2024年沖縄の秋のお彼岸は9月19日~9月25日!秋のお彼岸は参拝するって本当?

2024.07.13
2024年沖縄の秋のお彼岸は9月19日~9月25日!秋のお彼岸は参拝するって本当?

2024年沖縄で秋のお彼岸は9月19日(木)~25日(水)、お彼岸に関しては全国と日程は変わりません。一般的に沖縄では仏前供養ですが秋はお墓参りへ行く家もあります。本記事では2024年秋のお彼岸日程、沖縄で春と秋のお彼岸の違いが分かります。

・2024年、沖縄の秋のお彼岸はいつ?
・沖縄の秋のお彼岸では何をするの?
・沖縄でも秋のお彼岸にお墓参りをするって本当?

2024年、沖縄で秋のお彼岸は9月19日(木)~25日(水)、お彼岸は春分の日・秋分の日を中日として前後3日間の期間を指すため、旧暦行事の沖縄でも、お彼岸に関しては全国と日程は変わりません

ただ一般的に沖縄のお彼岸はお墓参りには行かず、屋敷の神々様へ感謝を捧げる「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」を行いますよね。
けれども沖縄でも秋のお彼岸はお墓参りや神社参拝へ行く家もあるでしょう。

本記事を読むことで、2024年沖縄の秋のお彼岸日程や、お彼岸期間中に行うこと、沖縄における春と秋のお彼岸の違いが分かります。

 

2024年沖縄で秋のお彼岸はいつ?

2024年沖縄で秋のお彼岸はいつ?
◇2024年、沖縄で秋のお彼岸は9月19日(木)~25日(水)です

冒頭でお伝えしたように、お彼岸は太陽が赤道線を通る春分の日・秋分の日を軸に、前後3日間の期間を指すため、全国のお彼岸と沖縄のお彼岸日程に違いはありません。

ただ太陽が赤道線を通る春分の日・秋分の日は毎年違います
春分の日・秋分の日は、毎年国立天文台が発表する「暦象年表」で決まるものです。

「暦象年表」は二十四節気や日の出日の入り、月の朔弦望の他、太陽・月・惑星の位置、日食などの惑星現象を発表した冊子となります。

下記は2024年、沖縄で秋のお彼岸日程を分かりやすく掲載していますので、参考にしてください。

 

<2024年:沖縄秋のお彼岸日程>
[彼岸] [日程] [六曜]
①彼岸入り ・9月19日(木) ・赤口(丙戌)
②秋分の日(中日) ・9月22日(日) ・先負(己丑)
③彼岸明け ・9月25日(水) ・先負(己丑)

 
沖縄では秋のお彼岸でも、お仏前で先祖供養をする「家拝み(イエウガミ)」で済ませる家も多くありますが、お墓参りをする場合には赤口・仏滅・友引を避ける傾向にあります。

「先勝」では午前中のお墓参りを、「先負」では午後のお墓参りが好まれますが、お墓参りは午前中を良しとするため、できれば先勝の午前中や大安などが好ましいです。

また沖縄の場合、自分の干支日にあたる日も避ける傾向にあるので、気になる方は注意をしてください。

 

 

 

そもそも「お彼岸」はどんな期間?

そもそも「お彼岸」はどんな期間?
◇あの世とこの世が繋がる期間です

全国的に「お彼岸(ひがん)」とは、この世「此岸(しがん)」とこの世「彼岸(ひがん)」が最も近くなる期間と言われてきました。

お彼岸は仏教行事ではありますが、インドや中国ではこの風習はありません。
日本古来の民衆信仰が相乗して産まれた、日本ならではの年中行事です。

 

お彼岸の日程は?

