・納骨堂のトラブル事例は?
・納骨堂トラブルを回避する対策は?
・後悔しない納骨堂の選び方は?
納骨堂のトラブル事例は、契約前の確認や仕組みの理解により回避できます。
「納骨堂」とは、遺骨を収蔵する屋内施設で、現代はお墓に次ぐ遺骨の供養方法として、全国的に広がっているものの、まだまだ新しい形です。
本記事を読むことで納骨堂のトラブル事例が分かり、契約前にトラブル対策ができるうえ、適切な納骨堂の選び方が分かります。
納骨堂のトラブル事例
◇納骨堂の仕組みを理解することでトラブルは軽減されます
納骨堂のトラブルリスクを軽減するには、今まで起きたさまざまな納骨堂に関するトラブル事例を確認しながら、納骨堂の仕組みを理解することがポイントです。
多くの納骨堂に関するトラブル事例を見ていくことで、必然的に自分達に適切な納骨堂の選び方が分かるでしょう。
納骨堂のトラブル事例は、大まかに下記5つのタイプに分かれます。
・納骨堂費用のトラブル事例
・管理会社とのトラブル事例
・規約に関するトラブル事例
・親族とのトラブル事例
・その他のトラブル事例
日ごろ遺骨の供養や葬送に詳しくない人が後悔せずに納骨堂を選ぶためには、複数の納骨堂を見て回り、比較検討することもポイントです。
複数の納骨堂を見て回ることで比較検討の材料ができて、納骨堂の管理がずさんな会社などには違和感を覚えるでしょう。
納骨堂費用のトラブル事例
◇納骨堂の費用が想定外に掛かったトラブル事例があります
納骨堂の費用目安は、約10万円~180万円と幅広いです。
納骨堂には種類があり、一時預かりとしての役割を果たす納骨堂もあれば、代々継承できる納骨堂もあることが、費用幅が広い要因でしょう。
<納骨堂の種類で違う費用目安> | |
[納骨堂の種類] | [費用目安] |
●位牌型 | ・位牌を並べる ・約10万円~20万円 |
●ロッカー型 | ・ロッカースペースに収蔵 ・約20万円~80万円 |
●仏壇型 | ・仏壇が並ぶ ・約45万円~150万円 |
●自動搬送型 (ビル型、可動型) |
・参拝ブースに遺骨が搬送される ・約80万円~150万円 |
●室内墓所 | ・屋内にお墓が建つ (自動搬送型タイプもあり) ・約80万円~150万円 |
一般的に納骨堂の種類で違う費用相場は納得して契約する人が多いため、納骨堂の初期費用に対するトラブルはあまりありません。
納骨堂の費用面でのトラブル事例は、初期費用とは別に追加費用がかさんだり、納骨後に請求される修繕費などのトラブルです。
・納骨堂の種類で違う費用はどれくらいかかる?契約後の年間管理料や、納骨式のお布施は?
(1)予想外の費用が掛かった
◇契約後にオプション料金として追加費用が掛かったケースです
納骨堂の初期費用には、納骨後の年間管理料や納骨料(お布施など)が含まれていないケースも多いため、どのような費用が含まれているのかの確認をおすすめします。
納骨堂の初期費用に含まれている項目は、一般的に使用料・永代供養料です。
ここに位牌を祀る場合には戒名料が含まれることもあるでしょう。
・納骨ごとに納骨料がかかるのか?
・納骨式(納骨法要)は必要か?(法要にはお布施が必要)
・法要は他所で行っても良いか?
