沖縄トゥンジージューシーの美味しいレシピ

2025年12月22日は冬至!沖縄のトゥンジージューシーの美味しいレシピ、裏技とは

2025.10.10

全国や沖縄で行うトゥンジー(冬至)、2025年は12月22日(月)です。沖縄では家族の無病息災を祈願して体が温まるトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきます。本記事ではトゥンジージューシーの特徴や役割、美味しく仕上げる裏技レシピを紹介します!

沖縄で親しまれる「トゥンジージューシー」は沖縄の言葉で「冬至雑炊」、冬至の行事食です。沖縄では冬至を「トゥンジー」と言います。呼び方や行事食は沖縄と全国で違いますが、どちらも日にちは同じ!今年のトゥンジー(冬至)は、2025年12月22日(月)です。

本記事を読むことで、沖縄でいただく冬至の行事食「トゥンジージューシー(冬至雑炊)」の作り方、美味しくいただくコツが分かります。後半では、沖縄で行うトゥンジー(冬至)でヒヌカン(火の神)・仏壇に供えるお供え物もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。 

沖縄の旧暦行事:12月のトゥンジー(冬至)

沖縄の言葉で「トゥンジージューシー」は「冬至雑炊」、「トゥンジー」は「冬至」です。沖縄では寒い冬至の日に沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」をいただきます。

旧暦行事が盛んな沖縄ですがトゥンジー(冬至)は天文学的に太陽の黄径が270度に達し、一日の日照時間が最も短くなる日なので全国と沖縄で日にちは変わりません

沖縄では一年で最も寒くなるとされるトゥンジー(冬至)に、流行り病などの疫病などから身を守り厄を祓い、家族の健康祈願をします。全国的にも冬至の目的は健康祈願です。 

全国的な冬至の行事食

全国でも冬至は一年で最も昼が短く、寒さが厳しい日とされます。この日に体を温めて健康を祈願する風習は古く、江戸時代にはすでに広まり、現在まで続いています。

行事食として代表的なのは、保存性が高く栄養価のあるカボチャです。夏に収穫したカボチャを冬まで保存して食べることで、寒さを乗り切る知恵とされました。また赤い色が厄を祓うとされる小豆も好まれ、「小豆粥」や「カボチャのいとこ煮」が定番料理となっています。

さらに「ん」が付く食べ物を食べると「運が付く」とされ、なんきん(カボチャ)・うどん・にんじん・れんこん・ぎんなんなど「冬の七草」と呼ばれる食材をいただく習慣もあります。

また、柚子湯に入って身を清める風習も全国的に広く知られています。語呂合わせで「冬至(とうじ)=湯治(とうじ)」に通じるとされ、健康祈願の意味も込められています。

全国の冬至の風習については、後ほど「沖縄との違い」とあわせて整理してご紹介しますので、どうぞ最後までお読みください。参照ください。 

沖縄のトゥンジー(冬至)行事食は?

沖縄ではトゥンジー(冬至)の日に、豚肉・昆布・にんじん・カマボコなどを入れたトゥンジージューシー(冬至雑炊)を行事食としていただきます。

寒い冬の栄養補給食としていただきますが、沖縄ではトゥンジージューシー(冬至雑炊)をヒヌカン(火の神)・ブチダン(仏壇)にも供えて健康を祈願する習わしです。

沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」は、トゥンジー(冬至)のみならず沖縄の旧暦行事には欠かせない、子どもから高齢者まで家族みなに親しまれる行事食です。

寒い冬に栄養価が高く英気を養う根菜類が入っている点が特徴的で、沖縄では脂身がある豚バラ肉、豚三枚肉を賽の目に切った具材が好まれます。

沖縄の炊き込みご飯「ジューシー」は基本的にもち米は加えません。パラパラとしたジューシーを作ります。 

沖縄のトゥンジー(冬至)でいただく行事食「カチャー湯・かちゅー湯」とは、沖縄の言葉で「力湯」です。力がみなぎる湯、と言う意味ですね。

カチャー湯(力湯)はトゥンジー(冬至)の他にも、寒い日・風邪の日・二日酔い・疲れて食欲が出ない日にもいただきます。寒い日に部活に行く時、水筒にカチャー湯を入れる人もいますよね。

