【定年後の沖縄暮らし】老後2000万円問題に勝つ!からくりと50代から5つの対策

2022.08.05
【定年後の沖縄暮らし】老後2000万円問題に勝つ!からくりと50代から5つの対策

沖縄でも注目される老後2000万円問題ですが、情報に振り回されないためには、漠然と不安を感じるのではなく、その根拠と仕組みを理解して、冷静に適切な対策を取ることです。今回は、老後2000万円問題と、50代からできる対策を5つお伝えします。

沖縄でも注目される老後2000万円問題ですが、情報に振り回されないためには、漠然と不安を感じるのではなく、その根拠と仕組みを理解して、冷静に適切な対策を取ることです。

老後2000万円問題」とは、現代日本のシニア夫婦世帯では、老後に備えて私的資金(貯蓄)2000万円が必要、と言うものでした。(シングル世帯では1300万円とされます。)

そもそも沖縄で不安視される老後2000万円問題の根拠は、平成29年(2017年)に総務省が調査した「家計調査報告書」によるデータですので、このデータを紐解くと良いでしょう。

今回は、沖縄で注目される老後2000万円問題について、その根拠を詳しくお伝えするとともに、50代からできる対策をいくつかお伝えします。

沖縄で注目される「老後2000万円問題」の根拠

沖縄で注目される「老後2000万円問題」の根拠
沖縄ではしばしば、老後2000万円問題に対する不安の声や相談を耳にします。

また最近では、この問題が取り沙汰された2019年から3年が経ち、沖縄では「老後2000万円問題ってどうなったの?」「なくなったらしい!」などの声もありますよね。

ただし、令和元年(2019年)に金融庁が発表した内容のなかで、「無職の高齢夫婦世帯が年金だけで暮らすと、30年後には2000万円の赤字になる」と言う内容だけが、「老後2000万円問題」として衝撃的にひとり歩きしただけです。

その根拠となった数字は、平成29年(2017年)に総務省が調査をした家計調査から来るもので、あくまでも全国的な平均値であることを、常に意識しなければなりません。

「老後に2000万円の貯蓄」の根拠

それでは総務省が2017年度に調査をした「家計調査報告」によると、無職の高齢夫婦世帯での生活費の平均的な数字は、どのようになっていたのでしょうか。

ちなみに現代では「高齢夫婦世帯」は夫婦共々65歳以上を差しますが、2017年当時は夫が65歳以上、妻が60歳以上の世帯でした。(年金受給年齢が60歳から65歳に引き上げられたため)

それでは、下記に無職の高齢夫婦世帯、2017年度の平均的な家計簿を出してみます。

<無職の高齢夫婦世帯、平均的な家計>

(1)収入
・年金収入…193,000円(2人分)
・その他…20,000円
●合計…213,000円/月

(2)支出
・住まい…15,000円
・光熱費…19,000円
・保険/医療費…15,000円
・娯楽費…26,000円
・食費…65,000円
・その他…98,000円
・税金…30,000円
●合計…268,000円

(3)差額…55,000円

 

※参考資料:家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)「II 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」より

以上、総務省が発表した2017年時点での家計調査報告では、毎月55,000円の赤字額が生じます。
そこで定年退職後に無職の夫婦30年間生きた場合を想定して算出した数字が、「2000万円」だったのです。

<月々55,000円の赤字額から算出>
・月々55,000円×12カ月=66万円/年間
・(30年間生きたとして)66万円×30年=1,980万円

…このような計算で、定年退職後も無職のまま、年金のみで暮らした高齢夫婦世帯は、30年後に1,980万円の赤字額が生じると算出された訳です。

老後1300万円問題は知ってる?

ちなみにこの時沖縄では「老後2000万円問題」ばかりが注目されましたが、同時に「老後1300万円問題」もありました。

これは定年退職後も無職の単身高齢者が、年金のみで30年間暮らした時の、平均的な赤字額です。
ただしこの数字も平成29年(2017年)の家計調査報告を元に出しています。

<無職の単身高齢者世帯、平均的な家計>

(1)収入
・年金収入…111,000円
・その他…9,000円
●合計…120,000円/月

(2)支出
・住まい…12,000円
・光熱費…13,000円
・保険/医療費…8,000円
・娯楽費…17,000円
・食費…36,000円
・その他…58,000円
・税金…12,000円
●合計…156,000円

(3)差額…36,000円

 

※参考資料:家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)「Ⅲ 総世帯及び単身世帯の家計収支」より

ちなみに収入における「その他」項目では、高齢夫婦・単身世帯共に太陽光発電などの収入事例がありました。

また支出においてはサラリーマン時代には天引きされて意識していなかった、税金や社会保険料の支払いの多さに戸惑う相談は多いです。

<月々36,000円の赤字額から算出>
・月々36,000円×12カ月=432,000円/年間
・(30年間生きたとして)432,000円×30年=1,296万円

…このような計算から、高齢単身世帯では定年退職後に年金のみで30年間暮らした場合、約1,300万円の赤字が出ると算出されました。

ただ夫婦世帯であっても最後は夫婦いずれかが「おひとりさま世帯」になります。
そのため夫婦・単身で単純に分けて、30年間を掛けると言うのは、あくまでも大まかな数字です。

配偶者が亡くなった場合の収入や対策については、下記をご参照ください。
【沖縄のおひとりさま老後】女性はおひとりさま老後リスクが高いってホント?