特に寺院墓地では、納骨堂へ納骨するにあたり戒名が必要なのか、その場合に戒名が初期費用に含まれているのかも確認すると安心です。
また納骨堂は宗旨宗派を問わない寺院墓地が増えましたが、納骨するにあたり、他での法要や葬儀をしても良いのか、確認をすることで対策ができます。
過去には「納骨堂の契約後、追加費用は一切掛からない」と説明があったにも関わらず、納骨する毎に納骨料が5万円/1柱、納骨式、開眼法要の代金が掛かり、合計22万円もの追加費用を請求された、悪質なトラブルがありました。
(2)建物の修繕費を請求された
◇納骨堂の老朽化に伴い、修繕費用が請求されたケースです
納骨堂は建物ですから老朽化が進むと修繕費用が掛かります。
そこで分譲マンションの仕組みと同じように、老朽化が進んだ時の修繕費用を利用者が分担して負担するとして、後日請求されたケースです。
…納骨堂の修理修繕費用は、管理会社が負担する契約も多いです。
そのため納骨堂の契約時に、建物の老朽化に伴う修理修繕費用を誰が負担するのか、担当者に確認を取ると良いでしょう。
修理修繕費用を利用者が分担して払う納骨堂トラブルの事例では、年間管理料が約3千円など、安く設定された施設が多くありました。
(3)納骨堂が倒産(閉鎖)した
◇納骨堂の運営母体や、施設のメンテナンス状況を確認しましょう
納骨堂が経営破綻して倒産、突然の閉鎖に陥るケースはほとんどありません。
けれども2022年に、札幌市の納骨堂が経営破綻に陥り、突然閉鎖された事件が起きたことで、不安視する人々が増えました。
納骨堂の経営状況は、運営母体の規模や信頼性を確認することがポイントです。
また納骨堂の施設見学時には、施設の衛生環境や設備、メンテナンス状況をチェックしましょう。
・読売新聞オンライン「納骨堂の破綻 自治体は杜撰な経営見逃すな」
納骨堂の管理会社とのトラブル事例
◇納骨堂は管理会社の実績を確認して選びます
現代は納骨堂に限らず、墓じまいや樹木葬など、さまざまな遺骨の供養方法が広がり、葬送業界以外からの参入も増えました。
業界内外から、大小さまざまな業者が参入することで、納骨堂に限らず、遺骨を扱う自然葬や墓じまいまで、業者の選択肢が増え、費用も比較検討することができます。
2018年7月には、墓じまいサービスを提供する石材業者が、墓じまいで取り出した遺骨の処分に困り、東京都足立区のマンションのゴミ置き場に捨てた事件が起きました。
納骨堂も管理会社とのトラブルを回避するためには、経営母体と実績を確認し、信頼するにあたる業者だと納得してから契約に進むことが大切です。
・読売新聞オンライン「マンションのゴミ置き場に遺骨が捨てられたワケ」
(4)遺骨を粉砕された
◇納骨堂に納骨する際、遺骨が粉砕されたトラブル事例です
納骨堂トラブルには「遺骨を突然粉砕された」と相談する事例もあります。
ただ納骨堂では、必ずしも遺骨は骨壺の形で安置されるとは限りません。
位牌型納骨堂など、納骨堂のなかには遺骨を粉骨して位牌に納め、個別安置する仕組みもあるためです。
納骨堂で遺骨を納骨する仕組みは、施設によりさまざまですので、「どのように遺骨を保管するか」を確認しましょう。
(5)個別安置期間の相違
◇「遺骨が合祀されていた」と後悔する納骨堂トラブル事例です
納骨堂には永代供養が付いているので、家族に代わる管理者により、遺骨は永代に渡って管理・供養されます。
納骨堂の多くは契約時に交わした一定期間の個別安置の後、最終的には施設に併設された永代供養墓(合祀墓)へ、他の遺骨と一緒に合祀埋葬され、永代に渡り合同供養されるためです。
従来の一般墓は代々継承して遺骨を個別埋葬するため、納骨堂の「個別安置期間」に馴染みのない人は多いでしょう。
ただし納骨堂には、故人の「弔い上げ」までの年数に匹敵する、33年・50年単位の個別安置期間を設けたプランを提供するものや、「継承型」の室内墓所もあります。
・【沖縄の納骨堂】お墓のない「納骨堂」とは?遺骨はどうなる?費用相場やメリット注意点
