【図解】沖縄のお彼岸で行う屋敷の御願(1)ヒヌカンの拝み方|お供え物や拝み言葉とは

2023.08.01
【図解】沖縄のお彼岸で行う屋敷の御願(1)ヒヌカンの拝み方|お供え物や拝み言葉とは

沖縄でお彼岸に行う「屋敷の御願」ではヒヌカン(火の神)へ拝みます。家を守護する神々へ感謝を捧げ、御守護を祈願する屋敷の御願で、ヒヌカンは台所を司る存在です。本記事では屋敷の御願でヒヌカンへの拝み方、お供え物や拝み言葉などをお伝えします。

・沖縄のお彼岸で、ヒヌカンへの拝み方は?
・沖縄のお彼岸で行う「屋敷の御願」とは?
・沖縄のお彼岸では、ヒヌカンに何を供える?
・沖縄のお彼岸、ヒヌカンへの拝み言葉は?

「ヒヌカン(火の神)」は台所の神様で、家や家族を守るパーソナルな神様です。
家から家へと代々継承されてきましたが、現代は新しく仕立てる人が増えました。

沖縄ではお彼岸の入りから、ヒヌカン・お仏壇・トイレと家を廻り感謝を伝える「屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)」を行います。

本記事を読むことで、沖縄のお彼岸に行うヒヌカンへの拝み方、お供え物や拝みの言葉が、明瞭なイラストで分かります。
 

沖縄のお彼岸で拝む「ヒヌカン」とは?

沖縄のお彼岸で拝む「ヒヌカン」とは?
◇「ヒヌカン(火の神)」は台所に祀り、家や家族を守る神様です

沖縄のお彼岸に拝む「ヒヌカン」は沖縄の言葉で、「火の神」の意味があります。
台所に祀る、本州で言うところの「竈(かまど)の神様」です。
 

<沖縄のお彼岸で拝む「ヒヌカン」とは?>
・台所に祀る神様
・家や家族を守る守護神
屋敷の神様と繋がる
・遠くの神様と繋がる「遥拝所」
ニライカナイとの繋ぎ

 
「遥拝所(ようはいじょ)」とは、遥か彼方に神様が住む拝所がある時、遠い家から拝むことができる拝所です。

また沖縄で「ニライカナイ」とは「西方浄土」ですので、故人が亡くなった時に、魂が帰る場所となり、ヒヌカンを通して故人と通じることができます。
 

 

沖縄のお彼岸でヒヌカンを仕立てる

◇現代の沖縄ではお彼岸にヒヌカンを仕立てる人も増えました

従来、沖縄のヒヌカンは実母や義母から娘や嫁へ、女性から女性へと代々引き継がれてきたものでした。

実家や義家からヒヌカンの灰をいただき、家に持ち帰りヒヌカンを迎え入れましたが、現代は灰や仏具を購入して、一から仕立てる家が増えています。
 

<現代の沖縄:お彼岸にヒヌカンを仕立てる>
[仏具を揃える] ウコール(香炉)
・塩台
・仏飯器
・花立て
コップ×2個
(お水用、お酒用)
・お盆など
・灰
・お線香
[仏具を潮水に浸ける] 仏具を潮水に1晩浸ける
[台所にヒヌカンを祀る] お盆などに仏具を並べる
・仏飯器にご飯を盛る
・コップにお水を入れる
・コップにお酒を入れる
・花立てに供え葉を供える(※)
・塩台に塩を盛る
[ウコール(香炉)] ・灰をウコール(香炉)に入れる
灰の上に花米(お米)を入れる
[氏神様へ参る] お線香に火を灯さずに供える
(ヒジュルウコー)
・お線香はシルカビの上に置く
・住所と氏名を伝える
家にご案内する
「ヒヌカンを仕立てましたので、おいでください」
[自宅でお線香を供える] 自宅にお線香を持ち帰る
(お線香はシルカビに包む)
自宅のウコール(香炉)にお線香を供える
神様をお迎えします
「ようこそいらっしゃいました、
これからどうぞ、よろしくお願いいたします」

 
大まかですが、以上が沖縄のお彼岸で新しくヒヌカンを仕立てる方法です。
「シルカビ」とは、白い習字の半紙を四つ切りに千切り、さらに半分に折ったもので、「神様への税金」と言われます。

シルカビの作り方、ヒヌカンの仕立て方について、詳しくは下記コラムをご参照ください。
 

 

 

