・2025年、沖縄の旧盆はいつ?
・沖縄の旧盆、2025年のスケジュールは?
・沖縄の旧盆では、何を行うの?
沖縄のお盆は旧盆ですよね。毎年旧暦7月13日~15日が沖縄の旧盆、2025年は9月4日(木)~6日(土)です!
ただ沖縄の旧盆は、6日前となる旧暦7月7日の「タナバタ(七夕)」のお墓参り「ソーローウンケー(精霊迎え)」から始まります。旧暦7月7日のタナバタ(七夕)、2025年は8月29日(金)!
今回はタナバタ(七夕)から始まる沖縄の旧盆2025年のスケジュールと、沖縄の旧盆、3日間の流れを大まかにお伝えします。近年では家族単位で行うカジュアルな沖縄の旧盆も増えました。どうぞ参考にしてください。
この場合はナカビ(中日)を2日間とし、旧暦7月16日まで、2025年は9月7日(日)までです。
沖縄の旧盆とは?【初めての人向け基本解説】

沖縄の旧盆は、旧暦7月13日~15日に行われる、ご先祖様を迎え、供養し、見送る大切な行事です。
新暦を使う全国とは異なり、沖縄では旧暦(太陰太陽暦)に基づいて行われるため、
毎年、旧盆の日程が変わります。
もともと沖縄では、祖先崇拝の文化が根強く、
お盆行事も単なる年中行事ではなく、家族とご先祖様を強く結び直すための大切な時間と考えられています。
2025年の旧盆は、新暦で【9月4日(木)~6日(土)】にあたります。
ウンケー・ナカビ・ウークイという、3日間それぞれの意味を知りながら、大切に迎えましょう。
2025年沖縄の旧盆スケジュール

◇沖縄の旧盆始めは、旧暦7月7日のタナバタです
全国的には地獄の釜の蓋が開く「釜蓋朔日(かまぶたのついたち)」からお盆が始まります。
閻魔大王が開く地獄の釜の蓋は「あの世の扉」ですので、毎年8月1日から月遅れ盆が始まる8月13日にかけて、お墓参りへ行く地域もあるでしょう。
一方、沖縄で旧盆の始まりは旧暦7月7日のタナバタです。
この日に先祖代々位牌トートーメーを祀るムートゥーヤー(本家)はお墓参りをして、ご先祖様へ旧盆のご案内をします。
2025年の旧暦7月7日は8月29日(金)、そして沖縄の旧盆本番は6日後の2025年9月4日(木)~6日(土)です。
<沖縄の旧盆2025年のスケジュール> | ||
・旧暦7月7日 | 2025年8月29日(金) | ソーローウンケー(精霊迎え) |
・旧暦7月13日 | 2025年9月4日(木) | ウンケー(お迎え) |
・旧暦7月14日 | 2025年9月5日(金) | ナカビ(中日) |
・旧暦7月15日 | 2025年9月6日(土) | ウークイ(お見送り) |
また、沖縄の旧盆には4日間日程もあります。この場合はナカビ(中日)が2日間になり、ウークイ(お見送り)が1日遅れるスケジュールです。
そのため沖縄の旧盆が4日間の地域は、2025年9月4日(木)がウークイ(お見送り)ですね。
その昔の沖縄ではウークイ(お見送り)を日が沈んだ夜から行いましたが、現代は集まった親族の帰りも考慮して、夕方頃からウークイ(お見送り)の儀礼を済ませて終わりとする家が増えています。
沖縄旧盆の3日間|ウンケー・ナカビ・ウークイとは?