◇春分の日・秋分の日を中心とした7日間です

全国的にお彼岸の日程は、春分の日・秋分の日を中心とした前後3日間、合計7日間を指し、最もあの世「彼岸」が近くなる日が春分の日・秋分の日となります。

春分の日・秋分の日はそれぞれ、太陽が赤道線に到達する日を指し、この日は太陽の基軸が真東から上り真西に一直線に進む日です。

 

●太陽の基軸が一直線で最短距離となることが、「あの世(此岸)とあの世(彼岸)が繋がる」とされる由来となります。

 
また太陽が真東から真西へと動く春分の日・秋分の日は、昼と夜の時間がほぼ均等になる日でもあり、昼を「この世」、夜を「あの世」と考えたことも、お彼岸の由来です。

沖縄では西方浄土のニライカナイ信仰がありますが、ニライカナイと此岸(この世)が最も近くなる日とされてきました。

全国的なお彼岸の由来や、喪中のお彼岸など、沖縄での秋彼岸のマナーは、下記をご参照ください。

 

 

2024年沖縄で秋のお彼岸はどんな期間?

2024年沖縄で秋のお彼岸はどんな期間?
◇沖縄で秋のお彼岸は「フカマチヒングァン(外祀り彼岸)」です

フカマチヒグァン(外祀り彼岸)」とは「外拝み彼岸」を意味し、お墓参りや参拝など、外での拝み事を行うお彼岸であることを指します。

また沖縄で秋のお彼岸は旧暦8月頃に訪れる年中行事となるため、「ハチグァチヒングァン(八月彼岸)」と呼ぶ家も多いです。

 

●両親や祖父母のお墓参りの他、遠いご先祖様が眠る「按司墓(あじばか)」まで巡拝する家や門中もあります。

 
一般的に沖縄のお彼岸は、家を守護する神々様へ感謝を捧げる「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」を行いますが、お墓参りや参拝をする沖縄の家では、秋のお彼岸にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行わない家もあるでしょう。

基本的には彼岸入りにヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を済ませて、「先祖供養の日」とされる秋分の日にお墓参りなど「フカマチヒグァン(外祀り彼岸)」となりますが、旧暦12月24日にもヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行うため、判断は家によってそれぞれです。

 

 

 

沖縄で春のお彼岸はどんな期間?

◇沖縄で春のお彼岸は「内祀り彼岸(ウチマチヒングァン)」です

全国的にお彼岸は春分の日・秋分の日を中心に前後3日間になるため、春のお彼岸と秋のお彼岸と、年に2回あります。

ただ沖縄で秋のお彼岸はお墓参りや参拝を行う「フカマチヒグァン(外祀り彼岸)」であるのに対して、春のお彼岸はお仏壇を中心とした家拝み(イエウガミ)とする家も多いです。

また沖縄では春のお彼岸も、秋のお彼岸と同じく旧暦の「二月彼岸(ニングァッチヒグァン)」と呼ぶ風習もあります。

 

 

2024年沖縄で秋のお彼岸:3つの過ごし方

2024年沖縄で秋のお彼岸:3つの過ごし方
◇沖縄の秋彼岸では、屋敷の御願(やシチヌウグァン)があります

沖縄では春と秋のお彼岸を目安に、屋敷(住まい)の6柱10か所に鎮座される神々様へ、日ごろの暮らしに感謝する「屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)」を行ってきました。

 

<沖縄で秋のお彼岸3つの過ごし方>
①ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
②お仏壇掃除と供養
③お墓参り

 
本州は仏教が根付いているため、ご先祖様は御本尊様に守られる存在ですが、沖縄では日本古来の神道に似た、独自の祖霊信仰が根付いています。

祖霊信仰においてご先祖様は、その家を守るパーソナルな守護神です。
日ごろから家を守ってくださることへ感謝し、健康と繁栄を祈願します。

 

 

2024年沖縄で秋のお彼岸①ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)

2024年沖縄で秋のお彼岸①ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
◇沖縄ではお彼岸にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行います

「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」とは、家を守護するヒヌカン(火の神様)やお仏壇(祖霊神)を含めると、6柱10か所の神様を巡拝する行事です。

 

●沖縄と他県ではお墓参りへの考え方がそもそも違います。

 
全国的にお墓参りは、気が向いた時にいつでもお墓参りをしますが、沖縄では「シーミー(清明祭)」やあの世のお正月「ジュールクニチー(十六日)」など、決まった旧暦行事に倣いお墓参りをしますよね。

