【沖縄旧暦カレンダー2026】3月(旧暦1月・2月)の年中行事|春のお彼岸は3月17日〜

【沖縄旧暦カレンダー2026】3月(旧暦1月・2月)の年中行事|春のお彼岸は3月17日〜

2025.12.07

2026年3月の旧暦は 旧暦1月13日~2月13日、旧暦行事が盛んな沖縄では旧正月明けに行われる、二十日正月や十六日祭などがありますね。また全国と共通する年中行事では春のお彼岸が訪れます。本記事では2026年3月の年中行事がカレンダーで分かります。

2026年、沖縄の旧暦2月に行う大きな年中行事はないものの、沖縄で旧暦2月にあたる2026年3月には、春のお彼岸がやってきます。

沖縄では春のお彼岸にお墓参りへ行く風習は少ないですが、彼岸明けを合図にヤシチヌウグァン(屋敷の御願)を行いますよね。

本記事を読むことで2026年3月1日~31日、沖縄で旧暦1月13日~2月13日にあたる旧暦行事が分かります。全国的にも行われる3月の春のお彼岸日程や進め方、2026年3月の二十四節気もご紹介していますので、どうぞ最後までお読みください。

2026年3月、沖縄で行う旧暦1月・2月の年中行事は?

沖縄で旧暦1月・2月にあたる時期は2026年3月にあたり、旧暦行事ではないものの、全国的にも沖縄でも春のお彼岸が行われます。

全国的な「春のお彼岸」では「ニングァッチヒグァン(二月彼岸)」、お墓参りに行かず、お仏前祭と言う意味で「ウチマチヒングァン(内祀り彼岸)」とも呼ばれてきました。

<2026年3月:沖縄旧暦1月・2月の年中行事>
[新暦][旧暦][年中行事]
(1)2026年3月1日(日)・旧暦1月13日・ジューサンヤー
(十三夜)
(2)2026年3月2日(月)・旧暦1月14日・ソーグァッチガー
(小正月)
(3)2026年3月3日(火)・旧暦1月15日・ジュウグニチの拝み
(4)2026年3月4日(水)・旧暦1月16日・ジュールクニチー
(十六日祭)
(5)2026年3月6日(金)・旧暦1月18日・ジューハチヤー
(十八夜)
(6)2026年3月8日(日)・旧暦1月20日・ハチカソーグァチ
(二十日正月)
(5)2026年3月19日(木)
~2026年3月2日(木)
●旧暦2月上旬
・旧暦2月1日
~旧暦2月15日
・シマクサラシ
(6)2026年3月19日(木)
~2026年4月16日(木)
●旧暦2月吉日
・旧暦2月1日
~旧暦2月29日
・虫精進
[全国の年中行事]
(7)2026年春のお彼岸  
・2026年3月17日(火)・旧暦1月29日・彼岸入り
・2026年3月20日(金・祝)・旧暦2月2日・春分の日
・2026年3月23日(月)・旧暦2月5日・彼岸明け
(8)2026年3月3日(火)・旧暦1月15日・ひな祭り
(9)2026年3月14日(土)・旧暦1月26日・ホワイトデー
(10)2026年3月25日(水)・旧暦2月7日・春社(春の社日)

また、全国的には春に産まれた土地の土地神様「産土神(うぶすながみ)」へ感謝する「社日」が行われます。もともと農業を中心に営んできた時代は、農業の神様への祀り日でした。現代は八幡様をはじめとする、地域の神社へ参拝に行く習慣になっています。

社日」は春分の日から最も近い戊(つちのえ)の日に行われ、2026年は3月25日(水)の春分の日が正に戌の日、春社です。

沖縄旧暦1月13日:ジューサンヤー(十三夜)

沖縄で旧暦1月13日に行う「ジューサンヤー(十三夜)」は、「カンティーオー(関帝王)」を祀る家で行う例祭です。2026年度の旧暦1月13日は2026年3月1日(日)にあたります。