(6)更新ができなかった
◇納骨堂の個別安置期間を更新できなかったトラブル事例です
納骨堂の個別安置期間は施設によりさまざまで、3年・5年単位のものもあれば、25年・33年・50年など、半世紀に渡る個別安置期間を設けた納骨堂もあります。
また個別安置期間が長いプランほど、納骨堂の初期費用も高くなる傾向です。
納骨堂では契約期間内に家族が契約更新することで、個別安置期間を延長できる施設が多い一方、更新(延長)ができない納骨堂もあるので、見学時に確認をしてください。
(7)改葬ができない規約だった
◇お墓に遺骨の改葬ができない納骨堂トラブル事例です
もともと納骨堂は遺骨の一時的な預かり場としての役割がありました。
そのため納骨堂を利用する人のなかには、いずれ遺骨をお墓などに移動する「改葬(かいそう)」を検討している人もいるでしょう。
けれども納骨堂のトラブル事例では、改葬ができなかった事例もあります。
ただ、なかには最初から遺骨は合祀埋葬され、位牌など礼拝の対象のみを並べて管理・供養する、昔ながらの位牌型納骨堂もあるため、個別安置期間や改葬の可否を、規約や見学時の聞き取りで確認しましょう。
(8)施設の管理や運営がずさん
◇納骨堂の清掃状態が悪い、スケジュールの食い違いなどです
納骨堂トラブルによる相談では、スケジュール管理がキチンとされておらず「納骨日が忘れられていた」などの事例がありました。
納骨堂の価格は約10万円~180万円と価格幅が広いですが、納骨後も供養や参拝を希望するならば、価格が安すぎる・質問への答えや対応が曖昧など、違和感を感じるものは避けた方が良いでしょう。
また納骨堂の契約前に、運営母体や管理会社をチェックすることも、納骨堂トラブルを避けるポイントです。
(9)納骨堂スペースが移動された
◇勝手に納骨堂スペースが移動された事例です
このような納骨堂トラブル事例はほとんどありませんが、過去には「利用者の許可なく、勝手に納骨堂スペースが移動されていた」と言う相談がありました。
実績のある管理会社を選ぶことはもちろんですが、この事例では国民生活センター(消費生活センター)などへ、解約や遺骨の返還、状況によっては返金ができるかを相談すると良いでしょう。
・独立行政法人:国民生活センター
納骨堂に規約に関するトラブル事例
◇屋内施設となる納骨堂は、参拝方法に違いもあります
昔から屋外の霊園などにお墓を建てて遺骨を埋葬してきた日本では、屋内施設に遺骨を納める納骨堂の規約に戸惑うトラブル事例も多いです。
通常、屋外のお墓参りでは、まずお墓掃除をしてお供え物や供え花、お線香を供えて、家族で手を合わせますよね。
けれども納骨堂のお墓参りでは、お墓掃除をする必要はありません。
この他、施設によっては上下左右に個別スペースが並ぶため、他の参拝客への配慮やマナーも変わってきます。
・納骨堂にお参りに行くマナーとは?お参りに行く時間や頻度、お供え物は?友人でもいい?
(10)お供え物に制限があった
◇屋内施設となる納骨堂では、お供え物に制限が掛かることがあります
屋外のお墓ではお供え物や供花を供えますが、納骨堂では香りの強い食べ物や花の持ち込みを規約で禁止する施設もあります。
また規約で禁止していない納骨堂でも、お供え物を供える充分なスペースがなく、「思ったようなお参りができない」との声もありました。
納骨堂のなかでも参拝スペースが広い傾向にある仏壇型や自動搬送型は、満足感を得られる施設が多い一方、位牌型やロッカー型は費用を安く抑えられる反面、充分なお供えスペースがない施設もあるでしょう。
(11)参拝方法に制限があった
◇お参り時間や参拝方法に制限がある納骨堂も多いです
なかには24時間参拝ができる納骨堂もありますが、多くは屋内ですので、参拝時間を設けている施設が多いでしょう。
午前9時~19時など、日中は参拝できる納骨堂などがありますが、これは霊園でも同じです。