タンパク質が脂肪を燃焼するかつお節の出汁がたっぷりの汁なので、満足感を得られるダイエット食としても愛されています。 

カチャー湯はかつお節の出汁なので、たっぷりのかつお節で煮出すだけです。家庭によっては、しょうゆ・味噌で味付けすることもあるでしょう。

そのまま水筒に入れて持ち歩くなど、基本的にはかつお節の出汁のみですが、お椀に注ぐ前に薬味を入れる沖縄の人も多いです。カチャー湯と相性の良い人気の薬味には、ネギ・生姜・にんにく・卵などがあります。 

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴

沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」ではありますが、沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、体を温める「イモ」をふんだんに入れて炊きます。

イモは根を引っ張ると連なり収穫されることから「子孫繁栄」とされ、転じて子どもの健やかな成長や、家族の無病息災・健康を意味するためです。 

トゥンジージューシー(冬至雑炊)で扱うお芋は、基本的にターンム(田芋)やチンヌク(里芋)が一般的です。その昔は縁起の良いターンム(田芋)やチンヌク(里芋)がトゥンジージューシー(冬至雑炊)の定番でした。

ただ現代では、子どもも喜ぶ身近で親しみやすいサツマイモやカボチャをトゥンジージューシー(冬至雑炊)に用いる家庭も多いでしょう。 

高齢者が幼い乳幼児がいる家庭では、トゥンジージューシー(冬至雑炊)を雑炊にした「ボロボロジューシー(ジューシー雑炊)」をいただくこともあります。

またトゥンジージューシー(冬至雑炊)のお茶漬けをいただく家庭もあるでしょう。 

美味しいトゥンジージューシー(冬至雑炊)

伝統的なトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、大袋ひと袋分ものたっぷりのかつお節で煮出した濃い出汁で炊き込みます。

ただ現代のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は市販の白だしを使用する家庭も多いでしょう。ジューシーの素なども販売されるようになりましたね。

家庭によって食材も自由ですが、美味しい沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただくためにぜひ取り入れたい食材をご紹介します。

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)のコクは豚バラの脂身です。ジューシー(冬至雑炊)のコクは、豚バラなど肉の脂身から出ます。

材料の豚バラを茹でた茹で汁をジューシーの炊飯に利用することがポイントになります。豚ロースを使用しても良いですが、牛脂を入れてコクを出しても良いでしょう。 

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)にはカマボコ・干し椎茸も欠かせません。カマボコや干し椎茸を加えることで甘味が増します。

干し椎茸の戻し汁も炊き込みに使用する家庭が多いです。具材は食べやすい大きさの小さな賽の目に切りましょう。大きさを小さめの賽の目で揃えて下ごしらえをします。 

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の作り方

沖縄風炊き込みご飯ジューシーは、全国的な炊き込みご飯と比べてパラパラした炊き込みご飯なので、基本的にもち米は使いません

けれどもお好みでお米の分量内にもち米を加えても良いでしょう。もっちりとした全国的な炊き込みごはん風の仕上がりになります。

もち米を入れる場合「お米:もち米=3:1」ほどが適切です。お米2合であれば「お米1.5合+もち米0.5合」ほどになるでしょう。 

「出汁(だし)」は市販の白だしを使うと便利ですが、昔ながらの沖縄では、たっぷりのかつお節でかつお出汁を作りました。 

<材料>
・お米…2合分
・イモ類…約200g
・にんじん…約50g
・干し椎茸…約2枚
・豚バラ
(豚ロース)
…約180g
・出汁
(かつお出汁)
…約3合分
・塩…適量
・醤油…大さじ1.5杯

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)で出汁を作るならば、かつお出汁は濃いめで作ると良いでしょう。

また豚バラは豚ロースでも構いません。豚バラをを炒める時にサラダ油を使う家庭が一般的ですが牛脂を使うとさらにコクがでます。

昔の沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)

昔の沖縄ではトゥンジージューシー(冬至雑炊)に入れるお芋は、おめでたいターンム(田芋)やミンヌク(里芋)が一般的でした。

親しみやすいサツマイモも美味しいですが、今年は沖縄の伝統的な、昔ながらのトゥンジージューシー(冬至雑炊)にも挑戦してみてはいかがでしょうか。 

「フーチバー」とは全国的なヨモギです。沖縄で香りが強いフーチバーは厄祓いの薬草として知られています。

沖縄そばにもフーチバーをたっぷり入れる人がいますよね。また沖縄ではヤギ汁の臭み消しとしてフーチバーを入れていただくことでも有名です。

ただ独特な香りのフーチバー(よもぎ)は癖が強いことでも知られています。
フーチバーはお雑炊のなかに入れて調理をしても良いですが、たっぷりのフーチバーを用意して、家族が思い思いに適量を入れて楽しむ方法もあるでしょう。 

