沖縄の旧盆では最終日ウークイに何をする?お供え料理や行い方、道ジュネーも詳しく解説

2023.05.23
沖縄の旧盆では最終日ウークイに何をする?お供え料理や行い方、道ジュネーも詳しく解説

沖縄の旧盆で最終日は「ウークイ(御送り)」、ご先祖様をお見送りする儀式を家族や親族で行います。また街中では、演舞を披露して練り歩く「道ジュネー」があるでしょう。本記事ではウークイ1日の過ごし方、お供え物や進め方・拝む言葉などが分かります。

・沖縄の旧盆で「ウークイ」とは?
・沖縄の旧盆最終日「ウークイ」に何をする?
・ウークイのお供え物や料理、拝み方は?

沖縄の旧盆では、最終日を「ウークイ(御送り)」と言い、ご先祖様をお見送りする儀式を家族や親族で行います。

またご先祖様をお見送りする行事として、子ども会や青年会が演舞を披露して練り歩く「道ジュネー」があるでしょう。

本記事を読むことで、沖縄の旧盆最終日「ウークイ(御送り)」の過ごし方、お供え物料理や供え方、ウークイ(御送り)儀式の進め方が分かります。
後半ではウークイ(御送り)儀式での拝み言葉もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

 

沖縄の旧盆最終日「ウークイ」

沖縄の旧盆最終日「ウークイ」
◇「ウークイ」とは、ご先祖様をお見送りする儀式です

沖縄の旧盆は、毎年旧暦7月13日~15日の3日間で行われます。
地域によっては4日間日程の旧盆もありますが、一般的には3日間が多いです。

初日「ウンケー(御迎え)」でご先祖様をお迎えする儀式を行い、最終日「ウークイ(御送り)」でご先祖様をお見送りする流れになるでしょう。

全国的なお盆では、ご先祖様のお迎えが「迎え火」、お見送りは「送り火」ですね。
これが沖縄ではウンケー(御迎え)、ウークイ(御送り)になります。

 

①ご位牌がある家

◇ご位牌がある家では、故人やご先祖様をお見送りします

ご位牌がある家では夕方までナカビ(中日)と同じように過ごしますが、日が暮れる夕方頃には重箱料理のご馳走「ウサンミ(御三味)」を供えたら、ウークイの始まりです。

ご先祖様とともに家族や、集まった親族がご馳走をいただき宴を催した後、丁度良い頃合いから、ご先祖様をお見送りする儀式「ウークイ」が始まります。

先祖代々位牌「トートーメー」を祀る家は一族の本家「ムチスク(宗家)」ですから、多くの親族が集まる家もあるでしょう。

 

②ご位牌がない家

◇実家やムチスク(宗家)でウークイの儀式に参加します

家にご位牌がない世帯では、沖縄の旧盆最終日に先祖代々位牌「トートーメー」を祀る実家やムチスク(宗家)を訪れ、ウークイを行う家族が多いでしょう。

位牌がない家族にとっては、前日「ナカビ(中日)」も挨拶まわりの日ですから、ナカビ(中日)は母方の実家、ウークイは父方の実家、などと順番に訪れる家族もいます。

本州など遠方にいる位牌のない世帯で訪問できない時には、沖縄の旧盆時期、ムチスク(宗家)へお中元を送ったり、遠方からウートゥートゥー、手を合わせる家族もいるでしょう。

 

2024年沖縄の旧盆ウークイはいつ?

2024年沖縄で旧盆初日のウンケー(御迎え)はいつ?
◇沖縄の旧盆は8月16日(金)~18日(日)、ウークイは18日夕方以降です

旧暦は毎年日程が異なりますが、今年の沖縄の旧暦7月13日~15日は、全国的な月遅れ盆とも近い8月16日(金)~18日(日)です。

中間の旧暦7月14日は「ナカビ(中日)」もしくは「ナカヌヒー(中の日)」と呼ばれます。
家族はご先祖様とゆっくり過ごし、分家の親族はご先祖様へご挨拶へ訪れる日です。

