「永代供養の仕組みがよく分からない」
「永代供養の後悔したくない」
「希望に見合った永代供養の選び方が知りたい」
永代供養はご家族にとって、墓地管理者にご遺骨の供養・管理の全てを委任できること、形のないサービスです。そのため永代供養の形態は、ご家族の要望に合わせてさまざまにあります。
本記事を読むことで、永代供養の基本的な仕組みや主種類を理解して、それぞれの要望や状況に見合った永代供養の選び方が分かります。永代供養を契約する手順もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。
そもそも永代供養とは

「永代供養(えいたいくよう)」とは寺院・霊園等の墓地管理者が、ご家族に代わり永代に渡ってご遺骨の管理・供養をしてくれる形のないものです。
ご遺骨の管理・供養は永代に渡りますが、全てのご遺骨がずっと個別に安置される訳ではありません。ご遺骨を個別に安置する「個別安置期間」は、永代供養の形態やプランによって違います。
永代供養では一定年数の個別安置期間の後、合祀されます。「合祀(ごうし)」とは、他のご遺骨と一緒に同じ場所へ埋葬することです。
永代供養の選び方によって個別安置期間は1年・3年・17年・33年・50年と幅が広いでしょう。ただし「合祀永代供養墓」は、最初から合祀される永代供養のお墓です。
・【2024年最新ランキング】沖縄でおすすめの永代供養墓トップ11件、口コミも紹介!
①永代供養のメリット

永代供養の大きなメリットは無縁仏にならない点です。無縁仏になったお墓は、告知期間を経て墓地管理者、沖縄では自治体により撤去されます。
一般墓に永代供養を付ける方法もありますが、合祀永代供養墓・納骨堂・永代供養型樹木葬等の形態を選んだ場合、墓石代がないので費用を安く抑える点も大きなメリットです。
・費用が抑えられる
・無縁仏にならない
・継承者を立てる必要がない
・子どもの負担がなくなる
・維持管理費が節約できる
・お墓の維持管理負担が軽減される
ただ充分な予算がない自治体は個人墓地のお墓を撤去しきれない問題もあり、廃墟と化したお墓もあるでしょう。撤去されたお墓に眠るご遺骨は、どこに合祀されているかも分かりません。
②永代供養のデメリット
一方で永代供養の選び方によっては、後悔した体験談も少なくありません。後悔しないためには永代供養の種類と仕組みを理解して、希望に見合った適切な永代供養の形態を選ぶことです。
一般墓に永代供養を付けると無縁仏になることは避けられますが、お墓のメンテナンスや維持管理費は、従来のお墓と同じです。ここではいずれ合祀して共同供養する永代供養のデメリットについて解説します。
・合祀されるとご遺骨は戻らない
・契約期間が過ぎると合祀される
・一般墓とはお参りの仕方が異なる
合祀された後は供養塔・観音像等、共有の墓標に向かってお参りします。そのため他の家族と譲り合いながら、規約に沿ってマナーを守ったお参りを心がけなくてはなりません。
納骨堂・室内墓所等、屋内施設でご遺骨を供養する形態の永代供養では、室内の香り・火の用心の観点から、それぞれの施設でお参り規約が設けられているでしょう。
③永代供養の種類

特定の形態を持たない永代供養を後悔なく選ぶためには、その仕組みと種類を充分に理解し、納得する必要があります。特に合祀永代供養墓では最初から合祀されてしまうので、後で後悔してもご遺骨を戻すことができません。
<永代供養墓の種類> | |
・合祀型 (永代供養墓・合祀墓) | …個別安置期間を持たずに最初から不特定多数の他のご遺骨と同じ場所に埋葬されます。 |
・集合型 (集合墓) | …契約した一定期間はご遺骨が個別に安置されます。契約期間が過ぎて更新がない場合は合祀される仕組みです。 |
・墓石型 (個人墓・夫婦墓) | …墓石を建てて永代供養を付加します。形態は従来のお墓と同じですが、更新なく契約期間が過ぎると墓石は撤去される仕組みです。 |
・納骨堂型 (納骨堂) | …屋内に個別スペースを設け、契約期間はご遺骨を個別安置します。契約期間が過ぎると合祀されますが、個別安置期間はご遺骨を戻すことが可能です。 |