そのため沖縄ではお彼岸期間中であっても、お墓参りはせずに、ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を主に行う家も多いのです。

そしてこのヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は、春と秋のお彼岸、そして年末の年に3回行い、それぞれに役割があります。
下記はそれぞれのヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の「役割」です。

 

春のお彼岸

◇春のお彼岸では祈願をします

旧暦2月頃、1年の内最初にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行う春のお彼岸では、1年の家族の健康や守護を祈願する役割です。

沖縄でこの春のお彼岸に行うヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は、「祈願を立てる」を意味する「タティウグァン(立ち御願)」と呼ばれます。

 

秋のお彼岸

◇秋のお彼岸は中間報告です

旧暦8月頃、1年の中間に差し掛かる時期に訪れる秋のお彼岸で行うヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は、1年の経過を神々様へ中間報告し、無事に半年を済ませたことを感謝する役割です。

沖縄でこの秋のお彼岸に行うヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を、「ナカヌウグァン(中の御願)」「ナカヌニゲー(中の願い)」などとも言います。

 

旧暦12月24日

◇年末は1年の守護を感謝し、祈願を解きます

年末に行うヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は旧暦12月24日です。
この日は台所に祀る「ヒヌカン(火の神様)」がお正月の里帰りのため、ウティン(御天)へ帰る日でもあり、ヒヌカンのお見送り儀式も行います。

このような日ですから、年末のヤシチヌウグァン(屋敷の御願)は、1年を無事に過ごせたことへの感謝を捧げ、1年間の御守護祈願を解く日です。

 

ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の大掃除

◇ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)前には家を掃除します

またヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行う前には、家の大掃除をして、清浄にしてから行うとされてきました。

旧正月明けの春先、1年の中間地点にあたる秋分の頃、そして年末の大掃除と、沖縄でヤシチヌウグァン(屋敷の御願)が年に3回行われる理由には、屋敷を美しく、キレイに保つ目的もあったのかもしれません。

 

ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)はどこを拝む?

沖縄の春のお彼岸では、いつ屋敷の御願を行うの?
◇マンションであれば玄関先でも構いません

本来、沖縄で春のお彼岸と秋のお彼岸に行うヤシチヌウグァン(屋敷の御願)では、ヒヌカンから始まり、お仏壇、トイレ、家の中心、家の四隅・門前などの10か所を巡拝します。
家の四隅はそれぞれ廻るので、拝み処は10か所です。

けれども現代は小さな家やマンションなども増えたので、トゥパシラヌカミ(戸柱の神)にのみ拝む方法も増えました。

トゥパシラヌカミ(戸柱の神)は家の大黒柱となりますが、マンションやアパートでは、家の玄関から外へ向かって拝む家が多いです。
家の事情に合わせて、どちらの方法でも構いません。

 

<ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)はどこを拝む?>
[神様] [拝む場所]
●6柱10か所を拝む
①ヒヌカン
(火の神)
…台所
②カミ
(祖霊神)
…お仏壇
③フールヌカミ
(トイレの神)
…トイレ
④ユンシヌカミ
(四隅の神)
…家の敷地の四隅
⑤ウジョーヌカミ
(門の神)
…門の中央
⑥ナカジンヌカミ
(中陣の神)
…家の敷地の中心
(玄関から門の中間地点)
●1か所のみ拝む
①トゥパシラヌカミ
(戸柱の神)
…家の玄関から外に向かって
(玄関の扉は明けて行う)
②フールヌカミ
(トイレの神)
…トイレ

 
昔ながらのヤシチヌウグァン(屋敷の御願)で「中陣」は家の敷地の中央です。
沖縄の平屋では、玄関から門の中間地点を中陣としました。

また6柱10か所を巡拝しない場合、最も強い神様としてフールヌカミ(トイレの神)が鎮座されているトイレに向かって拝む人もいます。

お供え物はお盆にお酒、お米、果物の盛り合わせ半紙を千切った「シルカビ」を、上記のイラストのように整えるのみです。

毎年行うものなので、沖縄では携帯用のビンシー(瓶子)に、お供え物を整えて移動する家が多いでしょう。
ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の行い方について、詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

