沖縄の門中墓から抜けるには?次男・三男の悩みや手順、注意点を専門家が解説

沖縄の門中墓から抜けるには?次男・三男の悩みや手順、注意点を専門家が解説

2024.02.03

沖縄の門中墓から抜ける手順と注意点を解説。次男・三男は入れる?といった疑問から、親族トラブルを防ぐ相談のコツ、遺骨の取り出し費用まで、沖縄の現場を知る専門家がアドバイスします。放置せず、納得のいく独立供養を叶えるためのガイドです。

沖縄の伝統的な「門中墓(むんちゅうばか)」。父方の血族で入るこのお墓は、かつては誇りであり、絆の象徴でもありました。

しかし、ライフスタイルの変化に伴い
「次男・三男なので自分で新しくお墓を持ちたい」
「門中のしきたりが負担」

といった理由で、門中墓から抜けることを検討する方が増えています。

本記事では、門中墓特有のしきたりや、抜ける際の手順親族トラブルを防ぐための注意点を詳しく解説します。

門中墓とは?
◇「門中墓」とは、父方の血族「門中」によるお墓です

「門中墓(むんちゅうばか)」とは、父方の血族による始祖を同じくした集まり「門中(むんちゅう)」の人々が入るお墓となり、先祖代々墓とは異なります。

基本的に父方の血で繋がる人々が入るお墓ですが、嫁は入ることが可能です。
下記より昔から伝わる門中墓に入る人を解説しますが、現代では門中によりしきたりへの解釈も違うでしょう。

<門中墓に入る人>
[門中墓に入る人]代々嫡男
・その嫁
・独身の次男・三男
[門中墓に入れない人]・養子、養女
婿養子
独立した次男・三男
独身の娘
・子どもを産んでいない女性
・幼くして亡くなった子ども

…などとされ、結婚をして独立した次男以降の男性は、自分を始祖としたお墓を新しく建てるとされます。

一方で継承者がいない独身の娘や、幼くして亡くなった子ども、子どもを産んでいない女性は、本墓には入らず、墓地内の祠に納骨されてきました。

幼い子どもとされる年齢は3歳・7歳などの門中がありますが、現代はこのようなしきたりもなくなりつつあります。 

[門中墓とは]
沖縄のお墓が大きいのは、昔の風習にあった!他県と違う5つの風習、お墓参りルールとは

◇門中墓に入る人のタブーやしきたりは、門中によりさまざまです

全国的にも、法的に墓主が許可すれば、血縁関係がなくても同じお墓に入れるように、門中墓も現代では、墓主となるムートゥーヤー(本家)の解釈により、判断が分かれます。 

<門中にあったさまざまなしきたり>
[緩い例]・娘や子どもでも、誰でも入れる
・門中に貢献した人が本墓に入る
[独自のしきたり]・兄弟は一緒のお墓に入れない
・1年間は祠に入り、旧暦10月24日に本墓に納骨する

…などなど、複数の人々に相談をしてみると、所属する門中によって答えは違うかもしれません。
兄弟が一緒のお墓に入れない場合、長男が入れば次男以降は独身でも新しく個人墓を建てることになります。

1年間は祠に入る」しきたりは、その昔に風葬の歴史があったためでしょう。
数年後に洗骨をしてジーシガーミ(骨壺)に納め、納骨する流れです。 

改葬・墓じまい・墓地引取り

門中墓から抜けるには?
◇門中墓から抜ける場合、ムートゥーヤー(本家)にご相談します

現代の沖縄では、このような門中墓のしきたりも随分緩くなったものの、大きな門中では入っていることで役割も多く、負担になり抜けたい声も増えました。 

<門墓墓から抜ける理由>
・定期的に巡る世話役「アタリ」が負担
・旧暦行事のお手伝いや参加ができない
・子どもが祠に入ることに抵抗がある
・独身の娘が入れるお墓を用意してあげたい
・ムートゥーヤーと意見が合わない

…などなど、現代の沖縄では門中墓から抜けることを検討する家が増えていますが、問題はムートゥーヤーとの関係性だけで、法的には問題はありません。
特に沖縄にも民間霊園が登場し、新しいお墓を建てやすくなりました。 

[お墓がない時、遺骨はどうする?]
【沖縄のお墓】沖縄で増える「入るお墓がない!」問題、5つの解決方法とは

◇継承者がいない人の遺骨を供養するには、永代供養が役立ちます

ただ次男や三男などで門中墓から抜ける人など、「お墓を建てても継承者がいないから、無縁仏になるのでは?」と心配する人が多いです。

けれども民間霊園では、多くが「永代供養」が付いているので、独身者でも個人墓が立てやすいでしょう。 

<門中墓から抜ける:永代供養とは>
●「永代供養(えいたいくよう)」とは
家族や子孫に代わり霊園管理側が、永代に渡り遺骨の管理や供養をしてくれるサービスです。

・永代供養付き個人墓
・納骨堂
・合祀墓(他の遺骨とともに納骨)

また樹木葬などの自然葬を選ぶと、土に還るなど自然に還るので、後々無縁仏になることはありません。

[永代供養とは]
永代供養とは?種類で違う費用目安、永代供養の期限ってなに?期限が切れたらどうなる?

