永代供養とは?種類で違う費用目安、永代供養の期限ってなに?期限が切れたらどうなる?

2023.07.03
永代供養とは?種類で違う費用目安、永代供養の期限ってなに?期限が切れたらどうなる?

永代供養とは施設側が、ご家族に代わりご遺骨や位牌の管理・供養を、永代に渡り行ってくれるものです。形のないサービスなので、一般墓や納骨堂、合祀墓など、さまざまな形があります。本記事では、永代供養とは?それぞれの種類で違う費用目安を解説します。

・「永代供養」とは?
・永代供養の種類による費用目安は?
・永代供養は本当に「永代(永久)」なの?
・永代供養と無縁仏の違いとは?
・永代供養のメリット・デメリットは?

「永代供養」とは、墓地や霊園・納骨堂などの施設管理者が、ご家族に代わりご遺骨や位牌の管理・供養を、永代に渡って請け負ってくれるものです。
形のないサービスなので、一般墓や納骨堂、合祀墓など、さまざまな形があります。

本記事を読むことで、永代供養とはなにか?永代供養の種類や、それぞれの種類で違う費用目安について解説します。
 

永代供養とは

永代供養とは
◇「永代供養」とは、ご遺骨や位牌の供養や管理を、永代に渡り任せることです

永代供養(えいたいくよう)」とは、子々孫々の永代に渡り、家族に代わって墓地や霊園、納骨堂などの施設管理者へ、ご遺骨や位牌の供養管理を一任できます。
 

<永代供養とは?>
・永代 …永続的に長い年月、代々に渡り
・供養 …霊魂のご冥福を祈ること

 
そのため沖縄では勘違いされがちですが、「永代供養」にお墓などの形はありません
例えば、「永代供養(のサービスが付いた)一般墓を建てる」ケースもあります。

ただ物理的に受け付けた全ての遺骨を、永代に渡って個別のお墓で供養はできませんから、「最終的には」合祀埋葬し、定期的に供養される場合が多いでしょう。
 

[合祀墓]
・合祀墓とは?合葬墓や永代供養との違い、メリットデメリットは?合祀墓6種類と費用目安

 

永代供養と永代使用は違う

◇「永代使用」は永代に渡り墓地を利用できる権利です

また沖縄で永代供養と勘違いされがちな言葉が、「永代使用」です。

霊園や墓地でお墓を購入すると、お墓を建てる区画に対して「永代使用料」と言う言葉を聞きますが、これは「永代供養料」ではありません
 

<永代供養と永代使用の違い>
(1)永代供養 …遺骨を、永代に渡って供養するサービス
(2)永代使用 …区画を、永代に渡って使用できる権利

 
…ですから仮に、前述した「永代供養付きの一般墓」を建てたとします。

すると、一般墓を建てる墓地区画を代々使用するための「永代使用料」と、遺骨を永代に渡り供養してもらうための「永代供養料」の2項目が、見積り書に記載されるでしょう。
 

 

永代供養のメリット・デメリットは?

永代供養のメリット・デメリットは?
◇永代供養が広がる背景は、継承問題です

現代、永代供養が広がる背景には、お墓や位牌の祭祀継承者の高齢化や、次の継承者がいない「継承者問題」があります。
 

<永代供養が広がる理由>
[継承者問題] ・継承者の高齢化
・継承者がいない
・お墓や位牌の管理ができない
[納骨問題] ・納骨するお墓がない
・お墓を建てても墓守がいない

 
人々の暮らしがグローバル化し、親族が同じ地域で暮らすばかりではなくなりました。
遠方にあるお墓や位牌を継承しても、頻繁に掃除や管理ができず、経済的・身体的・精神的にも負担になり、永代供養を選ぶ流れができています。
 

 

永代供養のメリット

◇永代供養のメリットは、管理者や継承者を立てる必要がない点です

墓じまいにより取り出した遺骨や、仏壇じまいによる位牌は、永代供養をすることにより、その後の維持管理や継承者の心配がなくなります
 

<永代供養のメリットとは>
[継承者] ・墓守がいなくても契約できる
継承者を立てる必要がない
・お墓がなくても納骨先が見つかる
[法要] 法要の負担が軽減する
・定期的な供養に参加できる
[費用] ・お墓を建てるより費用が割安
予算に合わせて形を選べる