沖縄のお彼岸で行う「屋敷の御願」とは

沖縄のお彼岸で行う「屋敷の御願」とは
◇「屋敷の御願」とは、家や家族を守る神々様を巡拝する行事です

全国的にお彼岸はお墓参り行事ですが、沖縄ではお彼岸に、ヒヌカンから仏壇、トイレ、門など、屋敷の方々に鎮座される神々様へ感謝の拝みを捧げます。

日ごろの御守護のお陰で、家族が何事もなく暮らしているためです。
この巡拝行事を「屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)」と言います。
 

<現代の沖縄:お彼岸にヒヌカンを仕立てる>
[手順]
●二月彼岸(ニングァチヒグァン) …春のお彼岸
●八月彼岸(ハチグァチヒグァン) …秋のお彼岸
●ヒヌカン上天の拝み(旧暦12月24日) …年末の拝み
[手順] ・家を掃除する
・屋敷の6柱(10か所)を巡拝する

 
昔ながらの屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)は、トイレや門、家の中心、東西南北など、合計6柱10か所を巡拝する習わしです。

けれども近年増えたアパートや分譲マンションなどの集合住宅では、玄関から外に向かって拝む家が増えました。
 

 

春のお彼岸のみ行う家もある

◇屋敷の御願は地域や家によって、春のお彼岸のみ行う家もあります

沖縄ではお彼岸と言えば屋敷の御願ですが、一部地域では秋のお彼岸はお墓や按司墓(アジシーバカ)へお墓参りをする家もあるでしょう。

按司墓(アジシーバカ)」がある家は、家の遠いご先祖様祖霊神が眠る場所です。
先祖代々位牌トートーメーを祀る家に多い風習かもしれません。
 

<沖縄で春と秋のお彼岸とは>
[お彼岸の時期] [呼び名] [地域で違う呼び名]
[春のお彼岸] ●二月彼岸
(ニングァチヒグァン)
・内祀り彼岸
(ウチマチヒングァン)
・家拝み
[秋のお彼岸] ●八月彼岸
(ハチグァチヒングァン)
・外祀り彼岸
(フカマチヒングァン)
・外拝み

 
このように秋のお彼岸を「外祀り彼岸(フカマチヒグァン)」や「外拝み」と呼ぶ家では、お墓参りに行っていることが多いです。
 

 

沖縄のお彼岸では、いつヒヌカンへ拝む?

沖縄のお彼岸では、いつヒヌカンへ拝む?
◇沖縄のお彼岸では、ヒヌカンは最初に拝む神様です

ヒヌカンは屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)で最初に手を合わせる拝み処となります。
屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)は、彼岸の入りから彼岸期間、いつでも拝むことができるでしょう。
 

<沖縄のお彼岸では、いつヒヌカンへ拝む>
●ヒヌカンは一番最初に拝む神様です
[神々様] [役割]
(1)ヒヌカン (火の神様)
(2)カミ(祖霊神) (お仏壇のご先祖様)
(3)ユンシヌカミ (四隅の神)
(4)ジョウヌカミ (門の神)
(5)フールヌカミ (トイレの神)
(6)ナカジンヌカミ (中陣の神)

 
最初に沖縄のお彼岸でヒヌカンへ拝むことで、他の屋敷の神々様へ「これから家の人が拝みに行きますよ~」と伝えてくれます。
 

 

2023年沖縄のお彼岸はいつ?

◇2023年、沖縄の秋のお彼岸は9月20日(水)~26日(火)です

秋のお彼岸は秋分の日を中心とした、前後3日間となります。
2023年の秋分の日は9月23日(土)、9月20日(水)~26日(火)の間に屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)を行いましょう。
 

<2023年お彼岸はいつ?>
[春のお彼岸] ・3月18日(土)~24日(金)
[秋のお彼岸] ・9月20日(水)~26日(火)

 
しばしば「沖縄の秋のお彼岸はいつ?」などの質問を聞きますが、お彼岸は春分の日・秋分の日を中心とした前後3日間で行われるため、旧暦行事ではなく、全国的なお彼岸と変わりません。
 

 

 

沖縄のお彼岸で、ヒヌカンへのお供え物

沖縄のお彼岸で、ヒヌカンへのお供え物
◇沖縄のお彼岸では、ヒヌカンへお米やお酒、果物を供えます

沖縄のお彼岸でヒヌカンへ拝む時には、主に日ごろの平穏な暮らしへの御守護への感謝、そして今後の家内安全や繁栄祈願が目的です。

ただヒヌカンへのお供え物は、お仏壇や他の神様とは少しだけ違います。
ヒヌカンへのお供え物として特徴的なポイントは、アライミハナ(洗い米)、カラミハナ(花米)、そしてシルカビ(白紙)を供えることです。
 

