「永代供養にお布施は必要?」
「永代供養でお布施を包む場面とは?」
「永代供養でのお布施の包み方・マナーは?」
「永代供養」とは墓地管理者が、ご家族に代わり永代に渡ってご遺骨の供養・管理をすることです。継承者を立てる必要がなく、墓石を建てない形態の永代供養の種類もあるため、お布施が必要かどうかを迷う方も少なくありません。
本記事を読むことで、墓じまいや永代供養でお布施を包むケース・包まないケースが分かります。後半では永代供養でお布施を包む場合の包み方・渡し方マナーも解説していますので、どうぞ最後までお読みください。
沖縄の永代供養とは?
「永代供養(えいたいくよう)」とは、霊園や寺院などの墓地管理者が家族に代わりご遺骨の管理や供養を永代に渡って担う形のないサービスです。
墓地管理者が請け負うサービスなので民間霊園・寺院墓地・公営墓地など、墓主以外が管理する墓地で依頼できます。全国的にはほとんどのお墓が、墓地管理者が運営する墓地にお墓を建てるでしょう。
けれども沖縄では墓主を名義人とする個人墓地が一般的です。沖縄で個人墓地の墓主が永代供養を検討するならば、墓地管理者が運営する霊園や墓地へお墓を引越す「改葬(かいそう)」を行います。
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①墓じまいとは?
「墓じまい」とは、昔からある先祖代々のお墓を閉じることです。沖縄では父方血族が入る「門中墓」が墓じまいの対象となることが多いでしょう。
墓じまいではお墓の魂を抜く「閉眼供養」を執り行った後、お墓のご遺骨を取り出して他の墓所に移動します。ご遺骨の納骨先はさまざまですが、お墓を閉じるため合祀墓(合祀永代供養墓)が一般的です。
お墓のご遺骨を取り出した後に、墓石は撤去・処分します。墓地を更地にするまでが墓じまいです。沖縄の個人墓地の場合、墓地申請を解除する手続きを行うことで土地として販売できます。
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②改葬とは?
「改葬(かいそう)」とは、お墓もしくはご遺骨を引越すことを指します。そのため行政手続き上は墓じまいも改葬のひとつです。
個人墓地に建つお墓を霊園や墓地へ移動することも改葬にあたります。また門中墓から抜けるなどの理由で、一部のご遺骨のみを取り出して移動することも改葬です。
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③墓地管理者がいる霊園・墓地とは?
個人墓地は墓主が名義人の土地です。土地を購入して墓地申請を行い、自治体が受理することでお墓を建てることができます。
これは本土復帰の歴史を持つ沖縄県のみで許可される制度です。全国的にはご遺骨は、知事に許可された墓地管理者が運営する霊園・墓地に埋葬しなければなりません。
また琉球王朝により本土とは違う歴史を歩んできた沖縄には「檀家制度」がないですよね。本土では檀家制度により、家は代々、地域の寺院「菩提寺」に属し檀家となりました。
檀家では家族が亡くなると、菩提寺の境内にある寺院墓地にお墓を建て埋葬した歴史があります。
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沖縄の永代供養でお布施は必要?
