・納骨堂にお参りに行くにはどうしたらいい?
・納骨堂でお参りするマナーとは?
・友人でも納骨堂にお参りはできる?
継承問題などそれぞれの事情から、近年はお墓を閉じる「墓じまい」が増えました。
そこで増えた供養の形が、屋内で遺骨を納める「納骨堂」です。
ずっとお墓参りに慣れていると、屋内の納骨堂でのお参りの仕方に戸惑いますよね。
本記事を読むことで、納骨堂ならではのお参り手順やマナー、持ち物や注意点が分かります。
納骨堂のお参りとは
◇「納骨堂」とは屋内のスペースに遺骨を収蔵し、保管する供養の形です
納骨堂は屋内に個別スペースを契約し、遺骨を納める新しい供養の形となります。
遺骨の納め方は従来のロッカー式や仏壇式の他、お参りに行くと個別の部屋に案内され、そこに収蔵した遺骨が機械式で出てくる「マンション型」など、さまざまです。
<納骨堂のお墓参りとは> ●納骨堂…屋内の遺骨収蔵スペース |
|
[納骨堂の種類] | [一般的なお参り] |
(1)ロッカー型 | ・ロッカースペース前 |
(2)仏壇型 | ・仏壇前 |
(3)マンション型 | ・個室へ案内 |
(4)位牌型 | ・位牌前 |
(5)室内墓所 | ・個室へ案内 ・お墓スペース |
ひと昔前まではロッカー式の納骨堂がほとんどで、その用途もお墓が建つまでの一時的な安置場所でした。
けれども沖縄で墓じまいが進むとともに、墓じまい後に亡くなった家族を供養するための形として、お墓同様に扱われるようになりました。
それに伴い、納骨堂も個別の法要スペースが設けられるなど、遺骨の供養が充分にできる施設へと変化しています。
・【沖縄の納骨堂】お墓を持たない「納骨堂」とは。メリットと5つの注意点
「墓じまい」や「永代供養」とは
◇納骨堂のお参りが注目される理由は、墓じまいや永代供養の増加です
沖縄で納骨堂のお参りが注目される理由は、お墓の継承者問題や、個人墓地による管理問題などがあります。
お墓の継承や維持管理が困難になり、お墓を閉じる「墓じまい」が増えました。
沖縄で納骨堂が注目されるのは、施設管理者が家族に代わり永代に渡って遺骨を供養する「永代供養」が付加されているからです。
<納骨堂のお参り:墓じまいと永代供養> | |
[墓じまい] | ●お墓を閉じる ・遺骨の取り出し ・お墓の撤去 ・墓地の返還 |
[永代供養] | ●管理者が遺骨を管理・供養する ・遺骨を個別に収蔵 ・遺骨を個別に管理・供養 ・一定年数後に合祀 ・遺骨を合同で管理・供養 |
若い世代が地元から離れて他県や世界へ飛び回るようになり、お墓の継承者問題はもちろんのこと、そもそも門中の人々が少なくなる悩みも増えています。
門中の人々が少なくなると、模合による収入が少なくなるため、経年劣化によるお墓の大幅な修繕などもできません。
沖縄のお墓はコンクリート墓も多いので、経年劣化によるひび割れや損傷が激しくなり、後々のお墓継承者の充てもないことから、墓じまいを決断する墓主も多いのです。
納骨堂でのお参りはいつ行く?
◇納骨堂のお参りは、開館時間ならいつでも行けます
納骨堂は基本的にいつでもお参りが可能です。
ただし開館時間があるので、開館時間内に行かなければなりません。
下記は平均的な納骨堂のお参り時間帯です。
<納骨堂のお参りはいつ行く?> | |
[時間] | ・約9時~18時 |
[お墓参りとの違い] | ・夕方以降のお参りも良い ・ついで参りも良い ・一人でのお参りも多い |
一般的にお墓参りは午前中が良いとされ、夕方以降のお参りは良くありません。
けれども納骨堂は開館時間内であれば、時間帯を気にせずお参りできます。
またお墓参りは仕事や用事の帰りに立ち寄る「ついで参り」を良いとしません。
けれども納骨堂は、むしろ一人で仕事帰りに立ち寄る人々も多いです。
納骨堂のお参りでの服装は?
◇納骨堂のお参りは、基本的に自由です
全国的な納骨堂のお参りでは、同じ納骨堂でも寺院が運営する場合、お参り前に本堂へご挨拶に伺うこともあります。
沖縄の納骨堂はお参り前に本堂へのご挨拶を必要としない形式が多いですが、本堂へご挨拶へ伺うならば、畏まったおお出掛け着となる「平服」が良いでしょう。
<納骨堂のお参りの服装は?> | |
[推奨する服装] | ・落ち着いた色合い ・清潔感のある服装 ・畏まったお出掛け着 |
[避けたい服装] | ・華美な服装 ・露出が多い ・カジュアル過ぎる ・強い香水 ・高いヒール |
葬儀や法要の喪服のように整える必要はありませんが、恋人の家へ初めて伺う時のような、ちょっとした畏まった清潔感のあるお出掛け着が好ましいでしょう。
気を付けたいポイントは香水です。
屋内は臭いがこもりやすく、より強く残るのでデオドラント程度に留めます。
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友人でも、納骨堂にお参りできる?