<沖縄の屋敷の御願:ヒヌカンのお供え物>
(1)ウサク(お酒)
(2)アライミハナ(洗い米)
(3)カラミハナ(乾き米)
(4)ウチャヌク
(5)果物の盛り合わせ
(6)シルカビ

 
アライミハナ(洗い米)、カラミハナ(花米)は主に、祖霊ではない神様への拝みで多く用いられます。
沖縄の拝み処「御嶽(ウタキ)」でも供えますよね。

それでは、下記よりそれぞれ詳しく解説します。
 

(1)ウサク(お酒)

(1)ウサク(お酒)
◇お酒をコップに注いでも良いです

本来は左右に一対の徳利(とっくり)を供え、中央にお猪口(おちょこ)を配置して、お酒を注ぎ供えてきました。

ただ環境によっては、ワンカップのお酒などを供えても良いでしょう。
 

(2)アライミハナ(洗い米)

(2)アライミハナ(洗い米)
◇「アライミハナ(洗い米)」とは、お米を洗ったものです

沖縄のお彼岸でヒヌカンへ供える「アライミハナ(洗い米)」は、「アライグミ」とも呼ばれます。

お水で七回すすいでから供えるお米ですが、「七回すすぐ」由来は地域や家によりさまざまです。
 

<アライミハナ(洗い米)は七回すすぐ>
・極楽浄土へ続く七つの関所
・奇数の七が陽数のなかでも縁起が良い

 
…などなどがあるでしょう。
ヒヌカンをはじめとした神様へ供える家もあれば、神様へは供えず、故人やご先祖様にのみ供える地域や家も見受けますが、家の慣習に沿って構いません。
 

<アライミハナ(洗い米)の供え方>
●一対のカラミハナ(花米)の中央に一皿供えます。

 
アライミハナ(洗い米)を供えない場合、代わりにお塩や「クバンチン」として三十円を供える地域もあるでしょう。
 

(3)カラミハナ(乾き米)

◇「カラミハナ(乾き米)」は、お米です

沖縄のお彼岸でヒヌカンへ供える「カラミハナ(乾き米)」は、お水ですすぐ前のお米で、「ハナグミ(花米)」とも呼ばれます。
沖縄ではお彼岸のヒヌカンに限らず、あらゆる儀礼で神様に供えるでしょう。
 

<沖縄の言葉:「お米」のいろいろ>
[呼び名] [意味]
●ウブク(ご飯) …炊いたお米
●アライミハナ(洗い米)
・アライグミ(洗い米)
…七回すすいだお米
●カラミハナ(乾き米)
・ハナグミ(花米)
…そのままのお米

 
カラミハナ(乾き米)とアライミハナ(洗い米)と対で供えることが多いです。
ただカラミハナ(乾き米)はアライミハナ(洗い米)とは違い、ほとんどの地域で神様へ供えるお米として供えられます。
 

<カラミハナ(花米)の供え方>
●ヒヌカンを前に左右一対の二皿、その中央にアライミハナ(洗い米)を供えます。

 
そのまま何もせずに供えるので、「純粋・純潔」などを表します。
対してアライミハナ(洗い米)は、洗うことで「禊(みそぎ)を落とす」役割です。
 

(4)ウチャヌク

(4)ウチャヌク
◇「ウチャヌク」は白もちを3段積み上げたものです

「ウチャヌク」は、もち粉で作った白もちを3段に積んだお供え物となり、沖縄ではお彼岸など行事が近づくと、スーパーでも販売しているでしょう。
 

<沖縄のお彼岸:ヒヌカンに供えるウチャヌク>
[意味] [例]
●自然への畏怖  ・天
・自分
・地
●サンティン(三天)  ・ウティン(御天)
・ジーチ(地)
・リュウグ(竜宮・海)
●宇宙 ・月
・太陽
・星
●子々孫々 ・父
・母
・子

