・2023年沖縄の旧暦8月15日の十五夜はいつ?
・2023年の秋のお彼岸はいつからいつまで?
・2023年沖縄の旧暦8月(新暦9月)の行事は?
2023年沖縄の新暦9月は旧暦7月17日~8月16日にあたります。
この期間は大綱引きで有名なジューグヤ(十五夜)や、秋のお彼岸、トーカチユーエー(斗掻祝)など、沖縄の旧暦行事で目白押しです。
本時期を読むことで、2023年新暦9月、沖縄の旧暦7月後半~8月前半の行事がわかります。後半には二十四節気もご紹介しているので、どうぞ最後までお読みください。
2023年、沖縄の新暦9月(旧暦7・8月)の年中行事
◇2023年新暦9月、沖縄の旧暦7・8月には、ジューグヤー(十五夜)が盛大に行われます
2023年9月29日は、沖縄で旧暦8月15日のジューグヤ(十五夜)です。この日は沖縄各地で集落を上げた大綱引きや奉納行事で賑わる地域も少なくうありません。
さらにジューグヤ(十五夜)」の一週間前は「トーカチユーエー(斗掻祝)」、沖縄でも数え年88歳のこの日、米寿をお祝いします。
<2023年沖縄の新暦9月:旧暦8月の行事カレンダー> | |||
[新暦] | [旧暦] | [旧暦行事] | |
●沖縄の旧暦行事 | |||
[1] | 2023年9月15日(金) | 旧暦8月1日 | ・チィタチの拝み |
[2] | 2023年9月22日(金) | 旧暦8月8日 | ・トーカチユーエー(斗掻祝) |
[3] | 2023年9月22日(金)~25日(月) | 旧暦8月8日~11日 | ・ヨーカビー(八日目) |
[4] | 2023年9月23日(土)~25日(月) | 旧暦8月9日~11日 | ・シバサシ(柴差し) |
[5] | 2023年9月24日(日) | 旧暦8月10日 | ・八月カシチー(八月強飯) |
[6] | 2023年9月29日(金) | 旧暦8月15日 | ・ジューグヤ(十五夜) |
[7] | 2023年9月29日(金) | 旧暦8月15日 | ・ジュウグニチの拝み |
●沖縄の記念日 | |||
[1] | 2023年9月4日(月) | 旧暦7月20日 | ・クース(古酒)の日 |
[2] | 2023年9月17日(日) | 旧暦8月3日 | ・ヤンバルクイナの日 |
[3] | 2023年9月18日(月) | 旧暦8月4日 | ・島くとぅばの日 |
●全国行事 | |||
[1] | 2023年9月18日(月) | 旧暦8月4日 | ・敬老の日 |
[2] | 2023年9月20日(水)~26日(火)秋のお彼岸 | ||
2023年9月20日(水) | 旧暦8月6日 | ・秋彼岸の入り | |
2023年9月23日(土) | 旧暦8月9日 | ・秋分の日 | |
2023年9月26日(火) | 旧暦8月12日 | ・秋彼岸明け | |
[3] | 2023年9月27日(水) | 旧暦8月13日 | 社日 |
●節気 | |||
[1] | 2023年9月8日(金) | 旧暦7月24日 | ・白露 |
[2] | 2023年9月23日(土) | 旧暦8月9日 | ・秋分 |
八月カシチー(ハチグァッチカシチー)は、沖縄では魔除けの旧暦行事となるシバサシ(柴差し)と併せて行う家が一般的ではありますが、一部、別日に行うこともあります。
沖縄の旧暦8月8日:トーカチユーエー
◇2023年9月22日(金)、沖縄の旧暦8月8日は米寿のトーカチユーエーです
干支年に長寿を祝う沖縄ですが、旧暦8月8日の米寿(88歳)は、全国と同じく沖縄でも盛大に祝います。
全国的な米寿でも同じですが、「米」の文字を分解すると「八十八」になることから、旧暦8月8日がトーカチユーエー(斗掻祝)になりました。
<2023年9月22日:沖縄の旧暦8月8日> | ||
●トーカチユーエー(斗掻祝) | ||
[日程] | [旧暦] | [行事] |
・2023年9月19日(火) | 旧暦8月5日頃~ | メーニゲー(前祝い) |
・2023年9月22日(金) | 旧暦8月8日 | トーカチユーエー(斗掻祝) |
集落で祝う地域もあれば、家族や親族で祝う家もあるでしょう。
長寿を祝うことで、長生きへの感謝と今後のお見守りを祈願するとともに、一緒に祝う人々は、長寿にあやかることができます。
メーニゲー(前祝い)とは
◇沖縄では旧暦8月5日、トーカチユーエーの3日前に前祝いの祈願をします
来る3日後の旧暦8月8日(2023年9月22日・金)にトーカチユーエー(斗掻祝)を行うことを集落の神社やウガンジュ(拝所)である「産土神(うぶすながみ)様」へご報告する行事です。
[拝所]
・集落のウガンジュ(拝所)
