・2025年沖縄の旧暦10月・11月(新暦12月)カレンダーは?
・2025年沖縄の旧暦10月・11月(新暦12月)に行う主な行事は?
・沖縄の冬至「トゥンジー」とは?何をするの?
2025年新暦12月は、沖縄の旧暦10月12日~11月12日の31日間にあたります。
沖縄の旧暦10月は「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう10月)」と言われる旧暦行事の少ない時期にあたりますが、トゥンジー(冬至)が訪れる12月です。
本記事では2025年新暦12月、沖縄では旧暦10月・11月にあたる期間の年中行事(沖縄の旧暦行事)と日程、行う事柄が分かります。
2025年12月:沖縄の旧暦11月カレンダーとは?

来る旧暦の年末~旧正月に向け、忙しくなる嵐の前の静けさではないですが、毎年旧暦10月・11月は、沖縄では多くの旧暦行事がありません。
旧暦10月に至ってはあまりに行事が少ないことから、昔の沖縄ではこの時期を「アキハッティージューグヮッチ(飽き飽きしちゃう十月)」「シムジチガーキ(霜月渇」き)」と例えていました。
昔の沖縄では旧暦行事でご馳走と宴で頼みましたから、人々にとっては「美味しいものがいただけず、飽き飽きしちゃう」と思ったのでしょう。
<2025年12月:沖縄の旧暦10月・11月カレンダー> | ||
[新暦] | [旧暦] | [旧暦行事] |
[1]12月4日(木) | ・旧暦10月15日 | ・ジュウグニチの拝み |
[2]12月20日(土) | ・旧暦11月1日 | ・チィタチの拝み |
[3]12月22日(月) | ・旧暦11月3日 | ・トゥンジー(冬至) |
2020年からの新型コロナ到来以降、家計安泰を守護していただこうと、家の守護神ヒヌカン(火の神)を仕立てる家が増えました。
けれども昔のように、実家や義実家からヒヌカンの灰を引き継ぐ方法は、少ない傾向です。
金運の神様など、目的の神様の元へ拝みに行き、そこで供えたお線香(もしくはヒラウコー)を、自宅で用意したヒヌカンに火を灯して供え、ウコール(香炉)の灰に神様に宿っていただく方法が多いでしょう。
・【沖縄のヒヌカン】ヒヌカンの始め方。親から引き継ぐ、一から仕立てる2つの方法を解説
ジュウグニチの拝み(旧暦10月15日|12月4日)
ジュウグニチは旧暦15日にあたる御願で、ヒヌカン(火の神)やトートーメー(仏壇)へ感謝を伝える大切な日です。白ウブクを供え、線香を焚いて祈ることで、家族の健康や家庭の安泰を願います。
旧暦15日は満月にあたるため、昔は「月が満ちるように家も満ち足りるように」との願いも込められてきました。
チィタチの拝み(旧暦11月1日|12月20日)
チィタチは旧暦の1日に行われる御願で、一ヶ月の始まりを清らかに迎える意味があります。ヒヌカンには白ウブク三膳を、お仏壇には二膳を供え、線香を灯して拝みます。家庭の円満や子孫繁栄を祈ると同時に、その月に起こった出来事を報告する機会ともなります。
旧暦の新月の日に行うため「新しい月に願いを託す」行事でもあります。
沖縄の旧暦行事:12月のトゥンジー(冬至)