◇お墓参りと同じように、納骨堂は友人でもお参りできます
ただ屋内施設である納骨堂は、場所が分からなければなりません。
またマンション型納骨堂の場合、家族が所有するICカードにより、収蔵されている遺骨が繰り出されるので、ICカードが必要です。
そのためご家族への連絡は必要になるでしょう。
・ご家族へ連絡する
・お参りする日時を伝える
・ご家族から納骨堂へ連絡
ICカードの持参を必要としない納骨堂でも、遺骨の家族であることを確認する施設もあります。
最もスムーズな方法は家族と一緒にお参りに行くことですが、家族から納骨堂に連絡をしておけば、お参りは友人でもできることが多いです。
納骨堂の基本的なお参りマナー
◇屋内の納骨堂でのお参りは、まず施設の利用規約を確認します
屋内で行う納骨堂のお参りマナーは、・臭い・騒音・火元への配慮が必要です。
まだ新しい施設である納骨堂は、マナーも利用規約明記していることが多いのですが、周囲の参拝者への配慮を意識すると良いでしょう。
<納骨堂の基本的なお参りマナー> | |
[配慮するもの] | [確認すること] |
(1)お線香 | ・お線香に火を付けて良いのか ・電子線香など、施設で準備をするのか |
(2)参拝場所 | ・個室に案内されるのか ・合同の参拝スペースが別にあるのか |
(3)お供え物 | ・個々のスペース内でお供えができるか ・供え花は持参して良いか |
…などなど納骨堂は屋内施設なので、火の元となるお線香に火を付けることを禁止していたり、臭いが室内にこもりやすい供え花は持ち込まない(フェイクフラワー)などの規定がある沖縄の納骨堂施設もあります。
納骨堂でのお参り:基本的な注意点
◇基本的におしゃべりを控え、お供え物や供え花は持ち帰りましょう
屋内施設である納骨堂のお参りでは、施設の規約に明記していなくても、周囲や今後の参拝客への配慮として、お供え物や供え花は持ち帰るのがマナーです。
臭い臭いは屋内ではこもりやすいためですが、カーペットなどは汚れも目立つため、屋外以上にキレイに片付けて帰ると良いでしょう。
(1)水と火の扱いには充分注意
(2)施設をキレイに利用する
(3)混雑を避ける、譲り合う
(4)おしゃべりや騒音は控える
(5)施設ルールは事前に確認
ただしお墓参りとは違い、納骨堂のお参りでは掃除はほとんど必要ありません。
そのため掃除道具などの持ち物も必要なく、納骨堂は手ぶらでも気軽にお参りができるでしょう。
納骨堂の種類で違う、お参りマナー
◇納骨堂は種類によって、お参りスペースが違います
納骨堂は種類によってお参りスペースや、お参りの仕方が異なることが多いです。
ロッカー型納骨堂ではロッカー前の廊下スペースでのお参りだったり、マンション型では個室でのお参り、合同のお参りスペースを提供する施設もあるでしょう。
下記はお参りスペースの違いと、提供する納骨堂の種類を一例として挙げました。
<納骨堂の種類で違う、お参りの仕方> | |
[お参りスペース] | [納骨堂の種類] |
(1)スペース前でお参り | ・ロッカー型など |
(2)合同スペースでお参り | ・位牌型など |
(3)個室に案内される | ・マンション型など |
ロッカー型納骨堂などは、上下左右に他家のスペースが並ぶ施設も多いです。
この時、一般的なお墓参りと同じように、他家のスペースは視線を合わせないようにして、家族のスペースまで進みましょう。
・秋のお彼岸にはお墓参りに行く?お参りに善い・悪い日、避ける時間や持ち物やマナーとは
(1)スペース前でお参り
◇周囲に配慮して、必要があれば譲り合いながらお参りをします
[多いスタイル]・仏壇型納骨堂・ロッカー型納骨堂など。
沖縄のお彼岸は家拝みが多いですが、都心部など地域によって、お彼岸に集中してお参りに訪れるため、混雑する納骨堂もあるでしょう。
施設で管理誘導する納骨堂は少ないので、参拝者がお互いに譲り合い、必要があれば順番待ちをしながらお参りをします。
<お彼岸のお参り(1)スペース前> | |
[混雑時] | ・先に拝んでいる家族がいたら順番待ちをする |
[周囲へ配慮] | ・お線香に火を付けない ・香りの強い供え花は避ける ・臭いの強いお供えは避ける |
[お参り後] | ・お供え物は持ち帰る ・供え花は持ち帰る |
[個別法要] | ・読経供養は予約・確認 |
納骨堂の規約にお供え物・供え花の持ち込み禁止が明記されてはいないでしょうか。
確認をして明記されていたら、基本は手ぶらでお参りをします。
(2)合同スペースでお参り
◇合同スペースの規約に倣います
[多いスタイル]・位牌型納骨堂・ロッカー型納骨堂など。
納骨堂に合同の参拝スペースがある場合、ほとんどが屋外になるでしょう。
