【2026年度版】沖縄のジュールクニチー(十六日祭)「あの世の正月」とは?行う人やお供えもの、拝み方

【2026年度版】沖縄のジュールクニチー(十六日祭)「あの世の正月」とは?行う人やお供えもの、拝み方

2026.01.31

沖縄のジュールクニチー(十六日祭)は、旧暦1月16日に行われる「あの世の正月」とされるお墓参り行事です。2026年は3月4日(水)にあたります。本記事では、離島地域を中心としたジュールクニチーについて、シーミー(清明祭)との違いまで紹介します。

沖縄のジュールクニチー(十六日祭)とは、旧暦1月16日に行われる、「あの世の正月(グソー〈後生〉の正月)」とされるお墓参り供養行事です。
2026年は新暦3月4日(水)にあたり、とくに離島地域を中心に、今も大切に受け継がれています。

本記事では、2026年度版として、沖縄のジュールクニチー(十六日祭)の意味や由来、行う地域と人、シーミー(清明祭)との違いを整理しながら、お供えものの考え方や拝み方、当日の進め方を分かりやすく解説します。

あわせて、喪中の家庭で行われるミージュールクニチー(新十六日祭)との違いについてもご紹介します。

沖縄のジュールクニチー(十六日祭)とは?

…旧暦行事のため新暦の日付は毎年異なりますが、2026年度のジュールクニチー(十六日祭)は3月4日(水)にあたります。

特に離島地域を中心に受け継がれてきた風習で、「あの世の正月(グソー〈後生〉の正月)」とも呼ばれ、祖先や故人を供養する大切な節目とされています。

全国的なお盆や彼岸とは異なり、旧正月が明けたあとに行われる供養行事である点が、ジュールクニチー(十六日祭)の大きな特徴です。

「グソー(後生)」とは、沖縄の言葉で「あの世」を意味し、この世(現世)に対して、ご先祖様が暮らす世界を指す表現です。

 ●賑やかに迎える旧正月に対し、ジュールクニチーは、あの世にいる祖先や故人のためのお正月として位置づけられています。

そのため、お祝い行事というよりも、静かに手を合わせ、感謝と祈りを捧げる供養行事として大切にされてきました。

家族が墓前に集まり、供え物を整え、焼香(スーコー)を行うことで、祖先とのつながりを改めて感じる日でもあります。

◇ジュールクニチー(十六日祭)は、旧暦1月16日に行われます。
毎年日付が変わるため、新暦では年ごとに確認が必要です。

 ●2026年のジュールクニチーは、3月4日(水)にあたります。

旧正月が終わったあとに行われる行事であるため、地域によっては旧正月の片づけや、次の年中行事との区切りとして意識されることも少なくありません。

特に離島地域では、旧暦行事を重んじる暮らしの中で、この日程が今も自然に守られています。

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◇ジュールクニチーは、お墓参りを中心とした供養行事です。
当日は、家族や親族が墓地に集まり、墓掃除を行ったうえで、花や供え物を整え、お線香を供えて手を合わせます。

 ●ジュールクニチー(十六日祭)を年中行事として行う地域では、個人で参るというよりも、家族・親族がそろって供養することが重視されます。
 …とくに離島地域では、門中(むんちゅう)と呼ばれる父系血縁のつながりを大切にしながら、一族そろってお墓参りを行う光景も珍しくありません。

また、ジュールクニチーは、単に故人を偲ぶ場にとどまらず、家族の絆を確かめ合い、祖先への感謝を共有する時間でもあります。

こうした背景から、ジュールクニチーは沖縄の人々の暮らしや価値観と深く結びついた、重要な供養行事として受け継がれてきました。

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沖縄離島地域のジュールクニチー(十六日祭)

◇ジュールクニチー(十六日祭)は、沖縄全域で一様に行われている行事ではありません。
地域ごとに受け継がれてきた供養文化の違いによって、行う地域・行わない地域がはっきり分かれる行事です。