沖縄の旧盆最終日に行う「ウークイ(御送り)」の儀式は、一般的に日が暮れかける夕方以降に行うため、日中は朝からナカビ(中日)と同じように、お供え物を供えてゆっくり過ごします。

下記は沖縄の旧盆最終日ウークイ、1日の簡単な流れです。
後からそれぞれの進め方を詳しく解説しますので、まずは流れを掴んでみてください。

 

 

①ウークイの朝

◇ヒヌカン(火の神)を祀る家では、本日がウークイであることを報告します

沖縄では古くから、台所に家を守護する家付きの神様「ヒヌカン(火の神)」を祀ってきましたよね。

母親から嫁・娘へと代々継承してきたヒヌカン(火の神)は、一時期はすたれた時期もありましたが、近年は「家計を守る神様」として新しく台所に仕立てる家庭も増えました。

神様の世界には時間の概念がないため、ヒヌカン(火の神)を祀る家では、沖縄の旧盆で今日の日を毎朝ご報告する風習です。

そして無事にご先祖様をおもてなしして、お見送りができるよう、御守護をお願いします。

 

②ウークイ昼までの過ごし方

◇朝ごはん・昼ごはんをお供えします

沖縄の旧盆にまつわる言葉「ウンケーやへーべトゥー、ウークイやヨンナーヨンナー」とは、「ご先祖様のお迎えは早めに、お見送りはゆっくり・ゆっくり」との意味です。

この言葉の通り、沖縄の旧盆でウークイの儀式は夕方以降、昔は暗くなってからゆっくりと始めます。

それまではご先祖様とゆっくり過ごし、家族が朝ごはんや昼ごはんをいただく時には、ご先祖様へもお供えをして、ご先祖様との時間を楽しみながら一緒にいただきましょう。

 

③ウークイの夜はご馳走

◇ウークイの夜ごはんは、重箱料理のご馳走です

沖縄の旧盆最終日、ウークイの夜ごはんは重箱料理に詰めたご馳走「ウサンミ(御三味)」をお供えします。

夕方、日が暮れる頃には多くの地域で、子ども会や青年会による「道ジュネー」も楽しむことができるでしょう。

沖縄で重箱料理のお供え物は定番のご馳走です。
シーミー(清明祭)などのお墓参り行事、旧正月など、あらゆる旧暦行事で供えます。

集まった家族・親族はご先祖様を囲んで共食し宴を楽しむことで、ご先祖様をお見送り前に、盛大にもてなすことになるでしょう。

 

④ウークイの儀式

◇ウークイは御仏前の儀式から始まります

宴が盛り上がり落ち着いてきた頃から、家長を中心にしてご先祖様をお見送りする「ウークイ(御送り)」の儀式の始まりです。

家長を中心に御仏前に拝み、沖縄で「あの世のお金」とされる定番の「ウチカビ(打ち紙)」を焚いて、あの世のお金を天へ送ります。

ウチカビ(打ち紙)を焚いた器「カビバーチ(紙鉢)」は、玄関へ持っていき、門前でのお見送りをしてウークイの儀式は終了です。

 

 

沖縄の旧盆:最終日ウークイの朝

沖縄の旧盆:最終日ウークイの朝
◇ヒヌカン(火の神)へウークイの日であることを報告します

ヒヌカン(火の神)を祀る家では、日ごろから台所に立ち、ヒヌカン(火の神)のお世話をしている家族が、お線香を供えて今日の日がウークイであることをお伝えしましょう。

「ヒヌカン(火の神)」は、家を守護する神様で台所に祀られているため、拝むのは家長ではなく、主に台所を担う家族です。

以前は主に家の女性がヒヌカンを担ってきましたが、近年では主夫も増えました。
主に台所に立つ者が拝み、他の者は触れないようにすれば良いでしょう。

 

ウークイの朝①ヒヌカン(火の神)のお線香

◇ウークイの朝、ヒヌカンへ供えるお線香は「十五本御香」です
●日本線香…15本、もしくは5本
●ヒラウコー(平御香)…タヒラ半(2枚と半分)