 ●「カンティーオー(関帝王)」はジングトゥ(金銭)の神様です。

沖縄では商売の神様として「関帝信仰」があり、かつては琉球王朝や中国から来た「久米三十六姓」の人々が、カンティーオー(関帝王)をトゥクヌマ(床の間)に祀ってきました。

沖縄ではトゥクヌマ(床の間)にトゥクシン(床神)が鎮座されると伝わっています。呼び名はトゥクシン(床神)、もしくはトゥクヌカミ(床の神)です。

かつて沖縄でジューサンヤー(十三夜)を拝む家は、ジングトゥ(金銭)の神様カンティーオー(関帝王)の掛け軸を床の間に祀ってきたのでしょう。

ただ現在ではそもそもトゥクヌマ(床の間)がないなどの事情で、リビングにお供えものを飾る家も見受けます。

<トゥクヌマ(床の間)のお供えもの>
・ウサク(お酒)・徳利(とっくり)
・おちょこにお酒
・果物の盛り合わせ・りんご
・バナナ
・みかん
・お菓子の盛り合わせ

主に男性を守護する神様で立身出世や金運、子孫繁栄など現世利益に強いとされます。トゥクヌマ(床の間)にご利益のある掛け紙を飾ることで、特にその祈願が叶うと信じられてきました。

ジューサンヤー(十三夜)でトゥクヌマ(床の間)に供えるお線香は、日本線香12本分の「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。

日本線香なら12本、沖縄線香ヒラウコー(平御香)は2枚分のタヒラを供えます。小さなウコール(香炉)などで日本線香12本を供えきれない時は、簡略化して4本を供えてください。

カンティーオー(関帝王)は「三国志」で有名な関羽(かんう)です。沖縄では波の上宮の近く「天尊廟」に祀られています。

現代では関帝信仰を持つ家庭でも、床の間にカンティーオー(関帝王)の掛け軸がない家も多く、このような家庭ではリビングにお供えものを供えながら、天尊廟まで拝みに行く人々も少なくありません。

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小正月・二十日正月とは?

ソーグァチグァー(小正月)は旧暦1月14日、2026年3月2日(月)建国記念日にあたります。旧正月のお飾りを片付ける節目「ウイミ(折目)」です。

ただし旧正月の終わりを告げる節目(ウイミ)は、沖縄では地域によっていくつかあります。ソーグァチグァー(小正月)は主に沖縄本島北部地域に多いでしょう。

仏壇へ供える日々のお供えのお世話をしましょう。沖縄の仏壇は左右対になっているので、ご位牌の下の段、中央に供えるウサク(お酒)以外は左右2対です。

 <日々のお供え>
 ・ウチャトゥ(お茶)…左右2杯
 ・ウサク(お酒)…1杯
 ・供え花…左右2立

ウチャトゥ(お茶)は朝一番に汲んだお水で立てて、一番茶を供えましょう。ウサク(お酒)は泡盛・日本酒どちらでも構いません。全て捨てて注ぎなおしてくださいね。

供え花も枯れていたら交換します。菊などの仏花は花もちも良くおすすめです。3色~5色ほどの花々を用意して問題はありません。

ソーグァチグァー(小正月)は豊作祈願でもあるので、ご馳走を供えます。おめでたい料理が適切なので、水で芋を似たンムニー(芋煮)や豚足の煮物などが多く供えられてきました。

 <祝い膳>
 ・ウチャワキ(お茶脇)…ご馳走
 ・ご飯
 ・ウサチ…箸休め
 ・お箸

ウチャワキ(お茶脇)はご先祖様へ供える御馳走ですが、供えた後に家族でいただくので、豚肉の角煮「ラフテー」や豚アバラ肉の煮もの「ソーキ」など、家族も喜ぶご馳走を用意します。