ここでは、ジュールクニチーが主に行われてきた地域と、本島との違い、そして本島在住者が関わるケースについて整理します。

◇ジュールクニチー(十六日祭)は、沖縄の離島地域を中心に根付いてきたお墓参り行事です。
その背景には、沖縄独自の葬送文化や祖先観があります。

 ●沖縄では古くから、火葬が一般化する以前、ご遺体の周囲に石を積んで弔う「風葬(ふうそう)」の文化がありました。

そのため本州のように、頻繁にお墓参りを行う習慣はあまり発達せず、代わりに年に限られた重要な節目に、家族・親族が一堂に会して供養するという形が大切にされてきました。

ジュールクニチーは、そうした節目の一つとして、旧正月が明けた旧暦1月16日に行われる、一年のなかでも特に重要なお墓参り行事として位置づけられています。

離島地域では現在でも、ジュールクニチーを毎年欠かさず行う家庭が多く、その地域ではシーミー(清明祭)を行わない、あるいは簡略化する場合もあります。

そのため本島出身の人のなかには、「ジュールクニチーは聞いたことはあるけれど、実際には行ったことがない」という方も少なくありません。

 これは、

  • 離島地域:ジュールクニチー中心
  • 本島地域:シーミー中心

 という、地域ごとの供養行事の役割分担によるものです。

本島ではシーミーが「ご先祖様をもてなすお祝い行事」として定着している一方、ジュールクニチーは、より供養色の強い行事として、離島文化の中で大切に守られてきました。

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現在では、進学や就職などをきっかけに、離島出身で沖縄本島に暮らす人も多くなっています。

そのような人々にとって、旧暦1月16日のジュールクニチーは、故郷のお墓に直接行けなくても、ご先祖様を想い、手を合わせる大切な日です。

本島では、離島出身者が集まり、遥拝(ようはい)という形でジュールクニチーを行う

 ●代表的なのが、那覇市にある三重城の祠です。


三重城の祠は、離島出身者が故郷の方角に向かって祈りを捧げる遥拝所として知られ、ジュールクニチー当日には、多くの人が集います。

このように、ジュールクニチーは「離島の行事」にとどまらず、本島に暮らす離島出身者にとっても、今なお心の拠り所となる供養行事として受け継がれています。

沖縄の他県と違うお墓参りルール

沖縄には、いくつかのお墓参り行事がありますが、そのなかでも混同されやすいのがジュールクニチー(十六日祭)とシーミー(清明祭)です。

どちらも先祖を敬う行事である点は共通していますが、行事の性格や意味合いには、はっきりとした違いがあります。ここでは、その違いを3つの視点から整理します。

◇ジュールクニチー(十六日祭)は、先祖や故人を偲ぶ「供養行事」として行われます。
…一方、シーミー(清明祭)は、ご先祖様をもてなし、春の訪れを祝うお祝いの要素を持つお墓参り行事です。

この違いは、行事全体の雰囲気にも表れます。
ジュールクニチーでは、静かに手を合わせ、感謝や祈りを捧げることが重視されるのに対し、シーミーでは、親族が集まり、にぎやかに食事を囲む光景も多く見られます。

 つまり、

  • ジュールクニチー:弔事・供養
  • シーミー:慶事・お祝い

という位置づけの違いがあるのです。

行われる時期にも、大きな違いがあります。

 ●ジュールクニチー(十六日祭)は、旧暦1月16日に行われ、「グソー(後生)の正月」、つまりあの世のお正月とされています。

旧正月が明けたあと、あの世にいるご先祖様のために節目を設け、供養を行う意味合いが込められています。

 ●一方、シーミー(清明祭)は、清明の節気(毎年4月初旬〜中旬頃)に行われる行事です。

春の訪れとともに、ご先祖様を迎え、自然の恵みや家族の繁栄を祝う意味を持ちます。

 このように、

  • 冬から春への節目に行う供養行事がジュールクニチー
  • 春の訪れを祝うお墓参りがシーミー

という、季節感と意味の違いも明確です。

まとめ:沖縄のジュールクニチー(十六日祭)はあの世の正月です

沖縄離島地域のジュールクニチー(十六日祭)は、個人で静かに参るお墓参りとは異なり、家族や親族が集まり、一定の流れに沿って行う供養行事です。

ここでは、離島地域で一般的とされるジュールクニチー当日の進め方を整理します。

門中とは、同じ祖先を持つ一族のつながりを大切にする沖縄特有の家族観です。
この考え方があるため、ジュールクニチーは「年に一度、親族がそろって祖先に向き合う場」としての意味合いも強くなります。