 

老後2000万円問題はなくなった?

このように、2019年に金融庁が老後に向けて2000万円の貯蓄を必要とする、老後2000万円問題を発表して以降、沖縄でも老後に向けて2000万円問題対策を講じる人々が急増しました。

けれども近年では沖縄の終活現場でも「老後200万円問題はなくなった」「むしろ黒字に好転している」などの声が聞こえます。

ではなぜ、近年になって沖縄で「老後2000万円問題がなくなった」とされるのでしょうか。
これは老後2000万円問題の根拠となる、総務省による家計調査の数字がコロナ禍を経て大幅に変化したためです。

※参考資料:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」より

2017年~2020年の変遷

…2019年に沖縄でも注目された老後2000万円問題の元データは、総務省による2017年度家計調査でした。

それでは2017年度以降の総務省家計調査の数字を2020年度まで追いかけてみましょう。
老後2000万円問題の元データである「高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上/妻60歳以上)」を対象に出します。

<月々の平均的な赤字額>
(1)平成29年(2017年)…月々約55,000円→30年で約2,000万円
(2)平成30年(2018年)…月々約40,000円→30年で約1,500万円
(3)令和元年(2019年)…月々約30,000円→30年で約1,200万円
(4)令和2年(2020年)…月々約1,500円→30年で約55万円

 

※参考資料:総務省「65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)」平成29年度(2017年)~令和2年(2020年)より

このように月々の赤字額が大幅に減額したため、結果的に沖縄では「老後2000万円問題は消えた!」と言われるようになりました。

老後2000万円問題の本質

ただ沖縄では「老後2000万円問題」と言う衝撃的な文言に振り回され、不安を覚えたり、ホッとする様子も見受けますが、実際には「誰もが老後に2000万円を貯蓄しなければならない」ことなどあり得ません。

<沖縄で老後2000万円問題に振り回されない>

●個々の家でそれぞれに家計があり、個々の家計に合わせた老後対策が不可欠だからです。
→実際に60歳以上の高齢単身世帯では、当時から「老後資金が1300万円必要」とされていましたよね。

沖縄でも話題になった「老後2000万円問題」は、あくまでも今現在、全国で平均的な家計で暮らした、定年後の平均的な夫婦(夫が会社員、妻が専業主婦)が、定年後も働かずに30年間を暮らしたデータを元にしています。

沖縄で老後2000万円対策をするポイント

沖縄で老後2000万円対策をするポイント
ではなぜ、今も沖縄では「老後2000万円対策」を進める人が多いのでしょうか。

今、老後資金対策を進める沖縄の人々の視点は、老後2000万円問題の「2000万円」の数字ではなく、2017年度時点で出た毎月の赤字「月々55,000円」の数字だからです。

<沖縄で老後2000万円問題に備える>
(1)現在の家計を見直す

(2)老後資金を構築する
・NISA(積み立てNISA)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)

(3)ねんきん定期便を見直す
(4)民間保険の見直し
(5)働き続ける準備をする

コロナ禍により助成金が増え、外出自粛による支出が激減したことで、家計調査報告の数字にも大きく影響が出ましたが、今後のアフターコロナ(AfterCOVID-19)・ウィズコロナ(WithCOVID-19)の時代に当たり、家計もどのように変遷するかは分かりません。

(1)現在の家計を見直す

まずは現在の家計を見直して、少しずつでも老後資金に蓄えることです。

沖縄では老後2000万円問題に備えるとして、現在の家計を見直す風潮がありますが、実際に定年退職を迎えた後のメリットは、そればかりではありません。

<現在の家計を見直すメリット>
・消費傾向を俯瞰して見ることができる
・少ない収入での生活に慣れる

子育てがひと段落すると、確かに支出も落ち着く傾向にありますが、現実的に一度増えてしまった生活費を抑えることは困難になりがちです。

再雇用を受けて働き続けたとしても、定年退職を迎えると収入は現役時代の70%と言われますので、そんな老後の暮らしにおける「身の丈」に合わせた暮らしになれることは、快適なシニアライフに繋がる、大きなメリットになります。

快適なシニアライフを送るヒントについては、下記をご参照ください。
【沖縄のおひとりさま老後】定年後の過ごし方☆イキイキおすすめ6つの生き方

 