の目に切ったターンム(田芋)やミンヌク(里芋)が入っているのが、本来沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)です。

また沖縄でターンム(田芋)、旧正月・結婚などおめでたい時にもいただく風習がありました。ターンム(田芋)をに付けたターンムディンガク(田芋田楽)などが、お祝い行事の定番おかずですね。 

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の作り方

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴で、材料は賽の目に揃えることをお伝えしました。

大きさは基本的に5mm角ほどの小さい賽の目状ですが、豚バラや豚ロースなどのに肉類は1cm角ほどでも良いでしょう。

豚バラブロックは下茹でをします。
豚バラブロックは4cmほどの厚みに切り、たっぷりの熱湯に肉を入れたら2分くらい茹でてください。一度ザルにあげた後、水洗いをして表面の灰汁取りをします。

再び豚バラ肉が被るほどの水を入れて茹でたら、茹で汁の灰汁取りです。しょうがやネギの青い部分も入れると臭いが気にならなくなるでしょう。

沸騰後は弱火にして、茹で汁が少なくなったら水を足しながら豚バラブロックを茹でます。竹串を指しながら適度な柔らかさになったら終了です。
ネギ・しょうがは取り出して、茹で汁は後ほどの炊飯に残します。 

大きな鍋に水を張り、たっぷりのかつお節で出汁を作ります。大きなかつお節ひと袋を入れ、沸騰させて煮出しましょう。出汁を充分に煮出したら、かつお節はザルにあげます。 

お米2合分を洗い、干し椎茸は作ったかつお出汁で戻しておきましょう。

干し椎茸はゆっくり戻すのが基本です。かさを上向きにしたら干し椎茸が被るくらいのかつお出汁に浸します。その上から落し蓋の容量でラップをして冷蔵庫へ入れておくと良いでしょう。

薄い干し椎茸なら約3時間ほどですが、電子レンジで早く戻す人もいます。耐熱容器にかさを上向きに入れたらラップをして、600wで2分半~3分の加熱です。戻り方を見ながら追加加熱します。 

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、具材が小さい点が特徴です。同じ大きさで揃えることで食べやすく、味がまとまります。

豚バラブロックは約1cm角が目安です。にんじん・干し椎茸・イモ類・カマボコは約5mm角と細かい賽の目上に整えましょう。フーチーバー(よもぎ)や万能ねぎなどは、細かく刻めば良いです。

フーチバー(よもぎ)を焚き込む前に炊飯器にセットする家庭もありますが、炊きあがった後、仕上げに万能ねぎやフーチバー(よもぎ)を振りかけると、香りが広がります。 

炊飯器にセットする前に具材を炒め味付けします。茹でた豚バラ肉は炒める前に塩もみもしてください。

賽の目に切った干し椎茸・にんじん・豚肉は、少量の油を敷いたフライパンで炒めます。醤油や白だしなどで和風に味付けすると、味がしまるでしょう。

ここでもうひとつのポイントとして、炒める油はサラダ油ではなく牛脂を使うとよりコクがでておすすめです。牛脂はスーパーのお肉売り場で無料で置いていることが多いです。ぜひ、持ち帰って試してみてください。 

干し椎茸を水にもどし、お米2合をお釜にセットしますよね。この時、昔ながらの沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は、たっぷりのかつお節で作ったかつお出汁をお水代わりに用いました。 

<お水代わりに使用>
・濃厚なかつお出汁
・豚肉の茹で汁(アク取り)
・干し椎茸の戻し汁

また豚バラ肉を茹でた残り汁を入れても濃厚でおすすめです!この際は、アクをしっかり取りましょう。

炊飯のお釜にお米と調理した具材を入れた後、炊飯前に白だしやお塩で味を調えます。洗った昆布も美味しいジューシーの隠し味になるでしょう。家庭によってさまざまです。

また豚バラ肉の茹で汁やかつお出汁を入れているなら、味も変わってくるでしょう。味見をしながら調整をするのがポイントです。 

<味を整える>
・白だしを加える
・お塩を加える

いっぺんに多く入れるのではなく、お塩であればひとつまみずつなど少しずつ加えていきます。味を調えたらスイッチ、オン!普通の炊飯モードで問題ありません。

炊きあがった炊飯器に熱した牛脂を少し投入すると、よりコクのある沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)に仕上がります。 