・集落のウフガー(産まれた川)
・ご先祖様のお墓
…など
[祈願すること]
・無事にお祝いが済ませられますように
・お導きがありますように
…など
ウフガー(産川)とは、産まれた時に産湯を汲んだ井戸を差しますが、現代は住んでいる集落や、産まれた集落の井戸や川のウガンジュ(拝所)を差します。
また家によっては、集落の神社や御嶽(うたき)などのウガンジュ(拝所)、古いご先祖様のお墓「按司墓(あじはか)」などを廻ることもあるでしょう。
トーカチユーエー(斗掻祝)とは
◇トーカチユーエー(斗掻祝)では、床の間にお米九合を飾ります
トーカチユーエー(斗掻祝)の「トーカチ(斗掻)」は、その昔にお米を枡(ます)で計っていた頃、山盛りにしたお米を平らにならす時に使用した竹の棒です。
これを床の間にお米と飾って祝い、長寿にあやかるため、集まった人々に「あやかり昆布」などのお祝いを配ります。
・【沖縄の行事】トーカチユーエーの進め方☆旧暦8月8日(2023年9月22日)
2023年沖縄の旧暦8月8日:ヨーカビー
◇ヨーカビー(八日日)やシバサシ(柴差し)は、悪霊・悪疫祓い行事です
今では少なくなりましたが、ヨーカビー(八日目)もシバサシ(柴差し)も、妖怪や悪い霊(ヤナカジ)などを祓う、悪霊祓い行事です。
ヨーカビー(八日日)は「妖怪火」とも書き、現代における「火の玉」を差します。
旧暦7月13日~15日の旧盆を終えた翌月、お祓い行事を行う流れです。
ヨーカビー(八日日)
◇集落では夜に丘の上から火の玉を確認し、家では爆竹を鳴らしました
その昔の沖縄では旧暦8月8日になると、丘の上など集落が見渡せる高い場所から火の玉が現れるかを確認し、火の玉が入った家では厄祓いを行う風習がありました。
●爆竹を鳴らして悪霊祓い
・イニンビー(遺念火)…悔恨を残した魂
・チングトゥ…棺桶などを作る音
夜にヨーカビー(妖怪火)やイニンビー(遺念火)、チングトゥの音が聞こえた家では、爆竹を鳴らして悪霊祓いをします。
ただ現代は蛍光灯が常設されているため、昔のような風習は残さない集落が多いでしょう。
シバサシ(柴差し)
◇シバサシ(柴差し)では家に結界を作り、悪霊や悪疫を払いのけます
「シバサシ(柴差し)」は、家の四隅など要所に悪霊祓いの呪具「サン(ゲーン)」を差し、結界を作る行事です。
サン(ゲーン)は呪具と言っても桑の葉をススキ3本に結んだもので、手軽に作れるものです。
●悪霊・悪疫祓いの呪具
・ススキ…サン
・桑の葉…ゲーン
桑の葉を使用したゲーンは、ススキ3本を結んだサンよりも、より呪力が高いとする考え方もあります。
またススキのみのサンは、沖縄ではお弁当の上に乗せるなど、今も地方では日常的に使用する厄除け、悪霊祓い道具です。
・【沖縄の行事】旧暦8月はヨーカビー・シバサシ☆沖縄に残る5つの悪霊祓い
2023年沖縄の旧暦8月10日:八月カシチー
◇2023年9月24日頃、沖縄の旧暦8月10日八月カシチーです
2023年9月24日(日)沖縄で旧暦8月10日の八月カシチー(ハチグァッチカシチー)は、旧暦6月に行われる六月カシチー(ルクグァッチカシチー)に続く収穫祭です。
「カシチー」とは、漢字で「強飯」と書き、もち米を加えて炊いた「おこわ」を差します。
八月カシチーは赤飯
◇六月カシチーは白飯ですが、八月カシチーは赤飯です
六月カシチーは白飯(白米+もち米)ですが、八月カシチーでは赤飯(白米+もち米+小豆)を焚いて、ヒヌカンとお仏壇へ供えます。
・六月カシチー…シルカシチー(白い強飯)
・八月カシチー…アカカシチー(赤い強飯)
米の収穫に感謝して来年度も無事に豊作を願う収穫祭なので、もともとは農耕集落で行われてきた儀礼です。
ただし、今では集落行事としてはほとんど見受けることはありません。
八月カシチーで安定収入を祈願
◇昔は農耕儀礼のひとつでしたが、現代は安定収入を祈願します
「今年も一年、家族が何事もなく、ご飯に困らない暮らしができますように」との願いを込めて、ヒヌカンやお仏壇に供えるようになりました。
・無事にご飯を食べられる暮らしに感謝する
・家族の健康と繁栄祈願
・(豊作に掛けて)安定した収入祈願
…このようなことから、一時は廃れたカシチー行事でしたが、2023年現代の沖縄では旧暦8月10日に家族単位でお赤飯を炊き、ヒヌカンやお仏壇、トゥクヌカミ(床の神)に供える家が増えています。
2023年9月29日:沖縄の旧暦行事「ジューグヤ」
◇旧暦8月15日ジューグヤ(十五夜)は、大綱引きなどの奉納行事を行います
2023年9月29日(金)は沖縄で旧暦8月15日にあたる「ジューグヤ(十五夜)」です。