 
永代供養が付いた一般墓は、墓石を建てるため通常の建墓費用と同じくらい掛かりますが、納骨堂や合祀墓などは、お墓を建てる費用と比べると費用が格安です。

継承者問題が解消すると同時に、納骨するお墓がない場合にも、格安の永代供養を選ぶことで解決するでしょう。
 

 

永代供養のデメリット

◇永代供養は、いずれは合祀される仕組みです

永代供養は永代に渡り遺骨や位牌の供養管理を行ってくれますが、未来永劫、個別に供養や管理がなされる訳ではありません。

契約した一定年数を更新なく過ぎると、他のご遺骨や位牌とともに合祀され、合同供養されます。
 

<永代供養のデメリットとは>
[仕組み] 一定年数後に合祀される
(合祀後は個別で取り出せない)
・お参りの仕方が違う
(納骨堂、合祀墓など)
[費用] 年間管理料が必要な種類もある
(納骨堂など、個別期間)

 
納骨堂など、ご遺骨や位牌を個別スペースで管理・供養する永代供養では、個別期間は年間管理料を必要とする施設が多いです。

また屋内の納骨堂ではお線香は禁止され、施設が用意した電子線香を供える仕組みもあるでしょう。

ひとつの墓標で拝む合祀墓などは、個別に拝むのではなく、決まった場所で手を合わせる施設もあります。
 

 

永代供養の「期間」とは?

永代供養の「期間」とは?
◇納骨堂など、ご遺骨や位牌が残る永代供養では、個別安置する期間を契約します

納骨堂や室内墓所、マンション型の集合墓など、ご遺骨や位牌の個別安置により永代供養ができる施設では、個別に管理・供養をする期間が定められているでしょう。
 

<永代供養の個別期間とは?>
[期間契約] 納骨堂
・マンション型集合墓
・永代供養付き一般墓
[メリット] 遺骨が残る
・個別の墓標がある
・個別に供養管理ができる
[デメリット] 年間管理料がかかる
・個別安置期間が限られる
(期間内に契約更新が必要)
[更新した場合] 個別管理
・個別供養
・年間管理料がかかる
[更新しない場合] 合祀墓に合祀
・合同供養
・追加費用はかからない

 
納骨堂など、個別安置期間が設けられた永代供養では、契約した最初の一定年数を個別で安置し、管理・供養を行います。

一般的に個別期間は、お墓と同じく、公共スペースの利用料として年間管理料を毎年支払うでしょう。
当初契約して期間内に更新すると、個別安置期間も更新される仕組みが多いです。
 

個別安置期間がある永代供養

個別安置期間がある永代供養
◇個別安置期間は、ご遺骨や位牌がなくなりません

個別安置期間を設けた永代供養を選ぶと、一定期間の個別安置期間は遺骨を取り出すことができるため、熟考する時間があります。

現代は納骨堂が人気ですが、個別安置期間を設けた永代供養は種類もさまざまです。
 

<個別安置期間がある永代供養>
[種類] [内容] [費用目安]
●一般墓
(永代供養付き)
・お墓に永代供養を付加 約100万円/1基~
(年間管理料約1万円~)
●納骨堂 ・屋内で遺骨を収蔵 約10万円/1柱~
(年間管理料約1万円~)
●集合墓 ・屋外で遺骨を収蔵 約60万円/1柱~
(年間管理料約1万円~)
●室内墓所 ・屋内のお墓 [個人墓]約25万円/1柱~
[家族墓]約75万円/6柱ほど~
(年間管理料約1万円~)
●位牌堂 ・位牌の個別預かり 約3万5千円/1霊位~
(年間更新など)

 
一般墓などのお墓が「亡き魂の戸建て住宅」とした場合、納骨堂や集合墓は「亡き魂の分譲マンション」などと例えられることが多いです。

ひと昔前まで納骨堂は、建墓費用がない時に一時期的に使用される「遺骨の預かり場所」のイメージでしたが、今ではお墓と並ぶ供養のひとつとして広がっています。
 

 