(2)老後資金を構築する

現在の家計を見直して生活費を抑え、支出を少し小さくしたなら、出たお金は老後資金へ回しましょう。

1カ月生活をして残ったお金を貯蓄に回す方法は、往々にして娯楽にお金を費やしてしまいがちです。
そのため予め給料日の最初にお金の引き落としがされるよう、「老後資金」を貯めるシステムを構築してはいかがでしょうか。

<老後資金の構築>
●そこで今、最も一般的になっている老後資金の積み立て方法が、下記3点です。
・NISA(ニーサ)
・積み立てNISA
・iDeCo(個人型確定拠出年金)

NISA(ニーサ)は、国民の資産形成を応援する国の税制優遇制度なので、2020年のコロナ襲来により賛否両論を受けていますが、多くの商品のなかで最も初心者向けの資金を育てる投資信託と言えるでしょう。

iDecoは個人で作る年金で、特にフリーランスなど、会社員ではない人々に利用されています。

※NISA(ニーサ)やiDeCo(個人型確定拠出年金)については下記をご参照ください。
【沖縄の老後暮らし】老後資金を作る☆NISAとiDeCoどっちがいい?

 

(3)ねんきん定期便を見直す

沖縄で注目される老後2000万円問題は、あくまでも平均的な数字であることはお伝えしました。
そのため自分の老後資金を形成するには、個々の数字を算出しなければなりません。

特に公的年金の受給額は、今まで働いてきた年数などにより違いがあるので「ねんきん定期便」を正しく見て、将来的な年金額を算出しましょう。

※ねんきん定期便の見方については、下記をご参照ください。
【沖縄で老後資金計画】老後資金は「ねんきん定期便」から☆見込み額の見方

 

(4)民間保険の見直し

沖縄で老後2000万円問題への備えを進める人々のなかには、民間保険に複数加入している人も見受けます。

介護への備え」として民間保険に入りたくなる気持ちも分かりますが、社会保険のしくみを理解していないと、余計なものにお金を出してしまう可能性も出てくるでしょう。

介護保険の仕組みをまず理解して、その上で足りない資金を民間保険で補填する、と考えて進めてみてはいかがでしょうか。

介護保険の仕組みに関しては、別記事をご参照ください。
【沖縄の老後暮らし】介護保険でどこまでできる?仕組みと内容を解説!

 

(5)働き続ける準備をする

沖縄で老後2000万円に備えるに当たり「WPP」も広がったことはご存知でしょうか。

「WPP」とは、日本年金学会漢字である第一生命保険の谷内陽一氏が提唱した、定年後も働き続けて公的年金受給まで「中継ぎ」をする、老後資金計画です。

より長く働いて(Work longer)、私的資金を作り中継ぎをし(Private pension)、働けなくなったら公的年金へ切り替える(Public pension)として、頭文字を取り「WPP」と言われています。

定年退職後も何らかの形で働き続け、年金受給年齢を上げる「繰り下げ受給」を目指す人も多いでしょう。

 

最後に

以上が沖縄で相談の多い老後2000万円問題への備えです。

2019年に金融庁が発表した当初、沖縄では「老後2000万円の貯蓄が必要」と言う数字ばかりがひとり歩きして、漠然と不安を覚える人も多くいました。

けれども根拠を理解すると、(2022年現在では家計調査報告による月々の赤字額も減額されていますし)月々の赤字額をいかに軽減して、収入を増やすかを考えるようになるのではないでしょうか。

元データは無職の高齢夫婦世帯を対象としているので、最後にお伝えしたようにでき得る限り働き続ける、高齢になっても楽しく働く道筋を検討するのも対策のひとつです。

ただ沖縄でこの老後2000万円対策を講じるためには、まず老後の収支バランスを具体的な数字に出し、現役時代から補填するよう進めて行くと良いでしょう。

※老後の収支バランスの算出については、下記でも詳しくお伝えしています。
【沖縄のおひとりさま老後】女性はおひとりさま老後リスクが高いってホント?

 

まとめ

老後2000万円問題の根拠と対策

●老後2000万円問題とは
・金融庁が2019年に発表
・無職の高齢夫婦世帯で2000万円の貯蓄が必要
・無職の高齢単身世帯で1300万円の貯蓄が必要
・平成29年(2017年)家計調査報告を元に算出
・あくまでも平均的な数字である

●老後2000万円問題がなくなった?
・2017年以降、家計調査報告書の数字に変化
・2020年では2000万円→55万円になった
・ただしコロナ襲来による影響もある

●老後2000万円対策
・現在の家計を見直す
・老後資金を構築する
・ねんきん定期便を見直す
・民間保険の見直し
・働き続ける準備をする

※数字に振り回されない


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