・継承型 (継承型納骨堂) | …契約期間内に更新を続けることで代々継承ができます。ただし契約更新は子ども・孫の自由です。お墓の維持管理・メンテナンスがなく思い立った時にお参りできます。 |
・樹木葬型 (永代供養型樹木葬) | …美しい草花に囲まれた特別区画を設けて、樹木のふもとに納骨する永代供養の形態です。樹木葬は自然葬のひとつですが、永代供養型樹木葬では契約期間の後に合祀されます。 |
現代では「永代供養」の言葉は浸透しつつあるものの、「永代供養=合祀永代供養墓」と勘違いされる方も少なくはありません。
永代供養は墓地管理者へご遺骨の管理・供養を任せることができるだけです。ご家族が希望するならば、墓主がいなくてもお墓参り・法要・供養等はできます。
・沖縄で永代供養の種類とは?後悔しないために知ってきたい永代供養5つの種類と費用相場
永代供養の選び方

それぞれの永代供養の種類のなかでも、さらに目的や要望に合わせたさまざまなプランがあるため、永代供養の選び方では要望と優先順位を明確にすることがポイントです。
永代供養後の供養をどのようにしたいのか?イメージすると分かりやすいでしょう。
永代供養は1柱ごとのプランが一般的です。墓じまい等で複数のご遺骨を永代供養したい場合、ご遺骨ごとに永代供養の形態を選ぶこともできます。
・墓じまいを進める9つの流れとは?ステップごとの費用目安やかかる日数、墓石や遺骨は?
①予算で選ぶ
永代供養のメリットは費用を抑えた納骨ができることです。予算に合わせた永代供養の形式を選ぶことができます。
永代供養の費用相場は、施設・立地・個別安置期間により幅があります。個別安置期間が長ければ長いほど、永代供養の費用相場も高くなるでしょう。
<永代供養の種類で違う費用相場> | |
・合祀型 (永代供養墓・合祀墓) | …約3万円~40万円 |
・集合型 (集合墓) | …約20万円~80万円 |
・墓石型 (個人墓・夫婦墓) | …約80万円~180万円 |
・納骨堂型 (納骨堂) | …約30万円~150万円 |
・継承型 (継承型納骨堂) | …約80万円~180万円 |
・樹木葬型 (永代供養型樹木葬) | …約20万円~180万円 |
ただし「安いから」と言う理由だけで永代供養を選ぶことは後悔に繋がり危険です。安い永代供養は個別安置期間を設けていても、ご遺骨の安置方法は施設によりさまざまに違います。
個別に安置されると思っていたらご位牌が所狭しと並べられているだけで、ご遺骨は合祀されたと後悔する事例もありました。永代供養の後悔しない選び方では、実際に現地見学してから選ぶことは必須です。
②追加費用で選ぶ
納骨堂や墓石型永代供養等、個別安置期間を設けた永代供養では維持管理費がかかるプランもあります。維持管理費とは公共施設・設備の維持管理費用です。
維持管理費を払わないと無縁仏と判断され、一定の工程を経て合祀されます。
維持管理費は合祀された後は請求されない霊園・墓地がほとんどです。合祀永代供養墓等、最初から合祀される永代供養は維持管理費が請求されません。
ただし寺院墓地での永代供養では、施設によって檀家義務があります。檀家になると毎年「護持会費」やお布施を支払うことがあるので、契約前に確認しましょう。
③アクセス環境で選ぶ
永代供養後も頻繁にお参りがしたいご家族にとって、アクセス環境は重要なポイントです。高齢になり足腰が弱くなった時も想定し、現地見学をしながら検討しましょう。
沖縄では抜群のアクセス環境ながらも、お参りでは穏やかで開放的な空間が求められますよね。敷地内からの眺め・街の喧騒から抜けた周辺環境がお墓参りには最適です。
この他、沖縄ではお墓参り時期が集中するため駐車場の規模にも注目します。ただし永代供養を提供する霊園・墓地は、開園時間であればいつでもお参りできる環境です。
④施設・設備で選ぶ
永代供養を選ぶ時には、霊園・墓地の見学に必ず行きましょう。全園バリアフリーでしょうか?なかには事務所で参拝者へ車椅子の貸し出し・造花の販売等を行っている霊園・墓地もあります。