沖縄の旧盆は、3日間をかけてご先祖様を迎え、供養し、見送る流れになっています。
それぞれの日には、次のような意味と役割があります。
ウンケー(お迎えの日)
◇旧盆初日であるウンケーは、ご先祖様を家にお迎えする日です。
仏壇にご馳走や線香を供え、沖縄では玄関や門前でお線香を焚いてお出迎え、全国的には迎え火を焚く地域もあります。
「ようこそお帰りなさい」と、温かい気持ちでお迎えします。
ナカビ(中日)
◇旧盆2日目にあたるナカビは、家族や親族が集まって、故人やご先祖様を供養する日です。
分家では、先祖代々位牌トートーメーを祀るムートゥーヤー(宗家・本家)への訪問をして、ムートゥーヤー(宗家・本家)ではお出迎えのための準備として、お供え、焼香などを行って、故人への感謝の気持ちを新たにします。
ウークイ(お見送りの日)
◇最終日のウークイは、ご先祖様をあの世へ送り返す日です。
夜に供物を整え、線香やろうそくを灯し、家族そろって別れの儀式を行うでしょう。
沖縄では夕方頃から、ご先祖様へ重箱料理を供えて拝みを行い、仏前でウチカビ(打ち紙)を焚く流れでお見送りを進めます。
ウークイの儀式を済ませたら、ご先祖様が「後ろ髪を引かれる」ため、早々に片付けを済ませましょう。
2025年沖縄の旧盆:始まりはタナバタ!

◇旧暦7月7日のタナバタ(七夕)、2025年8月29日(金)はソーローウンケー(精霊迎え)です
初春の時期に行う「シーミー(清明祭)」や、後生(あの世)の正月とされる「ジュールクニチー(十六日)」と違い、お仏壇を祀る家族のみでお墓参りに行く点は大きな違いです。
・墓地の守護神「ヒジャイガミ(左神)への拝み
・お墓掃除
・供花、お線香をあげる
・墓前でソーローウンケー(精霊迎え)の拝み
全国的にはお墓参りは、「いつでも故人に会いたい時に参って良い」とされています。
けれども沖縄では、「むやみにお墓参りにいくものではない」とされてきました。
これは沖縄にその昔、故人の遺体を一定期間放置する「風葬(ふうそう)」の風習があったためとされてきました。
そのためシーミー(清明祭)やジュールクニチー(十六日)など、お墓参りが許される日に、親族こぞって墓前に集まり、故人を囲んで宴を楽しむ習慣がありますが、タナバタは少人数です。
旧暦タナバタの役割
◇旧暦タナバタはヒーナシ(日無し)でもあります
沖縄の旧暦タナバタ(七夕)は、ソーローウンケー(精霊迎え)とヒーナシタナバタ(日無し七夕)、2つの役割があります。
「ソーローウンケー(精霊迎え)」は、沖縄で旧盆の6日前に行う、故人やご先祖様へのご案内です。
一方、「ヒーナシタナバタ(日無し七夕)」は、名前のように「日がない」暦となります。
では、誰にとって「日がない」のでしょうか。
それはウティン(御天)で日がないため、「神様の世界には、存在しない日」となります。
神様の目が届かないヒーナシ(日無し)は、この世で日取りを気にする必要がなく、お墓事や仏壇事を進めやすい日です。
<沖縄で旧盆2025年:ヒーナシタナバタ> | |
(1)お墓事 | ・建墓 ・お墓の修理修繕 |
(2)仏壇事 | ・仏壇の交換 ・仏壇の新調 ・仏壇じまい …など |
…このように沖縄の旧盆6日前に訪れるタナバタ(七夕)は、沖縄の人々には特別な2つの意味合いがあるでしょう。
また沖縄では、この一年で亡くなった故人が迎える「初盆(はつぼん)」は盛大に行われませんから、家族でしめやかに故人を弔う日、お仏壇を仕立てる日とする家も見受けます。
ウンケー(お迎えの日)の準備とは?

旧盆初日のウンケーは、ご先祖様を自宅にお迎えする大切な日です。
沖縄では、ウンケーを迎えるために、仏壇や家の中を清め、
ご先祖様が心地よく戻ってこられるように準備を整えます。
ウンケーの日に準備するものや心がけたいポイントは、次の通りです。
● 仏壇・室内の掃除
→ 事前に仏壇をきれいに拭き清め、供物台や周辺も清掃します。
家の中も掃除して、ご先祖様を迎える空間を整えます。
[仏壇掃除の仕方]
・沖縄でお仏壇の掃除の仕方は?掃除前の準備ややってはいけないこと、7つの手順を解説!
