いよいよ墓前でのウグァン(御願)です。
…まず持ち寄ったお供え物を墓前に整えます。
<墓前へのお供え物>
●重箱料理チュクン
(おかず重2箱・もち重2箱)
・ナイムン(果物)
・ムイグァーシ(お菓子の盛り合わせ)
・供え花
・ウミキ(お酒)
・ミジティー(お水)
●お供え物(重箱)の上に、ウチカビ(打ち紙)を乗せる
・家長…5枚
・その他の参加者…1人につき3枚
お供え物が整ったら、家長を中心に墓前での御願が始まります。
参加する側は家長の後ろで手を合わせ、黙祷しながら見守りましょう。
お線香を供える
家長のグイス(拝み言葉)が終わったら、続いて参加者が順番にヒラウコー(平線香)を供えていきます。
<ヒラウコー(平線香)の基本の本数>
・家長…タヒラ(2枚=日本線香12本)
・その他の参加者…半ヒラ(日本線香3本)
ヒラウコーは溝に沿って半分に割って「半ヒラ」にして使います。焦らず、家長の動きに合わせて順番に供えていけば、問題はありません。
ウチカビを焚く
◇墓前での御願が終わったら、ウチカビ(打ち紙)を焚きます。
…このウチカビを焚くことを「カビアンジ(紙焙り)」と言います。
ウチカビとは、ご先祖様へ届けるあの世のお金です。
カビバーチ(火鉢=アルミボール)の中でウチカビを燃やして、煙としてご先祖様へ届けましょう!
<ウチカビの基本の枚数>
・家長…5枚
・その他の参加者…3枚
ウチカビは家長から順番に焚いていきます。
燃え尽きたらお酒をかけて火を消しましょう。一人ひとりがお酒をかける風習の地域もあります。
ウチカビは沖縄のスーパーで販売しています。宗家(本家)が準備しているかと思いますが、カビバーチ(火鉢)も、沖縄のホームセンターでは販売しているので、必要な方は探してみてください。
(アルミボウルの底に金網を敷き、水を張るだけなので、自作も簡単です!)
[ウチカビの焚き方など、より詳しく]
・沖縄の旧盆で焚く「ウチカビ」とは?いつ焚くの?沖縄線香ヒラウコーやシルカビも解説!
手土産は必要?何を準備すればいい?参加する側の持ち物と事前準備

「何を持っていけばいいか分からない」
…というのが、初めてシーミー(清明祭)に参加する方の一番の不安のひとつではないでしょうか。
基本的な持ち物と、手土産・役割分担の考え方を事前に把握しておけば、当日慌てることなく臨めます。
参加する側が用意するもの
参加する側として、最低限準備しておきたいものがあります。
●ヒラウコー(平線香)
…参加者は半ヒラ(日本線香3本分)を供えます。
沖縄のスーパーやホームセンターで100円前後から購入できます。
●ウチカビ(打ち紙)
…参加者は3枚が基本です。
ヒラウコーと同様、沖縄のスーパーで手軽に購入できます。
●カビバーチ(アルミボール)
…ウチカビを焚くためのアルミボールです。
ムートゥーヤー(本家)が準備していることがほとんどですが、事前に確認しておくと安心です。
●動きやすい服装・運動靴
…沖縄のお墓は辺境地や山中に位置するものも多く、足元が悪い場合があります。
ヒールや革靴は避け、動きやすい服装で参加しましょう。
●虫除けスプレー・タオル・ウェットティッシュ
…春先とはいえ、草むらでの作業もあります。
虫除けスプレーやタオルがあると重宝します。
シーミー(清明祭)はお祝い行事ですので、服装は黒で統一する必要はありません。清潔感があれば、普段着で問題ありません。
[沖縄ならではのお墓参りの持ち物や注意点]
・沖縄のお墓参りはいつ行く?三大行事・持ち物・お線香の本数をわかりやすく解説【2026年版】
手土産の相場と選び方
◇シーミー(清明祭)に参加する際、手土産を持参すると丁寧です。
特に決まりはありませんが、目安として1,000円~3,000円程度のお菓子や果物が一般的でしょう。
<手土産の選び方>
・個包装のお菓子
…皆で分けやすく、お供え物としてもそのまま使えます。
・果物の盛り合わせ
…お供え物としてそのまま飾れるので喜ばれます。
・泡盛・ビールなど
…ウサンデーで皆で楽しめます。
シーミー(清明祭)はお祝い事ですので、弔事を連想させる品(白黒の包みなど)は避けてください。
のし紙は不要ですが、紙袋に入れて持参すると丁寧な印象になります。
迷ったら「何か持っていくものはありますか?」と事前にムートゥーヤー(本家)へ一言確認するのが一番です。
その一声だけで、周囲への印象がぐっと良くなります。
[沖縄で選ぶ手土産・お中元について詳しく]
・2025年お中元のトレンドやおすすめは?沖縄でお中元にふさわしい品選びのポイント!