個人墓・夫婦墓では墓地区画の周辺に水場があるかもポイントです。また手桶や柄杓、雑巾等の無料貸し出しを行っている霊園・墓地はお墓参りに便利でしょう。
また沖縄では園内に個別法要を執り行うことができるセレモニーホール・会食施設を設けている霊園・墓地も見受けます。法要で振る舞う飲食物・僧侶の手配まで相談できる霊園・墓地もあるので、施主にとっては便利です。
⑤納骨方法で選ぶ
永代供養はご遺骨の納骨方法で選ぶ方がほとんどです。墓じまいで取り出した遠いご先祖様のご遺骨等は、最初から合祀される合祀永代供養墓を選ぶ方が多い傾向にあります。
個別安置期間を設けた永代供養では、整えられた環境の屋内で管理される納骨堂への納骨方法もあるでしょう。納骨堂にもロッカー型・自動搬送型・棚置き型等、5~6種類の納骨方法があります。
費用を抑えながらも海が一望できる開放的な空間でお参りがしたい場合は、屋外の集合型永代供養が向いています。納骨スペースは限られていますが、屋外で個別安置が可能です。
・永代供養付き個別墓「結familiar」
⑥合祀までの期間で選ぶ
永代供養の個別安置期間は施設やプランによって大きく違います。
1年間の個別安置の後、合祀永代供養墓に合祀されるプランもあれば、17年・33年・50年の個別安置期間を設けた永代供養プランもあるでしょう。
個人墓・夫婦墓など一般墓に付加した永代供養では、従来の弔い上げにあたる25年・33年・50年もの個別安置期間を設けたプランも少なくありません。
けれども個別安置期間が長ければ長いほど、永代供養の費用も高くなります。ご家族の年齢・継承者のあてを考慮して、適切な期間を選ぶと良いでしょう。
⑦継承の有無で選ぶ
「幼い子どもが大人になったら継承する」「将来的に継承者が出るかもしれない」時には、個別安置期間の更新ができる継承型永代供養を選ぶことをおすすめします。
原状でお墓の維持管理ができない墓主でも継承型永代供養を選ぶことで、ご遺骨の維持管理・供養を墓地管理者に委ねることができるためです。
お墓のメンテナンスや定期的な供養等、ご家族には負担が大きな部分を墓地管理者に委ねながら、気が向いた時にお参りができます。
継承型の永代供養プランはもともと個別安置期間も33年・50年と長いものが多いので、次世代の子・孫に判断を任せることができるでしょう。子・孫も選択肢があるので負担がかかりません。
⑧供養方法・頻度で選ぶ
永代供養では納骨後の供養方法による選び方もあるでしょう。ご遺骨は個別安置期間はもちろん、合祀後も定期的な合同供養祭が行われます。
合同供養祭がどのような頻度で執り行われるのかは、霊園・墓地によってさまざまです。毎月開催する合同供養祭もあれば、お彼岸・お盆ごとに執り行う霊園・墓地もあるでしょう。
・合同供養祭の頻度は?
・合同供養祭の宗旨宗派は?
・ご家族の参加はできるか?
・合同供養祭のインターネット中継はあるか?
・お布施を包む必要は?
また合同供養祭では僧侶をお呼びし、他のご遺骨と一緒に読経供養が行われます。
永代供養は宗旨宗派不問とするプランが一般的ですが、合同供養祭では霊園・墓地がお呼びした僧侶の宗旨宗派に基づいて行われますので、気になる方は確認が必要です。
ご家族が参加できる合同供養祭も増えました。現在ではインターネット中継により、遠方から参加できる合同供養祭も見受けます。
⑨お参りの仕方で選ぶ
永代供養は納骨方法によりお参りの仕方が違います。一般墓に永代供養を付加した個人墓・夫婦墓などであれば、通常通りのお墓参りになるでしょう。
一方、合祀永代供養墓では共有の墓標を前にお参りをします。共有の焼香台・献花台を設けた合祀永代供養墓も多いです。
また納骨堂等の屋内施設では室内の香りや火の用心の観点から、生花を供えること・お線香をあげることを禁じる規約も見受けます。
納骨堂でもさまざまな種類があります。個別の参拝ブースに案内されてゆっくりとお参りできる自動搬送型(ビル型)納骨堂が人気です。一方、ロッカー型納骨堂はロッカーごとの個別スペース前でお参りをする方法もあります。
・納骨堂にお参りに行くマナーとは?お参りに行く時間や頻度、お供え物は?友人でもいい?