 その結果、

  • 参加人数が多くなる
  • お供えものも量が多くなる
  • 行事自体が比較的盛大になる

 といった特徴が生まれます。

一方で、規模の大小に正解があるわけではありません。
大切なのは、門中や家族の考え方に沿って、無理のない形で供養することです。

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沖縄離島地域のジュールクニチーは、おおむね次の流れで進められます。

ただし、最初にお墓掃除を行いますが、その前にもお墓の左側(お墓に向って右側)に鎮座される墓地の守護神「ヒジャイヌカミ(左の神)」へお断りすると、より丁寧です。

 ①墓地に到着したら、お墓の掃除を行います。
 …落ち葉を取り除き、墓前を整えることで、ご先祖様を迎える準備を整えます。

 ②次に行うのが、ヒジャイガミ(左神)への拝みです。
 …ヒジャイガミは墓地を守護するとされる神様で、墓前で手を合わせる前に、日ごろの見守りへの感謝を伝えます。

 ③家族・親族で拝みを行います。
 …ヒジャイガミへの拝みを終えたあと、改めて墓前にお供えを整えます。この時、焼香(スーコー)をし、ご先祖様へ感謝と祈りを捧げるなどをします。

このように、掃除 → ヒジャイガミ → 墓前という順序を守ることが、沖縄離島地域のジュールクニチーでは大切にされています。

形式を厳密に守ること以上に、祖先を敬う気持ちをもって向き合うことが、何よりも重視されてきました。

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沖縄離島のジュールクニチー(十六日祭):お供えもの

ジュールクニチー(十六日祭)では、どこに、何を供えるのかを整理して考えることがとても大切です。

沖縄の供養では、ヒジャイガミ(左神)・墓前・お仏前と、供える場所ごとに意味や役割が異なります。
ここでは、ジュールクニチーのお供えものを「供える場所別」に分けて分かりやすく解説します。

ウサンミとは、海のもの・山のもの・天のもの、この世の三つの要素を詰めたご馳走を意味し、沖縄の供養や年中行事に欠かせない重箱料理です。

 ●ジュールクニチーでは、お祝いではなく供養の行事であるため、白を基調とした落ち着いた内容の料理が選ばれます。

派手さよりも、ご先祖様を思い、丁寧に整えることが重視されます。

ウサンミ(御三味)には、供える量や規模によって呼び方があります。

 ● チュクン(両方)
 ・おかず重×2重
 ・もち重×2重
 ・合計4重箱

 ● カタシー(片方)
 ・おかず重×1重
 ・もち重×1重
 ・合計2重箱

門中や親族が多く集まる場合はチュクン、少人数で行う場合はカタシーと、参加人数に合わせて無理なく選ぶのが基本です。

量の多さよりも、気持ちを込めて整えることが大切とされています。

 [沖縄で重箱料理「ウサンミ」の供え方・並べ方について詳しく]
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◇ヒジャイガミ(左神)は、墓地を守護するとされる神様です。
沖縄では、お墓参りの際、最初にヒジャイガミへ拝むことが大切にされています。

ヒジャイガミへのお供えものは、墓前とは別に、簡素ながら丁寧に整えます。一般的なお供えは次のとおりです。

 ●シルカビ(白紙)…1組
 ●ウサク(お酒)
 ●お線香ジュウニフンウコー(十二本御香)
 ・日本線香…12本、もしくは4本
 ・沖縄線香ヒラウコー…タヒラ(2枚)
 ※火をつけないヒジュルウコーを用いる場合もあります

まず日ごろの守護への感謝を伝え、その後、墓前での供養へと進みます。シルカビについて、作り方など詳しくは下記コラムをご参照ください。

 [シルカビとは?作り方も紹介!]
 ・沖縄の旧盆で焚く「ウチカビ」とは?いつ焚くの?沖縄線香ヒラウコーやシルカビも解説!