沖縄の旧盆でウークイの朝、ヒヌカン(火の神)へご報告の拝みをする際に供えるお線香は、日本線香15本分にあたる「十五本御香(ジュウゴフンウコー)」となります。

かつての沖縄で日本線香は「イップンウコー(一本御香)」「カバシウコー(香御香)」とも呼ばれてきましたね。

沖縄の旧盆では、ご先祖様には香りが立つ日本線香を供えることも多いですが、ヒヌカン(火の神)へのご報告は、沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」を用いる人も少なくありません。

沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」は日本線香6本分が板状になった沖縄独自のお線香です。
ただ、でんぷんを原料としているため、日本線香のような香りはありません。

近年は、台所スペースの問題から小さなウコール(香炉)が広がりました。
小さなウコール(香炉)では、ヒラウコー(平御香)は煙や灰も多く溢れてしまう、なかにはウコール(香炉)が耐えられずに割れてしまう、などのケースが増えています。

そこで、火の取り扱いや小さいウコール(香炉)の耐久性の問題から、日本線香5本で拝む家も増えています

 

 

ウークイの朝②ヒヌカン(火の神)への拝み方

◇いつも通り、お供え物を整えてから拝みます

沖縄の旧盆最終日ウークイは毎年旧暦7月15日、沖縄でヒヌカン(火の神)を祀る家は、毎月旧暦1日・15日にヒヌカン(火の神)へ拝みを捧げる御願(ウグァン)の日です。

そのためウークイの朝は、ヒヌカン(火の神)へ毎月の旧暦15日の拝み「ジューグニチの拝み」同様、お世話をしてください。

具体的にはミジトゥ(お水)とウサク(お酒)の交換、小さなウブク(ご飯)を3膳供えます。
チャーギやクロトンなどの供え葉は、花差しに水が少なければ水を替えましょう。

お塩も湿って固くなっているようならば、交換します。
交換する時は、ミジティ(お水)・ウサク(お酒)ともに、継ぎ足しはできません。
一度全てを捨ててから、新しく継ぐようにしてください。

 

ウークイの朝③ヒヌカン(火の神)へのグイス

◇無事にウークイができるよう、ご守護を祈願します

沖縄で「グイス」とは「祝詞(のりと)」、神様へ捧げる拝み言葉ですが、沖縄では神様へ沖縄の言葉で語りかける内容です。

ここではグイスとしてご紹介していますが、現代の言葉でも問題はありません
心を込めて下記の内容を意識し、お伝えすると良いでしょう。

 

<ウークイの朝:ヒヌカン(火の神)へのグイス>
「ウートゥートゥー ヒヌカンガナシー、
(あな尊き ヒヌカンの御方よ)
チューヤ ヒガラントゥー、シチグァッチーヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆の日でなっております。)

ウヤフジヌ ウークイ、ブジニ シミティ ウタビミスーチー、
(ご先祖様のお見送りを、無事にさせてくださいますように、)

ウサギムン ウキトゥイジュラスァーシミティー ウタビミスーリー。
(お供え物を受け取ってくださいますように。)

ウートゥートゥー。
(あな尊い)。」

 
家を守護するヒヌカン(火の神)への拝みは、主に旧盆の3日間、ご先祖様へのおもてなしを滞りなくできたことへの感謝を伝え、ウークイもまた無事に終わるよう、守護をお願いします。

 

 

沖縄の旧盆最終日:ウークイのお供え物

沖縄の旧盆最終日:ウークイのお供え物
◇最終日は御仏前に重箱料理のご馳走を供えます

沖縄の旧盆で最終日ウークイに供える料理は、御仏前に重箱料理のご馳走「ウサンミ(御三味)」です。

ご先祖様が帰省し、おもてなしをする沖縄の旧盆はお祝いとされてきました。
重箱料理も、紅白のカマボコや、めでたい結び昆布など、祝い重として整えましょう。

沖縄の重箱料理のご馳走は、賽の目上に奇数品目の品を詰めたおかず重と、おもちを詰めたムチ(もち)重を揃えます。

おかず重は家によって詰めるご馳走が異なりますが、豚の三枚肉の煮つけや魚の天ぷら、ゴボウやこんにゃくの煮つけなどが多いです。
沖縄の重箱料理については下記コラムに詳しいので、コチラも併せてご参照ください。