門中墓は本来、代々嫡男(長男)とその家族が継承していくものであり、独立して家庭を持った次男以降の男性は、自分を始祖とした新しいお墓を建てることが一般的とされてきました 。

 ●しかし、現代では土地の問題や費用の負担から「自分たちでお墓を建てるのは大変だが、分家なので門中墓には入れない」という悩みが生まれています。

一方で、門中に属し続けることで発生する「アタリ(世話役)」の負担や、旧暦行事への参加が難しいといった理由から、あえて門中墓には入らず、自分たちの代で永代供養付きの個人墓を持つという「前向きな独立」を選択するケースが増えています。

「基本的には嫁も門中墓に入ることが可能」とされていますが、昨今ではお嫁さんの立場から、以下のような本音を抱える方が増えています。

 ●心理的な抵抗
 …会ったこともない多くの親族が眠る大きなお墓に入ることに、漠然とした不安や抵抗を感じる。

 ●子供への配慮
 …自分の子供たちに、門中の役割や模合(もあい)などの金銭的・時間的負担を引き継がせたくない。

 ●理想の供養形態
 …本音を言えば、夫婦だけ、あるいは自分の実家の方に入りたい 。

こうした悩みは、決して先祖を軽んじているわけではなく、今のライフスタイルに合わせた自然な感情です。

無理をして門中のしきたりに合わせるのではなく、夫婦や家族で話し合い、納骨堂や手元供養といった「自分たちが心から安心できる供養の形」を検討することが、現代における新しい家族のあり方となっています。

県内でお墓を探す-供養の窓口おススメ霊園

●墓じまいの石材業者とのトラブル
◇納骨した遺骨を取り出して移動する方法もあります

門中墓から抜ける場合、複雑になるパターンが納骨後の独立です。

家族の遺骨を納骨したものの、後になって門中墓から出したい場合は、行政上では遺骨を引っ越す「改葬(かいそう)」の手続きとなるでしょう。

改葬には遺骨がある自治体へ改葬許可申請をするため、門中墓の墓主(管理者)から、遺骨を埋葬している証明「埋葬証明書」を発行してもらいます。

ただし門中墓の種類によって、改葬できない遺骨もあるので注意をしてください。

<門中墓から抜ける:改葬できない種類>
●合祀墓
…門中墓が、他の人々の遺骨と一緒に納骨する「合祀(ごうし)」スタイルであれば、家族の遺骨のみを取り出すことはできません

特に大きな門中墓に多いです。
大きな納骨スペース「カロート」の底面が土になっており、遺骨を骨袋や骨壺から取り出して大きなカロートに、他の門中の人々の遺骨とともに納めるためです。

また埋葬証明をしてもらうにあたり、墓主(墓地管理者)の合意が必要になります。
そして取り出した遺骨は、何らかの形で供養をしなければなりません。 

[永代供養の一例]
霊園墓石のヤシロ|琉球御廟
沖縄メモリアル整備協会|永代供養付きプラン

門中墓から抜ける:遺骨の引っ越し5つのステップ
◇ムートゥーヤー(本家)から許可を得たら、まず新しい納骨先を決めます

家族の遺骨を取り出して、門中墓から抜けるためには、墓主であるムートゥーヤー(宗家)協力のもと、自治体で改葬許可証を発行してもらわなければなりません。
改葬許可証を発行してもらうには、埋葬許可証、受入証明が必要です。 

<門中墓から抜ける5つのステップ>
[ステップ][行うこと]
①ムートゥーヤー(本家)に相談・遺骨の取り出し許可
②新しい納骨先を決める・受入許可証をもらう
③改葬許可申請・改葬許可証の発行
④遺骨の取り出し・閉眼供養
・石材業者へ依頼
⑤遺骨の納骨・納骨式

