・新暦2023年10月、沖縄の旧暦カレンダーは?
・沖縄の旧暦カレンダーで、カジマヤーはいつ?
・沖縄の旧暦カレンダーでチクザキ(菊酒)は?
・沖縄の旧暦10月のカミウガミ(神拝み)とは?
2023年10月、沖縄の旧暦9月カレンダーは、旧暦8月17日~9月17日です。
沖縄の大綱引き行事「ジューグヤ(十五夜)」も終わった頃ですが、沖縄の旧暦9月カレンダーは97歳の長寿を祝うカジマヤーユーエーがあります。
本記事を読むことで2023年10月、沖縄の旧暦9月カレンダーと、それぞれ沖縄の旧暦行事の拝み方、概要が分かります。
後半では2023年10月の二十四節気や全国的な年中行事もご紹介しますので、どうぞ最後までお読みください。
2023年10月、沖縄の旧暦9月カレンダーとは?
◇2023年10月、沖縄の旧暦9月は、カジマヤーユーエーやチクザキがあります
2023年10月、沖縄の旧暦カレンダーは旧暦8月17日~9月17日、この時期の年中行事は97歳長寿祝いのカジマヤーユーエー(風車祝い)や、健康祈願のチクザキ(菊酒)が有名です
<2023年10月:沖縄の旧暦9月カレンダー> | |||
[新暦] | [旧暦] | [旧暦行事] | |
●沖縄の旧暦行事 | |||
[1] | 2023年10月15日(日) | ・旧暦9月1日 | ・チィタチの拝み |
[2] | 2023年10月21日(土) | ・旧暦9月7日 | ・カジマヤーユーエー(風車祝い) |
[3] | 2023年10月23日(月) | ・旧暦9月9日 | ・チクザキ(菊酒) |
[4] | 2023年10月27日(金) | ・旧暦9月13日 | ・ジューサンヤ(十三夜) |
[5] | 2023年10月29日(日) | ・旧暦9月15日 | ・ジューグニチの拝み |
●沖縄の記念日 | |||
[1] | 2023年10月17日(火) | ・旧暦9月3日 | ・沖縄そばの日 |
[2] | 2023年10月25日(水) | ・旧暦9月11日 | ・空手の日 |
●全国行事 | |||
[1] | 2023年10月9日(月) | ・旧暦8月25日 | ・スポーツの日 |
[2] | 2023年10月21日(土) | ・旧暦9月7日 | ・秋土用入り |
[4] | 2023年10月28日(土) | ・旧暦9月14日 | ・秋土用の間日 |
[5] | 2023年10月30日(月) | ・旧暦9月16日 | ・秋土用の間日 |
[6] | 2023年9月27日(水) | 旧暦8月13日 | 社日 |
●節気 | |||
[1] | 2023年10月8日(日) | 旧暦8月24日 | ・寒露(かんろ) |
[2] | 2023年10月24日(火) | 旧暦9月10日 | ・霜降(そうこう) |
また全国行事では立冬に向けた前18日間に訪れる「秋土用」が、2023年10月21日から始まります。
立春・立夏・立秋・立冬前18日間の土用は、土を司る土神様「トゥーティークー(土公帝)」の時期ともされ、基礎工事や土を耕すなど、土を掘り起こす作業や土いじりは忌まれててきました。
ただ土用の間日は、土いじりをしても良いとされます。
・2024年土用の丑の日はいつ?「土用」とは?やってはいけないこと・やると良いこと?