「ウサチ」は酢の物・和え物などですね、キュウリとわかめの酢の物などでも良いですし、沖縄の食材ゴーヤやモーウィなどを使用しても良いかもしれません。

仏壇へ供えるお線香の本数はジュウニフンウコー(十二本御香)、日本線香12本分・沖縄線香ヒラウコー(平御香)はタヒラ(2枚)にあたります。

日本線香12本を供えるには小さなウコール(香炉)であれば4本に簡略化しても良いですね。日本線香は「カバシウコー(香り御香)」と言って、かつての沖縄では香りのある貴重なお線香でした。

まとめ:沖縄のジュールクニチー(十六日祭)はあの世の正月です

沖縄で旧暦1月16日「ジュールクニチー(十六日祭)」、沖縄では「グソー正月(あの世の正月)」と言われています。旧暦1月16日は2026年3月4日(水)、主に離島地域を中心にしてお墓参りをします。

沖縄のお墓参り行事は毎年4月頃、二十四節気は清明の節気に行う「シーミー(清明祭)」が有名ですよね。シーミー(清明祭)は主に沖縄本島で行われるお墓参り行事です。

一方でジュールクニチー(十六日祭)は主に沖縄の離島地域で行われてきました。沖縄本島では、沖縄の離島出身者が三重城に訪れて故郷の島へ向かいウグァン(御願)を捧げる「遥拝」を行います。

一方、沖縄本島では「ミージュールクニチー(新十六日祭)」の風習があります。「ミージュールクニチー(新十六日祭)」は、家族が亡くなってから初めて迎えるジュールクニチー(十六日)です。

 ●沖縄本島地域ではシーミー(清明祭)がお墓参り行事ですが、シーミー(清明祭)は慶事です。一方でジュールクニチー(十六日祭)は弔事として行います。

そのため喪中の家族はシーミー(清明祭)は行わず、代わりにジュールクニチー(十六日祭)に供養をしてきました。

一部地域では家族が亡くなってから約3年まではシーミー(清明祭)を控え、ジュールクニチー(十六日祭)を行います。

初めて旧正月を迎えたミーサー(新霊)がいる家庭でも、この世の正月となる旧正月はお祝い事を控え、ジュールクニチー(十六日)に故人を囲み供養します。

改葬・墓じまい・永代供養
沖縄旧暦1月18日:ジューハチヤー(十八夜)

沖縄の旧暦1月18日は、旧正月明けで初めて迎える観音様との縁日「ジューハチヤー(十八夜)」です。沖縄でトゥクヌマ(床の間)に観音様の掛け軸を飾るなど、観音様を信仰する家では観音拝みを行ってきました。

昔の沖縄ではジューハチヤー(十八夜)の夜、月が昇り始める頃から地域の観音堂や観音様を祀る宗家に集まり拝みを捧げる風習があります。

沖縄で観音信仰は家族の健康、とりわけ病弱な子どもの病気平癒にご利益があると信じられ、子どもや子年生まれの守護として信仰されてきました。

ジューハチヤー(十八夜)でのお供え先参拝先の観音堂、そしてトゥクヌマ(床の間)です。現代はトゥクヌマ(床の間)がない家も多いので、リビングでも良いですね。

 <ジューハチヤー(十八夜)のお供え物>
 ①花米(ハナグミ)(お米)…2皿

 ②洗い米(アライグミ)…花米の中央に1皿
 ※洗い米は、7回すすいだお米

 ③ウサク(お酒)
 ・徳利(とっくり)…左右に対で2本
 ・おちょこ…徳利の中央に1杯

 ④果物の盛り合わせ
 ・りんご(母性を表す)
 ・バナナ(父性を表す)
 ・みかん(子孫繁栄を表す)

お盆に供えて問題はありませんが、花米(ハナグミ)やウサク(お酒)はビンシー(瓶子)があれば、ビンシー(瓶子)に整えると便利です。「ビンシー(瓶子)」とは沖縄のウグァン(御願)道具のひとつで木の箱ですね。

子どもの健康祈願として観音様を信仰する家もあるので、観音堂では紅白まんじゅうを供えることもあるでしょう。

 [ジュウニフンウコー(十二本御香)]