 

 

 

2024年沖縄で秋のお彼岸②お仏壇

◇お彼岸の7日間の供養「六波羅蜜」を行います

六波羅蜜(ろくはらみつ)」とは、仏教において本来は在家信者が行う仏教修行です。
ただ「六波羅蜜」は、日々のお世話を6つに分けたものであり、毎日のお仏壇へのお世話を行うことこそが六波羅蜜につながるとされます。

そのため、例えば「ロウソクの火を付ける」ことで自らの気付きをもたらすなど、ひとつひとつはとても簡単な先祖供養の所作です。

 

お仏壇の掃除を行う

◇六波羅蜜の前には、お仏壇を掃除します

お仏壇は材質などから水拭きは厳禁とされるため、上からハタキなどで埃をはらった後、乾拭きを行うなどです。

上から埃をはらう理由は、下から払っても上に到達した時にまた埃が落ちるためで、仏壇専用の毛ハタキなどは、仏壇に埃が付きにくく便利でしょう。

この「埃をはらう」行為が「厄祓い」につながり、仏壇掃除により清浄な空気のなかで六波羅蜜を行うことができます。
お仏壇の乾拭きでは、仏具を持ち上げて丁寧に行い、仏具は拭き掃除も行いましょう。

 

 

先祖供養を行う

◇六波羅蜜を意識しながら仏飯やお線香を上げます

六波羅蜜は日常のお仏壇のお世話を、それぞれ役割・意味合いを意識して行うだけです。

ロウソクに火を灯す際には六波羅蜜の「智慧(ちえ)」を意識しながら丁寧に行う…、と言ったもので、それほど時間や労力が掛かる事柄ではありません。

 

<お仏壇のお世話と「六波羅蜜」>
[お仏壇のお世話] [意味]
①供物を供える お布施(おふせ)
…施す
②お線香をあげる 持戒(じかい)
…良い習慣を身につける
③花を供える 忍辱(にんにく)
…侮辱や苦しみに忍ぶ
④塗香を刷り込む 精進(しょうじん)
…行いを慎み修行をする
⑤仏飯を供える 禅定(ぜんじょう)
…集中し雑念を退ける
⑥ロウソクに火を灯す 智慧(ちえ)
…物事をありのままに観る

 
お仏壇のお世話は毎日行うものですが、全てを意識しながら行うとチグハグにもなってしまい兼ねません。

そのため「今日は供物を供える時にお布施を意識しよう」など、1日ひとつの所作に集中して行うことで、秋分の日の先祖供養を含めて7日間となるでしょう。
六波羅蜜について、詳しくは下記コラムも併せてご参照ください。

 

 

沖縄で秋のお彼岸に行う先祖供養

沖縄で秋のお彼岸に行う先祖供養
◇現代の沖縄では、お墓参りに行かない家も多いです

このように沖縄で秋のお彼岸はフカマチヒングァン(外祀り彼岸)でもあるため、お墓参りに行く家は多いです。

けれども現代の沖縄では、春のお彼岸も秋のお彼岸もヤシチヌウグァン(屋敷の御願)をメインとして、お仏前で先祖供養を行う家が多くあるでしょう。

お彼岸期間中であれば日程がずれても構いませんが、基本的に秋のお彼岸の先祖供養は、最もご先祖様とつながりやすい「秋分の日」とされてきました。

ここでは沖縄で秋のお彼岸に行う、お仏前の先祖供養の進め方をご紹介します。

 

沖縄で秋のお彼岸のお供え物

◇お仏壇への先祖供養では、白もち7個を供えます

沖縄で秋のお彼岸の先祖供養では、ウチャトゥ(お茶)やウサク(お酒)など、基本的なお供えの他に、白もち7個をお皿に並べたものを供えてきました。

沖縄では7個はあの世へ続く関所の数でもあり、奇数とともに重視されます。
そのため白もちに限らず、先祖供養で供えるものは7個が多い傾向です。

 

