◇実家の仏壇をどうするか、迷っていませんか。
…実家が空き家になったとき、親の葬儀を終えたとき、あるいは「そろそろ考えなければ」と感じたとき
——実家の仏壇の扱いは、多くの方にとって避けて通れない問題です。
●特に沖縄では、位牌(トートーメー)の継承や仏壇の移動に独自のしきたりがあるため、内地の一般的な仏壇の考え方だけでは判断が難しい場面も少なくありません。
本記事では、実家の仏壇について「どうするか」を考える際の選択肢や、沖縄特有のトートーメー継承の注意点、自宅への移動手順、仏壇じまい・処分の正しい方法まで、順を追って解説します。
※このコラムは、沖縄の供養・仏壇に関するご相談(供養の窓口)を通じて、多くのご家族に寄り添ってきた供養ギャラリーが解説しています。本記事では記事内で自社サービスをご紹介する場合があります。(2026年7月26日公開)
実家の仏壇、「どうする」を考えるべきタイミング

◇実家の仏壇をどうするか考え始めるきっかけは、多くの場合
「実家が空き家になった」
「親が入院・施設に入った」
…というタイミングです。
●特に沖縄では、仏壇(トートーメー)をめぐる独自の考え方があるため、内地とは違った判断が必要になります。
実家の仏壇について「どうするか」を具体的に考え始める方の多くは、次のようなきっかけを持っています。
実家が空き家になる・解体が決まったとき
◇親が亡くなったり施設に入居したりして実家が空き家になると、<
・仏壇をそのままにしておいてよいのか、
・誰かが引き取るべきなのか
…という問題が現実的になります。
特に、実家の解体や売却が決まっている場合は、仏壇の扱いを先延ばしにできません。
[沖縄のトートーメーと空き家事情]
・沖縄で相続した実家とお仏壇じまい☆空き家にするなら売却した方が良い理由
沖縄で実家の空き家にトートーメーを残す|放置問題がある理由
◇沖縄の一部地域には、
「トートーメー(位牌)を家から出してはいけない」
…というタブーが今も残っています。
そのため、実家そのものは空き家になっていても、トートーメーだけは実家に安置したまま、という状態が珍しくありません。
●このタブーがあるために、
「家は処分・売却したいが、仏壇(位牌)だけはどうしても動かせない」
…というジレンマを抱える方が沖縄では少なくありません。
この場合、家の解体や売却より先に、位牌をどうするかを親族間で話し合っておく必要があります。
[沖縄で放置される「ヒジュルグァンス(冷たい位牌)」とは]
・沖縄のトートーメーには種類がある?永代脇位牌やアジカイグァンス(預かり位牌)とは?
親の葬儀後、位牌をどう扱うか迷ったとき
<◇親の葬儀を終えたあと、
・新しい位牌を実家の仏壇に加えるべきか、
・自宅に新しく仏壇を用意すべきか、
…迷う方も多くいます。
特に、実家の仏壇にすでに複数の位牌が祀られている場合、スペースや管理者の問題も絡んでくるため、早い段階で今後の方針を決めておくと後々のトラブルを避けやすくなります。
[トートーメーの継承|現代の意識調査]
・現代の沖縄でトートーメーは継承すべき?意識調査で分かる新しいトートーメー・役割の形
実家の仏壇「どうするか」主な4つの選択肢