宗旨宗派を不問とする民間霊園・公営墓地では、永代供養そのものにお布施を包むことはありません。沖縄の永代供養は形態や種類により、約3万円~180万円と幅広い金額相場です。
けれども永代供養に伴い法要を執り行うならば、お布施を包む場面があります。法要とは沖縄の「スーコー(焼香)」です。一般的には僧侶をお呼びして読経供養を行います。
沖縄では一般的に永代供養の費用とは別にお布施を包むでしょう。なかには永代供養の費用にお布施まで含める業者もあるので確認をしてください。
・沖縄のナンカスーコー☆葬儀から四十九日までのスーコー
①納骨法要
「納骨法要」とは、ご遺骨を納骨する際に執り行う法要です。僧侶をお呼びして読経供養を行ってから、沖縄では選ばれた干支の人がお墓の扉を開けます。
沖縄で永代供養に伴う納骨法要で包むお布施の金額相場は、約3万円~5万円です。
ただしお布施は感謝の気持ちを表すもので、決まった金額はありません。無宗教などの理由で宗教的儀式を行わないならば、お布施を包むこともないでしょう。
②開眼供養(閉眼供養)
沖縄の永代供養で魂入れ「開眼供養」を執り行う時にもお布施を包みます。改葬により新しいお墓を建てるならば、お墓へ開眼供養を執り行うでしょう。
また沖縄の永代供養では位牌を並べる位牌型・仏壇型納骨堂なども選択可能です。新しい位牌に故人の魂を宿すため開眼供養を執り行います。
沖縄の永代供養で開眼供養を行う場合、お布施の費用相場は約3万円~5万円です。納骨法要と併せて執り行う場合、2回の法要として合わせて約5万円~10万円を包みます。
ちなみに「納骨堂」とは、ご遺骨を収蔵する屋内施設です。契約した一定期間は個別にご遺骨が安置されます。納骨堂について詳しくは下記コラムをご参照ください。
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③イヌイ(一周忌)
一般的に沖縄では永代供養の後も法要(スーコー)を執り行うことができます。「イヌイ(一年忌)」とは故人が亡くなってから1年目に行う法要(スーコー)、全国的には一周忌です。
沖縄では永代供養の後、イヌイ(一周忌)で包むお布施は約3万円~5万円が費用相場となります。自宅が手狭な時に法要施設があれば、霊園(墓地)で執り行うこともあるでしょう。
法要施設を借りる場合は場所代、法要後の会食があれば飲食代もかかります。一方で参列者から香典をいただくイヌイ(一周忌)が一般的です。(香典辞退もできます。)
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④サンニンチ(三回忌)
「サンニンチ(三年忌)」とは、故人が亡くなって数え3年目の法要「三回忌」です。数え年で3年目なので、イヌイ(一周忌)の翌年にあたる満2年目の命日を目安に行います。
沖縄では永代供養の後にサンニンチ(三回忌)で包むお布施は約1万円~5万円です。考え方としてイヌイ(一周忌)よりも少ない金額を包みます。
サンニンチ(三回忌)からはスーコー(法要)の規模も小さくなる傾向です。参列者も人数が少なくなるため、現代では香典辞退のサンニンチ(三回忌)も増えています。
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⑤合同供養祭
沖縄で永代供養を請け負う霊園や墓地では、定期的な合同供養祭が執り行われています。「合同供養祭」は墓地管理者が主催し、他のご遺骨と合同で執り行う供養祭です。
霊園・墓地によって異なりますが、一般的に合同供養祭では墓地管理者が僧侶を手配して読経供養が行われます。
沖縄では永代供養にあたり宗旨宗派を不問とする霊園・墓地が多いですが、合同供養祭では墓地管理者が選ぶ宗派の僧侶により読経供養が行われるでしょう。
ご家族の参加ができる合同供養祭は多いです。霊園・墓地により対応は異なりますが、一般的に合同供養祭に参加する時お布施を包む必要はありません。