<炊き上がりの仕上げ>
①フライパンに少々の牛脂を熱する
②炊飯器の扉を開ける
③①の牛脂を回し入れる
④炊飯器再び閉める
⑤少しの間だけ蒸らす

刻んだフーチバーがあれば、刻んだフーチバーも一緒に投入します。沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)を盛りつけたら、刻んだ小口ネギを振りかけると香りが高く、見た目にも鮮やかです。 

モーウィのウサチ(酢の物)

イチョウ型に薄く切った、モーウィのウサチ(酢の物)は便利です沖縄で「モーウィ」は、市場などで多く販売されています。皮を剥いて種を取りイチョウ型の薄切りにすることで、お目出たい雰囲気も出るウサチ(酢の物)が手軽にできます。 

キュウリの酢の物などさまざまありますが、モーウィは市場でとても安く販売されていて、経済面でも手軽でおすすめです。 

<材料>
モーウィ…300g
[和え汁]お酢…大さじ3
かつお出汁…大さじ3
砂糖…大さじ3
※お塩…適量

モーウィのウサチ(酢の物)を和える和え汁は、基本的に[お酢:かつお出汁:砂糖]の分量が[1:1:1]で整えると、味が決まりやすいです。 

モーウィは皮を剥いて種を取り、イチョウ型の薄切りにして整えます。末広がりを表すイチョウ型の根野菜はお祝いの席で提供される形です。

モーウィはどこまで薄く切るかは家族の好みがあるでしょう。ただウサチ(酢の物)なので、スライサーを使用して薄く切る家庭が多いです。

和え汁は鍋で煮立たせて作ります。材料の和え汁を鍋で煮立たせ、薄く切ったモーウィに暫く漬けて味付けするだけの作り方なので簡単です。

<和え汁>
・お酢
・かつお出汁
・砂糖

分量は1:1:1なので初めてでも美味しく仕上がりやすいでしょう。お砂糖は家庭によって好みが分かれるところです。少しずつ加えながら調整をしてください。 

イチョウ型の薄切りにしたモーウィは、水分を絞って下準備をします。手でギュッと握ると簡単に水分が絞れますが、よりしっかりと絞りたい場合は布巾を使用すると良いでしょう。

たくさんのモーウィをウサチ(酢の物)にする場合にも布巾は便利です。沖縄の旧暦行事ではウサチ(酢の物)を添えることが多いので、綿・麻・リネンなど専用の布巾があっても良いですね。 

絞ったモーウィに和え汁を浸し、しばらく漬けておきます。冷蔵庫で30分も漬けておけば味が染みますが、長く浸けていても問題はありません。最後に味見をして物足りなければ、塩などで味を調えて完成です。 

沖縄のトゥンジー(冬至)では、ただジューシーを食べるだけではなく、ヒヌカン(火の神)やブチダン(仏壇)にお供えをして、家族の健康と無病息災を祈願するのが特徴です。全国の冬至との違いが表れる、大切な拝み方を整理してみましょう。

ブチダン(仏壇)には、トゥンジージューシーに加えてウサチ(酢の物)を添えたお膳を整え、お箸を添えて供えます。

お線香は「ジュウニフンウコー(日本線香12本・もしくは4本分、沖縄線香2枚)」を立て、ご先祖様へ感謝と祈願を伝えます。供えた後は家族で手を合わせ、ウサンデーとして一緒にいただくのが習わしです。

沖縄で供えるお線香の本数について、詳しくは下記コラムをご参照ください。

沖縄のトゥンジーでは「グイス(祝詞)」と呼ばれる拝み言葉を唱えます。形式ばったお経ではなく、神仏に語りかけるように思いを伝えるのが特徴です。例えば、次のような内容が基本とされます。

 ①今日がトゥンジーであることの報告
 ②トゥンジージューシーを供えたこと
 ③日頃の感謝の気持ち
 ④家族の健康や子どもの成長への祈願

現代語でも構いません。「今日が冬至であることをお伝えします。いつも家族を見守ってくださりありがとうございます。これからも健康で元気に過ごせますように」といった素直な言葉で大丈夫です。

詳しくは下記コラムで、拝み方や供え物の意味をより詳しくご紹介しています。

2023年冬至:柚子湯

沖縄ではトゥンジージューシーを中心に冬至を迎えますが、全国的には少し異なる風習が伝わっています。ここでは代表的な行事食や風習を確認してみましょう。

全国の冬至、2022年はカボチャ料理!