<沖縄で秋のお彼岸のお供え物>
●基本のお供え物 ・ウチャトゥ(お茶)
・ウサク(お酒)
●お彼岸のお供え物 ・ウチャワキ(お茶脇)
・白もち7個
・ムイグァーシ(お菓子の盛り合わせ)
・果物の盛り合わせ
●その他 ・供花
・ウチカビ(打ち紙)

 
台所にヒヌカン(火の神様)を祀る家では、お仏壇へ供える前に、ヒヌカンへウチャワキ(お茶脇)を供えて、無事にお彼岸事が済むように祈願しましょう。

ウチャワキ(お茶脇)」とは、豚三枚肉の煮物など、ご馳走を取り分けたお皿です。
お供えをした御膳に、あの世のお金「ウチカビ(打ち紙)」を約3枚ほど添えます。

沖縄でウチカビ(打ち紙)は、先祖供養の定番ですね。
かつてはわら半紙に◎を打ち込んで作りましたが、現代では沖縄のスーパーなどでも、普通に販売しているでしょう。

 

お仏壇に供えるお線香

◇ジュウニフンウコー(十二本御香)が基本となります

沖縄で秋のお彼岸に供えるお線香は、ジュウニフンウコー(十二本御香)です。
「ジュウニフンウコー(十二本御香)」とは、お線香12本を指します。

ただし近年ではコンパクトなお仏壇が増え、ウコール(香炉)も小さくなりました。
そのため、お線香を12本も供えるとウコール(香炉)が割れてしまうケースもあり、日本線香4本とする家も多いです。

 

<お仏壇に供えるお線香の本数>
●ジュウニフンウコー
(十二本御香)
[お線香の種類] [本数]
●日本線香 …12本、もしくは4本
●ヒラウコー(平御香) …タヒラ(2枚)

 
「ヒラウコー(平御香)」とは沖縄独自の沖縄線香となり、日本線香6本文がくっ付いて板状になった形状をしており、香りはありません。
こちらも現代の沖縄では、スーパーに行くと常に販売しているでしょう。

家の旧暦行事では、ヒヌカンへ供えるお線香は基本的に、お線香15本分の「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」、現代では日本線香5本を供える家もあります。

対してお仏壇に供えるお線香が、お線香12本文を指す「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。
ヒヌカンやお仏壇へのお供え物や拝み方について、詳しくは下記をご参照ください。

 

 

2024年沖縄で秋のお彼岸③お墓参り

2024年沖縄で秋のお彼岸③お墓参り
◇秋のお彼岸は、特に先祖供養の意味合いが強いです

「お彼岸でもお墓参りをしない」と言われる沖縄ですが、秋のお彼岸にはお墓参りや参拝など、外回りを行う風習を持つ家も、なかにはあります。

沖縄で秋の彼岸は「外祀り彼岸(フカマチヒグァン)」、家拝み(イエウガミ)を中心とする春のお彼岸とは違い、外を巡るお墓参りを行う家や門中もあるためです。

沖縄でも全国的にも、春と秋のお彼岸は意味合いが少し異なることも、背景にあるでしょう。

 

<春と秋のお彼岸の違い>
●春のお彼岸 …「今ここに在る」ことへの感謝
●秋のお彼岸 …「先祖供養」の意味がより深い

 
世界的にもキリスト教ですが、春のお彼岸時期はイースターの復活祭があるように、「春」の到来を祝う行事は世界各地で見かけるものです。

そして沖縄で秋のお彼岸に行うお墓参りでは、まずお墓掃除を済ませた後、墓地を守護する「ヒジャイヌガミ(左神)」様への拝みから始まります。

 

沖縄のお墓参り①ヒジャイヌガミ(左神)

◇ヒジャイヌガミ(左神)は墓地の土地神様です

沖縄で秋のお彼岸のお墓参りでは、まず沖縄で墓地を守る土地神様「ヒジャイヌガミ(左神)」様への拝みから始まります。

ヒジャイヌガミ(左神)は沖縄の墓地の左側、お墓参りに行く時は、お墓に向かって右側に鎮座されています。

 