役割分担は事前に宗家へ確認
◇シーミー(清明祭)の準備は、ムートゥーヤー(本家・宗家)が中心となって取りまとめるのが一般的です。
…参加する側は「何か準備するものはありますか?」と事前に確認した上で、役割分担に応じて準備を進めましょう。
近年では、門中や家族で事前に役割を決めておくスタイルが増えています。
<役割分担の例>
・宗家(ムートゥーヤー=本家)…重箱チュクン・お供え物一式
・分家A…オードブルの手配
・分家B…果物・お菓子の盛り合わせ
・分家C…飲み物
(泡盛・ジュースなど)
・遠方の親族…お供え物を事前に送る
「うちはお菓子担当ね」と気軽に決められるような、風通しの良い関係づくりも、シーミーを長く続けていく上で大切なことかもしれません。
重なって困るのは特にオードブルやお菓子です。事前の一声で当日がぐっとスムーズになります。
【スタッフのマメ知識】
必ず必要と言う訳ではありませんが、どうしても当日参加が難しいけれど、
「沖縄一大お墓参り行事で、参加できないなんて申し訳ない!」
…と感じる場合には、お供え物を事前にムートゥーヤー(宗家)へ送っておくと気持ちが伝わるでしょう。
「当日は参加できませんが、皆さんでどうぞ」
…と一言メッセージを添えると、より丁寧な印象になりますよ。
スーパーで揃う!シーミーの準備品
「シーミーの準備品ってどこで買えばいいの?」
…という初参加の方からのご質問をよくいただきます。
基本的に沖縄では、ヒラウコー(平線香)もウチカビ(打ち紙)も、沖縄のスーパーやホームセンターで手軽に購入できます。
どちらも100円前後から販売されていますので、シーミーの時期が近づいたら事前にチェックしておきましょう。
●またシーミー(清明祭)の時期になると、沖縄のスーパーでは重箱料理の御馳走「ウサンミ(御三味)」の予約販売コーナーや、お供え物セットが並ぶようになります。
「手作りが難しい」という方も、スーパーで一式揃えることができるでしょう。
【スタッフのマメ知識】
ちなみに、初めてシーミー(清明祭)に参加する方々へ、私が現場でよくおすすめしているのが、個包装のお菓子を手土産にすることです。
・お供え物としてそのまま使える!
・ウサンデーでも皆で分けやすい!
・こどもが喜ぶ!
・持ち帰っても日持ちがする!
門中の参加者が多く集まり、手土産を持ち寄るなかで、賞味期限も長いものが多いので、急いで食べる必要がありません。
初参加の方には特に使い勝手の良い手土産ですので、ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
沖縄のお墓参り文化を知るとシーミーがもっと分かる

「なぜ沖縄ではシーミーの時期以外に、あまりお墓参りに行かないの?」
本州出身の方や、移住してきた方からよくいただく疑問のひとつです。
シーミー(清明祭)をより深く理解するために、沖縄のお墓参り文化の背景を少し知っておきましょう。
沖縄の年中行事としてのお墓参りの全体像
◇沖縄には、年中行事として決まったお墓参りの機会があります。
主なものは以下の3つです。
<沖縄の主なお墓参り行事>
①ジュールクニチー(十六日)
…旧暦1月16日。
「あの世の正月」とも呼ばれる弔事のお墓参り行事。
離島地域では最大のお墓参り行事として定着しています。
②シーミー(清明祭)
…毎年4月頃。
慶事として門中が集まって行う最大のお墓参り行事。
沖縄本島では特に盛んです。
③タナバタ(旧暦7月7日)
…旧暦7月7日。
旧暦7月13日に訪れる旧盆のご案内として、家族のみでお墓参りに行く行事です。
家族単位でのお墓参りが一般的です。
ジュールクニチー(十六日)は、離島ではシーミー(清明祭)に代わるお墓参り行事ですよね。
沖縄本島に移住した離島地域の人々は、旧暦1月16日になると三重城にある遥拝所で、故郷の島へ向かってジュールクニチー(十六日)を行います。その代わり、シーミー(清明祭)は行わない家が多いでしょう。
一方で、本島地域では喪中のお墓参り「ミージュールクニチー(新十六日)」として行われることが多いです。
シーミー(清明祭)はお祝い事(慶事)なので、喪中は控えますよね。その代わりとしてミージュールクニチー(新十六日)に参る、という考え方です。
[沖縄のミージュールクニチー(新十六日)]
・【2026年版】沖縄の「ミージュールクニチー(新十六日祭)」とは?行う家・日にち・拝み方
沖縄のお彼岸はお墓参りはしない
◇沖縄のお彼岸は仏前供養、そしてヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行います。
…本州では春と秋のお彼岸にもお墓参りをするのが一般的ですよね。
沖縄のお彼岸は、お仏壇へお供え物をして供養する、家族単位の仏前供養、そして、屋敷に鎮座される6柱の神々様へ感謝を捧げる「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」がメインです。
春のお彼岸の直後にシーミー(清明祭)が控えているため、自然な役割分担が生まれてきたのかもしれません。
●なお秋のお彼岸については、家族のみでお墓参りに行く家や地域も一部あります。
春のお彼岸と違い、直後に大きなお墓参り行事が控えていないことも関係しているのかもしれませんね。
[沖縄のお彼岸について、より詳しく]
・【2026年版】沖縄で行う春のお彼岸(二月彼岸)はいつ?どこで行う?お墓参りはしない?