◇沖縄の旧暦行事としてのトゥンジー(冬至)は「カチュー湯」を供えます
全国的な「冬至」では、カボチャ料理や柚子のお風呂が有名です。
けれども沖縄の旧暦行事としての「トゥンジー(冬至)」では、寒い冬に体を労わるために、トゥンジージューシーやカチュー湯をいただきます。
<沖縄の旧暦行事:トゥンジー(冬至)> | |
[行事食] | [内容] |
①トゥンジージューシー (冬至雑炊) | ●沖縄風炊き込みご飯 (雑炊でも良い) ・ターンム(田芋) ・チンヌク(里芋) …などを入れるのが特徴 |
②カチュー湯 (力湯) | ●かつお節のだし汁 ・たっぷりのかつお節 ・出し汁 |
沖縄の旧暦行事のトゥンジー(冬至)としては、トゥンジージューシー(冬至雑炊)を造りヒヌカン(火の神)とブチダン(仏壇)に供えて、カチュー湯を家族でいただきます。
ウンネーウイミ(芋折目)と同じく、ヒヌカン(火の神)やブチダン(仏壇)がない家庭では、リビングに簡易祭壇としてお盆に供えて拝んでも良いでしょう。
・【沖縄の旧暦行事】トゥンジー(冬至)の拝み方☆家族の健康を祈願には一年の感謝が大切
・沖縄トゥンジー(冬至)の行事食☆コクのあるトゥンジージューシーのレシピは何がポイント?
全国的な冬至は何をする?
◇全国の冬至では、カボチャや小豆料理をいただきます
「冬至」は二十四節気「冬至」が始まる日、年間で最も昼が短くなる1日です。
そのため毎年同じ暦ではなく、2024年の冬至は12月21日(土)となります。
ただ、数日のずれはあるものの、ほとんど同じ時期に冬至になるでしょう。
<冬至とは> | |
[意味] | ・昼が最も短い日 ・太陽の力が最も弱い日 ・冬至を境に力が復活する |
[行事食] | ●滋養を付ける ・カボチャ料理 ●邪気祓い ・小豆料理 |
[行うこと] | ●無病息災 ・柚子湯に入る |
また冬至では「冬の七草」と呼ばれる冬至の七草をいただくと良いともされます。
なんきん(南瓜)とは、カボチャです。
・なんきん(南瓜)
・にんじん(人参)
・ぎんなん(銀杏)
・かんてん(寒天)
・きんかん(金柑)
・れんこん(蓮根)
・うんどん(うどん)
冬至の七草とは「ん」の付く食べ物で、最も太陽の力が底を付き、これから上昇しかない運気である冬至の日に、「運(うん)」を付けるとも言われてきました。
2025年12月:年末の年中行事とは?

◇新暦12月「師走(しわす)」は、一年を締めくくる大晦日に備えて、全国的にもさまざまな年中行事があります
12月は全国的に「師走」と呼ばれ、年越しに向けて慌ただしくなる時期です。各地で行われる年中行事には、一年を締めくくり、新しい年を清らかに迎えるための意味が込められています。沖縄では旧暦行事が少ない12月ですが、日本全体で見ると多彩な行事が残されており、暮らしの知恵として今も活用されています。
<2025年12月:全国的な年中行事> | |
[新暦] | [年中行事] |
[1]12月5日(金) | ・納めの水天宮 |
[2]12月8日(月) | ・針供養(主に関西地方) |
[3]12月13日(土) | ・正月事始め ・煤払い(大掃除) |
[4]12月17日(水) | ・羽子板市(浅草寺) |
[5]12月18日(木) | ・納めの観音 |
[6]12月21日(日) | ・納めの大師 |
[7]12月22日(月) | ・冬至(沖縄ではトゥンジー) |
[8]12月25日(木) | ・終い天神 |
[9]12月28日(日) | ・納めの不動 |
[10]12月31日(水) | ・大祓い ・大晦日 |
●キリスト教の年中行事 | |
[11]12月24日(水) | ・クリスマスイブ |
[12]12月25日(木) | ・クリスマス |
全国的に12月は年末年始の準備に慌ただしくなる「師走」です。12月8日には関西を中心に「針供養」が行われ、1年針仕事をして折れた針などを労わり、豆腐に刺すなど供養をします。
また毎年12月13日は「煤払い(すすはらい)」、正月に向けた準備を始める「正月事始め」と呼ばれ、この日から掃除を始めると良いとされてきました。
沖縄旧暦11月行事:納めの観音