 墓地管理者が墓地を管理している霊園や寺院墓地、公営墓地の場合、墓地管理者から埋葬証明をしてもらいますが、個人墓地の場合、墓地を所有する墓主が証明します。 

◇墓主であるムートゥーヤー(本家)に独立の意思を伝えます

門中墓から家族の遺骨を取り出すため、ムートゥーヤー(本家)の許可は不可欠です。
門中墓を取り仕切るムートゥーヤー(本家)は墓主でもあります。

たとえ家族の遺骨であっても、墓地管理者である墓主の許可なく、勝手に遺骨を取り出すことは、行政手続き上できません。 

<門中墓から抜ける:墓主の許可>
●墓地の名義人である墓主に許可をもらい、取り出す遺骨を証明する「埋葬証明」をしてもらいます。

門中墓から家族の遺骨のみを取り出す場合でも、市町村役場で遺骨を引っ越す許可「改葬許可証」を発行してもらわなければならず、そのためには埋葬証明が不可欠です。 

◇門中墓から抜ける前に、新しい納骨先を決めましょう

改葬許可証を発行してもらうためには「受入証明」が必要です。
受入を証明する「受入証明書」は、新しい納骨先から発行されます。

手続きをスムーズに進めるためには、先に取り出した遺骨の新しい納骨先を決めておくと良いでしょう。 

<門中墓から抜ける:新しい納骨先>
・霊園の資料請求
・霊園見学
・納骨先を決める
・契約
・受入証明

現代ではお墓の値段も安くなっていますが、新規で建てるとなると100万円~175万円ほどは掛かるでしょう。

けれども近年では民間霊園を中心に、納骨堂や屋外の集合墓、ワンプレート墓石のガーデニング型樹木葬なども提供されるようになりました。

また近年では家族に代わり遺骨の供養や管理を墓地管理者が担う「永代供養」が広がっていますので、納骨後が楽になります。

新しい遺骨の納骨先も、合祀墓(永代供養墓)であれば5万円ほど/1柱~契約できるので、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。

[永代供養]
墓じまい後の永代供養とは?取り出した遺骨の供養5つの方法、メリットデメリットも解説

◇自治体から「改葬許可証」が必要です

遺骨が眠るお墓がある自治体の役所窓口で、改葬許可申請を行います。
「改葬(かいそう)」とは遺骨やお墓を引っ越すことを指し、「改葬許可証」は遺骨を取り出す際、石材業者へ提出をする書類です。

改葬許可証は1柱につき1枚必要ですが、門中墓から抜けるケースの改葬なら、1柱で留まることが多いでしょう。 

<門中墓から抜ける:改葬許可申請>
[提出書類][発行場所]
①改葬許可申請書・役所
(ホームページ)
②受入許可証・新しい納骨先
③埋葬証明書・現存の墓地管理者
●個人墓地の場合
お墓の名義人(墓主)
・墓所の地図
…など
④本人確認書類・マイナンバーカード
自動車免許証
…など

改葬許可申請書は、ホームページでダウンロードできる自治体が多いです。
埋葬証明書、受入証明書が一体化している改葬許可申請書の場合、埋葬証明・受入証明の欄が設けられたものもあります。
この場合は、それぞれ署名、捺印をしてもらうと良いでしょう。 

●霊園のお墓は霊園の墓地管理事務所へ行き、埋葬証明書を入手します。

沖縄では個人墓地が多く、個人墓地は個人名義なので、署名・捺印とともに、墓所の地図などを印刷して証明するケースが多いでしょう。
自治体によって提出書類は異なるため、まずは自治体ごとに確認をしてください。 

[遺骨取り出しに関する相談先]
供養ギャラリー|供養の窓口
沖縄メモリアル整備協会|お墓の引越しサポートパック

[参考]
・那覇市「改葬許可について」 

[個人墓地の墓じまい]
個人墓地の墓じまいとは?無許可墓地の問題点とは?墓じまい後の個人墓地は売却できる?

◇遺骨を取り出す前に、読経供養を行います

門中墓から抜けるために遺骨を取り出す場合は、お墓を解体する墓じまいにはあたりませんが、お墓を開ける前の読経供養を行う流れが一般的です。

沖縄には特定の菩提寺がない家が多いため、昔は近隣の寺院に相談しました。
現代では、新しい納骨先の墓地管理者や、石材業者、仏壇仏具店などに相談すると紹介してくれるでしょう。 

<遺骨を取り出す費用目安>
[支払先][費用目安]
①石材業者
(遺骨の取り出し)
・約3万円~5万円/1柱
②僧侶
(読経供養の依頼)
・約3万円~5万円/1回

その昔はユタさんにお願いしましたが、現代はユタ付きの家も少なく、霊園などで紹介してもらった僧侶へ依頼する流れがスムーズなためでしょう。
近年ではインターネットでも僧侶派遣サービスを見受けます。