普段はお仏壇のトートーメーに拝む理由
◇沖縄では、ご位牌を中心に仏壇が整えられるように、独自の信仰「先祖崇拝」が根付いています。
本州では仏教宗派によって違う大日如来様などの「ご本尊」を中心に、ご位牌が脇に祀られますよね。
対して沖縄では、「トートーメー」と呼ばれるご位牌を中心に祀ります。
●「トートーメー」とは、沖縄の先祖代々位牌のことです。
…「尊い君」という意味を持ち、父方の血族代々の位牌が祀られています。
このトートーメーこそが沖縄の「先祖崇拝」信仰の中心にあり、引き継いだムートゥーヤー(宗家=本家)は、とても大切に扱ってきました。
●そして、沖縄ではお墓と仏壇が繋がっているとされています。
そのためわざわざお墓まで足を運ばなくても、お仏壇のトートーメーへ拝むことでご先祖様へ気持ちが届くと考えられてきました。
なぜ沖縄ではシーミー以外にお墓参りに行かないのか
沖縄では「あまり頻繁にお墓参りに行かない方がよい」とされてきた背景があります。
【沖縄で気軽にお墓参りに行かない理由】
①沖縄のお墓の立地
…沖縄のお墓は辺境地や山中、個人所有の土地に建つことが多く、管理者がいる霊園とは異なり、気軽に立ち寄れる場所にないケースが少なくありません。
②沖縄の「風葬」の歴史
…かつて沖縄では、故人が亡くなってから数年後に遺骨を洗い清める「洗骨(シンクツ=せんこつ)」という儀礼が行われてきました。
その歴史的な背景から、お墓は日常的に立ち寄る場所というよりも、特別な行事の時に一族で向かう神聖な場所として位置づけられてきたのです。
だからこそ、シーミー(清明祭)のような年中行事に一族みんなで参加することが、ご先祖様への大切な供養の機会として受け継がれてきました。
頻繁に行かない分、シーミー(清明祭)の一日を丁寧に、心を込めて過ごすことが何より大切なのかもしれません。
【スタッフのマメ知識】
●七代過ぎると「カミ(神)になる」という沖縄の祖霊信仰
沖縄の供養の現場にいると、本州とは根本的に異なる「死生観」を感じることがあります。
沖縄では仏教よりも先祖崇拝が信仰の基盤にあります。
故人は亡くなった後もご先祖様として家族を見守り続け、七代を経ると「カミ(神)」になると信じられてきました。
これがカミウシーミー(神御清明祭)と通常のシーミー(清明祭)が分かれている理由のひとつです。
現在使われているお墓をお参りする「シーミー(清明祭)」はもちろんですが、
古いお墓も残し、七代以上さかのぼる古いご先祖様を「カミウシーミー(神御清明祭)」でお参りする家も多くあったのです。
けれども辺境地にある古いお墓「トーシー墓・アジシー墓(按司墓)」も古くなり、お墓参り自体が困難になる、高齢では危険な墓所が目立つようになりました。
また現代では、カミウシーミー(神御清明祭)とシーミー(清明祭)の両方を行うことも難しい家も多いですよね。
そのため現代では古いアジシー墓(按司墓)を墓じまいして、墓所を整理するケースも増えています。
これだけ知っておけば安心!喪中・初参加の方のよくある不安

◇シーミー(清明祭)に初めて参加する方や、喪中でどう過ごせばよいか迷っている方から、よくご相談をいただきます。
「変なことをしてしまわないか」
「喪中でもお墓参りに行っていいの?」
そんな不安をここで解消しておきましょう。
喪中・忌中のとき、シーミーに参加できる?
