ペットの手元供養とは、ペットが亡くなった時、火葬を済ませたペットの遺骨を、骨壺などに納めて、手元に置いて供養する方法です。
現代では人の遺骨でも手元供養が選ばれ、主に自宅で遺骨を祀る他、ペンダントトップなど、アクセサリーに遺骨を納めて、いつも身近で供養する選択もあります。
・ペットの手元供養とは?
・ペットの手元供養の種類は?
・どうやってペット供養を進めるの?
・ペットの手元供養に掛かる費用の目安は?
・ペットの手元供養、メリット・デメリットは?
今回はペットの手元供養とはなにか?その種類や種類、費用の目安、メリット・デメリットをお伝えします。
ペットの手元供養とは
◇ペットの手元供養とは、ペットが亡くなった時に火葬した遺骨を、手元に置いて供養をすることです
ひと昔前まではペット専用の火葬場がなかったため、自宅の庭に埋葬したり、自治体に連絡して引き取ってもらうなどしています。そのためペットの手元供養が難しい環境でした。
けれども近年では、人と同じようにペット火葬が一般的になり、火葬した遺骨の葬送方法として、ペットの手元供養が広がっています。
・ペットの遺骨を手元に安置する
・暮らしのなかで供養する
・お仏壇と同じようにお世話をする
一般的にペットの手元供養では、人のためのお仏壇と同じように日々のお世話をしますが、人のように法的な決まり事はありませんし、親族の了解は必要ありません。
そのため日々のペット供養も飼い主によってさまざまです。
人のお仏壇の脇に、ペットの骨壺を祀る家もあれば、毎日ベッドサイドに骨壺を安置する飼い主もいます。
・ペット供養とは?期限はある?火葬後ペットの遺骨はどうしたらいい?5つの方法を解説!
ペットの手元供養を進める注意点
◇ペットの手元供養では、個別火葬を選んでペット火葬を行います
ペットの手元供養とは、ペットの遺骨を手元に安置して供養する方法ですから、当然、ペットの遺骨は手元に返骨されなければなりません。
けれども現在のペット火葬では、他のペットと一緒に合同火葬される方法もあります。
●ペット火葬後、返骨される方法を選ぶ
・合同火葬…返骨されない
・個別火葬…返骨される
・一任火葬…「返骨あり」を選択する
一任火葬とは、ペットのご遺体を業者に預けてペット火葬を一任する方法です。
そのためペット火葬場では、合同火葬する場合もありますし、火葬後に散骨などをして処理する業者もあります。
ペットの一任火葬を選ぶ場合、「一任個別火葬・返骨あり」を選び、ペットの遺骨が返骨される方法を選んでください。
・ペット火葬とは?火葬の種類や費用目安。ペットが亡くなると、いつまでに火葬をするの?
ペットの手元供養、2つの方法
◇ペットの手元供養には、細かく分けると2つの種類があります
どちらも全般的にペットの手元供養と呼ばれますが、細かく分けると「自宅供養」と「手元供養」の2つの種類に分かれるでしょう。
[1]自宅供養…自宅に祭壇(ステージ)を設けて骨壺を祀る
[2]手元供養…アクセサリーなどに納めて持ち歩く
いずれにしてもペットの遺骨を手元で供養する方法です。
ペットの手元供養では火葬後にペットの遺骨を分骨して、自宅供養と手元供養、両方を選ぶ、もしくは納骨堂(納骨棚)やペットのお墓など、他の葬送も併せて行う飼い主もいます。
[1]祭壇に祀る「自宅供養」
◇祭壇(ステージ)を設けて、ペットの遺骨を納めた骨壺を祀る「自宅供養」です
特に家族のみんなに愛されていたペットなど、家族単位で供養をしたい人々に向いている供養でしょう。
またペットの骨壺を祀る祭壇(ステージ)は仏壇としても利用できるため、人と同じように供養ができます。
①メリット
・家族で供養ができる
・人と同じような個別法要ができる
・供養の様子が分かりやすい
②デメリット
・費用がより掛かりやすい
・遺骨の管理
・骨壺を祀るスペースが必要
…などなどがあります。
自宅に仏壇などの祭壇(ステージ)を設けることで、家族みんなが絆を持って、日々の供養ができることから、家族に好まれる供養方法です。
