【沖縄の旧盆】最終日ウークイの送り方。ヒヌカン・お仏前・門前でのグイス(拝み言葉)

2023.05.23
【沖縄の旧盆】最終日ウークイの送り方。ヒヌカン・お仏前・門前でのグイス(拝み言葉)

沖縄の旧盆最終日、ご先祖様をお見送りするウークイの送り方は、流れが他県とは違いますよね。ご先祖様を囲み宴を催した後、家長がお仏前でウークイの拝みを捧げ始まります。本記事ではウークイの流れ、なかでもウークイの拝み言葉「グイス」をお伝えします。

・ウークイの送り方は?
・ウークイでのグイス(拝み言葉)は?
・ウークイの送り方の流れは?

沖縄の旧盆、最終日のウークイはご先祖様のお見送りです。
ご先祖様とご馳走をひとしきり楽しみ、日が暮れた頃にウークイが始まります。

本記事を読むことで、沖縄の旧盆、最終日に行うご先祖様のお見送り「ウークイ」の送り方、なかでもウークイでのグイス(拝み言葉)が分かります。
 

ウークイ、1日の送り方

ウークイ、1日の送り方
◇ウークイでは、ムチスク(宗家)は3箇所へ拝みます

ウークイの日はご先祖様を囲んで食事を楽しみます。
沖縄の旧盆最終日、ウークイでは夕方頃からご先祖様を囲んで楽しむ宴がメインです。ご先祖様をお見送りするため、親戚が集まり宴を楽しみました。

お仏壇のあるムチスク(宗家)では、ウークイ1日の送り方は、下記の流れです。
 

<ウークイの送り方:1日の拝み>
[朝]
・ヒヌカンへご報告
・朝ごはん

[昼]昼ごはん

[夜]ご馳走
・重箱料理のウサンミ(御三味)
ウハチ(お初)を供える
・ご先祖様を囲み宴を催す

[ウークイ]
・ご仏前の拝み
・ウチカビを焚く
・門前のお見送り

 
「ウハチ(お初)」とは、ご馳走の最初の取り分けを差します。
重箱料理のウサンミ(御三味)を供えたら、誰も手を付けないうちに、それぞれの品から数品を取り分けてください。

重箱の上に乗せるとされますが、別皿に取り分けても良いでしょう。
 

 

ウークイの送り方:ヒヌカンへの報告

(1)ヒヌカン(火の神様)へご報告
◇ウークイの朝、ヒヌカンへ今日の日がウークイであることを報告します

「ヒヌカン(火の神様)」は、家を守護する神様で台所に祀られているため、拝むのは家長ではなく、主に台所を担う家族です。

以前は主に家の女性がヒヌカンを担ってきましたが、近年では主夫も増えました。
主に台所に立つ者が拝み、他の者は触れないようにすれば良いでしょう。
 

<ウークイの送り方:ヒヌカンへ報告>
[いつ]

[お線香の本数]
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ半(2枚半)

 
沖縄の旧盆では、旧盆期間は香りが立つ日本線香を供えるムチスク(宗家)が多いですが、ヒヌカンへのご報告ではヒラウコーを用いる家も少なくありません。

近年はスペースの問題から小さなウコール(香炉)が広がり、火の取り扱いや小さいウコール(香炉)の耐久性の問題から、日本線香5本で拝む家も増えています。
 

 

ヒヌカンへのグイス(拝み言葉)

ヒヌカンへのグイス(拝み言葉)
◇ヒヌカンへは、無事にウークイができるよう、守護を祈願します

ヒヌカンへウークイの報告を行う前には、日常のお世話をしてください。

ミジトゥ(お水)とウサク(お酒)を交換し、ごはんを供えている家庭ではごはんも交換します。
供え葉の水が少なければ水を替え、お塩も湿って固くならないようにしましょう。

交換する時は、お水もお酒も、一度全てを捨ててから、改めて注ぎます。
 

<ウークイの送り方:ヒヌカンへのグイス>
「ウートゥートゥー ヒヌカンガナシー、
(あな尊き ヒヌカンの御方よ)

チューヤ ヒガラントゥー、シチグァッチーヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆の日でなっております。)

ウヤフジヌ ウークイ、ブジニ シミティ ウタビミスーチー、
(ご先祖様のお見送りを、無事にさせてくださいますように、)

ウサギムン ウキトゥイジュラスァーシミティー ウタビミスーリー。
(お供え物を受け取ってくださいますように。)

ウートゥートゥー。
(あな尊い)。」

 
家を守護するヒヌカンへの拝みは、主に旧盆の3日間、ご先祖様へのおもてなしを滞りなくできたことへの感謝を伝え、ウークイもまた無事に終わるよう、守護をお願いすると良いでしょう。
 

 

ウークイの送り方:お仏前

ウークイの送り方:お仏前
◇宴の後、ご先祖様へウークイが始まること、3日間の感謝を伝えます

集まった親族でご先祖様を囲み、ご馳走を前に宴を催した後、ウークイの送り方は、日が暮れる頃にご仏前でウークイ拝みが合図です。

最初にムチスク(宗家)の家長がウークイの拝みを捧げ、続いてムチスク(宗家)の家族から順番に「ウートゥートゥー」と合掌します。
 

<ウークイの送り方:お仏前>
[いつ]日が暮れる頃

[お線香の本数]
●家長…ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ(2枚)