◇自分が喪中・忌中の場合、シーミー(清明祭)に参加していいのか迷う方も多いですよね。
家族が喪中でシーミー(清明祭)を控え、ジュールクニチー(十六日)に家族のみでお参りする流れは分かりましたが、「自分が喪中だったら参加する?」と迷う方もいるでしょう。
基本的な考え方を整理しましょう。
【忌中の場合|四十九日まで】
●忌中(四十九日まで)は参加を避けた方が無難です。
…沖縄では、忌中の間は「霊を引っ張りやすい」「持ち帰りやすい」とされることがあります。
お祝いの場であるシーミー(清明祭)に忌中の方が参加することで、他の参加者への影響を気にする家庭もあるかもしれません。
【喪中の場合|四十九日~一年忌まで】
●喪中(四十九日〜一年忌ごろ)については、参加できる場合もあります。
…ただし家庭や門中によって考え方が異なりますので、まずはムートゥーヤー(本家)に相談するのが一番です。
参加が難しい場合には、お供え物を事前に送っておくと気持ちが伝わります。
「今年は事情があり参加できませんが、皆さんでどうぞ」
…と一言添えるだけで十分です。
<忌中・喪中の場合の対処>
①まずムートゥーヤー(本家)に相談する
②忌中は参加を避けた方が無難
③喪中は相談の上で判断する
④参加できない場合はお供え物を事前に送る
迷ったときはひとりで判断せず、ムートゥーヤーへの一言相談が何より大切です。
喪明け後の初めてのシーミー「ハチシーミー」
◇喪が明けてから初めて迎えるシーミー(清明祭)を「ハチシーミー(初清明祭)」と呼びます。
喪が明けるタイミングは、一年忌(イヌイ)後とする家庭が最も多いですが、三年忌(サンニンチ)後とする家庭もあります。
どちらも間違いではありませんので、家族・親族と相談して決めましょう。
●ハチシーミー(初清明祭)では、通常のシーミー(清明祭)と同じように慶事用の重箱料理ウサンミ(御三味)を準備します。
…一連の法要が続いた後に迎えるお祝いの場として、久しぶりに親族が明るく集まる特別な機会です。
「今までの法要は悲しみの中で行っていたけれど、ハチシーミーでは故人と楽しく話せた気がした」
そんな声を現場でよく耳にします。
喪明けの最初のシーミー(清明祭)は、ご先祖様とともに新たな一歩を踏み出す、温かな節目の日でもあるのです。
初めて嫁いだ先・初参加で緊張している方へ
◇初めてシーミー(清明祭)に参加する方、特にお嫁に来た先での初めてのシーミーは、緊張するものですよね。
…シーミー(清明祭)は重苦しい法事とは違い、どちらかといえば明るく賑やかな雰囲気の中で進みます。
ウサンデーが始まる頃には、自然と緊張もほぐれていることがほとんどです。
初参加の方がまず覚えておきたいのは、この5つだけです。
<初参加の心得>
①家長・おばぁの動きをよく見て合わせる
②「何かお手伝いできることはありますか?」と一声かける
③ヒラウコー半ヒラ・ウチカビ3枚を準備する
④手土産を持参すると印象が良い
⑤分からないことは素直に聞く
「全部完璧にやらなきゃ」と思う必要はありません。
ご先祖様への感謝の気持ちを持って臨むことが、何より大切です。
【お客様の声】
「初めて参加した時の正直な感想」
本州から沖縄に移住して、初めてパートナーの家のシーミー(清明祭)に参加した時のことは今でも覚えています。
お墓の前に大きな重箱料理が並んで、親族がわいわいと集まって——「え、これがお墓参り?」と正直驚きました。
でも義母から「ご先祖様も一緒に楽しむんだよ」と教えてもらって、なんて温かい文化なんだろうと感動しました。
最初は手伝えることが分からなくて戸惑いましたが、「何かすることありますか?」と聞いたら、すぐに輪に入れてもらえました。
今では毎年シーミーが楽しみで、ウサンデーで久しぶりに会う親族との時間が一番好きです。難しく考えなくて大丈夫!ぜひ楽しんで参加してください。
2026年のシーミー(清明祭)はいつ?