もしも僧侶への感謝の気持ちとしてお布施を包みたいならば、約千円~5千円を目安に包むと良いでしょう。霊園・墓地によってはお布施箱などが設置されています。
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沖縄での永代供養のお布施の包み方
沖縄では永代供養でお布施を香典マナーに倣い包む施主もいますが、お布施はお悔やみのお金ではないので香典と包み方が異なります。
お札の入れ方に至っては祝儀マナーに倣ったものなので、香典とは反対に入れます。お布施は僧侶への感謝の気持ちを表すものであることを意識して準備をしましょう。
①封筒
封筒は厚手の白無地封筒を用意します。全国的には地域によって黄色×白色の水引をかけますが、基本的には白無地封筒です。
白無地封筒はお札の柄が透けて見える薄い紙質を避けましょう。郵便番号を書く枠が印刷されているもの・紫の裏地があるなど二重封筒もタブーです。
白無地封筒のうえから奉書紙(ほうしょし)を包むこともありますが、お布施では厚手の白無地封筒のみで良いでしょう。
②表書き
表書きは「お布施」もしくは「御布施」が一般的です。
沖縄の寺院墓地で永代供養料を包む場合には「永代供養料」と書きます。一方、沖縄で永代供養とお布施を一緒の封筒に包む表書きは「お布施」「御布施」です。
通夜や葬儀で包む香典は、表書きに薄墨を使用しますよね。けれどもお布施で薄墨は使用しません。基本的にお布施は黒墨・筆ぺん・マジックペンで表書きを記載しましょう。
表書きの下には施主の氏名「(例)山田 太郎」、もしくは家名「(例)山田家」と記載します。お布施は家でお渡しするものなので、家名でも問題はありません。この場合、裏面に氏名を入れても良いでしょう。
③裏書き
白無地封筒の裏面には、左下に縦書きで裏書きを記載します。裏書きは左側から・郵便番号・住所・氏名・電話番号・金額です。お布施の金額は裏面の右上に記載することもあります。
裏書きに添える金額は旧字体の漢数字です。円の旧字体は「圓」・前後に「金」「也」を付けて「金 〇〇圓 也」と記載します。
1~10までは「壱(一)・弐(二)・参(三)・肆(四)・伍(五)・陸(六)・漆(七)・捌(八)・玖(九)・拾(十)」です。ただし現代では、「壱(一)・弐(二)・参(三)・拾(十)」のみが使用されるでしょう。
100・1,000・10,000は「佰(百)・阡・仟(千)・萬(万)」です。お布施で3万円を包む場合は「金 参萬圓 也」となります。
④中袋がある場合
上から奉書紙で包む場合、白無地封筒は中袋になりますね。奉書紙に表書きを記載するので、中袋の表面には中央に金額を旧字体の漢数字で記載します。
裏面の左下に、左側から・郵便番号・住所・氏名・電話番号を記載すると良いでしょう。
お布施は感謝の気持ちを伝えるお金なので香典とは違い、本来は住所や金額を記載する必要はないとも言われています。けれども寺院でも経理・税務処理が必要になるため、住所や金額の記載が一般的です。
⑤浄土真宗
浄土真宗では人が亡くなると、阿弥陀如来の本眼力によってすぐに極楽浄土へ往生し成仏する「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の教えがあります。
そのため供養の必要がありません。そもそも「供養」とは、生きる者が死者が仏になる「成仏」を願うためにあるからです。
浄土真宗では、開祖・親鸞聖人の教えが永代に渡り受け継がれていくことを願う「永代経法要」を執り行います。
そのため浄土真宗で永代供養を依頼する場合の表書きは「永代経懇志」、読み方は「えいたいぎょうこんし」です。仏教宗派のなかでも特別な教えや作法が多い浄土真宗について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
お布施と一緒に包むお金
沖縄で永代供養に伴いスーコー(法要)を執り行う場合、お布施とは別に僧侶へ包むお金があります。それが御車料(御車代)・御膳料(御膳代)です。