 

 

 

①ご先祖様に「ウハチ(御初)」を供える

◇誰も手を付けていない、最初のおかずが「ウハチ(御初)」です

従来の沖縄の旧盆では、おかず重2重+ムチ(もち)重2重の、合計4重「チュクン(両方)」を、御仏前に広げてきました。

けれども近年では集まる家族・親族も少なくなり、おかず重1重+ムチ(もち)重1重の、合計2重「カタシー(片方)」や、さらに小さな規模ではお皿に盛り付ける家も増えています。

 

●ご先祖様へ重箱料理のウサンミ(御三味)を供えたら、いくつかのおかずを取り出してひっくり返して重箱の上に乗せ、最初のご馳走「ウハチ(御初)」を供えてください。

 
これは最初のひと口をご先祖様へ食べていただく儀式です。
よく昔は、大黒柱のお父様が最初のひと口をいただき、それから家族が食事に手を付ける風景がありましたが、同じような感覚です。

もしくはご先祖様へ最初のおかずを取り分けてお皿に盛り供えた後、残りを集まった家族・親族でいただく方法もあります。

 

 

②ヒヌカン(火の神)にも供えましょう

◇ご馳走のおかずは、ヒヌカン(火の神)にも供えます

ヒヌカン(火の神)には重箱料理から数品を小皿に取り分け、供えてください。
このようなおかずを取り分けたお供え物を、沖縄では「ウチャワキ(お茶脇)」と言う地域もあります。

ウチャワキ(お茶脇)を供える時には、日本線香3本分「サンブンウコー(三本御香)」のお線香をあげて、ウークイのご馳走であることをお伝えしてください。

前述したように、お線香は日本線香でも沖縄線香ヒラウコー(平御香)でも、どちらでも良いですし、簡略化して日本線香1本の家庭も現代では多い傾向です。

 

沖縄の旧盆最終日:ウークイの儀式

沖縄の旧盆最終日:ウークイの儀式
◇旧盆最終日、夕方以降からウークイの儀式が始まります

沖縄の旧盆でウークイの儀式は夕方以降、日が暮れる頃が目安です。
その昔は御仏前で集まった家族や親族が宴を催して盛り上がった後、夜も深まってから始める風習がありました。

門前の両脇に灯明「トゥーブシ」を置き拝むため、子ども達はトゥーブシの火で映し出された影で、影踏みを楽しんだ思い出を持つ方も、多いのではないでしょうか。

けれども近年の沖縄では人々の暮らしも忙しくなり、集まった家族や親族が、早い時間に自宅へ帰るために、日が暮れ始めた夕方頃からウークイの儀式を始める沖縄の旧盆が増えています。

 

①ウークイの儀式でのお線香

◇家長は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」を供えます

ウークイの儀式で御仏前に供えるお線香は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。
「ジュウニフンウコー(十二本御香)」は日本線香12本分ですね。

ウークイは家長を中心に儀式を行いますから、ジュウニフンウコー(十二本御香)を供える人は家長のみ、残りの家族や集まった親族はサンブンウコー(三本御香)を供えます。

 

<ウークイの儀式でのお線香>
①家長 ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー…タヒラ(2枚)
②他の家族・親族 ●サンブンウコー(三本御香)
・日本線香…3本、もしくは1本
・ヒラウコー…半ヒラ(半分)

 
ヒヌカン(火の神)へのお線香と同じく、日本線香は簡略化する人も増えました

ムチスク(宗家)の家長が拝み終えてからは、配偶者・長男の順番で続きます。
集まった親族も家長、ご先祖様と関係性が深い人から拝みましょう。

 

②家族に参加できない人がいる

◇家族のお線香として「ジュウニフンウコー(十二本御香)」をあげます

昔から沖縄の旧盆では、最終日のウークイに御仏前で宴を催したり、道ジュネーで賑わい盛り上げる日なので、分家がムチスク(宗家)へ一同に集まったものでした。

分家は家族全員でムチスク(宗家)を訪れますが、時には事情があって参加できない家族もいるでしょう。

ムチスク(宗家)に訪れたものの一緒に訪問できない家族がいる場合、「家族のお線香」として、「〇〇家からのお線香です」とご先祖様にご報告しながら、ジュウニフンウコー(十二本御香)を供えます。