● 供え物の用意
→ 重箱料理、果物、乾物、菓子など、清らかな供物を準備します。
沖縄の旧盆ならではのお供え物も多く、特にウンケーの日に供える「ウンケージューシー」は、どの地域でも定番です。詳しくは、下記コラムをご参照ください。
[ウンケー(お迎え)進め方]
・【沖縄の旧盆】2025年9月4日はウンケー☆お供え物と迎え方
● 準備しておきたい仏具
→ 沖縄ではナカビに分家の親族が訪問するので、ムートゥーヤー(宗家・本家)では、大きなウコール(香炉)も用意しておくと便利です。また、ロウソクも多めに準備しておきましょう。
この他、最終日のウークイではウチカビ(打ち紙)を焚き上げるため、ウチカビも準備しておくと安心です。準備しておきたい仏具については、下記コラムに詳しいです。
[ウンケーまでに準備をしたい物]
・2025年沖縄旧盆をイラスト解説!初日ウンケーは9月4日(木)、お供え物や飾り方
● ウンケージューシー(炊き込みご飯)
→ 沖縄では旧盆初日にウンケージューシーでご先祖様をもてなします。
ウンケーの日に供えるジューシーが「ウンケージューシー」、ご先祖様に付いてくる無縁仏やチガリムン(餓鬼など)を祓う意味合いも込めて、香りの強いショウガが入っているのが、特徴です。
それでは、以下よりウンケー・ナカビ・ウークイ、それぞれの迎え方・過ごし方について、大まかな流れを解説していきます。詳細を解説するコラムも最後にご案内していますので、どうぞ活用してください。
沖縄の旧盆2025年:ウンケー(お迎え)

◇旧暦7月13日、沖縄の旧盆初日はウンケーです
旧暦7月13日、沖縄の旧盆初日は2025年9月4日(木)、沖縄風炊き込みご飯に魔除け効果のあるショウガを加えた「ウンケージューシー」を供えてご先祖様を迎えます。
仏壇がある家では朝から準備を進め、夕方頃に門前、マンションでは玄関で、ご先祖様を迎えることが多いでしょう。
お迎えのお線香により、ご先祖様を家内までご案内し、3日間に渡る沖縄の旧盆の始まりです。
(1)お仏壇の掃除
(2)お仏壇の供え物
(3)門前でご先祖様のお迎え
(4)ご先祖様を仏壇までご案内
(5)ウンケージューシーの御膳を供える
ウンケー(お迎え)は夕方頃から始めます。午前中はお仏壇の掃除や、お供え物を揃えたりと準備をする家が多いでしょう。
お仏壇の掃除ですが、濡れふきんではなく乾拭きです。最初にほこり取りでお仏壇のほこりを取ってから乾拭きをします。
ご先祖様の迎え方
全国的には焙烙(ほうろく)と呼ばれる焼き物の器に、オガラに火を付けて焚きますが、沖縄の旧盆では火が消えにくいロウソク2本とお線香で迎えます。
<沖縄の旧盆2025年:ご先祖様のお迎え> ●ウンケー(お迎え)の進め方 | |
(1)門前、もしくは玄関の両脇に大きなロウソクを立てる | |
(2)2本のロウソクの中央に、ロウソクから火を灯したお線香を供える ※ロウソクは寝かせて地面においても、ウコール(香炉)を用意しても良い | |
(3)家長を中心にして、集まった人々でウンケー(お迎え)の拝みを捧げる | |
(4)ご先祖様を案内しながら、お線香を家内に運ぶ | |
(5)家内にある、仏壇のウコール(香炉)へお線香を供える | |
[お線香の本数] ●ジュウニフンウコー(十二本御香) ・日本線香…12本もしくは4本 ・ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚) ※「ヒラウコー(平御香)」は沖縄のお線香です |
今では火の用心と時間短縮の観点から、直接地面に置かずにウコール(香炉)を玄関先まで持ってきて、短い日本線香4本を供える家も増えました。
一般的には門前でウンケー(お迎え)の拝みをした後、お線香をお仏壇のウコール(香炉)に移して、ご先祖様をお仏壇まで案内するのですが、お線香を門前にそのまま置く地域もあります。