ヒジャイヌガミ(左神)様へのお供え物

沖縄の秋のお彼岸では、規模も家族だけの小さなお墓参りで問題はなく、清明祭(シーミー)のように大所帯で、お墓参りに行く必要はありません。

まずはヒジャイヌガミ(左神)様へご挨拶をして、お墓参りに来た目的を伝え、その後にご先祖様がいらっしゃる墓前へ拝み供養します。

 

<ヒジャイヌガミのお供え物>
●お供え物 ・ミジティ(お水)
・ウサク(お酒)
・シルカビ(白紙)
●お線香 ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
日本線香…12本、もしくは4本
ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚)

 
ヒジャイヌガミ(左神)様へは、本日は秋のお彼岸のお墓参りに来たこと、いつもお墓を守護してくださっている感謝の後、今日のお墓参りが無事に済むよう、お見守りいただきますようにと拝みます。

シルカビ(白紙)」は「神様への税金」と呼ばれるお供え物で、地域によって違いはありますが、半紙を手で四つ切りにした後、それぞれを半分に折る作り方が一般的です。

ヒジャイヌガミ(左神)様へは、これを3枚重ねて供えます。
詳しくは下記コラムを併せてご参照ください。

 

 

墓前へのお供え物

前述したように沖縄で秋のお彼岸は家族のみの小規模でお墓参りに行く家が一般的ですので、墓前のお供え物も、旧暦7月7日のタナバタ(七夕)などと同じように、食べ物などの供物はほとんど必要ありません。

 

<墓前のお供え物>
●お供え物 ・供え花(左右に供える)
・ミジティ(お水)
・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)
・シルカビ(白紙)
●お線香 ●ジュウニフンウコー(十二本御香)
日本線香…12本、もしくは4本
ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚)

 
お墓参りのお供え物と言えば、重箱料理の御三味(ウサンミ)をイメージする方もいるかもしれませんが、もっと気軽なお墓参りで問題はないでしょう。

 

納骨堂や永代供養墓などへのお墓参り

◇霊園や施設の規約を守ります

最近の沖縄では、既存の門中墓や先祖代々墓を墓じまいして、永代供養墓や納骨堂など、ご遺骨を永代に渡り託す「永代供養」にする事例が増えました。

永代供養は施設へ遺骨の管理や供養を永代に渡って任せる、継承者を必要としない遺骨供養の方法です。

そのため「一度遺骨を納骨してしまうと参拝ができない」と考える人もいますが、遺骨の納骨後も家族が参拝できる霊園や施設が多くあります。

 

●ただし永代供養墓は合同の供養塔を前に参拝しますし、納骨堂は屋内施設です。
そのため霊園や施設の規約に倣った、マナーある参拝をしなければなりません。

 
特に火の元については注意深く規約を定めている納骨堂は多いので、確認をしてください。

「永代供養墓」では、他のご遺骨と一緒に合祀埋葬はされていますが、合同参拝スペース献花台を設けている合祀墓も少なくありません。

沖縄で墓じまいや合祀埋葬を済ませている場合にも、お墓参りが可能かどうか、確認をしてみると良いでしょう。

 

 

 

まとめ:2024年沖縄の秋のお彼岸は9月19日(木)~25日(水)です

まとめ:2024年沖縄の秋のお彼岸は9月19日(木)~25日(水)です
全国的にはお彼岸は春のお彼岸・秋のお彼岸ともにお墓参りを行いますが、沖縄では一般的にお仏前で行う先祖供養が一般的で、お彼岸の期間内で行う主な行事は、「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」です。

けれども、沖縄で秋のお彼岸は「外祀り彼岸(フカマチヒングァン)」と呼ばれ、家や門中によってはお墓参りを行うこともあるでしょう。

ただ沖縄では秋のお彼岸でも、仏前の先祖供養は欠かせません
御馳走のウチャワキ(お茶分け)と白もち7個、ウチカビ(打ち紙)やムイグァーシ(お菓子の盛り合わせ)、果物の盛り合わせを供えて、手を合わせます。

 

 


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