 

③その場にいない分家のお線香

◇ムチスク(宗家)の家族が代理で供えます

分家では夫婦それぞれに実家があるため、沖縄の旧盆最終日ウークイに参加していないこともあるでしょう。

ただウークイに参加していなくても、前日のナカビ(中日)に手土産としてお中元を持参し訪問して、挨拶を済ませているケースが多いです。

また沖縄で旧盆期間中に訪問できない分家のなかには、旧盆期間にお中元が届くこともあります。

沖縄の旧盆中に供えるお中元には、最終日に焚くあの世の金「ウチカビ(打ち紙)」を置きますから、ウークイにいない分家の親族の分は、ムチスク(宗家)の家族が代理で焚いてあげましょう

ちなみに旧盆期間中にお中元が届いた時も、ムチスク(宗家)の家族が代理で供えます。
ご先祖様へ「〇〇(住所)の〇〇(干支)、〇〇(氏名)からです。」と紹介した後にお線香を代理であげて、ウチカビ(打ち紙)を置いてください。

 

 

④御仏前のグイス

◇ご先祖様には、3日間を無事におもてなしできたことへ感謝します

沖縄の旧盆最終日ウークイの儀式でご先祖様に伝えることは、今日の日がウークイであることのご報告と、ご先祖様をお見送りすること、そして3日間の感謝です。

ヒヌカン(火の神)へのグイス同様、沖縄の言葉でご先祖様に話しかけていますので、内容を理解して、現代の言葉で自分達なりにお伝えすることも、真心が伝わり良いでしょう。

 

<沖縄の旧盆ウークイ:グイス>
「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、
(あな尊い ご先祖様、)
チューヤ ヒガラントゥー、シチグァッチヌ ウークイヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆のウークイの日になっております。)

クヮックマガンチャー ムルシルディー、
(子々孫々、皆集まって、)

クゥトゥシムゲンキニ シチグァッチヌ ウトゥイムチ シミティクィミスーチ、
(今年も元気に 旧盆のおもてなしをさせていただき、)

マクトゥニ ウシリガフゥーディビル。
(誠に ありがとうございました。)

チューヤ ムル、マグクルウサギティー、ウークィ スーリビングトゥ、
(今日も皆、真心のお供え物をし、お送りしております、)

ウキトゥイジュラスァ ウタビミスーリー。
(受け取って いただきますよう。)
マタ、チトゥン ダティン ムッテミンソーチ、
(また、たくさんのお土産を持ってお帰りいただき、)

ヤーヌン ミンソーチ クィミスーリー、
(来年もいらしてくださいますように、)

ウートゥートゥー。 
(あな尊い。)」

 
沖縄の旧盆最終日ウークイの儀式では、拝みの後に御仏前でウチカビ(打ち紙)を焚いて、あの世への手土産を作るので、手土産を持ち帰っていただくことも伝えます。

 

沖縄の旧盆最終日ウークイ:ウチカビ(打ち紙)

沖縄の「ウチカビ」とは
◇御仏前での拝みの後、ムチスク(宗家)の家長から順番です

御仏前でご先祖様への拝み事を済ませたら、続いてムチスク(宗家)の家長から順番にウチカビ(打ち紙)を焚いていきます。

「ウチカビ(打ち紙)」とはあの世のお金、沖縄ではスーパーで販売しているでしょう。
その昔は黄色い藁半紙に、3列×7段の35個、5列×10段の50個ほどの刻印をしましたが、現代では沖縄のスーパーなどで簡単に手に入るでしょう。

 

①カビバーチ(紙鉢)の準備

カビバーチは販売されている?
◇ウチカビ(打ち紙)を焚く容器「カビバーチ(紙鉢)」が必要です

ウチカビ(打ち紙)を焚く儀式のため、ウチカビ(打ち紙)を燃やすための金属ボウルなど、「カビバーチ(紙鉢)」を用意しなければなりません。

カビバーチ(紙鉢)も現代の沖縄では、ホームセンターなどへ行くと脚の付いた金属ボウルに火箸、底に添える網のセットが販売されていますが、自分達で用意する家族も多いです。