ただし全てのケースで御車料(御車代)や御膳料(御膳代)を包む訳ではありません。お渡しする場合は、お布施とは別に白無地封筒に包んで渡します。
①御車料
「御車料(おくるまりょう)」とは、葬儀やスーコー(法要)で僧侶をお呼びした時にかかった交通費です。寺院で執り行う葬儀や法要では必要ありません。
僧侶がご自身で車を運転、タクシーや公共交通機関を利用して斎場やお墓へ移動した場合にお金を包みます。沖縄で御車料を包む金額相場は約3千円~1万円、寺院から葬儀・法要会場までのタクシー代が目安です。
表書きは厚手の白無地封筒の表面の上半分に記載します。黒墨で「御車料」「御車代」と記載し、裏面はお布施と同様に住所・施主(喪主)の氏名・金額を記載すると良いでしょう。
②御膳料
「御膳料(おぜんりょう)」とは葬儀やスーコー(法要)の後にお斎(会食)を振る舞う際、僧侶が欠席されたら代わりにお渡しする感謝のお金です。
お斎(会食)の代わりに包むため、僧侶がお斎(会食)に参加される場合は包みません。当日にお伺いすることもありますが、準備があるので事前にお斎(会食)のご案内をしましょう。
御膳料を包む金額相場は約5千円~1万円、お斎(会食)が豪華なものであれば御膳料も約1万円~2万円と高くなります。
[おまけ]心付け
葬儀や法要における「心付け」とは、欧米のチップと同じ役割です。葬儀や法要を執り行うにあたり、お世話になった方々へ感謝の気持ちを込めて心付けをお渡しします。
表書きは「御礼」「寸志」「志」などです。
業者によって受け取りを禁止することもありますが、一般的に葬祭業者スタッフ・運転手・配膳スタッフ・世話役の親族などにお渡しするものです。
裏面には氏名を記載します。心付けを包む金額相場は約千円~1万円です。運転手は約3千円~5千円、特にお世話になった方には5千円~1万円ほどが多いでしょう。
心付けはお布施と同じ厚手の白無地封筒、5千円以下であればポチ袋に包んでも構いません。ただし二重封筒は「不幸が重なる」として避けます。
感謝を伝えるお金なのでお札は新札です。ポチ袋は3つ折りで構いませんが、5千円以上は折らずにお布施マナーに倣い入れましょう。
沖縄での永代供養のお布施の渡し方
沖縄で永代供養のお布施をお渡しする場面は、納骨式・開眼供養などの法要と合同供養祭です。納骨式・開眼供養などはご家族が僧侶に依頼するスーコー(法要)なので、失礼のないように丁重にお渡ししましょう。
一方で合同供養祭にお布施を包む場合は墓地管理者が主催なので、僧侶へ直接お渡しするタイミングはあまりありません。
受け付けでスタッフにお布施をお渡しすると良いでしょう。また会場にお布施箱が設置されている・読経供養中にお布施箱がまわってくる合同供養祭もあります。
下記からは沖縄の永代供養でもスーコー(法要)をお渡しする時のマナー解説です。
①お布施を渡すタイミング
お布施はスーコー(法要)が始まる前・もしくは終わった後に、僧侶の控室でお礼や御挨拶をするタイミングでお渡しします。
お斎(会食)への参加を伺っていない場合は、スーコー(法要)が終わった後に、御膳料も用意してお渡しすると良いでしょう。
ただお布施は本来、仏教修行「財施」と呼ばれる財産を施す布施行のひとつなので、当日にお布施を受け取ることを避ける僧侶もいます。この場合は後日、寺院まで出向いてお礼とともにお布施をお渡しする流れです。
②袱紗に入れて持ち歩く
お布施は裸でも持ち歩かずに、袱紗に入れて持ち歩きます。「袱紗(ふくさ)」とは香典・祝儀・お布施などの包んだお金を持ち歩くための袋です。
袱紗には弔事用・慶事用があります。お布施は感謝を伝えるお金ですが、スーコー(法要)は弔事なので弔事用に入れましょう。紫・深緑などの落ち着いた色合いで無地が好まれます。
袱紗がなければ小風呂敷やハンカチで包んでも構いません。いずれも黒や地味な色合いの無地を選ぶと安心です。近年袱紗は百円均一やコンビニでも販売していることがあるので、袱紗を用意した方が丁寧でしょう。
