沖縄では老後の生活費対策を40代50代から進める人が増えていますが、ただやみくもに貯蓄するだけでは、不安はなかなか拭えませんよね。
人生100年時代と言われる現代の沖縄では、老後の生活費はいくら貯めても安心できないとの相談は多いです。
そこで具体的な数字に出して貯蓄で赤字を補填するのではなく、1カ月の収支で暮らす時期を引き延ばすことがポイントになります。
そのために沖縄では老後の生活費を、具体的な数字で想定し「予算化」する対策が増えていますが、主に3つの項目で分けて考えると、より安心です。
今回は、沖縄で広がる老後の生活費対策、予算化で分けたい3つの項目をお伝えします。
沖縄で老後の生活費、予算化する3つの項目とは
沖縄で老後の生活費対策を講じるには、まず定年後の月々の収入と支出を整理して具体的な数字に出し、足らずを40代50代から貯蓄などの私的資金で補填する考え方が有効です。
ただ、最初に支出バランスについて検討する際、沖縄では老後に「月々の生活費」ばかりに注目する人が多い傾向にありました。
けれども実際的に老後には前半と後半があります。
老後の前半では一時的にまとまった支出が必要となるライフイベントが少なくありません。
<沖縄で老後の生活費☆予算化3つの項目>
(1)月々の生活費
(2)ライフイベント費
(3)医療・介護費
沖縄での基本的な老後の生活費は、(1)月々の生活費で回します。
そして(2)ライフイベント費や(3)医療・介護費については、基本として日々の生活において充てにしない項目です。
※老後の収支バランスについて、詳しくは別記事をご参照ください
・【定年後の沖縄暮らし】定年後の生活費の不安解消!収入と支出を整理する
(1)月々の生活費
沖縄で老後の生活費対策を検討する場合、まずは「年金だけでは足りない」認識から始めると、心の面でも老後対策ができるでしょう。
現代日本の年金制度では60歳~75歳まで、自分で好きな年齢から年金受給が可能です。
65歳を基本として60歳から年金受給ができますが、それだけ月々の年金額は少なくなり、最大75歳まで引き延ばすと、それだけ月々の年金額は高くなります。
この制度が年金受給の「繰り上げ/繰り下げ」です。
そのため(1)月々の生活費を算出するには、下記のような手順で進めると良いでしょう。
<沖縄で老後の生活費(1)月々の生活費>
・ねんきん定期便で公的年金の収入を確認する
・繰り上げ/繰り下げによる公的年金の収入変化を確認する
・何歳まで働き続けるかを決める
・働き方によって収入を想定する
・住居費を検討する(老後の住まい)
・現在の家計と比較して最終的な決定をする
…以上の流れです。
現在の家計は、3ヶ月以上の家計簿(収支)から平均値を出すと良いでしょう。
また、定年退職後も働き続けたとして、フリーランスか非常勤、はたまた再雇用か…、それぞれの働き方で収入も変わるため、改めて収入額も想定しなければなりません。
定年退職後に再雇用により働き続けるとして、一般的に収入は現役時代の70%と言われています。
将来的な働き方が分からない場合は、現在の収入の70%と仮定するのも一案です。
※上記、ねんきん定期便の見方や繰り上げ/繰り下げについては、下記をご参照ください。
・【沖縄で老後資金計画】老後資金は「ねんきん定期便」から☆見込み額の見方
・【沖縄で老後資金計画】年金受給年齢を決める、繰り上げ・繰り下げ受給とは?
※また、平均的な老後世帯の家計については下記に詳しいです。
・【沖縄のおひとりさま老後】老後2000万円問題に勝つ!50代からの対策
小旅行なども月々の生活費へ
また(1)月々の生活費は、沖縄で老後に日常的に使う生活費を差しているでの、定期的な小旅行や家族旅行、趣味やちょっと贅沢なお楽しみ費用など、「ゆとり費用」もここに含まれます。
<沖縄で老後の生活費☆ゆとり費用>
・趣味
・定期的な小旅行
・家族の誕生日会など
・お楽しみ費用
・日常の医療費(漢方や整体なども含める)
…つまり、定期的に使うであろう資金は全て、月々の生活費として算出する訳です。
そして以下の(2)ライフイベント費用と(3)介護費には、日ごろは手を付けません。
月々の生活費の一例
ちなみに山本さん一家が想定した、沖縄で老後に掛かる月々の生活費の目安は以下となりました。
<沖縄で老後の生活費☆山本さんの一例>
(1)基本の生活費
・69歳まで…月々20万円、年額240万円
・70歳~85歳まで…月々18万円、年額216万円
※その他の支出
・60歳~85歳まで…月々7万円、年額84万円
2019年に金融庁が発表して話題になった「老後2000万円問題」の平均モデルは、60歳の定年退職後に年金のみで30年暮らす夫婦世帯です。
このように基本的には25年~30年スパンで予算化すると良いでしょう。
そして定年退職後も元気に働き続ける前半と、公的年金の収入へバトンタッチする後半に分かれます。
(2)ライフイベント費
沖縄で老後の生活費へ対策を講じた失敗談に多かった事柄が、「定年退職後は思った以上に大きな出費が多かった!」と言うものです。
現役時代に購入したマイホームが築20年、30年を迎え、大幅な修繕や建て替えが必要になったり、やっと巣立った子ども達が結婚するなど、老後の前半は何かとライフイベントが起きる時期であることを考慮しなければなりません。
そのため、沖縄で老後の生活費対策を講じるには、まず定年後のライフイベントを想定し、予算目安を立てて心づもりをしておくと良いでしょう。