⑩信頼で選ぶ
永代供養は墓地管理者がご家族に代わり、永代に渡ってご遺骨の供養・管理をしてくれるサービスです。そのため墓地管理者が倒産してしまえば、永代供養も途絶えてしまいます。
そのため永代供養では墓地管理者による選び方もポイントです。霊園・墓地の運営母体を調べて、実績を確認しましょう。
霊園・墓地運営の経験が豊富で実績がある運営母体、歴史ある運営母体、口コミなども調べて評価を確認する方法も一案です。
・沖縄で増える霊園とは?霊園と墓地・墓苑との違いは?沖縄の個人墓地と霊園は何が違う?
⑪生前契約の可否
「生前契約」とはご本人が生前に契約を済ませて、亡くなった後に永代供養を行うことです。終活の高まりにより、永代供養の生前契約が増えました。
生前契約を望むならば事前に墓地管理者へ確認しましょう。霊園・墓地によっては生前契約とともに、死後の事務処理などの終活サポート相談も受け付けてくれます。
納骨堂など個別安置期間を設けた永代供養では、納骨後も年間管理料の支払いが生じるプランがありますが、生前契約では個別安置期間の年間管理料を一括で支払うことが多いです。
・沖縄の終活をサポート
永代供養の選び方手順

永代供養は比較検討による選び方が適切です。ご家族の供養や納骨先など、人生のなかで日常的にでくわす訳ではありません。
複数の業者が提供する永代供養プランをチェックすることで、それぞれの種類における永代供養プランの相場観が分かるでしょう。
複数の永代供養プランを比較検討する選び方では、資料をチェックしたり墓地見学を進めるなかで、今までは意識していなかった納得できる供養の形・優先順位に気づきやすいです。
①資料を集める
永代供養を選ぶ最初のステップは資料集めです。新聞の折り込みチラシや町の看板、インターネットから資料請求ができるでしょう。
また終活相談・墓じまい相談で提供してもらった情報をもとに、資料を請求するケースも多くあります。サロンでは相談員が資料を渡してくれることもあり便利です。
現地見学ではあまり件数が多いと情報過多で混乱してしまいます。資料集めの段階で2件~5件までに候補を絞り、現地見学の予約を取りましょう。
②現地見学
永代供養であっても契約前の現地見学は必須です。特に永代供養は霊園・墓地によってさまざまな形態があります。
永代供養後もお参りに行きたいならば、実際にお参りに行くことを想定して現地までのアクセス環境からチェックしましょう。
霊園・敷地内の雰囲気、営業スタッフ・事務所スタッフの対応からも誠実度が分かります。仕組みが分かりにくい納骨堂や永代供養型樹木葬は、現地見学によって決定しやすくなるでしょう。
親族を説得する必要があるならば、現地見学へ一緒に訪れるのも一案です。そうではなくても複数で現地見学をすることで、1人では気付かなかった視点からチェックできます。
・霊園を見学するチェックポイント一覧|一般墓・永代供養墓・樹木葬の現地見学の注意点!