この他、参拝にあたり火の用心の観点から、お線香の使用を禁止していたり、納骨堂が用意した電子線香を用いる施設も多いです。
(12)納骨できる人数に制限があった
◇納骨堂の料金システムは、人数ごとが一般的です
一般墓は墓地一区画に一基建てるごとの料金が設定されます。
例えば、「墓地一区画の永代使用料+墓石代」が建墓費用の内訳で、お墓に遺骨が入る限り、何人でも納骨できるでしょう。
…例えば、「個人スペース○○円」「夫婦2人○○円」などが多く、契約人数を越えた納骨はできません。
一般墓のイメージで契約してしまうと、契約人数を越えた遺骨の納骨ができなかった時に後悔し兼ねませんので、予め納骨堂の料金システムを確認して、納得してから契約しましょう。
(13)個別法要ができない
◇納骨堂のなかには、遺骨の前で法要ができない施設もあります
ロッカー型納骨堂や位牌型納骨堂など、上下左右に複数の個別スペースや位牌が並ぶ納骨堂では、周囲への配慮から、個別スペース前での法要が制限される施設もあるでしょう。
この場合、施設内に用意された共通の礼拝対象に向かい、年忌法要などの個別法要ができる納骨堂もあります。
一方で自動搬送型納骨堂などでは、予約を取り契約者が利用できる、個別の法要室を設けた納骨堂も増えました。
納骨堂に関する親族とのトラブル事例
◇納骨堂は遺骨供養の新しい形です
納骨堂や樹木葬など、お墓を持たない遺骨の供養方法は、まだまだ新しい形ですので、家族や親族が反対する納骨堂のトラブル事例も少なくありません。
特に先祖代々墓を墓じまいして、遺骨を納骨堂に移す場合は、「お墓」と言う伝統的な礼拝対象がなくなるため、家族・親族間でしっかりと話し合う必要があります。
家族・親族間による納骨堂トラブルの多くは、説明や理解不足が原因です。
遺骨の扱いは後々、家族・親族間で深い傷として残るリスクもあるので、説明を尽くして、お互いに納得してから選びましょう。
(14)納骨堂のイメージの相違
◇納骨堂は「一時預かり」のイメージが残っています
現代こそ納骨堂はお墓と同じ、遺骨供養のひとつの形として認知され始めていますが、かつてはお墓のない遺骨や、お墓が建つまでの「一時的な遺骨の安置場所」として利用されてきました。
そのため親族のなかには納骨堂と聞くと「一時的な預かり場所」「簡易的な対処法」と捉える人も少なくありません。
(15)生前契約が伝わっていなかった
◇生前契約をしたら、確実に家族に伝えましょう
終活により本人による納骨堂の生前契約が増えました。
納骨堂の生前契約をすることで、何よりも本人が納得できる遺骨の供養方法が選択できるうえ、家族に負担が掛かりません。
一般的に終活では、納骨堂の生前契約の存在をエンディングノートなどに記載しますが、エンディングノートが見つからない可能性もあるでしょう。
納骨堂の生前契約トラブルを回避するためにも、確実に残される家族に、その存在を伝えることが重要です。
納骨堂に関する、その他のトラブル事例
◇屋内施設である納骨堂ならではのトラブル事例もあります
納骨堂はビル型の屋内施設が多く、都心部に近い立地でも手の届く金額で遺骨供養ができることがメリットです。
けれども、その一方で契約前は便利さ故の心配事や相談も多いです。
前述したように建物はいずれ老朽化しますので、まず修理修繕時の費用は誰が出すのかや、修理修繕時の遺骨の扱いを確認しておくことも、安心材料になるでしょう。
(16)災害時に紛失の恐れ
◇災害が起きると遺骨が紛失してしまう可能性は否めません
納骨堂トラブルではありませんが、納骨堂に納骨したものの、近年頻繁に起きる災害を前にして、「災害が起きたら遺骨が紛失してしまうのではないか?」と相談に訪れる人も増えています。
確かに納骨堂はビルが多いため、災害が起きてビルが倒壊したら、遺骨の紛失や散乱するリスクはあるでしょう。
お墓に遺骨を埋葬した場合でも、墓石の倒壊や墓地が崩れる可能性とともに、遺骨の紛失リスクも考えられますが、納骨堂は建物である分、より見つかりにくい側面はあるかもしれません。