●他の人々…サンブンウコー(三本御香)
・日本線香…3本、もしくは1本
・ヒラウコー(沖縄線香)…半ヒラ(半分)

 
ムチスク(宗家)の家長が拝み終えてからの順番は、配偶者や長男から…と、順番です。集まった親族も家長、ご先祖様と関係性が深い人から拝みます。
 

●家族に参加できなかった人がいた場合、その家族がジュウニフンウコー(十二本御香)を一家のお線香として供えてください。

 
また、前日のナカヌヒー(中の日)に訪問した親族や、旧盆期間にお中元が届いた親族などがいたら、その人の分をムチスク(宗家)の家族が代理で供えます。
 

 

お仏前でのグイス(拝み言葉)

お仏前でのグイス(拝み言葉)
◇ご先祖様には、3日間を無事におもてなしできたことへ感謝します

ウークイの送り方でお仏前に伝えることは、今日の日がウークイであり、ご先祖様をお見送りすること、そして3日間の感謝です。
 

<ウークイの送り方:お仏前>
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、
(あな尊い ご先祖様、)

チューヤ ヒガラントゥー、シチグァッチヌ ウークイヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆のウークイの日になっております。)

クヮックマガンチャー ムルシルディー、
(子々孫々、皆集まって、)

クゥトゥシムゲンキニ シチグァッチヌ ウトゥイムチ シミティクィミスーチ、
(今年も元気に 旧盆のおもてなしをさせていただき、)

マクトゥニ ウシリガフゥーディビル。
(誠に ありがとうございました。)

チューヤ ムル、マグクルウサギティー、ウークィ スーリビングトゥ、
(今日も皆、真心のお供え物をし、お送りしております、)

ウキトゥイジュラスァ ウタビミスーリー。
(受け取って いただきますよう。)

マタ、チトゥン ダティン ムッテミンソーチ、
(また、たくさんのお土産を持ってお帰りいただき、)

ヤーヌン ミンソーチ クィミスーリー、
(来年もいらしてくださいますように、)

ウートゥートゥー。 
(あな尊い。)」

 
お仏前でウークイの拝みの後、ウチカビを焚いてあの世への手土産を作るので、手土産を持ち帰っていただくことも伝えます。
 

ウークイの送り方:ウチカビを焚く

沖縄の旧盆ウークイ:ウチカビを焚く
◇ムチスク(宗家)の家長から順番に焚きます

続いてムチスク(宗家)の家長から順番にウチカビを焚いていきます。
「ウチカビ(打ち紙)」とはあの世のお金、沖縄ではスーパーで販売しているでしょう。

ウチカビを燃やす金属ボウルなどの「カビバーチ(紙鉢)」を用意してください。
 

 
お仏前で焚く家が多いですが、庭がある場合、火の用心と、煙を天へ届けるために庭で焚く家が多いです。

ムチスク(宗家)の家長から始まり、配偶者、長男…と順番に続きます。
ウチカビは一家が焚くごとに、お酒を掛けて鎮火させると良いでしょう。
 

<ウークイの送り方:ウチカビ>
[いつ]お仏前でのウークイの拝みの後

[ウチカビの枚数]
・家長…5枚
・他の人々…3枚

 
最後にウークイの場におらず、お中元が届いている親族のウチカビを、ムチスク(宗家)の家族が代理で焚く流れです。
ウチカビはお中元をお仏前に供えた際、供物の上に3枚ずつ置いています。

これは○○○○(住所)、○○の家からです。」とご先祖様に報告しながら焚いてください。
 

手土産を作る

重箱料理は早めに手配
◇ウチカビを焚いたカビバーチに、ウハチ(お初)を入れます

全員分のウチカビを焚いたら、カビバーチに重箱料理を供えた時に取り分けた、ご先祖様へのお供え物「ウハチ(お初)」を入れて手土産にしてください。

その他にも、下記のようなものをお供え物から入れて、手土産にします。
 

<ウークイの送り方:手土産を作る>
・ウハチ(お初)
・供花
・ウチャトゥ(お茶)
・ミジティ(お水)
燃え途中のお線香

 
最後にカビバーチに入れるお線香は、お仏前でのウークイの拝みで、ウコール(香炉)に供えたお線香です。燃え途中のお線香を入れてください。
 

●ウコール(香炉)からお線香を取り出す時には、「ウサンデーサビラ(お下がりです)」と言って、抜きます。

 
この他、無縁仏や魑魅魍魎のチガリムンへ、ご先祖様のお土産やお供え物を食べないように供える「ミンヌク(水の子)」も、門前に持って行くよう、準備を整えてください。
 

ウンケーの送り方:門前

ウンケーの送り方:門前
◇手土産を作ったカビバーチを門前に持参し、お見送りをします

以前の沖縄では門前のウークイの送り方として、仏教の西方浄土にあたる西に向かって、親族皆で手を合わせました

ただ今では拝むスペースも限られるため、自由な方角で拝んでいます。
ウンケーの送り方で、門前に持って行くものは下記です。
 

手土産のカビバーチ
・ミンヌク(水の子)
・お線香
・ロウソク2本

 
この他、クワズイモの葉など大きな葉があれば、最後に手土産を包むために、門前まで持参しますが、近年では充分に大きな葉が調達しにくくなりました。
 

<ウンケーの送り方:門前>
[いつ]ウチカビを焚いた後

[お線香の本数]
●家長…ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ(2枚)

 
門前に以上のものを持参したら、まずミンヌク(水の子)を門の外に撒きます
これはご先祖様の手土産やお供え物を食べないようにするためです。
 

門前には神様がいる?