 ①日本線香の場合
 …12本・もしくは簡略化して4本

 ②沖縄線香ヒラウコー(平御香)の場合
 …2枚(タヒラ)

観音様へのウグァン(御願)が旧暦18日に行われるのは、毎月18日が観音様との縁日とされるためです。毎月ウグァン(御願)を行っても良いのですが、沖縄では「正五九月」よ呼ばれる忌み月、1月・5月・9月の18日をジューハチヤー(十八日夜)とします。

沖縄でトートーメーのお焚き上げとは

沖縄で毎年旧暦1月20日は「ハチカソーグァッチ(二十日正月)」、旧暦1月14日に続く旧正月の終わりを告げる節目(ウイミ)となります。

 ●次回の旧暦1月20日、ハチカソーグァッチ(二十日正月)は2026年3月8日(日)!

主に本島地域、離島地域ではハチカソーグァチ(二十日正月)に旧正月飾りを片付け、ヒヌカン(火の神)やお仏壇にご馳走を供えて感謝を捧げる拝みが一般的です。

ヒヌカン(火の神)を担う家族がお供えものとしてご馳走皿を供え、今日の日がハチカソーグァッチ(二十日正月)であることをお伝えします。

 <ヒヌカン(火の神)へのお供え>
 ・ウサク(お酒)
 ・マース(盛り塩)
 ・ミジティー(お水)
 ・供え葉
 ・ウチャワキ(ご馳走)

ウチャワキ(お茶脇)はご馳走のおかずです。その日の食事を少し豪華にして、最初に取り分けて供えましょう。やはりラフテー(豚の角煮)やソーキ(豚骨付きアバラ肉の煮付け)など、豚肉料理が好まれます。

 [ジュウゴフンウコー(十五本御香)]

 ①日本線香の場合
 …15本・もしくは簡略化して5本

 ②沖縄線香ヒラウコー(平御香)の場合
 …2枚半(タヒラ半)

ヒヌカン(火の神)は主に台所に立つ家族がお世話を担います。他の者が触れることをタブーとする地域もあるので、ヒヌカン(火の神)を担う家族が行いましょう。

ヒヌカン(火の神)は神様なのでお箸は添えませんが、お仏壇のご先祖様へはお箸を供えましょう。

 <仏壇へのお供え物>

 【日ごろのお供えもの】
 ・ウチャトゥ(お茶)…左右に一対の2杯
 ・ウサク(お酒)…中央に1杯
 ・供え花…ご位牌の左右に2立

 【ハチカソーグァッチ(二十日正月)のお供え物】

 ●お盆に乗せる
 ・ウチャワキ(お茶脇)…ご馳走をお皿に盛り付ける
 ・ウサチ(酢のもの・和え物)…箸休めとなる副菜
 ・お箸…ご先祖様の人数によって一善・複数

日ごろのお供え物であるお茶やお酒、供え花は、近年増えたコンパクト仏壇の場合は、それぞれ1つずつを供えていることもあるでしょう。

首里など本島地域では、ソーグァチグァー(小正月)同様におめでたい食材として、ンムニー(芋煮)を供える家庭も多いです。

ハチカソーグァッチ(二十日正月)で仏壇へ供えるお線香の本数は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」となります。世帯主である家長が主に拝みますが、その他の家族が続いて拝む流れです。

 [仏壇へのお線香]

 ●家長…ジュウニフンウコー(十二本御香)
 ・日本線香の場合…12本・もしくは4本(簡易版)
 ・沖縄線香ヒラウコー(平御香)の場合…2枚(タヒラ)

 ●その他の家族…サンブンウコー(三本御香)
 ・日本線香の場合…3本・もしくは1本(簡易版)
 ・沖縄線香ヒラウコー(平御香)の場合…半分(半ヒラ)

サンブンウコー(三本御香)」は日本線香3本分、簡略化すると1本です。沖縄線香ヒラウコー(平御香)では縦半分に割った半ヒラを供えます。

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全国的な社日と同じく、産まれた集落の土地神様「トゥーティークン(土帝君)」へ供物を供え、日ごろの感謝とともに巡りくる1年に向け、地域の繁栄を祈願する行事です。