<沖縄で老後の生活費(2)ライフイベント費>
・子どもの結婚(援助費)…約150万円~180万円/1人
・子どもの住宅購入(援助費)…約300万円~500万円/1件
・住宅の大幅修繕費用…約300万円~400万円
・車の買い替え…約100万円~200万円/10年~15年ごと
・家族旅行費用…約5万円~8万円/1人(国内)
…などなどがありますが、例えば子どもへ結婚資金や住宅購入資金の援助などは、それぞれどれだけ出すかは違うでしょう。
また家族旅行も親が出すか子が出すか、はたまた定期的に家族で旅行をするのかも習慣が違います。海外旅行であれば約20万円~25万円/1人が目安です。
この他、沖縄で老後の生活費対策を進めるなかでは、「孫への教育資金援助」などもありました。
月々数万円を定期的に出す家もあれば、贈与税の非課税枠を利用して、まとめて出す家も見受けます。
ちなみに子どもの住宅購入で援助をした場合、1,000万円までの贈与税非課税枠が利用できるかもしれません。(2022年現在、令和3年まで)
[参考資料]
・ゼクシィ結婚トレンド調査2021(ウエディングパーティ平均総額292万3千円)
・一般社団法人住宅リフォーム推進協議会
「2020年度住宅リフォームに関する消費者実態調査」
・日本交通公社「旅行年報2021」
ライフイベント費の一例
それでは、ライフイベント費も山本さん一家の一例を出してみます。
山本さん一家の場合は、住宅リフォーム費用を出してマイホームに住み続ける選択をしていますが、沖縄で老後の生活費対策では、マイホームを築20年になる前(家屋の資産価値が少しでも残っている間)に売却をして、住み替える選択も多いです。
<沖縄で老後の生活費☆山本さんの一例>
(2)ライフイベント費…985万円
・住宅リフォーム費用…385万円
・車の買い替え…100万円×1回=100万円
・子どもの結婚資金援助…150万円
・子どもの住宅購入資金援助…200万円
・家族旅行費用…50万円×3回=150万円
また車の買い替えは一般的に10年に1回ですが、山本さんは交通アクセスの良い立地に住んでいるため、75歳以上は免許を返上する計画を立てています。
家族旅行も5年に1度の3回、後半は家族で遠出しないか、しても子ども達の費用まで持たないとして、算出しました。
(3)医療・介護費
沖縄で老後の生活費の備えとしては、日々の医療費は生活費の項目に充てているので、基本的には介護費や大きな手術などの医療費がここに入ります。
ここで一般的には民間の保険に加入しているので、加入している保険の内容を今一度確認して予算立てをすると良いでしょう。
また社会保険制度で賄えるサービス内容もあります。
<沖縄で老後の生活費(3)医療・介護費>
・社会保険でどのような内容が賄えるのか
・足らない部分を民間保険でどれだけ補填できるのか
・必要な部分を現役時代に備えておく
沖縄では老後の生活費への対策では、介護費が最も不安を感じる人が少なくありませんが、このような形でまずはスリムな予算立てをしながら、現実的な備えをしても良いでしょう。
●それぞれ予算幅が大きい項目が介護費ですが、安心できる平均的な金額は約500万円/1人と言われています。
予算立て全体の一例
それでは沖縄で老後の生活費の予算立て、3つの項目を合わせた山本さん一家の一例をまとめてみましょう。
<沖縄で老後の生活費☆山本さんの一例>
(1)基本の生活費
・69歳まで…月々20万円、年額240万円
・70歳~85歳まで…月々18万円、年額216万円
※その他の支出
・60歳~85歳まで…月々7万円、年額84万円
(2)ライフイベント費…985万円
・住宅リフォーム費用…385万円
・車の買い替え…100万円×1回=100万円
・子どもの結婚資金援助…150万円
・子どもの住宅購入資金援助…200万円
・家族旅行費用…50万円×3回=150万円
(3)医療・介護費…1,000万円(夫婦2人分)
基本の生活費は収入と支出のバランスを取った数字なので、40代50代で退職金も含めて備える金額は、ライフイベントの985万円と介護費の1,000万円、合計1,985万円の計算です。
ただ現代では退職金のない企業も増えるなど、以下の予算立てでは「到底備えられない!」と言う人もいるかもしれません。
この点は山本さん一家の一例を元にして、定年退職後も働き続けることを前提にして、住居費やライフイベント費など、削る部分は削りながら現実的な数字を出してください。
最後に
今回は、沖縄で老後の生活費に備えるため、老後の3つの項目による予算化をお伝えしました。
このように3つの項目を具体的な数値にして出し、40代50代で想定して対策を進めることで、漠然とした老後への不安が解消できるとともに、実際に沖縄で老後を迎えた時、生活費が足らずに老後破産するリスクが少なくなります。
また、定年退職を迎えたからと言って、急に生活レベルを下げることは難しいです。
その点からみても、40代50代の早い段階で沖縄での将来的な老後の生活費を具体的にイメージして、日々節約をしながら老後資金に充てることは、お金を掛けずに日々を楽しむ、ゆたかな老後生活を迎えるために役立ちます。
※老後の充実した生活については下記に詳しいです。
・【定年後の沖縄暮らし】定年後の過ごし方☆イキイキおすすめ6つの生き方
まとめ
老後の資金計画で役立つ3つの予算化
(1)月々の生活費
(2)ライフイベント費
(3)医療・介護費