家によって異なりますが、一例では金属ボウルの底におもちを焼く時に使うような金網を敷いて水を張り、刺激の強い臭いから「厄祓い」とされるネギの輪切りなどを散らします。

その昔は芭蕉の茎など、自然物で底に置く網を作ってきましたが、現代では金網を底に置く作り方が主流です。

 

 

②ウチカビ(打ち紙)の焚き方

ウチカビを燃やす
◇家長は5枚、他の人々は3枚のウチカビ(打ち紙)を焚きます

沖縄の旧盆最終日ウークイでウチカビ(打ち紙)を焚く儀式は、御仏前行事でした。
けれども火の用心や、ウチカビ(打ち紙)の煙を天へ届けるために、庭がある家では庭で焚くことも多いです。

カビバーチ(紙鉢)を集まった家族・親族で囲んで、順番にウチカビ(打ち紙)を焚きましょう。

ウチカビ(打ち紙)を焚く順番は、ムチスク(宗家)の家長から始まり、その後、家族の関係性から配偶者、長男…の順番です。

一家族が焚くごとにウサク(お酒)を掛けて鎮火します。
御仏前でのウークイ儀式の解説時にお話ししたように、その場にいない人のウチカビ(打ち紙)は、他の人が代理で焚き上げます。

 

③ご先祖様へ、あの世の手土産を作る

沖縄の旧盆:ウンケーのミンヌク
◇カビバーチ(紙鉢)にウハチ(お初)を入れます

全員分のウチカビ(打ち紙)を焚き終えたら、カビバーチ(紙鉢)に重箱料理を供えた時に取り分けた、ご先祖様へのお供え物「ウハチ(御初)」も入れて手土産にします
ウハチ(御初)の他、下記のお供え物を入れましょう。

 

<ご先祖様への手土産>
・ウハチ(お初)
・供花
・ウチャトゥ(お茶)
・ミジティ(お水)
・燃え途中のお線香

 
燃え広がらないように水を張っているカビバーチ(紙鉢)ですが、屋内の御仏前で行う儀礼ですので、火の元に注意をしながら手土産を作り、最後にミジティ(お水)やウチャトゥ(お茶)を入れて鎮火します。

 

④燃え途中のお線香を供える時

◇カビバーチ(紙鉢)には、ウコール(香炉)のお線香も入ります

カビバーチ(紙鉢)に入れるお線香は、御仏前の拝みの時、ウコール(香炉)にあげた燃え途中のお線香です。

お線香を抜くことが失礼にならないよう、ウコール(香炉)からお線香を抜く時は、「ウサンデーサビラ(お下がりです)」と言って、ご先祖様へお断りを入れてから取り出しましょう。

 

沖縄の旧盆最終日ウークイ:門前

沖縄の旧盆最終日ウークイ:門前
◇手土産を作ったカビバーチ(紙鉢)を門前に持参します

御仏前で作ったカビバーチ(紙鉢)の手土産を持参しながら、門前へと移動してください。
カビバーチ(紙鉢)の他に、門前のウークイで持参するものは、下記です。

 

<門前のウークイで持参するもの>
・手土産のカビバーチ(紙鉢)
・ミンヌク(水の子)
・お線香
・ロウソク2本
・大きな葉、包み紙など

 
マンションなど庭や門のない家では、玄関、もしくは玄関のポーチから外へ向かって、ウークイの儀式を行うと良いでしょう。

 

①ミンヌク(水の子)を撒く

①ミンヌク(水の子)を撒く
「ミンヌク(水の子)」とは、無縁仏や魑魅魍魎(チミモウリョウ)「チガリムン」が、ご先祖様のお土産やお供え物を食べないように供えるものです。
門前に着いたら、まず最初にミンヌク(水の子)を門の外へ撒いて手土産を守ります。
また地域や家によっては、門前、家の敷地の外にミンヌク(水の子)を置くこともあるでしょう。

