・葬儀社の打ち合わせで確認することは?
・葬儀社に最初に連絡するのはいつ?
・葬儀社への連絡は夜中でもいい?
・葬儀社の打ち合わせ時間はどれくらい?
葬儀社スタッフは慣れない喪主の心強いサポーターです。
葬儀社との打ち合わせで、喪主やご遺族が行いたい葬儀の形を適切に相談できれば、後は葬儀社スタッフが誘導してくれるでしょう。
本記事を読むことで、喪主やご遺族が後々まで納得できる葬儀を執り行うために必要な、葬儀社との打ち合わせの確認事項、注意点を解説します。
葬儀社の打ち合わせはいつ?
◇葬儀社への相談は、生前~ご遺体の搬送後まで、ご遺族のタイミングでできます
「葬儀の相談はいつできる?」との質問も多いのですが、本来はご遺族のタイミングで構いません。
ただ、病気などで余命宣告があった場合など、生前から相談をする人が増えました。
信頼できる葬儀社を比較検討し決めることで、後々まで納得できるお見送りができるためです。
<葬儀社への相談はいつ?> | |
(1)亡くなる前 | ・ご遺族より ・終活よりご本人から |
(2)亡くなった後 | ●365日24時間、連絡可能 ・ご遺体を搬送するタイミング ・ご遺体の搬送後 |
亡くなってから連絡する場合、多くは病院の霊安室が利用できる間に葬儀社を決めて、ご遺体の搬送から安置室まで、まとめて依頼する流れが多いでしょう。
「葬儀社の手配は夜中でもいいの?」などの質問がありますが、基本的に葬儀社は365日24時間体制で受け付けています。
危篤と告げられた時点で、葬儀社の手配をする家族も少なくありません。
・【家族の看取り】危篤が告げられたら、まず家族が行うべき6つの事柄
亡くなる前の葬儀社への相談
◇葬儀社には亡くなる前、不安を感じた時にも相談ができます
家族であれば誰もが一日でも長く生きていて欲しいものです。
「生きているうちから葬儀の相談なんて縁起でもない」とする家族もいるでしょう。
ただ葬儀社はご臨終と診断されてからでなければ、相談できないことはありません。
ご遺族が不安を感じた時、いつでも葬儀社への相談はできます。
・不安を感じた時
・相談をするだけでも良い
・終活により本人から
現在は、自分亡き後の葬儀やお墓、相続を生きているうちに手配する「終活」が広がりつつあります。
昔は「生きている内に亡き後の話をするなんて!」と考える人々が一般的でしたが、現在はむしろ、本人が亡き後に備えて行動するケースが増えました。
亡くなった後、葬儀社を手配
◇亡くなった後に葬儀社を手配する場合、約3時間~24時間以内が理想的です
亡くなった後に葬儀社を手配する場合、病院の霊安室が利用できる約3時間~24時間以内に葬儀社を手配できれば、ご遺体の搬送とともに、葬儀社と葬儀の打ち合わせができます。
ただ病院の霊安室は部屋数も少なく、一般的に約3時間~24時間と時間も短いため、ご遺族が時間に追われることも少なくありません。
<亡くなった後:葬儀社を手配> | |
[ご遺体の搬送前] ・3時間~24時間内 (病院の霊安室が利用できる時間) |
・ご遺体を搬送 ・葬儀社の安置室を利用 ・葬儀社との打ち合わせ (葬儀を依頼) |
[ご遺体の搬送後] ・ご遺体は自宅へ搬送 (搬送は病院提携の葬儀社を利用) |
・葬儀社を手配 ・葬儀社との打ち合わせ (搬送とは別の葬儀社など) |
故人が亡くなってから葬儀社を手配する時、理想的な方法は複数の葬儀社に相談をして相見積もりを取りながら、納得できる1社を選び、ご遺体の搬送からお願いする流れです。
けれども病院の霊安室は利用できる時間が限られているので、決まらない時には、ご遺体の搬送のみ、病院の葬儀社に依頼することもできるでしょう。