墓前には、家族や親族が集まり、ウサンミ(御三味)を中心としたお供えを整えます。一般的な墓前へのお供えものは、次のような内容です。

 【お供え物】
 ● ウサンミ(御三味)…チュクン(両方)
 ● ムイグァーシ(お菓子の盛り合わせ)…2皿
 ● おかず(精進料理)
 ● ダーグ(白い団子)…7個×2皿
 ● 果物の盛り合わせ
 ● ウサク(お酒)
 ● ミジトゥ(お水)

 【御願(ウグァン)道具】
 ●灯籠(提灯)
 ●供え花

【ウチカビ(打ち紙)】
 ・ムチスク(本家・宗家)…5枚
 ・子どもや孫…3枚
(子どもや孫が持参したお菓子などに3枚ずつ乗せる)

 【お線香】
 ●ムチスク(本家・宗家)…ジュウニフンウコー(十二本御香り)
 ・日本線香…12本、もしくは4本(簡易版)
 ・沖縄線香ヒラウコー…タヒラ(2枚)

ムチスク(本家・宗家)とは、トートーメー(先祖代々位牌)を祀っている、お仏壇のある家を差し、家長は規定のお線香を供えます。

 ●その場にいない家族、子どもや孫がいたら、1人につきサンブンウコー(日本線香3本、もしくは1本。沖縄線香ヒラウコーなら半ヒラ)を供えます。

家ごと欠席など、多くの不参加が確認できたら、まとめてジュウニフンウコー(十二本御香)を供えるケースもあるでしょう。

墓前では、ご先祖様へ感謝と祈りを捧げ、供養の拝みを行います。

御仏前には重箱に詰めたご馳走から、最初に取り分けた「ウハチ(お初)」を、数品(2~3品ほど)お皿に盛り付けて供えましょう。これを沖縄で「ウハチを抜く(お初を抜く)」と言います。

お仏壇へはウハチを供えた後、「今日の良き日(チューヤヒガラムトゥー)、ジュールクニチーの供養をあげております。どうぞ、お受け取りください。」とお伝えします。

ウチカビはお供え物の上に置いて供えましょう。

 【御仏前へのお供え物】

 ・ ウチャトゥ(お茶)
 ・ ウサク(お酒)
 ・ 供え花
 ・ ムイグァーシ(お菓子の盛り合わせ)
 ・ 果物の盛り合わせ
 ・ ウチャワキ(お茶脇)
  ※ウサンミ(御三味)を取り分けたもの
 ・ ウチカビ(打ち紙)

 【お線香の本数】
 ●ムチスクの家長…ジュウニフンウコー(十二本御香)
 ・日本線香…12本、もしくは4本(簡易版)
 ・沖縄線香ヒラウコー…タヒラ(2枚)

 ●その他の家族・親族…サンブンウコー(三本御香)
 ・日本線香…3本、もしくは1本(簡易版)
 ・沖縄線香ヒラウコー…半ヒラ(縦半分に割り供える)

お線香を供えて祈った後は、ムチスクの家長から順番にウチカビを焚きます。これを沖縄では「カビアンジ(紙炙り)」と言います。

ウチカビを焚く枚数はムチスクの家長が5枚、その他の家族や親族がそれぞれ3枚を目安に焚いて行きましょう。

ウチカビを焚いた後は、焚いた火鉢「カニバーキ(紙鉢)」に、供えていたウサク(お酒)などを掛けます。

ここでご紹介しているお供え物は、主に沖縄の離島地域など、シーミー(清明祭)の風習がない地域で行われる、年中行事としての「ジュールクニチー(十六日祭)」を想定した内容です。