沖縄では集落や門中単位での拝みが行われてきましたが、今では少なくなりました。ただ、なかには旧暦2月2日に「トゥーティークン(土帝君)祭」を営む集落も見受けます。

<2026年3月20日(沖縄旧暦2月2日)土帝君>
[お供え物][具体例]
①ウサク(お酒)・おちょこに入れたお酒
②果物
(盛り合わせ)
・バナナ(父性)
・りんご(母性)
・みかん(子孫繁栄)
…など
③ムイグァーシ(お菓子)
(盛り合わせ)
・マキガーシ(巻き菓子)
・ハナボウル(花ぼうろ)
・こんぺん
・ボタンコウ
・シルマンジュウ(かるかん)
・クシチグァーシ(落雁)
・モモガーシ(桃菓子)
[お線香] 
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
・日本線香…15本、もしくは5本
・ヒラウコー(沖縄線香)…タヒラ半(2枚半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

農耕が主流だった昔の沖縄では、トゥーティークン(土帝君)は土神様として豊作にご利益があるとされました。

また豊作から、家や集落の繁栄や子宝、子授け信仰もあります。

その昔の沖縄では、旧暦2月2日トゥーティークン(土帝君)の拝みの日に、その1年で授かった赤ちゃんをご紹介し、健やかな成長を祈願する子育て祈願も行われていました。

「二月ウマチー」は「二月御祭」沖縄の言葉で「ニングァッチウマチー」と呼び、農耕時代には盛んだった麦穂の豊作祈願祭として行われてきました。

また現代でも父方の血族「門中(むんちゅう)」単位のウマチーが、地域によっては残っているでしょう。その昔は霊力(セジ)があるとされるユタなどの「神人(カミンチュ)」が代表して、3~7本ほど、奇数穂の麦穂を拝所(拝所)に供えてきました。

<沖縄旧暦2月:二月ウマチー>
[お供え物] 
①麦穂・未成熟で良い
②神酒・ウサク(お酒)
③ハナグミ(花米)・お米(乾いたお米)
[お線香] 
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
日本線香…15本、もしくは5本
沖縄線香(ヒラウコー)…タヒラ半(2枚半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

昔の沖縄では二月ウマチーに供えるウサク(お酒)は「シルマシ」と呼ばれる、未成熟の麦穂で作られたものでしたが、現代では一般的なお酒を供える家が多いです。

また麦穂も現代では必ず供えなければならないものではありません。

集落や門中単位での行事も廃れつつあるなか、家計安泰や安定した収入を祈願して、家族や個人単位で地元の拝所(ウガンジュ)を参拝する家が増えています。

特に沖縄本島、中南部を中心に広がる沖縄の旧暦2月の年中行事で、集落の境界線に魔除けの「ヒジャイナー(左縄)」による結界を張るなどします。現代に驚かれるのは、動物の骨や肉を縄に巻き付けるなどする点ではないでしょうか。

<沖縄旧暦2月の年中行事:シマクサラシ>
[お供え物] 
①集落の境界線・左に縄をなった「ヒジャイナー(左縄)」
・牛や豚の骨を巻き付ける
・牛や豚など、動物の汁をいただく
②家・動物の血を付けた小枝を家の四隅に差す
・牛や豚など、動物の汁をいただく
③集落の御嶽(うたき)・お酒
・花米(乾いたお米)
[お線香] 
●ジュウゴフンウコー
(十五本御香)
日本線香…15本
沖縄線香(ヒラウコー)…2枚と半分(タヒラ半)
※日本線香、ヒラウコー(沖縄線香)どちらを供えても構いません。