葬儀社の安置室の利用もできますが、同じ葬儀社でない場合、搬送の手間暇や余計な費用が掛かります。
・葬儀社の選び方とは?いつ手配すればいい?トラブル事例や注意点、いい葬儀社の見分け方
葬儀社との電話打ち合わせで伝えること
◇最初に葬儀社に連絡する時は、ご遺体の搬送を依頼します
一般的に最初に葬儀社と行う打ち合わせは、ご遺体の搬送です。
ただご遺族は家族を亡くして頭が真っ白になっていることも少なくありません。
葬儀社との電話打ち合わせの前に、下記項目を伝えるようチェックしましょう。
<最初の葬儀社との電話打ち合わせ> | |
(1)故人の情報 | ・氏名 ・住所 ・電話番号など |
(2)現在地 | ・病院など施設名 ・住所 ・詳細 (病棟、階数、号室など) |
(3)連絡した人の情報 | ・連絡している人の氏名 ・故人との続柄 ・電話番号など |
(4)希望する搬送先 | [搬送先の例] ・自宅 ・斎場の安置室 ・葬儀社の安置室 ・寺院 |
(5)特記事項 | ・宗旨宗派 ・搬送先の情報 (集合住宅、細かい路地など) |
葬儀社がご遺体を搬送するにあたり、どこからどこまで搬送するのかはもちろん、ご自宅や安置室など、環境により用意するドライアイスの量が変わります。
またご自宅であれば、ご遺体を安置する布団や枕飾りなど一式を準備することになるため、まず質問することになるでしょう。
・沖縄の自宅でご臨終を迎える場合、家族はどうする?病院と自宅で違う事柄とは
葬儀社との打ち合わせ時間
◇葬儀社との打ち合わせ時間と持ち物・服装
葬儀社との打ち合わせ時間は、約1時間~2時間ほどで終わるでしょう。
一般的には、ご遺体を搬送して安置室に落ち着いてから行います。
遠方に住むご遺族など、なかには自宅に帰れないままお通夜を迎える人もあり、葬儀社との打ち合わせだからと言って、服装を畏まることもありません。
<葬儀社との打ち合わせ> | |
[時間] | ・約1時間~2時間ほど |
[服装] | ・普段着 (ご遺体搬送の状態で良い) |
[持ち物] | |
●死亡届の提出 | ・認め印 ・故人の住所 ・喪主の住所 ・本籍地 |
●その他 | ・遺影に使う写真 |
葬儀の打ち合わせでの持ち物は、ご遺体が搬送された状況のまま、着の身着のままで行っても構いません。
ただ印鑑や遺影に使う写真を持参すると、死亡届を提出する代理依頼や、遺体の作成にあたり、そのまま葬儀社へ預けることができるのでスムーズです。
遺影は一度預かり、美しい状態に加工にして引き延ばします。
現代は加工技術が向上し、スナップ写真でも美しく加工できるでしょう。
葬儀社との打ち合わせは何をする?
◇葬儀社との打ち合わせでは、葬儀形式や参列者の人数、日程などを決めます
葬儀社との打ち合わせは、一般的に葬儀社が提案する「葬儀パック」などのプランを軸にして、予算や希望を鑑みて差し引きをしながら、下記のような内容の詳細を決める作業です。
<葬儀社との打ち合わせで決めること> | |
(1)基本情報 | ・喪主、施主の氏名 (故人との関係性) ・葬儀の宗旨宗派 |
(2)葬儀プランの決定 | ・葬儀形式 (一般葬、家族葬など) ・会場 (斎場、自宅など) ・葬儀の規模 (人数、範囲) |
(3)参列者への振る舞い | ・お斎(会食)の有無 ・仕出し弁当の有無 ・会葬品を決める |
(4)宗教者について | ・宗教者への連絡 ・葬儀の日程調整 |
(5)葬儀日程 | ・半通夜の有無 ・骨葬かどうか (火葬場までの搬送) |
(6)見積もり | ・見積もりの最終確認 ・支払い方法の確認 ・見積もりのサイン |
最初の相談では相見積もりを取るとお伝えしましたが、葬儀について見積もり項目の書き方に決まり事がないため、比較検討がしにくい側面もあります。