正五九月のカミウガミ(神拝み)
◇「正五九月」とされる旧暦1月・5月・9月は神様を巡拝する季節です
沖縄では「正五九月」とされる旧暦1月・5月・9月は「忌み月」とされます。
そこで人々は忌み月に安全に暮らすため、また神様への感謝と今後の繁栄を祈願して、さまざまな「カミウガミ(神拝み)」の巡拝行事を行ってきました。
<正五九月のカミウガミ(神拝み)> | |
[地域の巡拝] | ・アガリウマーイ(東御参り) ・ウラシーウガミ(浦添拝み) ・ナカグシクマーイ(中城回り) |
[その他] | ・ティラヌムメー(寺参り) ・首里十二か所参り(十二支参り) ・琉球七観音参り |
…などがあり、アガリウマーイ(東御参り)などの地域の巡拝行事が昔から行われてきたもので、琉球王朝から伝わる「アマミキヨ」の痕跡を辿る巡拝行事です。
琉球七観音参りなどは、比較的近代行われるようになりました。
旧暦9月~10月時期に、このような巡拝行事をしばしば見受けます。
沖縄の旧暦カレンダー:カジマヤー
◇沖縄の旧暦9月7日、2023年10月21日(土)はカジマヤーユーエーです
2023年10月21日(土)、沖縄の旧暦9月7日は、数え年97歳の長寿を祝う「カジマヤーユーエー(風車祝い)」です。
カジマヤーユーエーは漢字で「風車祝い」、人生97年を経て子どもに還る意味があります。
<カジマヤーユーエーとは?> | |
[2023年カジマヤーの人] | ・1927年(昭和2年)生まれ ・数え年97歳 ・干支:丁卯 |
[沖縄のカジマヤーユーエー] | ①地域行事 ・華やかなトラックや車で集落を巡る ②家の行事 ・床の間にお米を祀る ・風車を祀る ・参加者にあやかり昆布を配る …など。 |
また沖縄の長寿祝いは、ホテルの豪華ディナーによる会食を開催する家族や親族も多く見受けます。
特にコロナ禍の2020年以降、集落のカジマヤーユーエー(風車祝い)が中止になることも多く、家族単位でのお祝いも増えました。
2022年・2023年で集落のカジマヤーユーエーパレードも復活の兆しを見せています。
・沖縄のカジマヤーユーエー(風車祝い)☆家族が行う3つの拝みと行い方
数え年九十七歳は「ウフトゥシビー」
◇沖縄で数え年97歳に長寿祝いを行うのは、沖縄に「トゥシビー」の考え方があるためです
「トゥシビー」とは沖縄の厄年で、自分が生まれた年の干支にあたる年、一年が厄年とされます。
<沖縄の厄年「トゥシビー」とは?> | |
[言葉] | [意味] |
・トゥシビー(年目) ・年回り |
・クルブシ(黒星) ・厄年 |
ただ数え年六十一歳、還暦を過ぎると厄災を抜けて長く生きたとして一転、お祝いの年となり、数え年九十七歳には子どもに戻るとして、さらに盛大にお祝いします。
・沖縄のウフトゥシビー拝み☆厄年の厄を祓うお供え物と拝み方
家庭で行うカジマヤーユーエー(風車祝い)
◇カジマヤーユーエー(風車祝い)は家庭でも行います
沖縄のカジマヤーユーエー(風車祝い)は全国的に、豪華にラッピングされた車で巡回する、集落行事が有名ですよね。
けれどもカジマヤーユーエー(飾車祝い)は家庭内でも神様へお供え物をして、お祝いをします。
<カジマヤーユーエー(風車祝い)のお供え物> | |
[供える神様] | [場所] |
・ヒヌカン(火の神様) | ・台所 |
・トゥクヌカミ(床の神様) | ・床の間(リビング) |
・ウヤファーフジ(祖霊) | ・お仏壇 |
長寿を守護していただいた神々様へ感謝を捧げるとともに、長寿にあやかるとして集まりお祝いをしてくださる人々に、小さな風車やお菓子などを配る家が多いです。
・沖縄のカジマヤーユーエー(風車祝い)☆家族が行う3つの拝みと行い方
沖縄の旧暦カレンダー:チクザキ
◇「チクザキ(菊酒)」とは、菊の葉を3枚浮かべた健康祈願です
2023年10月23日(月)、沖縄の旧暦カレンダーでは旧暦9月9日「チクザキ(菊酒)」の日、沖縄では「クングァッチクンチ(9月9日)」とも言います。
家族の健康祈願として、菊の葉3枚を浮かべたお酒をお供えするとともに、家族でいただく沖縄の旧暦行事です。
<沖縄の旧暦カレンダー:チクザキ(菊酒)> | |
[お供え] | ・お酒に菊の葉3枚を浮かべる |
[供える場所] | ・ヒヌカン(火の神) ・お仏壇 |
[チクザキ行事] | |