③切手盆に置く
沖縄の永代供養でお布施をお渡しする時には、「切手盆」と呼ばれる冠婚葬祭で金封・御祝儀・お布施などをお渡しする時に使用する漆塗りのお盆に乗せます。
本来、切手盆は略式なので結納などで使用する「広蓋(ひろぶた)」でも問題はありません。ただ切手盆はお布施に丁度良いサイズなので、使い勝手が良いでしょう。切手盆に袱紗をかけて、さらに風呂敷に包むとより丁寧です。
切手盆がない場合は、袱紗を切手盆代わりにします。お布施の座布団のように置くと良いでしょう。
④表書きを僧侶側へ
切手盆に乗せたお布施は、表書きを僧侶が読める方向で差し出します。切手盆の両脇に両手を添えて、感謝の言葉とともに差し出しましょう。
現代では机の上でお布施を差し出す施主も多くいますが、本来は机など遮るものを避けて畳の上で差し出す方が丁寧です。
⑤感謝の言葉を添える
沖縄の永代供養で僧侶へお布施をお渡しする際には、御挨拶とともにお渡ししましょう。感謝の言葉を添えますが、具体的にはお布施をお渡しするタイミングによって異なります。
スーコー(法要)前にお布施をお渡しする時には「本日は〇〇のスーコー(法要)にてお世話になります。今日一日、どうぞよろしくお願いいたします。」などです。
スーコー(法要)後でお布施をお渡しするならば「本日は真心が込められたお勤めを感謝いたします。ささやかではありますが、どうぞお納めくださいませ。」などとお伝えすると良いでしょう。
沖縄の永代供養でお布施以外に費用はかかる?
一般的に沖縄では永代供養にお布施の金額は含まれていません。ご遺骨の永代供養や、永代供養にまつわる各種費用においては墓地管理者へ支払うプランが一般的です。
お布施以外にかかる費用は永代供養料となりますが、永代供養の形態によって年間管理料や彫刻料が追加されるプランもあるでしょう。
①永代供養料
「永代供養料」とは、ご家族がご遺骨を霊園・墓地などの墓地管理者へ永代に渡って供養してもらうための費用です。
永代供養の費用は形態によって約3万円~180万円と大きな幅があります。最初から他のご遺骨と一緒に合祀される合祀永代供養墓は最も安く約3万円~30万円ほどでしょう。
この他、合祀前に個別安置期間を設けた・納骨堂・永代供養型樹木葬・永代供養付き個別墓・集合墓なども永代供養にあたります。
永代供養料は最初に一度だけ支払う費用です。沖縄では少ないものの永代供養料にお布施が含まれるプランもあるので、事前に確認すると安心です。
②年間管理料
合祀永代供養墓では基本的に最初に一度だけ支払うのみで、年間管理料などの追加費用はかかりません。
けれども個別安置期間を設けた永代供養プランでは、年間管理料を個別安置期間だけ毎年支払うことが多くあります。例えば、納骨堂・永代供養付き個別墓などです。
年間管理料の費用相場は約3千円~3万円、平均的には約5千円~2万円ほどでしょう。自治体が運営する公営墓地の年間管理料に限っては、約千円~3千円ほどと安い傾向です。
「年間管理料」とは霊園・墓地の公共スペース・設備の維持管理費用を指します。寺院墓地では「護持会費」の他、お布施として支払うこともあるでしょう。
生前契約で年間管理料を毎年支払う永代供養プランを選んだ場合など、契約した個別安置期間の年間管理料をまとめて支払うこともあります。
③彫刻料
沖縄で選ぶ永代供養のなかには、墓石や墓誌に故人の俗名(名前)を彫刻することがあります。全国的には戒名を刻むこともありますが、沖縄では戒名を付けない方も多いでしょう。
彫刻料の費用相場は1名で約3万円~5万円、花などのイラストは約5万円~が目安です。ただ沖縄では、永代供養料に1人までの彫刻料が含まれる永代供養プランも多くあります。
ちなみに戒名の名付けは約3万円~100万円以上と費用幅が大きいです。いずれにしても戒名の名付けにも費用がかかるので、檀家制度が根付いていない沖縄の永代供養では、戒名を付けないことも珍しくはありません。
・沖縄で法要に包むお布施の金額目安。沖縄で戒名まで依頼する?