葬儀社との打ち合わせで見積もりを確認する時には、支払い段階になって「言ってたのと違う!」とならないためにも、細かな項目で詳細を確認すると安心です。
細かな項目での見積書を出し渋る葬儀社もありますが、これもひとつの判断材料になるでしょう。
・【沖縄の葬儀】家族葬や一日葬、ホテル葬。現代10の葬儀スタイル|その1
葬儀社との打ち合わせで依頼する範囲
◇葬儀社は代行業ですから、依頼する仕事が増えれば、それだけ費用も掛かります
葬儀社を選ぶ際、「家族葬パック」などのパック料金でプランを提示する葬儀社が多いですが、基本として最低限の内容でまとめられるパックが多いです。
そのため葬儀社との打ち合わせで詳細を決めることで、葬儀費用が加算される流れは少なくありません。
そこで葬儀社との打ち合わせでは予算と優先順位を、家族で決めて望みます。
まず「何を、どれくらいの範囲で依頼するか」決めましょう。
<葬儀社と打ち合わせ:依頼する範囲> | |
[搬送] | |
(1)ご遺体の搬送 | ・ご遺体の安置 ・エンバーミング (体を美しくする) |
[通夜・葬儀] | |
(2)葬儀費用 (ランクがある) |
・祭壇 ・受け付けセット ・棺 ・枕飾りセット ・葬儀会場 …など一式 |
(3)僧侶の手配 (お布施料金は別) |
|
(4)お斎(おとき) | ・仕出し弁当など |
(5)会葬礼状 | |
(6)供花の手配 | |
[手続き] | |
(7)死亡届 | |
(8)火葬手続き | |
(9)埋葬手続き |
忙しい時には死亡届の提出など、行政手続きの代行も引き受けてくれる葬儀社は多いです。
ただ「痒い所に手が届く」ほど、詳細にケアをしてくれるからこそ、葬儀予算とのバランスを取りながら、依頼するボーダーラインは決めるようにしてください。
・【家族が亡くなったら】沖縄で遺体搬送~葬儀まで、費用相場10項目|その1
葬儀を手伝う「世話役」とは
◇葬儀で「世話役」は、葬儀を滞りなく行うためのサポーターです
現代は家族が亡くなると葬儀社をまず手配する流れが一般的ですよね。
けれどもかつては近隣住民や親族、故人と親しかった知人友人などへ、ご遺族は葬儀をサポートする「世話役」を依頼しました。
世話役を依頼するメリットは、その分葬儀社スタッフの手を煩わせる内容が少なくなるため、葬儀費用が安くなる可能性があります。
また世話役は生前の故人をよく知る人に依頼することで、適切なサポートが期待できるでしょう。
<葬儀社と打ち合わせ:依頼する範囲> | |
[お願いする人] | ・故人の知人友人 ・近隣住民(隣組) ・自治会 ・同僚 |
[世話役代表] (葬儀委員長) |
・年齢の高い人 ・葬儀経験の豊富な人 ・内部事情に詳しい人 (喪家と親しい) |
[世話役] | ・受付スタッフ ・参列者への振る舞い |
葬儀の打ち合わせで世話役を依頼するケースは、葬儀費用を安く抑えたいご遺族が多いため、自宅葬や地域の自治会館、寺院の広間などを利用した葬儀が多い傾向です。
昔ながらの自宅葬での世話役は、近隣住民で構成された「隣組」がお互いに弔辞をサポーし合っていました。
葬儀社との打ち合わせでの注意点
◇葬儀社との打ち合わせは、サインの前に見積もりの詳細まで確認しましょう
葬儀はその性質上、会葬品や仕出し弁当など、葬儀が終わるまで分からない変動費用が出てきます。
さらに「葬儀一式」で提案される棺や布団、祭壇などですが、それぞれランクがあり葬儀パックでは最低限のランクで提案する葬儀社も少なくありません。
そのため布団であればペラペラだったりと、ランクをひとつひとつ上げた結果、大幅な予算オーバーになった事例も多いでしょう。
<葬儀社との打ち合わせ:注意点> | |