①大人…ウサンデー | ・お供え物を下げていただく ・菊の葉を3枚浮かべたお酒をいただく |
②子ども…ユビナディ(指撫で) | ・お酒を指の腹に浸ける ・指をおでこに付ける ・3回繰り返す |
③家族の健康を祈願する |
大人は、供えた菊の葉を3枚浮かべた「チクザキ(菊酒)」をいただきます。
子どもは、大人が指の腹にチクザキ(菊酒)を浸け、子どものおでこにちょんちょんちょんと、3回付けます。
その後、日ごろのお見守りへの感謝、次の一年へ家族の健康を祈願してください。
・沖縄の旧暦九月九日はチクザキ(菊酒)☆家族の健康を願うお供え物と拝み方
チクザキ(菊酒)の時期に行う寺参り
◇チクザキ(菊酒)の時期、赤ちゃんを神様にお披露目するお参り習慣がありました
沖縄の旧暦9月カレンダーでは、家族の健康を祈願するチクザキ(菊酒)の時期に、この一年内に産まれた赤ちゃんを神様仏様へお披露目して、神親(仏親)になっていただく習慣もあります。
・子育て祈願
・ティラヌムメー(寺参り)
また、赤ちゃんが産まれていない家庭でも、忌み月にあたるこの時期、家族の健康を祈願するティラヌムメー(寺参り)も盛んです。
・沖縄で正五九月に行う寺参り(ティラヌムメー)☆神様親になってもらう
沖縄の旧暦カレンダー:関帝王への拝み
◇2023年10月27日、旧暦9月13日は商売繁盛の祈願です
関帝王は三国志で知られる人物「関羽」、中国後漢末期の武将を差します。
歴史書のなかで関羽は主君へ忠義を尽くし義理堅く、人並み外れた武勇の武将として有名です。
<沖縄で「関帝王」とは>> | |
[歴史] | ●関羽(かんう) [人物] ・162年~219年 ・蜀漢(しょくかん)の将軍 [性格] ・主君劉備(りゅうび)に忠義を貫く ・人並外れた武勇 ・信義、信用 |
[全国] | ●関聖帝君(かんせいていくん) [場所] ・横浜関帝廟 [御利益] ・交通安全 ・商売繁盛 ・入試合格 ・学問 |
[沖縄] | ●関帝王(クワンティンオー) [場所] ・久米至聖廟 [御利益] ・商業神 |
数多くの武勇伝を残す関羽が、沖縄では商売神「関帝王」として拝まれているのは、関羽の義理を重んじ、信頼を得る性格が評価されているためです。
関帝王は金銭(ジングトゥ)の神様
◇沖縄で関帝王は商売神「金銭(ジングトゥ)」の神様として知られます
関帝王は2023年現在、波の上宮のすぐ近くにある天妃宮(天尊廟地)に、祀られています。
関帝王信仰は明の時代、琉球王朝に職能集団として中国から移住した「久米三十六姓」が信仰し、広がりました。
その久米三十六姓が移り住んだ地が、久米です。
<関帝王の拝所> | |
[天妃宮(天尊廟地)] | ・天尊廟 ・龍王殿 ・関帝廟 ・天上聖母 (千里眼・順風耳) |
[住所] | ・沖縄県那覇市若狭1-25-1 |
[拝観時間] | ・午前9時~午後5時まで |
沖縄で関帝王は「商売神」、「金銭(ジングトゥ)の神様」として知られ、那覇や首里近郊の家で、床の間(トゥクヌマ)に多く祀られているのが特徴です。
今ではジングトゥ(金銭)の神様として、あらゆる商いを営んでいる方々、金銭的な祈願を行う方々に信仰されています。
関帝王へ参るジューサンヤー(十三夜)
◇沖縄で関帝王信仰が受け継がれている家では13日が縁日です
「縁日」とは、特定の神様と繋がりやすい日とされます。
沖縄で旧暦13日は、関帝王との縁日です。
お参りが盛んな正五九月の13日に、関帝廟へ参拝する家もあるでしょう。
・旧暦1月13日
・旧暦9月13日
関帝王を昔から信仰する家は、床の間(トゥクヌマ)に、代々継承される関帝王の掛け軸を飾る本家も多いため、この日は掛け軸にお供え物をします。
現代、新しく商売神として信仰する家では、リビングに置く人が多いですね。
ただ忌み月でも5月は、家庭でヒヌカン(火の神様)を通して遥拝(ようはい)し、九月のみお参りする家が多いです。
沖縄の旧暦カレンダー:観音拝み
◇2023年11月1日(水)、旧暦9月18日は観音様の縁日です
新暦2023年11月1日(水)と来月1日になりますが、旧暦18日は観音様の縁日として「観音拝み」があります。
・家族の平穏な暮らし
・家族の健康
●神様親(仏親)
・子どもの健やかな成長
・子どもの健康を守護
「三十秘仏」で一カ月の日にちで示される、観音様の縁日は18日です。