ただし遺骨は湿気を帯びやすく、カビの心配があります。
骨壺にシリカゲルを入れるなど、湿気対策をして骨壺や遺骨の手入れをするシーンも、出てくるかもしれません。
・手元供養の遺骨にカビがはえるとは?自宅に安置する遺骨、5つのカビ対策!カビの対処法
[2]アクセサリーで持ち歩く
◇ペットの遺骨を、キーホルダーなどアクセサリーに納めて供養します
ペットの手元供養には、アクセサリーに納めて持ち歩く方法も人気です。
ネックレスのペンダントトップに粉骨(パウダー加工)したペットの遺骨を納める他、ブレスレット、キーホルダーなども多いでしょう。
①メリット
・常に一緒に供養できる
・スペースを取らない
・周囲に気付かれない
②デメリット
・紛失しやすい
・残りの遺骨の葬送が必要
アクセサリーで持ち歩くペットの手元供養では、粉骨(パウダー加工)した遺骨から作る「ダイヤモンド葬」などもあります。
ただしダイヤモンド葬は約45万円ほどからで、ネックレスなど他の方法でも、プラチナであれば高いように、金額幅が大きい点が特徴です。
●ただ一方で約3,000円ほどのものもあり、予算に合わせた選択ができるでしょう
ペットの手元供養をする5つの手順
◇ペットの手元供養では、ペットの大きさに合わせて遺骨を粉骨(パウダー加工)する飼い主が多いです
小型犬やハムスターなどの小動物には必要ありませんが、大型犬などの場合、ペットの遺骨を粉骨(パウダー加工)して、コンパクトにまとめる飼い主が多いでしょう。
これは人の手元供養でも用いられる方法ですが、粉骨(パウダー加工)によって、遺骨をコンパクトにまとめ、祀ることができます。
[1]ペットの個別火葬
◇ペットの手元供養を進めるなら、火葬方法は「個別火葬」です
ペット火葬では、他のペットと一緒に火葬を行う「合同火葬」があります。
けれども合同火葬では、個々のペットの遺骨を分けることはできません。
・個別火葬
・返骨あり
ペットの手元供養は遺骨を自宅や手元に置いて供養しますから「個別火葬」です。
また業者のなかには、火葬後の遺骨を返骨しないプランもありますので、「返骨あり」プランかどうかもチェックして進めてください。
[2]ペットの遺骨を粉骨
◇ペットの遺骨を粉骨(パウダー加工)して、コンパクトにまとめます
ハムスターやウサギ・小型犬などであれば、必要ないこともあるでしょう。
また合祀墓(ペット合同慰霊碑)など、他の葬送方法と併せてペットの手元供養を進める場合には、喉仏のみを祀るケースも見受けます。
・ペット火葬場の粉骨サービスを利用する…約3,300円~5,500円ほど
・他社の粉骨サービスを利用する…約5,000円~12,000円
ペットの粉骨(パウダー加工)は、コンパクトになるばかりではなく、遺骨の状態よりも湿気に強く、衛生面でもおすすめです。なかには殺菌加工を受け付ける業者もあります。
[3]ペットの手元供養グッズを購入
◇ペットの手元供養も扱う仏壇仏具店で必要なグッズを購入します
現代ではペット供養も広がり、ペットの手元供養専用の仏壇仏具も増えました。
人の仏壇仏具を扱うお店でも、最近ではペット供養コーナーを設けていることが多いです。
①自宅供養
・仏壇や祭壇(ステージ)
・骨壺
・おりん
・仏具セット
・ろうそく
・お線香
…など
②手元供養
・アクセサリー
ただペットの手元供養に決まり事はありません。
ペットの遺骨を迎え入れるにあたり、予算に合わせて飼い主が揃えたいものを購入すると良いでしょう。
[4]ペットの遺骨を祀る
◇ペットの遺骨を骨壺やアクセサリーに入れ、飼い主の思うままに供養します
粉骨(パウダー加工)したペットの遺骨を、骨壺やアクセサリーに入れて供養すれば、ペットの手元供養の準備は完成です。
アクセサリーであっても、外した時に置く場所を決めると良いでしょう。
・リビング(テレビ脇など)
・キッチン
・ベッドサイド
…などが多いです。
お客様が来訪した時に、扉を閉めて隠す仏壇や祭壇(ステージ)は、リビングに配置する飼い主が多いです。