③契約
永代供養先を決めたら、いよいよ契約です。スムーズに進んだ場合、永代供養の検討を始めた頃からここまで約2週間ほどでしょう。
契約時には規約をよく確認します。個別安置期間と更新の可否・年間管理料の有無・合同供養祭の参加・個別法要の可否・お参りの規約など、気になる点は箇条書きで洗い出しておくと安心です。
契約書は難しい文言で記載されているので分からない箇所があれば遠慮なく、営業スタッフへ確認をします。分からないまま契約を済ませてしまうと、トラブルや悩みの元になるので注意をしてください。
④納骨
永代供養の契約を済ませた後は納骨です。生前契約の場合、亡くなってから納骨された時点で個別安置期間のカウントが始まります。
納骨に際し、一般的には納骨式を執り行うでしょう。一般的には仏教に倣い、僧侶をお呼びして読経供養を行います。納骨式の施主はご家族なので、納骨式では約3万円~5万円のお布施を包みます。
ただし民間霊園は宗旨宗派不問とする施設が多いため、無宗教などで宗教的儀式を執り行わない納骨を希望するならば、それも問題はありません。
⑤合祀永代供養
個別安置期間を設けた永代供養の場合、更新なく契約期間が経過すると施設内の合祀永代供養墓に、他のご遺骨と一緒に合祀されます。
一度合祀されると二度と個別に取り出すことはできません。けれども合祀永代供養の後も他のご家族と共有の墓標に向かってお参りはできます。また合同供養祭への参加も可能です。
ちなみに合同供養祭は墓地管理者が主催するため、一般的にご家族が参加してもお布施を包む必要はありません。気持ちとして包みたいならば、千円~5千円ほどを包んでも良いでしょう。
・沖縄の永代供養でお布施を包む場面はある?墓じまい・永代供養を進める時のお布施マナー
[おまけ]継承する場合
永代供養を済ませたものの、後になって継承者が現れるケースもあります。合祀永代供養墓・樹木葬などへ永代供養をした場合、ご遺骨が手元に戻ることはありません。
けれども個別安置期間にある納骨堂・集合墓などでは、ご家族が望めばご遺骨を手元に戻すこともできます。新しくお墓を建て、ご遺骨を納骨することもできるでしょう。
個別安置期間を設けた納骨堂などでは、契約期間の延長・更新ができるプランもあります。「今は継承者のあてがなくとも、将来的に継承者が出てくるかもしれない。」と言う方は、個別安置期間や更新の可否までチェックして契約しましょう。
状況別:永代供養の選び方

永代供養で後悔しない選び方は、状況によっても異なります。亡くなった配偶者・ご家族のご遺骨を永代供養にしたいならば、納骨後にどのような供養がしたいのかをイメージしましょう。
一方で墓じまいで取り出した遺骨の新しい納骨先として永代供養を選ぶならば、ご遺骨の柱数によって予算も異なります。いずれにしても墓じまい費用も含めて安く解決したい方が多いです。
・沖縄でお墓の継承者は誰?引き継ぐとどんな負担がある?継承前に理解したい5つの豆知識
①高齢になってお墓が負担
高齢になった墓主がお墓の定期的なメンテナンス・維持管理が大きな負担になるケースは少なくありません。このような場合は将来的なお墓の継承者がいるか・いないかで永代供養の選び方が変わります。
沖縄の場合、個人墓地に建つお墓も多いです。継承者がいるならば個人墓地を墓じまいして、墓地管理者が他にいる霊園へお墓を引越す「改葬」をおすすめします。
霊園・墓地では施設内は墓地管理者により整備されているので、お墓の区画内のみメンテナンスをすれば良いためです。
アクセス環境の良い霊園を選び、お墓に永代供養を付加することで無縁仏も避けることができます。現代ではお墓もコンパクト化し、新しくお墓を建てる時にも約80万円~180万円ほどが費用相場です。
②継承者のあてがない
継承者があてがないならば、墓石を建てない納骨堂・合祀永代供養墓・永代供養型樹木葬がおすすめです。ご遺骨を個別安置したいか、合祀までどれくらいの期間が必要かを家族で検討します。
子どもがまだ判断力のない幼いケースなど、将来的に継承者が現れる可能性があるならば、室内墓所などの継承型永代供養がおすすめです。
家族で納骨できる室内墓所では個別安置期間も、弔い上げと同等の17年・25年・33年などの長いプランが多い傾向にあります。
個別安置期間が更新できる永代供養プランが多いので、将来子どもが大人になった時に継承の可否を決めることも可能です。
③終活で永代供養を検討
終活を通して、生前に納骨先を契約するケースも増えました。終活では墓じまいも増えていますが、墓主は終活で墓じまいをすると自分が入るお墓がありません。