◇実家の仏壇の今後の方針は、大きく分けて
・引き取る
・手元供養に切り替える
・預ける
・処分する
…の4つです。
どれが正解ということはなく、実家の状況やご家族の考え方に合わせて選ぶことが大切です。
①実家の仏壇を自宅へ引き取る(移動して安置する)
◇実家の仏壇をそのまま自宅に持ち帰り、継続してお祀りする方法です。
…ただ、実家の仏壇は代々受け継がれてきた大きなサイズのものが多く、現代の住まいに置くには大きすぎることもよくあります。
その場合は、位牌やご本尊はそのまま引き継ぎ、器としての仏壇だけを住まいに合わせてコンパクトなものへ新調する方法もあります。
[コンパクトな仏壇へ新調する]
・【沖縄のトートーメー】仏壇はコンパクトな種類が人気!スペースで選ぶ、仏壇3つの種類!
②仏壇じまいをして手元供養へ切り替える
◇仏壇そのものを手放し、位牌やご遺骨の一部を祀る方法です。
…小さな祭壇やペンダントなどで身近に供養する「手元供養」に切り替えます。
●手元供養は仏壇よりも管理の負担が小さいので、
・スペースがない方
・日々の管理をする家族が高齢の方
…などに選ばれることが増えています。
一方で、これまで大切にしてきた仏壇を手放すことに抵抗感を持つご家族もいるため、決める前に気持ちのすり合わせをしておくと安心です。
[沖縄で手元供養を進める]
・沖縄で手元供養の費用相場はどれくらい?供養方法で違う費用目安を体験談とともに紹介!
③菩提寺・供養堂に預ける
◇菩提寺や供養堂に仏壇や位牌を預けて供養してもらう方法もあります。
…自宅で管理するのが難しい場合に、おすすめの選択肢です。
●日々のお参りは僧侶や供養堂のスタッフに任せられます。
…遠方に住んでいて実家の仏壇をこまめに管理できない方にとっては現実的な選択肢です。
※沖縄で菩提寺がある家は少ないですが、その場合は、まず檀家としての付き合い方やお布施の慣習を確認しておきましょう。
[そもそも菩提寺とは?]
・菩提寺・檀那寺とは?檀家になる・離檀するとは?寺院とのお付き合いで心得るマナーとは
④処分する(空き家は売却)
◇仏壇じまいをして処分する方法もあります。
…継承する方がいない、あるいは家族全員が手元供養や引き取りを望まない場合におすすめです。
●沖縄では、位牌(トートーメー)の永代供養など内地とは異なる独自の手順を踏む必要がある、そんなケースもあります。
自己判断で進めず、正しい流れを事前に把握しておくことが、後々のトラブルを避けるうえで大切です。
[仏壇じまいとトートーメーの永代供養について、より詳しく]
・沖縄の墓じまいで、位牌や仏壇はどうする?仏壇じまいの手順やトートーメー5つの扱い方
沖縄特有:実家の仏壇を「誰が引き継ぐか」問題

◇沖縄で実家の仏壇を引き取る際、避けて通れないのが「誰が継ぐべきか」という問題です。
…内地では家族の話し合いで柔軟に決められることも多いですが、沖縄ではトートーメーをめぐる独自の考え方が絡みます。
長男・長女以外が後継者になってもいいのか
◇沖縄には「トートーメーは長男が継ぐもの」という考え方が今も根強く残る地域があります。
…しかし、長男が県外に住んでいる、家庭の事情で継承が難しいといったケースも増えています。
●継承者を長男に限定せず、実際に管理できる家族が継ぐという考え方に切り替える家庭が増えています。
大切なのは「誰が継ぐべきか」より「誰なら無理なく続けられるか」という視点です。
[沖縄のトートーメー4つのタブー]
・沖縄のトートーメー4つのタブーとは?継承問題を現代的に解決する5つの方法
位牌(トートーメー)を分けることへの注意
◇「位牌を分ける」という解決策があります。兄弟それぞれが、
・実家の仏壇を継ぎたい
・それぞれの家でも手を合わせたい
…という場合に選ばれます。
複数の位牌を用意し直したり、分骨と同じような形で位牌を分けたりすることで、兄弟全員がそれぞれの家で供養を続けられるようになります。
●ただしトートーメーには「位牌を分けてはいけない」考え方を持つ地域や家系もあります。
…位牌分けを検討する場合は、まず実家の地域や家系がその考え方を持っているかどうかを確認することが欠かせません。
確認をせずに進めてしまうと、良かれと思った選択が親族間の深刻な対立に発展することもあります。
【スタッフのマメ知識】
実は沖縄では、もともと位牌分けの慣習はあまり根付いていませんでした。
しかし近年は、本州へ出て独立したお子さんが、コロナ禍以降は旧盆やシーミー(清明祭)のたびに帰省するのが難しくなり、
「本州の自分の家でも位牌を仕立てて、個別に供養したい」
というご相談が増えています。
この場合は、新たに位牌を仕立てて開眼供養を行うことで、位牌を分けて祀る形をとりました。
[そもそも位牌分けとは?]
・沖縄で増える「位牌分け」とは?位牌を複数に分けるのはなぜ?メリットデメリットを解説
「家から出せない」ため空き家管理と切り離せなくなるケース
◇トートーメーを家から出してはいけないという考え方が残る地域では、
実家を売却・解体したくても仏壇(位牌)だけが動かせない
・空き家の管理と仏壇の管理が切り離せなくなる
…ことがあります。
この場合、家の処分を先に進めようとするとトラブルになりやすいため、まずは位牌の方針を決めてから、実家の売却・解体を検討する順番が安心です。
継ぐ人がいない場合、家族・親族でどう話し合うか
◇早い段階で親族全体を交えて話し合うと、トラブルも解消しやすいです。
・兄弟の誰も継ぐことができない
・継ぐ意思がない
…などの場合、「誰かが自然に継いでくれるだろう」と先延ばしにすると、親の死後に急いで判断を迫られ、感情的な対立を招きやすくなります。
[沖縄の仏壇じまい・墓じまい]
・沖縄で仏壇じまいとお墓の整理はどうする?墓じまいして永代供養へ移す手順と費用
[参照]
・e-Gov法令検索(政府)|民法897条(祭祀に関する権利の承継)
実家の仏壇を自宅に移動するときの手順