 
ウチャヌクを3段供えるのには、さまざまな話がありますが、いずれも的を得ているのでしょう。
沖縄のお彼岸でヒヌカンへ供える時は、お盆に白紙を敷いた上に供えます。
 

(5)果物の盛り合わせ

◇果物の盛り合わせは、それぞれに繁栄などを祈願します

その時々で季節の果物を盛りつけますが、家の繁栄を祈願する沖縄のお彼岸でヒヌカンに供える時には「りんご・みかん・バナナ」が良いとされました。
 

<沖縄のお彼岸でヒヌカンに供える果物>
[果物] [意味]
●バナナ ・男性性
●りんご ・女性性
●みかん ・子孫繁栄

 
沖縄では男性性と女性性のバランスが大切だとされる他、果物は「丸いもの」が好まれる傾向です。

ただ現代では、沖縄のお彼岸でヒヌカンに供えるにあたり、行事の後に家族で美味しくいただくため、好きな果物を供えるようになっています。

果物の盛り合わせはお供え物の定番!
沖縄ではお彼岸時期になるとスーパーで、果物の盛り合わせセットが販売され、整えやすいでしょう。
 

(6)シルカビ

(6)シルカビ
◇「シルカビ(白紙)」は、習字の半紙を千切った紙です

シルカビは「白紙」の意味合いで、半紙を四つ切りに千切って、さらに半分に折り作ります。

沖縄の旧盆では黄色いわら半紙でできた「ウチカビ(打ち紙)」を焚きますが、ウチカビとシルカビは、供える先や役割が少しずつ違うのです。
 

<シルカビとウチカビ>
[名前] [供える先] [役割]
・ウチカビ(打ち紙) ・ご先祖様へ届ける ・あの世のお金
・シルカビ(白紙) ・神様に納める ・あの世の税金

 
遠いご先祖様で祖霊になったとしても、お仏壇(ご先祖様)にお供えするものはウチカビ(打ち紙)ですよね。

一方でシルカビ(白紙)は、御嶽(うたき)やヒヌカン、お墓参りでは墓地を守護する「ヒジャイヌカミ(左の神)」など、神様へ供えます
 

 

沖縄のお彼岸でヒヌカンへのお線香は?

沖縄のお彼岸でヒヌカンへのお線香は?
◇ヒヌカンへのお線香は、15本を供えます

沖縄のお彼岸でヒヌカンへ供えるお線香はジュウゴフンウコー(十五本御香)です。
ジュウゴフンウコー(十五本御香)は、日ごろのヒヌカンへの拝みでも供えます。
 

<沖縄のお彼岸でヒヌカンへのお線香は?>
[日本線香] 15本
・もしくは5本
[沖縄線香]
・ヒラウコー(平御香)
タヒラ半
(2枚と半分)

 
お仏壇など「ご先祖様」へ供えるお線香の本数はジュウニフンウコー(十二本御香)ですが、ヒヌカンにはジュウゴフンウコー(十五本御香)が多いです。

日本線香は香り高い「カバシウコー(香り御香)」と言われ、セジ(霊力)が強いとして、15本ではなく5本としても良いとも言われます。
 

 

ビンシー(瓶子)とは?

◇沖縄のお彼岸で、ヒヌカンなど神様へのお供え物をまとめる木の箱です

沖縄のお彼岸ではヒヌカンや屋敷の御願に限ったアイテムではありません。
御嶽(ウタキ)など外での拝み事で用いられます。
 

<ビンシー(瓶子)とは>
[神様への印鑑] ・家紋があるものもある
歴史自体は意外と浅い
[用途] ・神様への拝みで用いる
・特に屋外の拝みに便利
持ち運びがしやすい
[下の引き出し] お線香
・シルカビ(白紙)
[代用品] 仮ビンシーで代用
・お盆やタッパーで良い

 
「神様への印鑑」とも言われるビンシー(瓶子)ですが、実は琉球王朝で用いられてきたものではなく、比較的近代において庶民から広がった風習です。

そのため、沖縄のお彼岸でヒヌカンに供える際、かつてはお盆にお供え物を配膳して供えてきました。
 

●ビンシー(瓶子)がないならば、ムリをして購入する必要はありません

 
ビンシー(瓶子)がない家では、「仮ビンシー(瓶子)」として、お盆にお供え物を配膳しても良いでしょう。
タッパーで整えることもあるほどです。
 

 