関帝王と同じように観音様を祀る家庭では、正五九月の旧暦18日に「観音拝み」を行う家が多いでしょう。
・旧暦1月18日
・旧暦9月18日
観音拝み行事を行う拝みも、関帝王拝みと同じく旧暦1月・9月が一般的です。
観音様へ拝み、家族の健康と子どもの健やかな成長を祈願します。
観音様を参る
首里観音堂は観音参りの他、干支の守り本尊様を巡る「首里十二か所参り」など、さまざまな拝み事で参拝します。
ただし沖縄には各地に観音様がおり、昔ながらの観音拝みでは、集落の観音様へ毎年拝むものでした。
あまりに多いので、今回は多くの人々に知られる首里観音堂をご紹介します。
<首里観音堂> | |
[御本尊] | ・千手観音菩薩 |
[祀られる仏様] | ・薬師如来 ・地蔵菩薩 ・普賢菩薩 ・虚空蔵菩薩 ・勢至菩薩 …など |
[住所] | ・沖縄県那覇市首里山川町3丁目1 |
[HP] | https://www.shuri-kannondo.com/ |
[拝観時間] | ・午前9時30分~午後5時まで |
家庭では旧暦9月18日に観音様を迎え入れ、ヒヌカン(火の神様)を通して遥拝(ようはい)することもあります。
地域の集落の他、「琉球七観音」など、沖縄には多くの観音様がいますので、相性の良い観音様を訪れるのも良いでしょう。
・沖縄の『首里十二か所巡り』とは☆人々を守る干支の守り本尊様を迎え入れる
・沖縄で琉球七観音を家へ迎え入れ☆久志観音堂など五拝所を紹介
2023年10月:沖縄の旧暦9月カレンダー
◇2023年10月、沖縄の旧暦9月の二十四節気は秋分→寒露→霜露
2023年10月、旧暦8月17日~9月17日に当たる二十四節気は、秋分→寒露→霜露と寒さが厳しくなる季節です。
全国的には冬物へ衣替えの季節、七五三の準備を行い、運動会や秋祭りなどで賑わう時期でしょう。
<2023年10月:沖縄の旧暦9月の節気> |
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【二十四節気】秋分(しゅうぶん) | ||
●七十二候 | ||
(次候) | 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) | 9月28日(木)~10月2日(月) |
(末候) | 水始涸(みずはじめてかる) | 10月3日(火)~10月7日(土) |
【二十四節気】寒露(かんろ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 鴻雁来(こうがんきたる) | 10月8日(日)~10月12日(木) |
(次候) | 菊花開(きくのはなひらく) | 10月13日(金)~10月18日(水) |
(末候) | 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) | 10月19日(木)~10月23日(月) |
【二十四節気】霜降(そうこう) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 霜始降(しもはじめてふる) | 10月24日(火)~10月28日(土) |
(次候) | 霎時施(こさめときどきふる) | 10月29日(日)~11月2日(木) |
2023年10月は寒さを感じる言葉が多いですよね。
インフルエンザの予防接種が盛んになるのもこの季節です。
10月の和名は「神無月(かんなつき)」八百万の神様が出雲の国へ集まるため、神様がいなくなる月とされますが、出雲のみ「神在月(かみありつき)」になります。
時候は「清秋の候」「日増しに秋も深まり」結びの言葉には「秋冷の折、くれぐれもご自愛ください」など、少しずつ寒さを感じる様子が伺えるでしょう。
まとめ:沖縄の旧暦9月カレンダーは、カジマヤーです
沖縄の旧暦9月カレンダーでは旧暦9月7日のカジマヤーユーエー(風車祝い)が有名ですよね、チクザキ(菊酒)もささやかな拝み事として、現在も見受ける行事です。
この時期になると、沖縄のスーパーで菊の葉を販売しているお店もあります。
また昔から旧暦9月は、日ごろは家でヒヌカン(火の神)を通して神々様へ拝むところ、ウガンジュ(拝所)へ巡拝する家もあるでしょう。
首里観音堂のような寺院や神社もありますが、自然崇拝が強い沖縄では、自然のなかにイビ(拝み処)がある、御嶽(うたき)への巡拝も多いです。