亡くなって間もないミーサー(新霊)がいる喪中のご家庭では、シーミー(清明祭)を控え、代わりに「ミージュールクニチー(新十六日祭)」を執り行う場合があります。

 ●ミージュールクニチー(新十六日祭)は、主にお仏前で行う供養行事です。
 …年中行事のジュールクニチー(十六日祭)とは、うさぎむん(お供え物)や拝み方にも違いがあります。

ミージュールクニチー(新十六日祭)について詳しくは、後ほど詳しく解説します。

ウチカビを燃やす

ジュールクニチー(十六日祭)では、沖縄独自の供養用語や作法が多く登場します。

とくに、ウチジヘイシ・ウチカビ・カビアンジは、本州出身の人々が意味を知らないまま行うと戸惑いやすいポイントです。
ここでは、それぞれの言葉の意味と役割を分かりやすく整理します。

具体的には、ウサンミ(御三味)を供えたあと、各おかずを一切れずつ取り出し、重箱の上や別皿に裏返して供える行為です。

 ●これは、「最初のお供えを、きちんと神様やご先祖様に届ける」という意味を持ちます。

ジュールクニチーでは、ヒジャイガミ(左神)へのお供え墓前へのお供えを分けて考える必要があります。
そのため、ウチジヘイシを行い、取り分けたおかずを供えたあと、改めて重箱のおかずを補充する場合もあります。

形式よりも、最初のお供えを大切にする気持ちがウチジヘイシの本質と言えるでしょう。

◇ウチカビ(打ち紙)は、沖縄の供養で用いられる紙で、あの世で使うお金を表すものとされています。
ウチカビを焚く行為は、ご先祖様があの世で不自由なく過ごせるように、必要なものを送るという意味を持ちます。

ジュールクニチーでは、墓前やお仏前でウチカビを焚き、祈りとともにあの世へ送ります。ただし、注意点もあります。

 【ウチカビを焚く注意点】
 ・風の強い場所では無理に焚かない
 ・周囲に燃えやすい物がないか確認する
 ・地域や家庭の考え方に従う
 ・安全への配慮を欠かさないことが大切です。

また、ヒジャイガミ(左神)へのお線香には、火をつけない「ヒジュルウコー(冷たい線香)」を用いるようになりました。

一般的には、金属製の容器アルミのボウルの底に網を敷き、水を張ったうえで、その上でウチカビを焚きます。これは、火の始末を安全に行うための工夫です。

地域によっては、邪気祓いの意味を込めて、水に刻みネギを浮かべる場合もあります。

 ●近年では、ホームセンターなどでカビアンジ用の簡易セットが販売されていることもあり、家庭の事情に合わせた形で行われています。

カビアンジは、単なる作業ではなく、祈りを形にして届けるための大切な工程です。慌てず、落ち着いて行うことが何より大切とされています。

墓じまい後の仏壇:位牌はどうする?

沖縄本島では、年中行事としてのジュールクニチー(十六日祭)を毎年行う地域は多くありません。その一方で、喪中の家庭に限って行われる「ミージュールクニチー(新十六日祭)」という供養行事があります。

ここでは、本島地域ならではの背景と、ミージュールクニチーの位置づけを整理します。

 ●シーミーは、ご先祖様をもてなすお祝い行事の性格が強く、家族や親族が集まり、にぎやかに過ごすことが特徴です。

そのため、身内を亡くして間もない喪中の家庭では、シーミーを控えるのが一般的とされてきました。

全国的に、喪中は慶事を慎むという考え方があるのと同様に、沖縄本島でも、喪中にお祝い色の強い行事を避けるという意識が根付いています。

◇シーミーを控える代わりに行われるのが、ミージュールクニチー(新十六日祭)です。
ミージュールクニチーは、亡くなって間もない故人の魂であるミーサー(新霊)がいる家庭で行われる供養行事で、年中行事としてのジュールクニチーとは性格が異なります。