現代の沖縄で行われるシマクサラシは、公民館などに集まり左縄に縄をない、肉の骨や肉を付けながら集落の境界線に結界を張ります。

その後、集落の御嶽(うたき)に門中の家長がビンシー(瓶子)とともにお肉を持ち寄りお供えした後、牛汁を作りふるまう行事です。

沖縄で春のお彼岸は旧暦2月に行うことから「ニングァッチヒングァン(二月彼岸)」と呼ばれます。

 <2026年春のお彼岸>
 ●2026年3月17日(火)~2026年3月23日(月)の7日間
 ・春分の日…2026年3月20日(金・祝)

全国的にお彼岸と言えばお墓参り行事ですが、沖縄のお彼岸は仏前祭が一般的です。
ただ地域によっては春と秋のお彼岸で、供養の仕方が違います。

<沖縄旧暦2月の年中行事:お彼岸>
●沖縄の一部地域での「ウチマチ・フカマチ」
①春のお彼岸
(2025年3月17日~23日)
●ウチマチウグァン(内祀り御願)…仏前で供養する
・自然を敬愛する
・ご先祖様を供養する
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
②秋のお彼岸
(2025年9月20日~26日)
●フカマチ(外祀り御願)…墓前で供養する
・ご先祖様を供養する
・祖霊を供養する(アジシー墓)
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)

中国から伝わる沖縄の旧暦行事が多いなか、お彼岸は本州から伝わった風習です。

春分・秋分の日を中心として、前後3日間を合わせた7日間が「お彼岸」ですが、春分・秋分の日は毎年天文台より発表されるもので、決まった日取りではありません。

春分・秋分の日は太陽が真東から昇り真西に一直線に沈み、昼と夜の時間もほぼ同じになるため、「あの世とこの世が繋がる日」と言われます。

全国的に日本の季節を掴む五節句の一つ、新暦3月3日は女の子の幸せな人生と成長を祈願する「ひな祭り」がありますよね。2026年3月3日(火)はひな祭り、水とご縁が深く、水とともに厄を祓うおひな様人形は雨水(うすい)の節気に祀ります。

縁起の良い奇数が重なる暦は、より大きな果報や御縁のある日であり、一方で厄も大きくなるとして、厄祓いやお祝い行事を行います。

<沖縄旧暦2月の年中行事:全国の五節句>
(1)1月7日尽日(じんじつ)の節句
(七草粥)
(2)3月3日上巳(じょうし)の節句
(ひな祭り、桃の節句)
(3)5月5日端午(たんご)の節句
(子どもの日、菖蒲の節句)
(4)7月7日七夕(しちせき)の節句
(七夕)
(5)9月9日重陽(ちょうよう)の節句
(菊酒)

※1月7日の尽日の節句は、本来の1月1日が元旦なので、年神様をおもてなしする幕の内が終わる1月7日を尽日の節句としました。

全国的には新暦で祝う五節句ですが、沖縄では現代も旧暦の年中行事として行事を行う家が多く、なかには新暦と旧暦の両日ともに行事を行う家も増えました。

例えば七夕(しちせき)の節句では、新暦7月7日は笹の葉を飾り願い事を書き、旧暦7月7日には家族でお墓参りを行い、旧盆のご案内をします。

<沖縄旧暦2月の年中行事:全国の五節句>
[旧暦][行事]
(1)旧暦1月7日・ナンカヌシク(七日節句)
(2)旧暦3月3日・サングヮッチャー(三月三日)
・ハマウイ(浜降り)
(3)旧暦5月5日・グングァッチグニチ(五月五日)
(4)旧暦7月7日・タナバタ(七夕)
(5)旧暦9月9日・チクザキ(菊酒)