ただし最近では、火が付いたままのお線香を門前に放置することは危ないため、火を消して門前に置く家がほとんどです。
[ウンケーのお供え物・準備・進め方]
・2025年沖縄の旧盆初日|ウンケー(御迎え)とは?お供え物や拝み方
沖縄の旧盆2025年:ナカビ(中日)

◇旧暦7月14日、沖縄で旧盆のナカビ(中日)2025年9月5日(金)は、分家の人々が本家を訪問します
ウンケー(お迎え)の翌日は一日中ご先祖様が自宅にいて家族でくつろぐ「ナカビ(中日)」、「ナカヌヒー(中の日)」と発音する地域もあります。
2025年現代の沖縄旧盆では、供える内容にこだわらずに、家族が食べるご飯を供えて共食(食卓を囲むこと)する家が多いでしょう。
ただお仏壇がある本家では分家の人々が集まるため、お昼頃から、お昼ご飯やおやつのおもてなしを出してきました。
迷うようでしたら、昔ながらの沖縄の旧盆、ナカビ(中日)に供えられてきた、下記の御膳を参考にしてください。
<沖縄の旧盆2025年:ナカビ(中日)のお供え> | |
(1)朝食 (ヒティミティムン) | ・ご飯(お粥) ・汁物 ・ウサチ(酢の物) |
(2)昼食 (アサバン) | ・ソーメン汁 ・ふかした芋の輪切り |
(3)おやつ (マドゥヌムン) | ・ぜんざい ・あまがし |
(4)夕食 (ユウバン) | ・ご飯 ・汁物 ・煮物 ・ウサチ(酢の物など) |
お素麺は全国的なお盆でも乾麺を飾るなどの方法で供える様子があり、「あの世とこの世を結ぶ糸」などとも言われます。
ただ沖縄では現実的には、お客様の来訪が続いて忙しいナカビ(中日)にお素麺が手軽なため、現代まで定着しているのかもしれません。
ナカビ(中日)の訪問
◇ナカビ(中日)は分家の人々の挨拶まわりです
沖縄の旧盆でナカビ(中日)は、分家の人々がトートーメーを祀っている本家「ムートゥーヤー」を訪ねる日です。
分家の人々は千円~3千円の手土産を持参してご先祖様に会いに行きますが、両家の実家など、複数の家をまわる家族もいるでしょう。
<沖縄の旧盆2025年:ナカビ(中日)のおもてなし> | |
(1)分家の人々 | ●約千円~3千円の手土産を持参する ・まずお仏壇にお線香をあげて手を合わせる ・手土産はお仏壇の周辺に、供物として置く |
(2)本家の人々 | ●お昼頃から分家の人々が訪問する ・お昼時…お昼ご飯のお素麺などでもてなす ・午後…ぜんざいやあまがしなどのおやつでもてなす |
手土産の上には、分家家族の人数分だけウチカビ(打ち紙)を置きます。
「ウチカビ(打ち紙)」とは沖縄であの世のお金と言われる紙で、仏壇仏具店やスーパーなどでも販売しているでしょう。
分家の人々のウチカビ(打ち紙)は3枚/1人、これを最終日のウークイ(お見送り)で、「○○家の○○(干支)からです。」と、一緒に焚き上げます。
ナカビ(中日)に行けない場合
◇お中元を送ることもできます
沖縄の旧盆で、ナカビ(中日)の訪問が難しい場合、手土産と同じ約千円~3千円前後の価格帯で、お中元を贈ると良いでしょう。
ムートゥーヤー(本家)では、お中元をいただくと沖縄の旧盆期間中は仏壇にお供えをして、ウチカビ(打ち紙)も焚いてくれます。
ただ、お礼の気持ちも込めて、ムートゥーヤー(本家)に「どうぞ代理でお線香やウチカビ(打ち紙)をあげてください。」と、お中元にメッセージを添えると丁寧です。
●ムートゥーヤー(宗家/本家)では、郵送でお中元を受け取ったら、お仏壇に「〇〇〇〇(住所)の〇〇(干支)、〇〇〇〇(家や名前)からです。」とご先祖様にお伝えして、代わりに供えます。
ムートゥーヤー(本家)では、お中元を受け取り、代理でお供えをする際、同じようにお線香も代わりに供えます。
代理のお線香は分家の本数ですので、日本線香なら3本・ヒラウコー(平線香=沖縄線香)では半ヒラ(半分)の、サンフンウコー(三本御香)です。
ナカビ(中日)のお供え物・準備とは?