ミンヌク(水の子)を門の外へ撒いたら、ロウソク2本を門の左右に置いて火を付け、ご先祖様をお見送りするウークイの儀式の始まりです。

 

②門前でお線香をあげる

◇お線香の本数は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です

門前では家長が門の中央から外に向かって、ジュウニフンウコー(十二本御香)を供えます。
その昔は、庭の土を盛り土にしてお線香をあげました。
左右に置いたロウソクの火から、お線香に火を付ける家族も多いです。

 

<ウークイであげる門前のお線香>
●家長がジュウニフンウコー(十二本御香)
・日本線香…12本、もしくは4本
・ヒラウコー…タヒラ(2枚)

 
ただ現代ではコンクリートで土がなかったり、火の元の観点から、直接お線香をあげることを避ける家族も多いでしょう。

現代の沖縄では旧盆用にウコール(香炉)を準備して、門前に持参し使用する家族も増えています。

 

③門の神様へお断りをする

◇沖縄の屋敷には、門に家を守護する神様がいます

門の神様は「ウジョーヌカミ(御門の神)」もしくは「ジョーヌカミ(門の神)」と呼ばれる、屋敷の門から悪霊や魑魅魍魎、疫病といった、ヤナムン・チガリムン・ヤナカジなどを追い払う神様です。

このウジョーヌカミ(御門の神)へ、門前でウークイの儀式を行うことをご報告しましょう。

 

<ウジョーヌカミ(御門の神)へのグイス>
「ウートゥートゥー ウジョーヌウカミガナシー、
(あな尊き 御門の神様よ、)
チューヤヒガラントゥー、シチグァッチヌ ウークイヌヒー ナトゥーリビン。
(今日の善き日、旧盆ウークイの日になっております。)

クマカラ ウヤフジヌウークイ シミティクィミスーリー。
(これから ご先祖様のウークイをさせてくださいますように。)」

 
マンションで玄関から外へお見送りする時には、家の大黒柱「トゥパシラヌカミ(戸柱の神)」へお断りを入れます。
沖縄で伝えられる、家を守護する神々様については、下記コラムをご参照ください。

 

 

 

 

④ご先祖様をお見送りする

ウジョーヌカミ(御門の神)へのお断りを済ませたら、そのままご先祖様へのお見送り「ウークイ」の儀式です。

全国的には送り火を焚きますが、かつての沖縄では灯明「トゥーブシ」がその役割でした。
現代は火の用心もあり、門の左右に上部なロウソク、LEDロウソクなどを立てます。

 

<ウークイの送り方:門前>
「ウートゥートゥー ウヤフジヌガナシー。
(あな尊き ご先祖様よ。)
シチグァッチヌ ウトゥイムチン、
(旧盆のおもてなしを、)

ムナンジュラスァー シミティー ウタビミスーチ 
(無難にさえてくださいまして、)

マクゥトゥニ ウシディガフゥディビル。
(誠にありがとうございました。)

クマカラ、クワッゥマガンチャー ムルスルティー、
(これから、子々孫々 皆揃って、)

ウヤフジガナシーヌ ウークイスーリビン。
(ご先祖様へお見送りをしております。)

マチマユイン シミスーランゴトゥー、○○(墓地)ヌウハカマディ、
(道に迷うことのないように、○○のお墓まで、)

ムドゥッティー ミンソーリ。
(戻っていただきますように。)

マタ、ヤーヌンミンソーチ、クィミスーリ、
(また、来年も来てくださいますように、)

ウートゥートゥ。
(あな 尊い。)」

 
LEDロウソクとは火を付けずに電気で代用したロウソクです。
LEDロウソクを使用する場合、お線香は別の火から付けることになりますが、密集した地域や集合住宅では、火の用心に役立ちます

 

[LEDロウソク]
いろはあかり…2,750円

 

⑤集まった家族や親族はどうする?