(17)地域性の問題
◇納骨堂に参拝に行ったところ、立地環境が悪かった事例です
納骨堂の立地環境トラブルは、まず現地見学をして決めることで回避できます。
郊外にあり、公共交通機関から遠く不便だったり、納骨堂まで歩いていると、治安が悪かった、などの声もあるでしょう。
また雨天時に公共交通機関を利用して徒歩で行くと、道路の排水状況が悪く地盤に不安を感じた、などの声もあります。
まずは現地見学をして、周辺も歩き回ることで気づくことも多いです。
(18)お墓参りシーズンの混雑
◇お墓参りシーズンに混雑し、後悔した事例もあります
納骨堂トラブル事例では、お墓参りの混雑も多く挙げられました。
全国的には春と秋のお彼岸時期、沖縄では毎年4月頃に訪れるシーミー(清明祭)などがお墓参りシーズンにあたるでしょう。
納骨堂内の混雑の他、納骨堂までの道のりで交通渋滞が起きる可能性もあるため、お墓参りシーズンを避け、少し時期をずらした対策もおすすめです。
納骨堂のトラブル対策
◇納骨堂トラブルは、事前対策である程度防ぐこともできます
納骨堂トラブルは、納骨堂で永代供養をする仕組みへの理解が不足していたり、納骨堂施設の規約をよく読んでいなかったことで起きる事例が多いです。
管理会社との納骨堂トラブルも、予め管理会社の実績や経営母体、口コミを確認することで、起こり得る納骨堂トラブルが想定できるため、回避に繋がるでしょう。
①親族と話し合う
◇納骨堂トラブルでは、契約後に親族による反対が起きた事例もありました
親族間の納骨堂トラブルを回避するためには、なぜ納骨堂を選んだのか、そのメリットを説明して、理解してもらいます。
特に墓じまいで取り出した遺骨を納骨堂に納める場合は、墓主が決断することが多いため、墓主としての問題を説明すると伝わりやすいです。
・定期的な掃除やメンテナンスの負担がなくなる
・お墓の継承者問題が解消される
・清潔な環境下でいつでも気軽に参拝できる
まずは墓主として悩んでいる事柄を、親族に相談する形で話を切り出し、それでも反対があれば、墓主を代わってもらうよう打診することも、双方の理解に繋がります。
②予算を決める
◇最初に予算を決めて、担当者に伝えておきます
納骨堂トラブルでは「初期費用とは別に、追加費用が想定以上に掛かった」と言う事例も多くありました。
一部悪質な管理会社の事例もありましたが、なかには年間管理料や納骨式に伴うお布施など、基本的な初期費用とは別に組まれる費用もあります。
・位牌代(位牌型、仏壇型)
・仏具代(仏壇型)
・戒名料(位牌型、仏壇型)
・納骨料
・納骨式のお布施
例えば複数の遺骨を納骨する契約をした場合、2人目以降の納骨はその都度、納骨料を支払う納骨堂もありました。
ただ、納骨堂の初期費用にどのような項目が含まれているのか、その項目内容は施設によりさまざまです。
そのため予め全体的な予算を設定し、担当者に相談をすることで、掛かり得る費用については伝えてくれる可能性が高くなります。
③個別安置期間を確認する
◇納骨堂の永代供養は、いずれ合祀墓に合祀されます
納骨堂の永代供養は、管理者が家族に代わって永代に渡り遺骨の管理や供養を行ってくれますが、お墓のように永代に渡って遺骨が残る訳ではありません。
納骨堂には個別安置期間があり、その期間を過ぎるといずれは合祀墓に合祀埋葬されることを理解して契約内容を確認することで、個別安置期間に関する管理会社とのトラブルも回避できるでしょう。
<確認事項> | |
・個別安置期間 (3年、5年、15年、33年など) |
|
・契約更新の可否 (個別安置期間を延長できるか?) |
|
・年間管理料の有無 (料金、支払方法) |
また納骨堂では一般的に、個別安置期間は年間管理料が掛かります。
「年間管理料」は公共部分のメンテナンスや設備に対して掛かり、費用目安は約5千円~2万円です。