永代供養の費用を決める要素

◇納骨堂などでは、個別安置期間の長さに比例して費用も高くなります

個別安置期間を設けた永代供養を比較検討する場合、個別期間をどれくらいの長さで設けているのかが、選ぶポイントになるでしょう。
 

<永代供養の費用を決める要素>
[永代供養例] [年数]
●一般墓
(永代供養付き)
・約20年
・約33年
・約50年など
●納骨堂 ・約5年間
・約7年間
・約10年間など
●位牌堂、遺骨預かり ・約1年間
・約3年間など
●合祀墓 ・なし

 
一般墓に永代供養を付加、集合墓や室内墓所などのお墓タイプは、弔い上げに合わせ、33年や50年など、長い個別安置期間を契約するプランも多いです。

一方、ロッカータイプの納骨堂や位牌堂などは、お墓を建てるまでの一時的なご遺骨や位牌の預かり場所としての役割もあるため、約1年間・3年間など、短い契約期間が多い傾向にあります。
 

個別安置期間がない、永代供養

個別安置期間がない、永代供養
◇最初から合祀する永代供養は、その分費用も割安です

個別安置期間がなく、最初から他のご遺骨とともに合祀される「合祀墓」は割安で収まるため、墓じまいで複数の骨壺が出てきた時にも助かるでしょう。
 

<最初から合祀埋葬される永代供養>
[永代供養例] 合祀墓
・供養塔
・シンボルツリー型樹木葬
[費用目安] ・約10万円/1柱~
(年間管理料なし)
[メリット] 後々の支払いがない
・宗旨宗派は問わない
(施設が多い)
・費用が安く抑えられる
[デメリット] 遺骨は戻らない
・考える時間がない

 
最初から他の遺骨とともに合祀埋葬される合葬墓は、一度埋葬されると「やっぱりお墓に埋葬したいから」と思っても、二度と遺骨を取り出すことはできません。

親族や家族とも相談しながら熟考し、決めると良いでしょう。
 

自然葬と永代供養の違いとは

自然葬と永代供養の違いとは
◇自然葬では、遺骨が埋葬されると自然に還ります

合祀墓など遺骨が残らない永代供養と、自然葬は混同されがちですが、永代供養が合祀墓などのお墓に合祀されるのに対して、自然葬のご遺骨が帰るところは自然です。
 

<自然葬と永代供養の違い>
[共通点] ・一度埋葬すると、遺骨は戻らない
[違い] ●永代供養
・他の遺骨と合祀
●自然葬
・自然に還る(土/海/空など)

 
沖縄の自然葬では海洋散骨が、県内外から需要があります。

また樹木のふもとにご遺骨を埋葬するシンボルツリー型樹木葬や、ご遺骨を埋めた場所に植樹をする樹木葬でも、合祀墓と同じく一度埋葬すると、ご遺骨を個別に取り出すことはできません
 

 

ガーデニング樹木葬は永代供養?

◇美しく整備された庭園に、小さな墓石が並ぶスタイルがガーデニング樹木葬です

ただし、美しく整備された庭園区画に小さな墓石が並ぶ「ガーデニング樹木葬」は、自然葬と言うよりは、個別安置期間を設けた永代供養に近いでしょう。
 

<自然葬と永代供養の違い>
[特徴] 庭園に小さな墓石が並ぶ
・墓石の下にご遺骨を収蔵
[永代供養] 契約年数を過ぎたら合祀
(約10年間~15年間ほど)
[費用目安] 約40万円/1柱~

 
ガーデニング樹木葬など、永代供養が付いたお墓のタイプは、家族や夫婦など複数人が入れる契約もあるでしょう。

複数人が入る永代供養の個別安置期間は、最後の人が納骨されてからのカウントが一般的な仕組みです。

「故人亡き後、一定期間は花々に囲まれた自然の空間に安置できる」と言う感覚に近いため、このガーデニング樹木葬との混合が多いのかもしれません。
 

[樹木葬]
・【沖縄のお墓】樹木葬とは?お墓のない葬送、契約前に理解したい3つの種類を詳しく解説

 

永代供養の選び方

永代供養の選び方
◇永代供養を選ぶポイントは、「どのように供養したいか」です

そのためには下記3つの事柄を確認しましょう。
また永代供養を選ぶ時にはまず、予算を立てておくことも大切です。
家族や親族からの理解を得て、永代供養の費用は誰がどれくらい出すのか…、関係者で出し合います。
 