ナカビでは、訪問する親族や、家族自身も供え物をきちんと準備する習慣があります。
ご先祖様へのお供えはもちろん、訪れる親族への心配りも欠かせません。
ナカビに準備するものの例は、次の通りです。
● 供え物
→ 果物、菓子、乾物などの「清らかなもの」。
最終日に家族・親族で分け合いますが、ナカビでは「〇〇家からのお供え物です」とご先祖様へお伝えして、仏壇に供えたあと、最終日に焚くウチカビを3枚、上に置きます。
● スーミン汁・あまがしなど
→ ナカビに訪問する分家の家族や親族をもてなすため、お昼時にはそうめん(スーミン)のお汁、おやつ時には金時や小豆を甘く炊いたあまがしなどを振る舞ってきました。
● 線香・ロウソク
→ 来客時にご先祖様へご挨拶するので、線香とロウソクは多めに準備をしておきましょう。沖縄線香(ヒラウコー)でも日本線香でも、問題はありません。
● 来客用のおもてなし
→ この他、赤ちゃん・お子様の来訪など、お客様に合わせてお菓子やおもちゃなどを用意しておくと、安心です。
ナカビは、ただ賑やかに過ごす日ではありません。
ご先祖様と、家族との絆を深める大切な日として、丁寧に準備を進めましょう。
沖縄の旧盆2025年:ウークイ(お見送り)

◇ウークイ(お見送り)の日は、重箱料理を供えます
沖縄の旧盆、最終日となる2025年9月6日(土)は、ご先祖様のお見送り「ウークイ(お見送り)」です。
重箱料理のウサンミ(御三味)を仏壇に供え、ご先祖様を中心に皆でご馳走やお酒を楽しみ、夜遅くにご先祖様をお見送りします。
朝~日中はナカビ(中日)と同じく、家族と共にお供えをしながらのんびり過ごし、夕方頃からお重料理をお供えして、集まった家族・親族で宴を楽しむ流れが一般的です。
ウークイ(お見送り)のご馳走、重箱料理のウサンミ(御三味)は昔ながらの風習です。
家で作るのも良いですし、スーパーや仕出し料理店、コンビニなどでの発注も良いでしょう。
①屋内でのウークイ
◇屋内では仏壇前で「ウチカビ」を焚きます
沖縄の旧盆、最終日のウークイの定番は、ウチカビ(打ち紙)を仏前で焚く儀式です。
金属製のアルミボウル「カビバーチ(火鉢)」に水を貼りウチカビ(打ち紙)を焚きます。
ウチカビ(打ち紙)を焚き終えたら、カビバーチ(火鉢)に重箱料理のおかずや、旧盆で供えていたお供え物を入れて、一緒にご先祖様へ届けましょう。
<沖縄の旧盆2025年:家庭内でのウークイ> | |
(1)家長を中心にご先祖様へ拝む | |
(2)供えていたウチカビ(打ち紙)を焚く (カビバーチを準備し、仏前で焚く) | |
(3)カビバーチに供えていたお供え物を入れる | |
(4)カビバーチに供花を入れる | |
(5)カビバーチに供えていたお酒を掛ける |
ご先祖様があの世へ帰る時の手土産として、カビバーチにお供え物を入れた後、残ったお供え物はウサンデーしましょう。
「ウサンデー」とはお供え物をさげることを指し、さげたお供え物は家族でいただきます。
近年の沖縄は飽食で重箱料理のおかずもご馳走ではなくなりましたが、ご先祖様と共食する意味もあるので、でき得る限り捨てることなく、いただきましょう。
ウチカビを焚く枚数
◇集まった人々は1人につき3枚を焚きます
「ウチカビ(打ち紙)」はあの世のお金です。
ご先祖様があの世で生活に困ることのないよう、おこずかいとして送るため、たくさんのウチカビを焚く人もいますが、一般的な枚数は決まっています。
またウチカビ(打ち紙)は、トートーメーを祀るムートゥーヤー(本家)の家長から、家族、集まった人々と順番に焚きましょう。
<沖縄の旧盆2025年:ウチカビの枚数> | |
[立場] | [枚数] |
・家長 (拝みの中心) | ・1人につき5枚 |
・その他の人々 | ・1人につき3枚 |
ウチカビを焚くアルミボウルはホームセンターに行くと、専用の網や火箸も備えた専用のものが販売していますが、一般的なアルミボウルの底に網を敷き、水を張っても構いません。