納骨堂の生前契約をする場合、年間管理料を一括で払うプランであれば、残された家族が毎年年間管理料を払う負担が軽減されます。
④納骨できる人数を確認する
◇納骨堂は人数ごとの契約が一般的です
従来のお墓のイメージで契約をすると、契約者が許可すれば、何人でも納骨スペースに遺骨を安置できると勘違いが起きがちですが、納骨堂には人数制限があります。
現代では3人~4人ほどの家族が一緒に納骨できる家族型も増えましたが、納骨できる人数が増える分、費用も高くなる傾向です。
<納骨堂のさまざまなプラン> | |
[人数] | [費用目安] |
●個人型(人数1人) | ・約10万円~50万円 |
●夫婦型(人数2人) | ・約45万円~80万円 |
●家族型(人数3人~4人) | ・約80万円~120万円 |
●継承型(人数3人~5人) | ・約120万円~180万円 |
また納骨堂のなかでも個別安置期間が長く更新もできて、継承者を必要としないまま、代々遺骨が安置される継承型も、室内墓所を中心に増えました。
誰と・どのような形で納骨したいのかを決めて、選ぶと良いでしょう。
⑤供養への希望をまとめる
◇遺骨の供養方法は、施設によりさまざまです
納骨後も頻繁な参拝や個別法要をしたいならば、納骨後の供養への希望をまとめて、資料確認や現地見学時に、希望する供養が実現するかをチェックします。
<供養方法の確認事項> | |
[参拝スペースの確認] | ・個別の参拝スペース (自動搬送型など) ・共通の礼拝対象に参拝する (位牌型、ロッカー型など) ・参拝スペースが狭い (ロッカー型など) |
[参拝方法に関する規約を確認] | ・お供え物や供え花への規約 ・お線香のあげ方 ・個別法要はできるか? |
[参拝時間の確認] | ・参拝できる時間帯 ・参拝は予約制ではないか? ・駐車場の台数 |
ゆったりと参拝したいのであれば、自動搬送型納骨堂で参拝ブースに案内されるタイプが適切です。
上下左右に個別スペースが並ぶロッカー型や、位牌が並ぶ位牌型は、他の参拝客への配慮が必要となり、慌ただしい参拝になるかもしれません。
⑥現地見学をする
◇現地見学をしてアクセスや周辺環境もチェックできます
納骨堂に納骨後も丁寧な供養をしたいのであれば、資料や費用のみで判断するのではなく、必ず現地見学をして違和感がないか、周辺環境やアクセス状況、施設の状況を確認しましょう。
<納骨堂の現地見学での確認事項> | |
[アクセス状況] | ・車でのアクセス ・公共交通機関 (送迎バスなどの運行状況) |
[周辺環境] | ・周辺の治安 ・雨天や夜間の周辺環境 |
[施設や設備] | ・清掃状況 ・休憩場所の有無 ・管理人の常駐 |
[施設の雰囲気] |
・清潔感はあるか ・不快感はないか ・明るいイメージか |
などなどがありますが、何よりも現地見学で納骨堂に入った時に違和感や不快感がないか、直観も大切です。
また受付や営業担当者の受け答えが曖昧だったり、違和感を覚えた時にも、一度落ち着いて他の納骨堂と比較検討しながら選ぶと良いでしょう。
・納骨堂の現地見学で確認したいチェックリスト。後悔しない納骨堂選び6つのポイントとは
まとめ:納骨堂トラブル対策は、仕組みを理解することです
遺骨を収蔵する屋内施設である納骨堂は、霊園のように広い敷地を必要としないビル型なので、交通アクセスの良い都心部などの立地も多く、利用者は気軽に参拝できるメリットがあります。
また納骨堂には一般的に永代供養が付いているため、家族はお墓のように定期的なメンテナンスが必要なく、継承者を立てる必要がありません。
けれども一方で、遺骨の個別安置期間が定められているプランが多く、個別安置期間を過ぎると合祀墓に他の遺骨と一緒に合祀されるため、個別安置期間が過ぎて合祀埋葬されてしまうと、個別に遺骨を取り出すことはできません。
納骨堂トラブル対策には、この納骨堂の仕組みをよく理解して、個別安置期間や参拝方法など、不安点を確認してから契約に進むことが重要です。