(1)見積もり | ・項目の詳細まで確認 ・葬儀道具のランクに注意する ・変動費用を理解する ・別途料金を把握する (僧侶へのお布施や心づけなど) |
(2)複数人で打ち合わせに臨む | ・「言った言わない」を回避 ・心の動揺を収める ・葬儀社の一方的な判断に乗らない |
葬儀社スタッフだけではなく、世話役もお願いする場合、葬儀社との打ち合わせには喪主と世話役代表で臨むことが多いです。
また、故人が高齢で喪主である配偶者が高齢だった場合など、葬儀代表の喪主と、裏方として金銭的な管理も行う施主を別に立てる葬儀も少なくありません。
この場合は、喪主と施主、若しくは施主が葬儀の打ち合わせに挑みましょう。
葬儀社の打ち合わせで見落としがちなポイント
◇悪天候時の対応や、故人の遺志も確認しましょう
特に沖縄で葬儀社との打ち合わせ時に見落としがちな事柄が、悪天候時の対応です。
葬儀は高齢の参列者も多いため、突然の暑さ寒さ、スコールなどへの対応まで相談しておくと、いざと言う時に安心でしょう。
また葬儀の打ち合わせ前いは、今一度エンディングノートなど、故人の葬儀に対する希望を記したものがないかを確認します。
<葬儀の打ち合わせで見落としがちなポイント> | |
[天候] | ・悪天候時の対応 |
[故人の遺志] | ・終活をしていたか ・エンディングノートはあるか |
体験談では、故人が生前に終活をしていたことを知らずに、ご遺族が決めた葬儀社で葬儀を執り行ったところ、生前契約をした葬儀社があった…、などがあります。
ただ、エンディングノートに記した故人の遺志に法的効力はありません。
ご遺族が故人の遺志を汲んで、後々まで後悔しない葬儀を執り行います。
音楽葬や家族葬など、予め故人が希望する葬儀形式を知っているならば、葬儀社選びの段階で、希望する葬儀の実績が多く精通した葬儀社を選ぶと良いでしょう。
・【沖縄の終活】エンディングノートの書き方☆ 役立つ8項目とは?
葬儀社との打ち合わせ後、喪家が決めること
◇葬儀社との打ち合わせ後、遺影や分骨の有無は喪家で決めます
葬儀社との打ち合わせさえ済ませれば、葬儀は葬儀社スタッフが誘導してくれるでしょう。
けれども生前の故人を知るご遺族しか判断できない事柄が、遺影選びです。
また家族・親族間で分骨を希望する人がいないかも、火葬前に確認します。
<喪家が葬儀前に決めること> | |
[遺影選び] | [基本] ・スーツ姿など ・形の整った写真 (スーツ姿の写真加工も可) ・微笑 [カジュアル] ・故人が好んだ写真 ・スナップ写真から加工 ・満面に笑う遺影も増えた |
[分骨の有無] | [火葬場で分骨] ・手元供養 ・海洋散骨 ・親族間で分ける ・分骨用の容器を用意 |
特に沖縄では火葬した遺骨を前にして行う葬儀「骨葬」が一般的です。
葬儀当日の午前中には火葬を済ませ、葬儀後に納骨してしまう流れが多いでしょう。
分骨をする場合、火葬場へ容器を持って行って骨上げ時に分骨をすると、火葬場から分骨証明書が発行されます。
お墓に埋葬してしまうと、お墓から遺骨を取り出す改葬手続きなど、何かと複雑になりますので、予め決めておくとスムーズです。
まとめ:葬儀社との打ち合わせでは予算を伝えます
昔の沖縄はほとんどの葬儀が一般葬でしたが、最近ではさまざまな葬儀形式が増えました。
この流れに伴い、葬儀社も得意とする葬儀形式があります。
・宗教色をなくした自由葬
・音楽を中心とした音楽葬
・花々で囲む花葬
喪家としては、「故人と最期の時間をどう過ごしたいのか」を意識して、希望の葬儀形式を選択するようにしてください。
・【沖縄の葬儀】喪主の服装マナーの基本。地域によって違う配慮やお通夜と葬儀の違い