◇2026年のシーミー(清明祭)は、4月5日(日)から4月19日(日)です。
参加する側としては、ムートゥーヤー(本家)や家長から日程の連絡を受けてから動くことがほとんどですが、時期を把握しておくとスケジュール調整がスムーズです。
2026年の日程(4月5日〜19日)
◇シーミー(清明祭)は清明の期間内であれば、「この日でなければならない」という厳密な決まりはありません。
…家族・親族が集まりやすい日を選んで行うのが現代では一般的です。
<2026年シーミー(清明祭)の日程>
●清明の期間…4月5日(日)~4月19日(日)
・混雑しやすい日…4月5日・11日・12日・18日・19日
・比較的空いている日…平日・期間後半
清明の入り日(4月5日)に行うのが本来の風習です。
現代では集まりやすい土日に行う家庭が多いため、特に期間の最初と最後の土日は混雑しやすくなります。
霊園周辺や個人墓地が集まる地域では、シーミーの時期に深刻な駐車場不足や渋滞が発生することがあります。
混雑を避けるなら、平日や期間後半がおすすめです。
カミウシーミーとシーミーの時期の分け方
カミウシーミー(神御清明祭)を行う家庭では、清明の時期をふたつに分けてお参りします。
●カミウシーミー(神御清明祭)
…清明の前半・初候にあたる4月5日(日)〜4月9日(木)頃に行うことが多いです。
七代以上さかのぼる古いご先祖様が眠るお墓をお参りします。
ムートゥーヤー(本家)の家族のみで行うため、参加する側が関わるのは基本的にシーミーからです。
●シーミー(清明祭)
…カミウシーミーを終えてから、後半の4月10日(金)〜4月19日(日)の間に行うことが一般的です。
門中の親族が集まってお参りします。
カミウシーミーを行うかどうかは家庭によって異なります。
参加する側は事前にムートゥーヤーへ確認しておくと安心です。
<2026年シーミーの時期まとめ>
・カミウシーミー…4月5日(日)~4月9日(木)頃
・シーミー(清明祭)…4月10日(金)~4月19日(日)頃
・清明の期間全体…4月5日(日)~4月19日(日)
まとめ|2026年シーミー(清明祭)不安なく、温かく楽しもう

初めてのシーミー(清明祭)は、分からないことも多く緊張するものです。
でも流れと基本の作法を知っておけば、きっと温かく楽しい時間を過ごせます。
ご先祖様への感謝を伝えながら、久しぶりに集まった親族と賑やかにウサンデーを囲む——それがシーミー(清明祭)の醍醐味です。
難しく考えすぎず、その場の空気を楽しむ気持ちで参加してみてください。
●シーミー(清明祭)についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年のシーミー(清明祭)基本まとめ】
<シーミー(清明祭)とは>
●2026年の期間:4月5日(日)~4月19日(日)
・二十四節気「清明」の時期に行うお墓参り行事
・慶事(お祝い行事)として位置づけられている
・門中(父方血族)が集まって行う
<当日の流れ>
①お墓の掃除
②ヒジャイガミへの拝み
③墓前へのお供え
④墓前での御願
⑤ヒラウコーを供える
⑥ウチカビを焚く(カビアンジ)
⑦ウサンデー(共食)
<当日の持ち物>
・ヒラウコー(平線香)
・ウチカビ(打ち紙)3枚
・カビバーチ(アルミボール)
※宗家に確認
・手土産
(1,000円〜3,000円程度のお菓子・果物など)
・動きやすい服装・運動靴
・虫除けスプレー
・タオル
・ウェットティッシュ
<初参加の心得>
①家長・おばぁの動きをよく見て合わせる
②「何かお手伝いできることはありますか?」と一声かける
③ヒラウコー半ヒラ・ウチカビ3枚を準備する
④手土産を持参すると印象が良い
⑤分からないことは素直に聞く
<忌中・喪中の場合>
・忌中は参加を避けた方が無難
・喪中はムートゥーヤーに相談の上で判断
・参加できない場合はお供え物を事前に送る
※供養を通じて多くのご家族に寄り添ってきた「供養ギャラリー」の視点から、沖縄の大切な行事文化をお届けします。
【執筆・監修:供養の知恵袋編集長】
株式会社琉球メモリアルパーク 企画担当 仲間 仁史

執筆・監修:供養の知恵袋編集長
2021年11月入社。
仏壇販売、商品仕入れの他、IT企業に務めていた前職の経験を活かして当社Webサイト等の運営も担当。
お客様やお取引先から学んできた知識や経験を発信いたします。
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