 ●主な特徴として…
 ・喪中の家庭で行われる
 ・供養行事であり、お祝い要素は含まれない
 ・主にお仏前で行う
 …といった点が挙げられます。

地域や家庭によっては、四十九日を過ぎてから一周忌、三年忌(サンニンチ)まで、
ミージュールクニチーを行う場合もあります。

◇ミージュールクニチー(新十六日祭)は、お墓参り行事そのものではありません。
ただし、供養の流れとして、まずお墓を訪れ、故人の魂であるミーサー(新霊)を自宅へ「ご案内」する拝みを行う家庭が多く見られます。

この際、ヒジャイガミ(左神)と墓前で拝みを行い、その後、故人をご自宅へ迎えます。

 ●自宅に戻ってからは、お仏前で供養を行い、ウチカビ(打ち紙)を焚くなど、手を合わせて故人を偲びます。

このように、ミージュールクニチーは、年中行事としてのお墓参りではなく、喪中の心情に寄り添った供養行事として、沖縄本島で大切にされてきました。

 [喪中に行うミージュールクニチー(新十六日祭)]
 ・沖縄の「ミージュールクニチー(新十六日祭)」とは?ミーサー(新霊)のいる家の拝み方

鏡開きのお餅:美味しい食べ方

沖縄では、旧正月の行事が段階的に進み、それぞれに「区切り」となる日があります。
年中行事として行う地域では、ジュールクニチー(十六日祭)も、その流れの中に位置づけられています。

ここでは、旧正月の片づけ「スクノーシ(正月直し)」に関わる考え方と、二十日正月との関係について分かりやすく解説します。

本州でも家庭や地域によって小正月・二十日正月などの節目を目安に片付けを進めるように、沖縄でも行事ごとの流れを大切にしながら、良い節目に正月を終えていきます。

ジュールクニチー(十六日祭)を行う地域では、この行事をもって現世とあの世、両方の正月行事がひと区切りついたと考える家庭も多く、その後にスクノーシ(正月直し)を行う家庭が多いです。

二十日正月は、旧正月から続いてきた行事を締めくくる日とされ、この日を境に、正月飾りや供えものを片づける家庭が多くなります。

旧暦1月16日のジュールクニチーであの世の正月を終え、その数日後の二十日正月で現世の正月行事も区切りを迎える――

 ●2026年度の二十日正月(旧暦1月20日)は、3月8日(日)にあたります。

旧暦1月2日~13日に掛けて行われる家族の干支拝み「マドゥトゥシビーとの関係性もありますが、この流れは、ジュールクニチー(十六日祭)を年中行事として行う地域の考え方とも言えるでしょう。

 [全国的な正月の節目(2026年度版)]
 ・【2026年度最新版】全国の正月マナー|松の内・小正月・二十日正月とは?年賀状・お飾り処分の時期まで解説

 [沖縄の正月の節目(2026年度版)]
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 [沖縄で旧正月明けに行う干支拝み「マドゥトゥシビー」とは?]
 ・沖縄旧正月の干支拝み「マドゥトゥシビー」とは|2026年はいつ?拝み方・行い方を解説

沖縄のジュールクニチー(十六日祭)とシーミー(清明祭)の違い

沖縄のジュールクニチー(十六日祭)は、旧暦1月16日に行われる、あの世の正月(グソー〈後生〉の正月)としてのお墓参り供養行事です。2026年の旧暦1月16日は、3月4日(水)にあたります。

特に離島地域を中心に、家族や親族、門中(むんちゅう)が集まり、祖先への感謝と祈りを捧げる大切な節目として受け継がれてきました。

一方、沖縄本島では、喪中の家庭がシーミー(清明祭)の代わりに行うミージュールクニチー(新十六日祭)という形で、この行事が今も暮らしの中に息づいています。

ジュールクニチー(十六日祭)は、単なるお墓参りではなく、現世とあの世、家族と祖先をつなぐ沖縄独自の供養文化を象徴する行事です。行事の意味や地域差を理解したうえで向き合うことで、より心のこもった供養につながるでしょう。

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