なお、僧侶への読経供養のお礼はお布施として、厚手の白封筒に包み「お布施」の表書きで整えてお渡ししてください。 

[読経供養のお礼:お布施]
沖縄の法要でお布施を包む。僧侶へ渡す時の準備やマナーとは

◇遺骨を納骨する際は、納骨式を行います

門中墓から抜けるにあたり、取り出した家族の遺骨は、新しい納骨先へ納骨する時に納骨式を執り行う流れが一般的です。

納骨式も読経供養と参列者によるお線香(お焼香)の流れになるでしょう。
新しいお墓を建てた場合は、開眼供養も一緒に行います。 

<納骨式の費用目安>
[支払先][費用目安]
①石材業者
(墓石の開閉を依頼)
・約3万円~5万円ほど/1柱
②僧侶
(読経供養の依頼)
・約3万円~5万円ほど/1回
●開眼供養を行う場合・約5万円~7万円ほど/2回

お布施に決まった金額はありませんが、開眼供養を行う際、2回の読経供養を依頼するならば約5万円~7万円と、2回分の読経供養のお礼として多めにお布施を包むのがマナーです。

また、お墓の開閉は自分達でもできますが、墓石は重く、思わぬ事故のリスクを避けるためにも、石材業者にお墓の開閉を依頼すると良いでしょう。 

[開眼供養・閉眼供養]
開眼供養・閉眼供養とは、いつ行うの?しないとだめ?進め方やお布施、お供え物まで解説 

改葬・墓じまい・墓地引取り

門中墓から抜けて新しい場所へ移る「改葬(かいそう)」には、主に僧侶への謝礼石材業者への依頼費用が発生します 。

具体的な費用目安は以下の通りです

項目費用目安備考
遺骨の取り出し約3万円~5万円/1柱石材業者へ依頼
遺骨取り出しの供養約3万円~5万円/1回僧侶へのお布施
新しい納骨先の費用約5万円~175万円永代供養か新規建立かによる
納骨式の費用約3万円~5万円/1回お墓の開閉・読経

新規でお墓を建てる場合は100万円〜175万円ほど必要ですが、永代供養墓(合祀墓)などを選ぶことで、1柱あたり5万円程度から契約できるケースもあり、予算に合わせた選択が可能です 。

初めての仏壇選びも安心_仏壇+仏具セット

法的にお墓は、墓主の許可があれば血縁の関係なく、誰でも入ることができますが、門中墓は昔からのしきたりを忠実に守る門中もあるでしょう。

門中に入っていれば、お墓を建てる費用が掛からず、継承者の心配もない反面、門中の年中行事のお手伝いお付き合い、協同資金の模合など、負担もあります。

ただ一方で門中墓のしきたりに悩む人も多く、門中墓から抜ける人も増えました。
その背景には、墓地管理者に遺骨の供養や管理を委ねることができる永代供養の登場もあるでしょう。

この他、夫婦や子どもなど、ごく身内の故人であれば、自宅で毎日遺骨を祀り供養する方法も増えています。 

執筆・監修:供養の知恵袋編集長

[永代供養や費用相場について詳しく]
永代供養とは?沖縄で永代供養の費用相場や、5万円~格安の永代供養を選ぶチェック項目

[手元供養の改葬]
沖縄で納骨した遺骨を手元供養にしたい!遺骨を取り出す改葬手続きとは

改葬・墓じまい・墓地引取り
県内でお墓を探す-供養の窓口おススメ霊園
初めての仏壇選びも安心_仏壇+仏具セット

 

 

沖縄のお墓の管理や墓じまいで
お困りではありませんか?

  • お墓の管理が難しい…
  • お墓を継ぐ人がいない…
  • お墓が遠くてお参りが大変…
  • お墓の相続手続きが面倒…
  • 子供たちに負担をかけたくない…
お墓の悩みのイメージイラスト

そのお悩み、供養の窓口が
まとめてお手伝いします!

改葬・墓じまい・墓地引き取りなど、専門知識と経験をもとに、
お一人おひとりのお悩みに寄り添いながら最適な解決策をご提案します。

専門スタッフが丁寧に
お話を伺いますので、
まずはお気軽にご相談ください。

相談スタッフのイラスト
前の記事
次の記事

関連記事

【定年後の沖縄暮らし】老後2000万円問題に勝つ!からくりと50代から5つの対策
【定年後の沖縄暮らし】老後2000万円問題に勝つ!からくりと50代から5つの対策
沖縄で増えた分骨の手続きと予算の目安。埋葬した後も分骨はできるの?
沖縄で増えた分骨の手続きと予算の目安。埋葬した後も分骨はできるの?
沖縄で初めての手元供養。想いで分ける5つの選択
沖縄で初めての手元供養。想いで分ける5つの選択
【沖縄のお墓】「永代使用権」とはなに?契約した墓所の譲渡や売却ができないって本当?
【沖縄のお墓】「永代使用権」とはなに?契約した墓所の譲渡や売却ができないって本当?