◇門前では、最初にウジョーヌカミへお断りを入れます

「ウジョーヌカミ」とは漢字で「御門の神」、門前に鎮座される神様です。
門で悪霊や魑魅魍魎、疫病といった、ヤナムン・チガリムン・ヤナカジなどを追い払ってくれます。
 

<ウークイの送り方:ウジョーヌカミ>
「ウートゥートゥー ウジョーヌウカミガナシー、
(あな尊き 御門の神様よ、)

チューヤヒガラントゥー、シチグァッチヌ ウークイヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆ウークイの日になっております。)

クマカラ ウヤフジヌウークイ シミティクィミスーリー。
(これから ご先祖様のウークイをさせてくださいますように。)」

 
門前のウークイの送り方では、まず最初にこのウジョーヌカミへ、門前でご先祖様のお見送りをすることをお断りしてください。
 

 

門前でのグイス(拝み言葉)

門前でのグイス(拝み言葉)
◇門前では、門の両脇にロウソクをそれぞれ1本ずつ立てます

ミンヌク(水の子)を門の外に撒いた後、門の両脇にロウソクを1本ずつ立てると、ウークイの送り方です。

ムチスク(宗家)の家長が門の中央にジュウニフンウコー(十二本御香)のお線香を供え、下記のようにウークイの拝みを捧げます。

前項のウジョーヌカミへのお断りに続き、下記のように拝んでください。
 

<ウークイの送り方:門前>
「ウートゥートゥー ウヤフジヌガナシー。
(あな尊き ご先祖様よ。)

シチグァッチヌ ウトゥイムチン、
(旧盆のおもてなしを、)

ムナンジュラスァー シミティー ウタビミスーチ 
(無難にさえてくださいまして、)

マクゥトゥニ ウシディガフゥディビル。
(誠にありがとうございました。)

クマカラ、クワッゥマガンチャー ムルスルティー、
(これから、子々孫々 皆揃って、)

ウヤフジガナシーヌ ウークイスーリビン。
(ご先祖様へお見送りをしております。)

マチマユイン シミスーランゴトゥー、○○(墓地)ヌウハカマディ、
(道に迷うことのないように、○○のお墓まで、)

ムドゥッティー ミンソーリ。
(戻っていただきますように。)

マタ、ヤーヌンミンソーチ、クィミスーリ、
(また、来年も来てくださいますように、)

ウートゥートゥ。
(あな 尊い。)」

 
ウークイの送り方では、以上の拝みをムチスク(宗家)の家長がお線香の煙とともに拝み、他の人々は家長に倣い合掌です。
 

●「ウークイサビラ。ヤーヌン ミンスーチ クィミスーリヨゥ。
(お送りしておりますよ。来年もどうぞいらしてくださいよぅ。)」

 
家長が拝みを終えたら、他の人々も「来年もいらしてください」と続きます。
 

ウークイの拝み後の、送り方

ミンヌク(水の子)は門前に持って行く?
◇ウークイの拝みを終えたら、手土産をお渡しします

ウークイの拝みを終えたら、カニバーチに入れた手土産を包んでください
カニバーチの中身を大きな葉などで包みます。
 

・クワズイモの葉
・銀紙

 
昔の沖縄ではクワズイモの葉でカニバーチの手土産を包んできましたが、今では手に入りにくい家もあるので、銀紙に包んでも良いです。
 

●ミンヌク(水の子)を門前に撒かずに、ご先祖様への手土産とは別に、包む家もあるでしょう。

 
銀紙やクワズイモの葉で包んだ手土産は、しばらく門前に置いておきます。
 

ウークイの送り方では、門前で手土産を渡し見送ります

ウークイの送り方では、門前で手土産を渡し見送ります
ウークイの送り方は、夕方頃にご先祖様を囲んでひとしきり宴を催した後、ご仏前の拝みを皮切りとして、ウークイに入るでしょう。

ご仏前でウチカビを焚き手土産を作った後、門前に移り皆でお見送りをします。
マンションなど集合住宅であれば、玄関で良いです。

ウークイの翌日は、いつものようにウチャトゥ(お茶)、そして供花を差し替えて、ジュウニフンウコー(十二本御香)で拝みを捧げます。
 

[お仏壇の日々のお世話]
・お仏壇のお世話とは?水やごはんは毎日取り換えるの?お線香は毎日供える?詳しく解説!

 


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