ヒヌカン(火の神様)への拝み方

ヒヌカン(火の神様)への拝み方
◇ヒヌカンへ日ごろの御守護へ感謝を捧げ、シルカビを焚きます

沖縄ではお彼岸に入ると、ヒヌカンが屋敷の御願が始まりです。
ヒヌカンがない家では玄関から外に向かって拝みます。
 

<沖縄のお彼岸:ヒヌカンへの拝み方>
(1)拝みの言葉を唱える
(2)シルカビを燃やす

 
沖縄のお彼岸でヒヌカンへ拝む際は、まず住所とお供え物の内容、お供えしていることを伝える流れが定番です。
家長から、家族の性別と干支を伝えることも多いでしょう。
 

(1)拝みの言葉を唱える

◇ヒヌカンへの拝みは、現代の言葉でも問題はありません

「グイス(祝詞)」とも呼ばれる拝みの言葉は、沖縄のお彼岸でヒヌカンに拝む際、高齢のおばぁがウチナーグチ(沖縄の言葉)で拝む家もあるでしょう。

けれども心を込めていれば、現代言葉でも問題はありません。
むしろ、本人も分かりやすく言葉に集中できて、心も入れやすいです。
 

<沖縄のお彼岸:ヒヌカンへの拝み言葉>

「ウートゥートゥー ヒヌカンガナシー
(あな尊き ヒヌカン様)、

今日の良き日、これから○○市○○、○○番地(住所)にて屋敷の御願を行いますので、どうぞ滞りなく進めさせていただきますように。

アライミハナ、カラミハナ、ウサク、ウチャヌク、果物、そしてシルカビ(お供え物)をお供えしておりますので、どうぞお受け取りください。

ヒヌカン、ユンシヌカミ、ジョウヌカミ、フールヌカミ、ナカジンヌカミ(拝み先の神様)、力を合わせて家を守護くださる神々様、

ウティンヌカミ、ジーチヌカミ(御天の神、地の神)、皆さま誠にありがとうございます。

ヤナカジ(悪い霊)やシタナカジ(穢れた霊)は、どうぞ祓いのけくださり、シジナランヌ(支持しない者、受け入れない者)は押し出してくださいませ。

そして代わりに多くの福徳を招き入れ、家をお守りくださいますように。

また、この家の家族がみな幸せで健康、家庭円満、夫婦和合、親子和合し、百果報訪れますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ウートゥートゥー
(あな尊い)。」

 

(2)供えていたシルカビを焚く

◇アルミボウルなどでシルカビを焚き、お酒を3滴たらします

沖縄のお彼岸でヒヌカンに拝む際、拝みの言葉を伝えた後は、供えていたシルカビを焚きますが、火元には注意をしてください。

沖縄ではウチカビ(打ち紙)やシルカビ(白紙)を焚く専用の「カビバーチ(火鉢)」も販売しています。
 

<沖縄のお彼岸:ヒヌカンのシルカビ>
・水を張った器を用意
(魔除けのネギなどを散らす)
・シルカビを焚く
・燃え尽きるのを待つ
・供えていたお酒を3滴掛ける

 
ない場合には、金属やアルミボウルに水を張るなど、安全にしてください。
燃え尽きた頃に、お酒を3滴ほど垂らして終わりです。

その後、昔は玄関の庭先などに捨てていましたが、現代は洗面台に流すなど、通常通りに処分しても良いでしょう。
 

まとめ:沖縄のお彼岸で、ヒヌカンは最初に拝みます

まとめ:沖縄のお彼岸で、ヒヌカンは最初に拝みます
沖縄のお彼岸ではヒヌカンから屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)を行います。
ヒヌカンへ最初に拝むことで、屋敷の神(ヤシチヌカミ)へ、「これから家の者が、皆さまの元へ拝みに廻ります」と伝えることになるでしょう。

また高齢で足が悪いなど、あまり活発に動けない時には、ヒヌカンを通して屋敷の神々(ヤシチヌカミ)へ拝みを捧げても良いです。

この時は、それぞれの屋敷の神(ヤシチヌカミ)の元へ拝みに行けない事情を説明し、「ヒヌカンを通して拝ませていただきます」とお断りを入れます。

沖縄のお彼岸ではヒヌカン以外へのお線香は、ほとんどジュウニフンウコー(十二本御香)です。

今後も定期的に屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)を行うのであれば、ビンシー(瓶子)の購入を検討しても良いかもしれません。
家のなかではありますが、巡拝には便利です。
 

まとめ


沖縄のお彼岸でヒヌカンへの拝み方

[お供え物]
(1)ウサク(お酒)
(2)アライミハナ(洗い米)
(3)カラミハナ(花米)
(4)ウチャヌク
(5)果物の盛り合わせ
(6)シルカビ

[お線香の本数]
●ジュウゴフンウコー(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・沖縄線香(平線香)…タヒラ半(2枚と半分)
※ビンシー(瓶子)はなくても良い

●ヒヌカンへの拝み方
(1)拝みの言葉を唱える
(2)シルカビを焚く
(最後にお酒を3滴掛ける)


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