◇家長に倣い、手を合わせてウートゥートゥーします

沖縄の旧盆最終日ウークイでは、ムチスク(宗家)の家長が中心となってお線香をあげ、煙とともに拝みますが、この間、集まっている他の家族や親族は、家長に倣い合掌です。
家長が拝みを終えたら、下記のように続いてください。

 

ウークイサビラ。ヤーヌン ミンスーチ クィミスーリヨゥ
(お送りしておりますよ。来年もどうぞいらしてくださいよぅ。)」

 
「ただいまご先祖様をお送りしています、来年もぜひ、来てくださいよ」と、ご先祖様へお声かけをする言葉です。

従来の沖縄でのウークイで呼びかける言葉ですが、現代の言葉で自分なりにお伝えしても構いません。

 

⑥手土産をお渡しする

◇カビバーチ(紙鉢)の手土産はウークイの後です

ウークイの拝みを終えてから、持参したカビバーチ(紙鉢)の手土産を包みます
昔の沖縄では「クワズイモの葉」などの大きな葉で手土産を包みました。

ただ近年では手土産を包むほど、充分に大きな葉が調達しにくくなり、大きな葉で手土産を包む家族も少なくなっています。

 

<手土産を包むもの>
・クワズイモの葉
・銀紙
・クッキングシート
・キッチンペーパー
…など。

 
また門前でのウークイでは、まずミンヌク(水の子)を門前に撒くとご紹介しましたが、門前に撒かずに、最後に無縁仏やチガリムン用に包む家族もいるでしょう。

この場合は、ご先祖様への手土産とは別々に包んでください
そして銀紙やクワズイモの葉で包んだ手土産は、しばらく門前に置いておきます。

 

沖縄の旧盆最終日ウークイの道ジュネー

沖縄の旧盆最終日ウークイの道ジュネー
◇ウークイの夕方頃から、道ジュネーがあります

沖縄では旧盆の最終日、ウークイの夕方頃になると、青年会や子ども会による「道ジュネー」が街中を練り歩く地域が多くあるでしょう。

「道ジュネー」とは、沖縄の伝統芸能であるエイサーや旗頭などの演舞をしながら、道を練り歩くご先祖様の魂をお見送りする、先祖供養行事です。
全国的なお盆では「盆踊り」に近い役割りですね!

本来、沖縄の旧盆で道ジュネーはウークイの恒例行事でした。
けれども近年は沖縄県内外で旧盆の道ジュネーが有名になり、旧盆の3日間であれば連夜道ジュネーを行う地域もあります

沖縄県内では日が暮れる19時~22時頃を目安に、胡屋や小禄、首里近郊など、それはさまざまな地域で道ジュネーが行われ、観覧は自由です。

 

①地域の人々が渡す寸志

◇地域の人々は道ジュネーで、心ばかりを包むことがあります

道ジュネーの観覧は自由、那覇市内などでは観光客も多く観覧しているため、あまり頻繁に見ることはありませんが、地域の関係性が深い地方では、道ジュネーが自宅の前を通ると、お金を包み、お渡しする人もいるでしょう。

包むお金の目安は約千円~5千円、子ども会や青年会への相互扶助です。
道ジュネーで包んだお金は子ども会や青年会の運営費になります。
白い封筒に「寸志」、または沖縄の旧盆はお祝いなので、祝儀袋に包んでも良いでしょう。

 

まとめ:沖縄の旧盆ではウークイ後、すぐに片づけます

まとめ:沖縄の旧盆ではウークイ後、すぐに片づけます
沖縄の旧盆のなかでも最も盛り上がる最終日ウークイ、家庭ではご先祖様と重箱料理のご馳走を前に宴が催され、街では道ジュネーで盛り上がる日です。

ご先祖様の魂を盛大におもてなしして、丁重にお見送りをした後、沖縄の旧盆ではその日のうちに飾り物やお供え物を片付けるとされてきました。

現代では火の用心の観点から、基本的には控えますが、昔の沖縄では門前で旧盆の飾り物を焚く家族もあったものです。

これはご先祖様があの世へ帰るにあたり、「いつまでも旧盆の飾りやお供え物があると後ろ髪を引かれるから」とされます。
ナカビ(中日)にいただいたお中元は、集まった家族や親族で分けることも習慣ですね。

沖縄の旧盆最終日のウークイでは、盛大にご先祖様の魂をお見送りして、早めに片づけてしまいましょう。

 

 


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