全国の冬至では、保存が利き栄養豊富なカボチャや、赤い色で厄を祓うとされる小豆がよく用いられます。カボチャと小豆を一緒に煮る「いとこ煮」や、小豆粥などが定番です。

また「ん」が付く食べ物を食べると「運が付く」とされ、カボチャ(なんきん)・うどん(うんどん)・金柑・蓮根・銀杏・人参・寒天といった「冬の七草」も親しまれてきました。

全国的な冬至のもう一つの習慣が「ゆず湯」です。湯船にゆずを浮かべて入ることで、体を温め風邪を引かないとされます。

「冬至(とうじ)」と「湯治(とうじ)」を掛け合わせた語呂合わせの意味もあり、長く受け継がれてきた風習です。沖縄にはゆず湯の習慣はありませんが、全国では今も多くの家庭で実践されています。

詳しくは、全国の冬至の食事やゆず湯の由来をまとめたこちらのコラムをご覧ください。

トゥンジージューシーと健康祈願の意味

沖縄のトゥンジージューシーは、ただの炊き込みご飯ではなく、一つひとつの食材に意味が込められています。冬至にいただくことで家族の健康や厄払いを願う、行事食ならではの役割があります。

トゥンジージューシーに欠かせないターンム(田芋)チンヌク(里芋)は、根を掘ると子芋が連なって収穫できることから「子孫繁栄」の象徴とされてきました。

沖縄では古くから、子どもの健やかな成長を祈る食材として冬至に用いられています。現代ではサツマイモやカボチャなども加わり、家族で楽しめる味わいにアレンジされています。

沖縄の食文化に欠かせない豚肉は、滋養をつける大切な食材です。トゥンジージューシーでは豚バラ肉を使い、その茹で汁や脂身から旨味とコクを引き出します。

さらに、たっぷりのかつお節で取る濃い出汁も冬至の食卓には欠かせません。寒さに打ち勝ち、流行り病を祓う力があるとされ、冬至を乗り越える知恵として受け継がれています。

フーチバー(よもぎ)は、沖縄で厄を祓う薬草として知られます。独特の香りが邪気を遠ざけ、インフルエンザなどの流行り病「ヤナカジ(嫌な風)」を防ぐと信じられてきました。

苦手な人もいますが、刻んで仕上げに散らすと香りが立ち、冬至ならではの味わいになります。フーチバーを取り入れることで、より強い健康祈願の意味を込められるでしょう。

まとめ:沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)は豚肉を入れます

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)の特徴はイモ類が入っていることです。また沖縄のジューシーで美味しくコクを出すには、豚バラ肉の茹で汁や牛脂を利用して、コクを出します。

フーチバー(よもぎ)は、その個性的な香りが厄を祓うとされ、インフルエンザなどの流行り病「ヤナカジ(嫌な風)・シタナカジ(穢れた風)」を祓う食材です。現代は苦手な人も多いですが、入れてみると癖になる人も少なくありません。

また全国的な冬至の邪気祓いは、赤い小豆を入れた小豆粥などがありますが、小豆は沖縄でも邪を祓う食材とされますので、美味しくいただいてみてはいかがでしょうか? 

まとめ

沖縄のトゥンジージューシー(冬至雑炊)
●トゥンジージューシー(冬至雑炊)とは
・冬至の行事食
・冬至にいただくジューシー
・イモ類がふんだんに入る

●トゥンジージューシー(冬至雑炊)の作り方
①下準備
・干し椎茸の戻し汁は炊飯の水に
・豚肉の茹で汁も炊飯の水に

②具材は賽の目
・根野菜類は約5mmほどの賽の目
・豚肉は約1cmほど
・フーチバーは刻む

③具材は調理
・豚肉は塩もみ
・フライパンを油か牛脂で熱する
・具材をフライパンで炒める
・味付けする

③炊飯器にセットする
・白だし
・醤油
・塩
…で味付け

③炊き上がりで仕上げ
・牛脂(油)を熱する
・炊飯器に熱した牛脂を入れる
(フーチバーを入れる)
・しばらく蒸す

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