家や地域により風習は異なりますが、魔除けのネギなどを浮かべる人もいます。
②屋外のウークイ
◇最後は家族で家の外に出て、門前でご先祖様を見送ります
屋内でウチカビ(打ち紙)を焚いたカビバーチは門前(玄関)まで持って行きましょう。
ウチカビ(打ち紙)を焚いたカビバーチは、前述しようにご先祖様への手土産なので、お土産としてお見送り場所まで届けるためです。
また、餓鬼やチガリムン、無縁仏へ供えた「ミンヌク」も一緒に玄関先に持ってくる家もあります。
<沖縄の旧盆2025年☆門前のウークイ> | |
[お見送りの仕方] | |
(1)「お土産」とお線香を持って行く | |
(2)集まっている家族は、門前へ集まる | |
(3)ロウソクを門の左右に置く | |
(4)ロウソクからお線香に火を灯す | |
(5)お線香を門の中央に供える (もしくは玄関口の真ん中) | |
(6)家長を中心に拝む (集まった人々は手を合わせる) | |
(7)その日のうちに旧盆の片付ける | |
[お線香の本数] | |
●ジュウニフンウコー(十二本御香) | |
・日本線香…12本もしくは4本 | |
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ(2枚) |
ヒラウコー(平御香)は日本線香6本をくっ付けた、板状のお線香です。
とても安く日々の拝み事には便利なのですが香りがないため、旧盆では香りを届ける日本線香を供えても良いでしょう。
またこの日は日が暮れた頃から、集落の青年会や子ども会などのエイサー隊が町を練り歩き、人々が見物に訪れる日でもあります。
伝統演武などで故人の霊をお見送りする儀礼ではありますが、子ども達の楽しい行事のひとつです。
また沖縄の旧盆でウークイ(お見送り)が終わると、すぐに旧盆のお飾りを片付ける習わしがありますが、これは「ご先祖様が、後ろ髪を引かれるため」と言われています。
マンションで行う2025年沖縄の旧盆

◇マンションでは玄関から外に向かって見送ります
近年は分譲マンションなど、住まいに合わせたウークイも広がりました。
お仏壇も交換して、コンパクトでモダンな棚上仏壇が増えたため、お供え物もより自由に供える家が増えています。
お線香もコンパクトな仏壇のウコール(香炉)が小さく割れやすいため、1本線香の日本線香を扱う家も増えたでしょう。
また屋外用に、昔ながらの丈夫な沖縄のウコール(香炉)を別途、購入する人も多いです。
玄関の窓を開け、玄関から外に向かって、屋外のウークイと同じようにお見送りをします。
無事に沖縄で旧盆を済ませたことを、ヒヌカン(火の神)へ、感謝とともに伝えても良いでしょう。
まとめ:沖縄の旧盆、2025年は暮らしに合わせる

昔ながらの沖縄の旧盆は2025年の現代も、暮らしに合わせた形で残り続けています。
また沖縄の旧盆では2025年に仏壇じまいをすることで、簡素化する予定の人もいるでしょう。
お仏壇を小さくコンパクトにすることで飾り方も簡素化したり、先祖代々位牌のトートーメーを祀らず、近しい家族の位牌のみを個別のカライフェー(唐位牌)で祀る家が増えたことも、理由にあります。
定番の重箱料理のウサンミ(御三味)もより子ども達が楽しめる行楽弁当に近いものになったり、小さな重箱料理でコンパクトに供える家も増えました。
2025年は仏壇じまいにより、沖縄の旧盆を簡素化する流れも起きています。
位牌の扱いについては、下記をご参照ください。
まとめ
沖縄の旧盆、2025年は9月4日~6日!
●2025年8月29日(金)タナバタ
・旧盆のご案内
・お墓事やお仏壇事に良い(1)2025年9月4日(木)ウンケー
・朝からお供え物
・ご先祖様のお迎え
・ウンケージューシーの御膳(2)2025年9月5日(金)ナカビ
・昼頃から分家の人々の訪問
・3色+おやつのお供え
・お客様へのおもてなし(3)2025年9月6日(土)ウークイ
・夕方からウチカビを焚く
・エイサーの練り歩き
・送り火の後はその日のうちに片づける