沖縄で行う旧暦3月3日は、重箱料理に三月菓子などを詰めて女性ばかりが浜へ降り、海に足を付ける禊祓い(みそぎばらい)の旧暦行事の日です。

重箱料理にはよもぎ餅を詰めます。全国的にもよもぎ餅はひな祭りの行事食ですよね。よもぎの香りが厄を祓うとして、よもぎ団子などをいただきます。

卒業シーズンとなる新暦3月は、草木が芽を出し、生き物が地上へ出てくる春の訪れを感じさせる啓蟄(けいちつ)の節気です。

<2026年新暦3月の二十四節気>
【二十四節気】・雨水(うすい)…2026年2月19日(木)~3月4日(水)
●七十二候
(末候)草木萌動(そうもくめばえいずる)・2月28日(土)~3月4日(水)
【二十四節気】・啓蟄(けいちつ)…2026年3月5日(木)~3月19日(木)
●七十二候
(初候)蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)・3月5日(木)~3月9日(月)
(次候)桃始笑(ももはじめてわらう)・3月10日(火)~3月14日(土)
(末候)菜虫化蝶(なむしちょうとなる)・3月15日(日)~3月19日(木)
【二十四節気】・春分(しゅんぶん)…2026年3月20日(金)~4月4日(土)
●七十二候
(初候)雀始巣(すずめはじめてすくう)・3月20日(金)~3月25日(水)
(次候)桜始開(さくらはじめてひらく)・3月26日(木)~3月30日(月)
(末候)雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)・3月31日(火)~4月4日(土)

「桃始笑」は「桃初めて咲く」とされることが多いですが、「桃初めて笑う」と聴くと春の訪れを感じる可愛らしいですよね。

七十二候で桜の花が開く時期は春分の次候の節気、2026年3月26日(木)~3月30日(月)です。実際の開花時期は日本気象株式会社が発表します。

旧暦行事が根付く沖縄では馴染み深い二十四節気、季節を感じる美しい言葉を感じながら、過ごされてみてはいかがでしょうか。

今回は2026年3月(沖縄旧暦1月・2月)に行う年中行事を、新暦3月の全国的な年中行事とともに解説しました。

この他、全国的な仏教行事としては、新暦3月15日のお釈迦様の命日に行う「涅槃会(ねはんえ)」もあります。

沖縄の離島では「虫精進(宮古など)」や「二月タカビ(八重山諸島など)」の虫祓い行事があるでしょう。

主には害虫による被害のないよう祈願する行事で、害虫などをハマオモトなどの葉を船に見立てて遥か海へと送り返します。

沖縄本島では旧暦4月に行う虫祓い行事「アブシバレー(畔祓い)」が、同じ意味合いを持つでしょう。

【まとめ】
2026年3月(沖縄旧暦1月・2月)年中行事カレンダー

[沖縄]

(1)2026年3月1日(日)…旧暦1月13日
・ジューサンヤー(十三夜)

(2)2026年3月2日(月)…旧暦1月14日
・ソーグァッチガー(小正月)

(3)2026年3月3日(火)…旧暦1月15日
・ジュウグニチの拝み

(4)2026年3月4日(水)…旧暦1月16日
・ジュールクニチー (十六日祭)

(5)2026年3月6日(金)…旧暦1月18日
・ジューハチヤー (十八夜)

(6)2026年3月8日(日)…旧暦1月20日
・ハチカソーグァチ(二十日正月)

(5)2026年3月19日(木)~2026年3月2日(木)
●旧暦2月上旬
・旧暦2月1日~旧暦2月15日
・シマクサラシ

(6)2026年3月19日(木)~2026年4月16日(木)
●旧暦2月吉日
・旧暦2月1日~旧暦2月29日
・虫精進

[全国の年中行事]

(7)2026年春のお彼岸
・2026年3月17日(火)…旧暦1月29日
・彼岸入り
・2026年3月20日(金・祝)…旧暦2月2日
・春分の日
・2026年3月23日(月)…旧暦2月5日
・彼岸明け

(8)2026年3月3日(火)…旧暦1月15日
・ひな祭り

(9)2026年3月14日(土)…旧暦1月26日
・ホワイトデー

(10)2026年3月25日(水)…旧暦2月7日
・春社(春の社日)

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縁日の本来の意味とは?観音菩薩や大黒天の縁日はいつ・なにをする?お祭りとの違いは?
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沖縄の旧盆で供える重箱料理とは?慶事と弔事の違い・詰め方・意味を徹底解説
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