また小さな台のような祭壇(ステージ)は、キッチンに配置すると日々のお世話をしやすくなります。
アクセサリーで供養するペットの手元供養では、ベッドサイドに居場所を作る飼い主も多いでしょう。
[5]日々の供養(最終的な扱いを決める)
◇飼い主の思う形で、日々の供養を行います
仏壇や祭壇(ステージ)を設けた自宅供養では、人の仏壇と同じように、日々の仏飯やお水、お茶などを取り替え、お線香を上げる供養が多いです。
・人の仏壇と同じようにお世話をする
・毎日話し掛けて過ごす
・月2回など、決めた日にちに供養をする
…など。
けれどもペットの手元供養では決まり事がないため、日々の暮らしのなかで話し掛ける、飼い主が決めた頻度でお世話をする、などさまざまでしょう。
ペットの手元供養の費用相場
◇ペットの手元供養は、飼い主の予算に合わせた準備で構いません
一般的にペットの手元供養は、骨壺を中心として、人の仏壇と同じように仏具や位牌まで揃える飼い主が多いです。
けれどもペット供養の目的の多くはペットロスを少しでも楽に乗り越えるためですので、宗教的、法的な決まり事はありません。
飼い主は自分が納得できる範囲で、予算に合わせたペットの手元供養を選びます。
①ペット祭壇で祀る
◇ペットの骨壺を祭壇(ステージ)で祀る自宅供養は、人の仏壇や手元供養と同じように揃えます
ペット供養を扱う仏壇仏具店で相談をすれば、適切な商品を紹介してくれるでしょう。
そのなかから予算に合わせて取捨選択をすれば良いです。
(最初から予算を伝えると、予算に合わせてコーディネイトしてくれます。)
<ペットの手元供養とは:ペット祭壇> | ||
[道具] | [費用の目安] | |
(1) | 仏壇(ステージ) | 約3,000円~30,000円 |
(2) | 骨壺 | 約700円~305,000円 |
(3) | 仏具セット | 約5,500円~15,000円 |
(4) | 写真立て | 約700円~18,000円 |
(5) | おりん | 約2,000円~15,000円 |
(6) | お線香 | 約500円~33,000円 |
(7) | ろうそく | 約500円~1,200円 |
(8) | 位牌 | 約3,500円~18,000円 |
以上ですが、前述したようにペットの遺骨を粉骨(パウダー加工)する費用も掛かる飼い主が多いでしょう。(粉骨…約3,500円~12,000円)
●おりんは沖縄では少ないですが、扉をトントンと叩いて合図する感覚です
[参考コラム]沖縄の御願に少ないおりんはなぜ必要?おりんを鳴らす役割と鳴らし方を解説!
またペット供養で扱う仏壇仏具でピンとこなかった場合、人の手元供養で扱う仏壇仏具を購入する飼い主も多いです。
大型犬のペットで、遺骨を粉骨(パウダー加工)しないケースでは、人の供養で利用する棚上仏壇と仏具を準備した事例もありました。
[参考コラム]【沖縄ペット供養】体験者が語る、悲しみを乗り越えた3つの事柄
②アクセサリーで持ち歩く
◇アクセサリーで持ち歩くペットの手元供養では、アクセサリーのみ購入する飼い主が多いです
また、就寝時などにアクセサリーの居場所を決めるため、簡単なステージを合わせて購入する飼い主も見受けます。
アクセサリーに遺骨を入れるための道具は、セットされている商品がほとんどです。
<ペットの手元供養とは:アクセサリー> | |
[アクセサリー] | [費用の目安] |
・キーホルダー | 約3,000円~30,000円 |
・ネックレス | 約700円~305,000円 |
・ブレスレット | 約5,500円~15,000円 |
・リング(指輪) | 約700円~18,000円 |
・ダイヤモンド加工 | 約2,000円~15,000円 |
ブレスレットには数珠仕様もあります。
キーホルダーは小動物であれば、少しは猶予がありますが、基本的に粉骨(パウダー加工)が必要です。
またアクセサリーでは、ペットの遺骨が入りきらないことが多いため、残りの遺骨の葬送を検討する飼い主が多いでしょう。