沖縄で永代供養をするには
沖縄の永代供養プランには、骨壺に入ったご遺骨を納骨する埋葬方法と、最初から骨壺や骨袋から出して不特定多数の他のご遺骨と一緒にひとつの場所に埋葬する「合祀」があります。
沖縄で永代供養をするには、まずその後にどのようなお参り・供養を望むのか?要望と優先順位をご家族で整理してから選びましょう。
①墓じまい・改葬
墓じまいで取り出したご遺骨を永代供養するには、まず親族への相談が不可欠です。個人墓地であれば墓主次第ですが、霊園・墓地にお墓があるならば墓地管理者にも相談します。
墓じまいでは閉眼供養の後、ご遺骨の取り出し・墓石の撤去が行われます。閉眼供養ではお布施も必要になるので準備をしましょう。お布施で包む金額は約3万円~5万円が目安です。
霊園・墓地に建つお墓は墓地管理者へ永代使用権の返還を行います。個人墓地では墓地申請の解除手続きを行う流れです。
墓じまいや改葬の行政手続きは「改葬許可申請」です。複数のご遺骨を取り出すことも多いですが、行政手続きはご遺骨1柱ごとに申請します。
・墓じまいを進める9つの流れとは?ステップごとの費用目安やかかる日数、墓石や遺骨は?
②生前契約
ご本人が生前契約を行う永代供養では、終活相談に行くとスムーズです。定期的な終活相談会もありますが、相談サロン施設を設けた霊園・墓地も増えました。
終活相談も併せて行うことで、自分が亡くなった後に誰がご遺骨を納骨するか?身寄りのいない方の死後手続きなども相談できます。
ご家族がいる場合でも、生前契約の存在をご家族が知らなければ意味がありません。遺言書やエンディングノートの書き方、終活の進め方を指南してくれるでしょう。
・メモリアル終活支援センター
③ご家族の納骨
ご家族が亡くなった時、お墓がない形態を選ぶ方も増えました。屋内墓所・納骨堂など形態によっては、負担がないままいつでも故人を偲びお参りができる永代供養を選ぶことができるでしょう。
突然ご家族が亡くなった時にも、墓石を建てる必要がない永代供養は費用を安く抑えることができます。納骨堂の永代供養を選ぶと、お墓を建てるまでの一時的なご遺骨預かりにもなるでしょう。
手元供養もあるのでご家族のご遺骨は、必ずしも埋葬しなければならない訳ではありません。ご自宅でご遺骨を安置された後、納得できた時に永代供養を選ぶことも可能です。
④資料の請求
沖縄で永代供養の資料請求は霊園や墓地、石材業者などから入手できます。電話やインターネットのホームページから請求することもできるでしょう。
資料請求から約2~5日ほどで資料が到着します。資料では永代供養墓や施設の規模・納骨人数・永代供養料などの情報を確認してください。複数の資料から希望の永代供養の相場観を把握し、比較検討しましょう。
資料請求をすることで担当者から確認の電話がかかってくることもありますが、比較検討段階である場合は正直に伝えて問題はありません。
⑤現地見学
資料から希望の永代供養を2件~5件に絞ったら、現地見学の予約を入れましょう。電話・インターネットから予約が取れます。
現地見学では資料では分からない情報が見て取れるでしょう。霊園・墓地までのアクセス環境や園内の設備や雰囲気、周辺環境などが分かります。
1日で複数の霊園・墓地をまわるならば、写真を残すと便利です。
園内の清掃が生き渡っていない・事務所スタッフの対応が誠実ではない・アクセスが困難など気になる箇所があれば、ノートなどに残して帰宅後に比較検討すると良いでしょう。
・霊園を見学するチェックポイント一覧|一般墓・永代供養墓・樹木葬の現地見学の注意点!