◇納めの観音は観音様を信仰する家で行う、年内最後のお礼参りです。
毎年12月に行われる「納めの観音」は全国的に行われる年中行事で、年内最後の観音様の縁日にお参りをして、1年の感謝を伝えます。
観音様だけではなく水天宮・地蔵様・不動尊など、縁日はかみさまひと柱・ひと柱に充てられますが、沖縄では特に観音様を床の間に祭り、家族の健康を守る「トゥクヌカミ(床の神)」としても祀られる、つまり守護神として信仰する家も多くありました。
<12月拝み納め|神様仏様と縁日> | |
[12月の縁日] | [神様仏様] |
・12月5日(金) ・12月8日(月) ・12月13日(土) ・12月15日(月) ・12月18日(木) ・12月21日(日) ・12月24日(水) ・12月25日(木) ・12月28日(日) ・12月30日(日) | …水天宮 …薬師如来 …虚空蔵菩薩 …阿弥陀如来 …観音様 …お大師様 …地蔵菩薩 …天神様 …お不動さん・大日如来 …釈迦如来 |
納め観音や納めの不動、終いの天神などの日は、それぞれの神様仏様とよりご縁が深い日「縁日」にあたります。
例えば観音様の縁日は18日で、毎月18日が縁日になるのですが、1年を締めくくる参拝の日として、12月はそれぞれの神様仏様の縁日に、一年のお礼拝みをするのです。
沖縄では観音様が多いので、観音様の拝み納めは12月18日になりますね。
すでに自宅にヒヌカンを迎え入れた家であれば、ヒヌカンは遥拝所(ようはいじょ)の役割を果たしてくれますので、自宅のヒヌカンから神様仏様へ感謝を捧げると良いでしょう。
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沖縄の旧暦カレンダー:二十四節気

◇2024年12月の二十四節気は、小雪→大雪→冬至です
2024年12月21日(土)から冬至が始まりますね。
沖縄で雪は降りませんが、12月の年末へ向かう二十四節気は、寒さを表す小雪→大雪→冬至へと移る暦です。
<2024年12月:沖縄の旧暦11月の節気> | ||
【二十四節気】小雪(しょうせつ) | ||
●七十二候 | ||
(次候) | 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) | ・11月27日(水)~12月1日(日) |
(末候) | 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) | ・12月2日(月)~12月6日(金) |
【二十四節気】大雪(たいせつ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) | ・12月7日(土)~12月10日(火) |
(次候) | 熊蟄穴(くまあなにこもる) | ・12月11日(水)~12月15日(日) |
(末候) | 鱖魚群(さけのうおむらがる) | ・12月16日(月)~12月20日(金) |
【二十四節気】冬至(とうじ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 乃東生(なつかれくさしょうず) | ・12月21日(土)~12月25日(水) |
(次候) | 麋角解(おおしかのつのおつる) | ・12月26日(木)~12月30日(月) |
12月は年の瀬に走る「師走(しわす)」、別名では雪月(ゆきづき)などもありますが、沖縄では雪は降りませんね。
毎年郵便局は12月15日(金)頃から年賀状の受付を始めますので、12月初旬に年賀状の注文や準備を始め、12月8日(金)の煤払い(すすはらい)の時期から、年末に掛けての大掃除や縁起物の購入など、準備を始めます。
野菜ではカブや白菜、お魚ではタラや牡蛎、柚子も旬な冬真っただ中です。
時候の挨拶には「年の瀬もおしせまり」「歳末多忙のおりから」などと書くことが多く、結びには「来年も素晴らしい年になりますように」「ご多忙のおりではございますが、ご自愛ください」などとなるでしょう。
まとめ:沖縄の12月(旧暦11月)はトゥンジー(冬至)があります

旧正月が今も残る沖縄では、旧暦11月は師走に向けての静かな月で、あまり大きな旧暦行事がありません。
そこで「アキハッティージューグァッチ(飽き飽きしちゃう十月)」などの言葉もありますが、全国的に新暦12月には冬至があり、沖縄では「トゥンジー(冬至)」と呼んで家庭行事を行うでしょう。
沖縄のトゥンジー(冬至)は、トゥンジージューシー(冬至雑炊)をいただきますが、全国的にはカボチャ料理や小豆料理をいただき、柚子湯に入りますよね。
現代の沖縄ではトゥンジーの旧暦行事のみではなく、全国的な冬至として、柚子湯やカボチャのいとこ煮を楽しむ家庭も増えました。
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