骨壺などを別に購入しても良いですし、海や庭などに散骨、埋葬する飼い主もいます。
・手元供養とは?最終的にどうすればいい?残りの遺骨4つの対処法とメリット・デメリット
ペットの手元供養を選ぶメリット・デメリット
◇ペットの手元供養を選ぶには、メリットはもちろん、デメリットまで理解すると安心です
ペット火葬が広がり、飼い主としてはペットの手元供養を当然と考えていても、同居する家族から「ペットの遺骨を家に入れるなんて!」と反対され、大きなトラブルになった体験談もあります。
ペットの手元供養を選ぶなら予めメリットだけではなく、デメリットも理解してから家族と検討し、決めるとより安心できるでしょう。
ペットの手元供養を選ぶメリット
◇ペットの手元供養では、今までの日常のように、暮らしのなかでペットの存在を感じながら、日々の供養ができます
今のペット用仏壇や仏具は、可愛いものや小さいものなどデザインも種類もさまざまです。お墓などとはひと味違った、懐かしい在りし日のペットをイメージしながら、選ぶことができるでしょう。
・暮らしのなかでできる(共に過ごす)
・予算に合わせて準備できる
・引っ越しにも対応しやすい
・可愛い/おしゃれなペット用仏壇仏具が販売されている
・ペットロスの痛みを和らげる
昔ながらのペット葬送では自宅の庭に埋葬してお墓を作りましたが、引っ越しとなれば対応が困難です。
その点ペットを手元供養した場合、仏壇全体を動かすことができるので、心配する必要はありません。
費用面ではペットの手元供養の場合、仏壇や仏具でも小さければ1万円から3万円で供養ができます。
一方、納骨堂(納骨棚)などは年会費などランニングコストが掛かるでしょう。
お墓なども手元供養のように、予算に合わせた調整はできません。
ペットの手元供養を選ぶデメリット
◇ペットの手元供養のデメリットは、親族や来訪者の抵抗感です
またペットの骨壺を祭壇(ステージ)で祀る場合には、自宅にスペースを設ける必要もあるでしょう。ただしハガキ・A4用紙サイズの祭壇(ステージ)も多くあります。
・遺骨を置くことへの抵抗感(家族の理解が必要)
・遺骨の定期的な衛生管理
・去った後の管理上の問題
・管理スペースの問題
・ペットロスが長引く可能性もある
家族のなかでもペットの手元供養を積極的に進めたい方もいれば、一部の家族はペットの遺骨を家に残したがらない場合があります。
ペットの遺骨が家にあることに抵抗がある場合、日々目にするストレスが生じます。
またひとり暮らしや、ひとりでお世話をしている場合には、自分亡き後のペットの遺骨をどうするのか、まで決めておくことも大切です。
最後に
以上がペットの手元供養とは?ペットの手元供養の種類や費用目安、始める5つの手順をご紹介しました。
ペットも人も手元供養をするにあたり、仏教の教えでは「土に埋葬しないと成仏しない」との考え方もあります。(沖縄では風葬になるでしょう。)
また人であれペットであれ「遺骨」を居住環境に、日常的に安置することを嫌がる家族も少なくありません。
そのためペットの遺骨を手元で供養する、ペットの手元供養は同居家族間でのトラブルが多い傾向です。
最初に家族で話し合い理解すると、ペット供養を通して絆が生まれる家族も多くいます。
・【沖縄ペット供養】深いペットロスの孤独から乗り越えた体験談
まとめ
ペットの手元供養とは
(1)ペットの遺骨を手元で供養すること
・自宅供養…骨壺を祀る
・手元供養…アクセサリーで持ち歩く(2)ペットの手元供養の注意点
●火葬場では、下記を選ぶ
・返骨あり
・個別火葬(3)始める5つの手順
・ペットの個別火葬
・粉骨(パウダー加工)
・ペット供養の仏具を購入
・骨壺などに納めて祀る
・日々のお世話(4)手元供養のメリット
・暮らしのなかでできる
・予算に合わせてできる
・引っ越しにも対応
・可愛い/おしゃれ(5)手元供養のデメリット
・遺骨を置くことへの抵抗感
・遺骨の定期的な衛生管理
・去った後の管理上の問題
・管理スペースの問題