◇実家の仏壇を自宅に引き取ると決めたら、次に考えるのが「どう運ぶか」です。
…仏壇はただの家具ではなく、位牌やご本尊を祀る場所なので、運ぶ前にいくつか手順を踏む必要があります。
魂抜き・法要の依頼先
◇仏壇を動かす前には、僧侶にお願いして「魂抜き(閉眼供養)」をしてもらうのが一般的です。
…沖縄では少ないですが、菩提寺がある場合はそこに、ない場合は供養堂や仏壇店に相談すると依頼先を紹介してもらえます。
●魂抜きをせずに仏壇を動かしてしまうと、後から「きちんと供養できていないのでは」という不安が残ることもあります。
小さな手順ですが、飛ばさずに行っておくと安心です。
[沖縄のトートーメーのお焚き上げ・永代供養]
・沖縄におけるトートーメーの供養とお焚き上げ|仏壇じまいの方法
賃貸住まいでも移動できるか
◇今の仏壇をそのまま賃貸住宅に移動すること自体は可能です。
…ただ、沖縄仏壇は一般的に大きいです。昔ながらの沖縄仏壇は二番座の壁に造り付けられていることも多く、そもそも動かせない場合もあります。
●そのため今の沖縄では、身軽な仏壇に新調・買い替える家が多いです。
…賃貸住宅であっても、コンパクトな上置き仏壇であれば置き場所に困ることはほとんどなく、日々の管理も格段に楽になります。
トートーメーも仏壇の移動を機に、永代供養に出してタブーから離れ、父親・母親やパートナーなどの身近な親族のみの位牌を仕立てるケースが増えました。
【お客様の体験談】
親が亡くなり、実家の仏壇を引き取ることになったものの、賃貸住宅で暮らしていたため、沖縄の実家にあった据え置きの大きな仏壇はとても部屋に入りませんでした。
そこで、コンパクトな上置き仏壇に買い替え、トートーメーは永代供養に出したうえで、亡くなった親だけの位牌を新たに仕立てて祀ることにしました。
結果として日々の管理がとてもしやすくなり、故人を素直に偲べる祭壇ができたことをうれしく感じています。
自宅安置後のお供え・日々のお参り
◇仏壇を自宅に迎えたら、あとは日々のお供えとお参りを続けていくだけです。
…毎日決まった時間にお線香をあげる、という形式にこだわる必要はありません。
また、新調・買い替えを機に、実家にいた頃とはお供えの作法が少し変わることもあります。
●仏壇が小さくなると香炉も小さくなるため、
・沖縄線香「ヒラウコー」から日本線香1~3本に変わる
・左右対称の対供えが1つずつに変わる
…などがあります。
毎日の暮らしの中で、お菓子をおすそ分けしたり、そんな、無理なく続けられる形を見つけて供養するのも、良いかもしれませんね。
【スタッフのマメ知識】
本州の仏具では香炉・花立・燭台を一対でそろえる「五具足」が基本ですが、コンパクトな仏壇ではこれを簡略化した「三具足(各1つ)」で十分とされています。
沖縄では左右対称に供えますが、この五具足・三具足も参考にしてみてはいかがでしょうか。
実家の仏壇じまい・処分の正しい方法