⑥契約
永代供養の契約をする前に、契約書の内容は確認をしましょう。永代供養は個別安置期間の長さ・納骨方法・お墓の種類などが墓地管理者によってさまざまに違うためです。
例えば・費用・納骨場所・契約期間(個別安置期間)・契約期間の更新の可否・供養方法(個別法要の可否・合同供養祭の参加・参拝方法の規約)・納骨方法・お墓の種類などがあります。
永代供養は永遠に個別管理・供養される訳ではありません。この点を理解して、分からない点は遠慮なくスタッフに尋ねましょう。
また後々思い直した時にご遺骨が手元に返らない永代供養の場合、親族間トラブルを避けるため、ご家族や親族で話し合い納得してから契約を進める必要があります。
・沖縄で親族トラブルのない墓じまい・仏壇じまいの仕方は?手順や注意点を体験談から解説
⑦納骨
ご家族が亡くなってからの納骨であれば、沖縄では葬儀当日にご遺骨を納骨する流れが一般的です。全国的には四十九日法要の後に納骨式を執り行う風習があります。
沖縄では葬儀の午前中に火葬し、ご遺骨の状態で葬儀を執り行う「骨葬」が一般的です。そして葬儀の後に、ご遺骨を納骨します。
そのため永代供養の契約も生前に進めるご家族も少なくありません。ただ現在では全国的な風習に倣い、四十九日法要の後に納骨するご家族も増えました。
・沖縄で納骨式の服装マナーとは?納骨のタイミング、納骨先で服装は変わる?持ち物も解説
⑧納骨後の供養
沖縄の永代供養は納骨の後もスーコー(法要)・供養ができるプランが一般的です。民間霊園・公営墓地であれば宗旨宗派不問が多いので、沖縄のウグァン(御願)によるスーコー(法要)も受け入れてくれるでしょう。
大勢の人々が埋葬される合祀永代供養墓では、シーミー(清明祭)やジュールクニチー(十六日)の時期、墓前でお参りを済ませた後、霊園・墓地内の会食設備や芝生広場でウサンデーを楽しむ姿も見受けます。
そのため駐車場の許容台数もチェックポイントのひとつです。
家の代表者がお参りを済ませて自宅に帰ってから、家族・親族で御仏前でシーミー(清明祭)を進めるご家族も増えました。
この他、環境が整っている現代の霊園・墓地ではシーミー(清明祭)やお彼岸などの時期を気にせず、会いたい時にお参りをして故人を偲び供養するご家族も増えています。
・沖縄のお墓参り行事シーミー(清明祭)、2024年はいつ?お供え物や拝み方まで解説!
⑨墓じまい後の仏壇じまい
沖縄では永代供養により、先祖代々位牌「トートーメー」や仏壇をどうしようか迷うご家族も少なくありません。お墓のないご遺骨供養を選択しても、仏壇やご位牌を仕立てること・祀ることはできます。
墓じまいを行いトートーメーや仏壇もしまいたいご家族は、仏壇じまいを行うこともできるでしょう。コンパクトな仏壇へ交換する方法もあります。
沖縄でご遺骨の永代供養を受け付ける霊園・墓地では、トートーメーやご位牌の永代供養を請け負う施設も見受けます。まずは仏壇仏具店へ相談をして、扱い方・処分方法を決めましょう。
・位牌永代供養…1霊位2万2千円~(税込)
まとめ:沖縄の永代供養でもお布施を包みます
特定の寺院に属する檀家制度が根付いていない沖縄ですが、永代供養であっても僧侶をお呼びすればお布施を包みます。
僧侶は近隣の寺院でご住職に依頼する他、永代供養を行う霊園・墓地で相談しても紹介してくれるケースが増えました。仏壇仏具店でも相談を受け付けてくれるでしょう。
沖縄でお墓やトートーメーの継承問題で悩むご家族は少なくありません。現代では墓じまい・仏壇じまいをはじめとする、さまざまな解決方法が提示されています。まずはひとりで悩まずに、専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。
・供養ギャラリー沖縄 問い合わせフォーム
・沖縄県メモリアル整備協会 オンライン相談