<永代供養を選ぶ3つの事柄>
(1)料金システムを確認
(2)年間管理料の有無を確認
(3)葬送後の供養を確認

 
例えば、沖縄では永代供養付きの納骨堂プランのなかでも、「室内墓所」と呼ばれるタイプがあります。

この「室内墓所」では、ひとつのスペースに約6柱~8柱ほど納めることができるため、家族の遺骨が入る「家墓」としての役割も果たしてくれる点が魅力です。
 

(1)料金システムを確認

◇永代供養では1柱ごとの料金体系が多いです

納骨堂など一定の安置期間を設けた沖縄の永代供養プランでは、多くの施設で1柱ごとの料金システムを組むものが多くあります。

このような1柱ごとの料金システムは、独身のシニアが生前契約で個人の遺骨を永代供養するのであればピッタリです。
 

<料金システムを確認>
[料金システム] [費用目安] [契約例]
①1柱ごと 約25万円/1柱~
・約38万円/2柱など~
生前契約
・個人の永代供養
・夫婦の永代供養
②スペースごと 約75万円/6柱ほど~
・約60万円/3柱ほど~
室内墓所
・集合墓
・家族用納骨堂

 
継承者がいないため将来的に無縁墓になることが心配ではあるものの、現状では今まで通り、いつでも家族の遺骨を納められる家墓が欲しい」と言うようなケースでは、スペースごとの契約がおすすめです。
 

(2)年間管理料の有無を確認

◇個別安置期間を設けた永代供養では、年間管理料も確認します

個別安置期間が設けられた永代供養は、契約後の年間管理料も比較検討材料です。

年間管理料は個別安置期間が続く限り必要なランニングコストでもあります。
なかには年間管理料がない施設もあるでしょう。
 

<永代供養の確認:年間管理料>
[年間管理料の有無] [一例]
●年間管理料がある ・室内墓所
・納骨堂
・永代供養付き一般墓
個別安置期間が長い
●年間使用料なし ・位牌預かり
・遺骨預かり
(ロッカー型納骨堂など)
個別安置期間が短い

 
もしも永代供養付きの納骨堂などを生前契約したい時、希望の施設で年間管理料が必要だった場合には、納骨されてから合祀埋葬されるまでの年数分、年間管理料を生前に支払う人も多いです。
 

(3)契約後の供養を確認

◇永代供養の契約後、供養の方法を確認すると安心です

遺骨が残らない合祀墓に納骨しても、現代の永代供養では定期的な合同供養に家族が参列できる施設が多くあります。

またコロナ禍を経て、リモートで合同供養に参加できる施設もあるので、納骨後も供養をしたいならば、どこまでできるのかを確認すると良いでしょう。
 

<納骨後の供養>
[合同供養] ・定期的な合同供養の頻度
家族の参列が可能か
・お布施などが必要か
・合同供養の宗旨宗派
[法要] 個別法要ができるか
・法要室があるか
[参拝] お参りの規制があるか
[宗旨宗派] ・宗旨宗派の規制があるか

 
…などの確認をすると良いでしょう。
沖縄では特定の仏教宗派を信仰する人々は少ないですが、永代供養ではどの宗派の僧侶が供養するかなども確認しておくと、後々も安心です。
 

まとめ:永代供養をすることで継承問題が解消します

まとめ:永代供養をすることで継承問題が解消します
永代供養には合祀墓の他、一定期間は個別安置期間を設けた仕組みもあります。
ただ一定期間を過ぎて合祀すると、遺骨は残らないことを理解して、契約をする必要があるでしょう。
 

<ご遺骨や位牌を残す選択肢>
・個別安置期間を契約更新する
・お墓などに引っ越し(改葬)する
・手元供養をする

 
合祀墓に合祀して遺骨が残らないことに抵抗がある場合、一定期間は個別安置期間が設けられ、検討できる永代供養を選ぶことができます。
 

[手元供養]
・手元供養とは、どういう意味?良くない?やり方や必要なもの、いつまでにすればいいの?

 

まとめ

永代供養とは?

●永代供養とは
・永代に渡り供養を任せる
・継承者を立てる必要はない

●永代供養に多い2つの形式
(1)最初から合祀
・合葬墓

(2)個別安置期間がある
・納骨堂
・集合墓
・永代供養付き一般墓
…など

●永代供養3つの選び方
(1)料金システムを確認
(2)年間管理料の有無を確認
(3)葬送後の供養を確認


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