終活では「せっかく墓じまいをしたのだから、お墓のない納骨先を選びたい」「子や孫にお墓を継承する負担をかけたくない」などの理由から、お墓のない永代供養を望む声が多い傾向です。
お墓のない形態の永代供養を選ぶならば、合祀永代供養墓が最も安い納骨方法です。ただし一度納骨すると二度とご遺骨はご家族の手元へ戻りません。
この点も踏まえて終活では自分ひとりで決めることなく、ご家族と相談しながら進めることが大切です。個別安置期間を設けた納骨堂などの永代供養であれば、子や孫に負担がかからずにお参りもできます。
現代は終活サポートをしてくれる団体も多いので、まずは終活相談をしてみましょう。終活の手順を知ることで、見落としやすいポイントが分かります。
・沖縄の終活をサポート
④お墓がない
次男で入るお墓がない・墓じまいでお墓がない方が永代供養を選ぶケースも増えましたよね。現代はお墓がコンパクトになり建墓費用も安くなってきたものの、相場は約80万円~180万円です。
お墓を建てない永代供養では、合祀永代供養墓・納骨堂・集合墓・永代供養型樹木葬・などがあります。個別安置期間を設けた永代供養では、年間管理慮も考慮して決めましょう。
ご家族が突然亡くなり充分な予算が組めない場合、メモリアルローン等により費用を調達することもできますが、今後の生活を考慮して安い納骨先を選ぶ方も少なくありません。
・沖縄でお墓がいらない時、遺骨はどうする?お墓は必要?予算で選ぶ、お墓のない遺骨供養
⑤墓じまい後の永代供養
墓じまいでは複数のご遺骨を取り出すケースが多いです。永代供養の料金システムは1柱ごとが多いため、ご遺骨の柱数が多いほど費用もかさみます。
墓じまい後の永代供養で費用を安く抑えるならば、合祀永代供養墓が適切です。永代供養ではありませんが、シンボルツリーのふもとに合祀される自然葬の種類「合祀型樹木葬」も安く抑えられるでしょう。
また墓じまいでは遺骨の取り出し・墓石の撤去など、永代供養の他にも費用がかかります。墓じまいから永代供養まで、全てをワンステップで相談・依頼できる「墓じまいサポートパック」を提供する業者もあるので、まずは墓じまい相談をすると良いでしょう。
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永代供養ではないお墓を持たない選び方とは

予算面だけでご遺骨の納骨先を検討するならば、永代供養の他にも自然葬・手元供養等があります。沖縄の自然葬はご遺骨を海に撒く海洋散骨が多いでしょう。
ただし海洋散骨は海にご遺骨を撒く自然葬のひとつなので、散骨してしまうと二度と手元に戻りません。この点を理解して選ぶ必要があります。
①海洋散骨(自然葬)
「海洋散骨」とは粉骨したご遺骨を海に撒く葬送です。厚生労働省によりご遺骨は約2mm以下のパウダー状に粉骨し、住民に迷惑がかからない沖合いで散骨するため、基本的には散骨業者に依頼すると良いでしょう。
海洋散骨の注意点として、永代供養墓とは違い墓標がないためご遺骨の葬送後に後悔が残る方々がいます。「自然に向かって故人を偲ぶ」とはイメージは良いのですが、ご家族を亡くした喪失感の拠り所が無くなるご遺族も多いのです。
海洋散骨をはじめとする自然葬を選ぶ時には、この点も理解して選ぶ必要があります。その時になって喪失感を感じることもあるので、ご遺骨を分骨しておく方法も一案です。
②手元供養
「手元供養」とはご遺骨を自宅で祀り供養する方法です。自宅に仏壇や小さな祭壇を仕立て祀る方法と、アクセサリーにご遺骨を収めて持ち歩く方法があります。
海洋散骨をセレモニーとして選び、分骨をして手元に残したご遺骨を手元供養し故人を偲ぶご家族も増えました。手元供養もまた粉骨してコンパクトに祀ることが多く、3千円~予算に合わせて供養できるためです。
合祀永代供養墓へ納骨するご家族のなかにも、喉仏など一部のご遺骨を分骨して手元供養とするケースが多くあります。
詳しくは手元供養専用の仏具を扱う仏壇仏具店で相談をしてみましょう。沖縄では永代供養と併せて相談を受けてくれる仏壇仏具店もあります。
まとめ:永代供養は希望・状況により選び方が違います

永代供養はメリット・デメリットを理解した選び方が不可欠です。ご家族は永代供養の仕組みを理解して、要望と優先順位を整理することから始まります。
ご家族が永代供養に求める要望・優先順位が整理できれば、後は選んだ永代供養の形態によるメリット・デメリットを取捨選択するだけです。
ただし永代供養には人々のニーズに対応して、あらゆる種類が登場しています。不安があれば霊園・墓地のサポート窓口へ相談してみるのも良いでしょう。