こちらも位牌型納骨堂の他、ロッカー式納骨堂や仏壇式納骨堂などに多いシステムです。
屋内では個別スペース前で手を合わせる程度とし、屋外の合同参拝スペースでお供え物や献花、お線香などをあげます。
<お彼岸のお参り(2)合同参拝スペース> | |
[遺骨スペース前] | ・手を合わせるに留める |
[合同参拝スペース] | ●施設の誘導に倣う ・献花台…献花 ・焼香台…焼香 ・お供え台…お供え物 ※施設で準備か、自分で準備か |
[合同供養] | ・合同供養があるか? ・頻度を確認 ・参加の可否を確認 |
[個別法要] | ・読経供養は施設に確認 (日時を予約) |
合同参拝スペースを設けた納骨堂の場合、多くは献花台があれば供え花が、焼香台があればお線香が許されていることが多いです。
けれどもなかには、施設で用意したお花のみ、お線香のみ、供える納骨堂もあるので、事前に納骨堂の規約を確認をしましょう。
(3)個室に案内される
◇個室に案内される納骨堂では、手ぶらのお参りが多いです
[多いスタイル]・マンション型納骨堂・室内墓所など。
マンション型で遺骨は、納骨堂の別スペースに収蔵されています。
家族が訪れた時には個室に案内され、そこに遺骨が搬送される仕組みです。
<納骨堂(3)個室に案内される> | |
[特徴] | [対策] |
[仕組み] | |
・ICカードによる管理 | ・ICカードを持参 |
・手ぶらの参拝 | ・お供え物は持ち帰る |
[確認点] | |
・待つ可能性がある | ・混雑状況を確認 |
・電子線香の使用 | ・納骨堂で用意している |
マンション型納骨堂に多い個室に案内される仕組みですが、納骨堂施設によってルールはさまざまです。
納骨堂のなかでも個室でお参りできる点が好まれます。
一方で個室の大きさはさまざまですし、混雑時は長い待ち時間が生じる可能性もあるので、親族を連れたお参りでは、行く前に状況を確認すると、気を使わずに済むでしょう。
納骨堂のお参りは、キレイに帰る
◇屋内の納骨堂では、来た時の状態で汚さずに帰ることが基本です
供養のひとつの形として認知される納骨堂は、上質なホテルのような室内も多く、手ぶらでのお参りを基本として、火元と臭い、汚れを残さずに帰ります。
特にマンション型など、個室に案内される施設では汚れや臭いは目立つので、注意をしてください。
[なくても良い]
・お線香
・生花
・お供え物
・アルコール類(お酒)
アルコール類(お酒など)をこぼしてしまったり、ユリなどの花粉がカーペットに付着してしまった…、などの事例があります。
また現代は納骨堂でイヌイ(一年忌)など、個別法要を執り行う人も多いです。
近年の納骨堂には、個別法要のための専用スペースを貸し出す施設も増えました。
読経供養は室内でも響くため、個別法要の必要があれば、納骨堂の施設管理者に確認をすると良いでしょう。
お供え物や供え花に規制がある
◇納骨堂でのお供え物や供え花は、フェイクがおすすめです
現代は納骨堂にお参りする家族が増えたことから、フェイクフラワーや、食べ物を模したロウソクも多く販売されています。
納骨堂でのよりスムーズなお参りのため、お供え物がOKの施設でも、下記のようなものを選ぶと良いでしょう。
・缶やビンに入った飲み物
・フェイクフラワー
・お供え物を模したロウソク
・個包装の渇き菓子
お線香も帰りに持ち帰りますが、屋内の個別スペースなので大事がないよう、そもそもお線香には火を付けない方が安心です。
まとめ:納骨堂のお参りは手ぶらでも良いです
従来のお墓参りはお墓掃除があり、お参りもお供え物とお線香、供え花を供えるため、持ち物も手順も多いでしょう。
けれども納骨堂のお参りは掃除もほとんど必要なく、周囲への配慮を考えると、むしろお供え物や生花、お線香も避けた方が安心です。
そのため基本的に手ぶらでのお参りで、問題はありません。
一方、形式的にでもお供え物をして供養をしたい場合には、納骨堂でのお参りに適した、フェイクフラワーやフェイクのお供え物が販売されています。
供えたお供え物や供え花は持ち帰り、汚れや臭いを残さずに帰ることが、納骨堂でのお参りマナーです。
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まとめ
納骨堂のお墓参りマナー
[納骨堂のお参り]
・開館時間内を厳守
・友人は家族に連絡[水と火の扱い注意]
・お酒のお供えは避ける
・お線香の火を避ける
(もしくは施設に確認)[施設をキレイに]
・生花を避ける
・お供え物は生物を避ける
・持ち帰る
・フェイクがおすすめ[混雑時]
・事前に混雑状況を確認
・個別法要は事前予約
・混雑時は待つ、譲り合う[納骨堂の基本]
・手ぶらの参拝ができる
・規約は事前に確認