◇仏壇じまいをして処分する方法もあります。
…継承する人がいない、あるいは自宅で管理するのが難しい人に多い選択肢です。
ただし、思いつきで進めると後悔につながりやすいため、正しい順番を知っておくことが大切です。
仏壇じまいの流れとお布施の目安
◇仏壇じまいは、まず僧侶による魂抜き(閉眼供養)から始めます。
…そのあと仏壇本体・位牌・仏具を処分または供養に出す、という流れが一般的です。
お布施が必要な場面もあるため、事前に相場を知っておくと安心です。
●沖縄では、菩提寺を持たない家も多いため、お布施の金額感がわからず不安になる方が少なくありません。
…全国的に一般的なお布施相場としては、閉眼供養1回の読経供養に対して約1万円~3万円ほどですが、地域により相場が異なります。
地域による相場には差があるので、お布施の金額について「料金」などと伝えることは避け、
「どれくらい包めば良いでしょうか?」
のように、依頼先の寺院や供養堂にあらかじめ目安を確認しておくと、当日になって慌てずに済みます。
【スタッフのマメ知識】
沖縄では長らく、祭祀を担うのは僧侶ではなく「ユタ」でした。
しかし家付きのユタが減った今では、僧侶に供養をお願いするのが主流になっています。
かつては「魂は土地に根付く」という考え方から、トートーメーを家から出すこと自体に抵抗を感じる方も多くいました。
しかし、位牌をそのまま放置してしまう「ヒジュルグァンス(冷たい位牌)」の状態にしておくよりも、丁寧に閉眼供養をして次の供養先へ移す方が良いとお伝えすると、不安が解消されて前向きに進められたというケースもあります。
[沖縄の永代供養でお布施は包む?]
・沖縄の永代供養でお布施を包む場面はある?墓じまい・永代供養を進める時のお布施マナー
仏具の移動・位牌の供養方法
◇位牌に対して僧侶による閉眼供養を行えば、仏壇本体は物として処分できます。
…気になる場合は、仏壇本体もお焚き上げしてもらうことができます。
●位牌の供養方法には、いくつか選択肢があります。
・お焚き上げ
・位牌の永代供養
(霊園や寺院が家族に代わって永代にわたり供養してくれる)
・位牌堂に一定期間だけ、個別安置してもらう
(将来、継承者が現れそうな場合に、個別安置できる)
個別安置できる位牌堂施設では、預けている間は管理費がかかることもあるため、事前に確認しておきましょう。
ゴミ回収会社でも「仏壇回収」を行っている業者もありますが、仏壇本体の処分については、仏壇仏具店に相談すると対応してもらえます。
[参照]
・独立行政法人国民生活センター
「訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには」
知恵袋などネット情報だけで判断する危うさ
◇インターネットの知恵袋などには、仏壇じまい情報も多く投稿されています。
…ただ内地の慣習を前提にしたものも多く、沖縄の実情とは異なる場合があります。
●たとえば、下記のような声がありました。
・仏壇は粗大ゴミとして自治体に出せる
…確かに閉眼供養をすると仏壇は物として扱えますが、一般的に、トートーメーや位牌はお焚き上げや永代供養を行います。
・仏壇じまいでは、位牌はお焚き上げしかない
…継承者の意向次第では、一定期間位牌堂に預けるという選択肢もあります。
・お布施は3~5万円が相場
…内地基準の金額であり、沖縄では寺院や供養堂ごとに考え方が異なります。
このように、内地の情報だけを頼りに進めてしまうと、後から親族との間で「聞いていた話と違う」という食い違いが起きることもあります。
判断に迷ったときは、沖縄の仏壇事情に詳しい専門店や供養堂に直接確認するのが確実です。
[参照]
・独立行政法人国民生活センター
「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-」
まとめ|実家の仏壇は「どうする」で悩む前に沖縄の専門家へ相談を

◇実家の仏壇をどうするかは、正解が一つに決まっているわけではありません。
…自宅に引き取る、手元供養に切り替える、菩提寺や供養堂に預ける、仏壇じまいをして処分する——どの方法にも、選ばれる理由と気をつけたいポイントがあります。
●沖縄では、
・トートーメーを家から出せないというタブー
・位牌分けへの考え方の違い
…など、内地の一般的な仏壇の知識だけでは判断しづらい場面が少なくありません。
「実家が空き家になっているのに仏壇だけ残っている」
「継承者が決まらないまま時間が過ぎている」
…というお悩みも、決して珍しいことではないでしょう。
判断に迷ったときほど、ネットの情報だけで進めず、沖縄の仏壇事情に詳しい専門店へ相談することをおすすめします。
供養ギャラリーでは「供養の窓口」を通じて、実家の仏壇の引き取り・買い替え・仏壇じまい・トートーメーの永代供養まで、幅広くご相談いただけます。
実家の仏壇の「どうする」でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
[沖縄の墓じまいも考える]
・遠い、継承できない、老朽化…沖縄のお墓問題が解決した改葬・墓じまい事例集
【執筆・監修:供養の知恵袋編集長】

株式会社琉球メモリアルパーク 企画担当 仲間 仁史
2021年11月入社。
仏壇販売、商品仕入れの他、IT企業に務めていた前職の経験を活かして当社Webサイト等の運営も担当。
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