全国的な十五夜では白だんごを供えてお月見をしますが、沖縄では大綱引きなど、集落をあげた旧暦行事を行います。
[集落行事]
・大綱引き
・奉納行事(エイサー、組踊り、相撲など)
[家庭行事]
・フチャギムチ
沖縄では今も各地で、前述した六月カシチー、八月カシチー、ジューグヤ(十五夜)のいずれかで大綱引きなど盛大な行事を行うため、全国的にも人気が高い、沖縄の旧暦行事のひとつです。
ジューグヤ(十五夜)の大綱引き
◇ジューグヤ(十五夜)の大綱引きは、糸満や那覇が有名です
ジューグヤ(十五夜)と言えば大綱引きです。
沖縄では本島をはじめ、離島各地で大綱引きや相撲大会が行われますが、特に那覇や糸満大綱引きは人気です。
・糸満大綱引き…2023年9月29日(金)
この日に向けて大繩を皆で編み、地域の子ども達はお披露目するエイサーや旗頭などの演武を練習して、当日は地域の御嶽(うたき=拝み処)などへ奉納します。
ジューグヤ(十五夜)のフチャギムチ
◇「フチャギムチ」とは、おもちに小豆をまぶしたものです
また2023年9月29日、沖縄旧暦8月15日のジューグヤ(十五夜)では、「フチャギムチ」と呼ばれるおもちを供えます。
[フチャギムチとは]
・おもちに小豆をまぶしたもの
[お供え]
・ヒヌカン
・お仏壇
・トゥクヌカミ(床の間)
全国的なお彼岸で供えるおはぎとは違い、すり潰していない小豆をまぶしたおもちで、甘くありません。
フチャギムチは月、小豆は星や月に掛かった雲を表します。
そのため、小豆をすり潰して真っ黒に染めない作り方が特徴です。
・【沖縄の旧暦行事】2023年の十五夜はいつ?フチャギの作り方と家拝みの仕方
2023年9月20日~:秋のお彼岸
◇2023年9月20日~26日までは、秋のお彼岸です
沖縄ではハチグァッチヒガン(八月お彼岸)と言い、全国的な秋のお彼岸とは違い、この7日間で「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」を行う風習がありました。
[全国]
・お墓参りをする
・秋の食事をいただく
[沖縄]
・お仏壇で拝む
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」とは、名前の通り住まいの要所要所にいらっしゃる神々様へ、日ごろの感謝と今後のお見守りを祈願するものです。
春のお彼岸・秋のお彼岸・年末(旧暦12月24日)の3回とされていますが、家や地域によっては1回~2回に省略することもあります。
そのなかでも秋のお彼岸である八月ヒガンは、ご先祖様を供養するお彼岸として、家を掃除して拝みを行う家庭は少なくありません。
・【沖縄の春彼岸】お彼岸に行う屋敷の御願とは?六柱の神々と十ヶ所の拝み処
2023年新暦9月:沖縄の旧暦8月の節気
◇2023年新暦9月、沖縄の旧暦7月・8月の二十四節気は処暑→白露→秋分です
2023年新暦9月、沖縄では旧暦7月18日~8月16日に当たる二十四節気は、秋に向かう白露→秋分へと続きます。
秋のお彼岸は2023年9月23日(土)の秋分の日を中心として、前後3日間を含めた1週間ですので、9月20日(水)~9月26日(火)の7日間、敬老の日は9月18日(月)なので、2023年のシルバーウィークは実質土日のみとなるでしょう。
<2023年新暦9月:沖縄の旧暦8月の節気> |
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【二十四節気】処暑(しょしょ) | ||
●七十二候 | ||
(末候) | 天地始粛(てんちはじめてさむし) | 8月28日(月)~9月2日(土) |
(末候) | 禾乃登(こくものすなわちみのる) | 9月3日(日)~9月7日(木) |
【二十四節気】白露(はくろ) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 草露白(くさのつゆしろし) | 9月8日(金)~9月12日(火) |
(次候) | 鶺鴒鳴(せきれいなく) | 9月13日(水)~9月17日(日) |
(末候) | 玄鳥去(つばめさる) | 9月18日(月)~9月22日(金) |
【二十四節気】秋分(しゅうぶん) | ||
●七十二候 | ||
(初候) | 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) | 9月23日(土)~9月27日(水) |
(次候) | 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) | 9月28日(木)~10月2日(月) |
2023年新暦9月、沖縄の旧暦8月は秋のお彼岸やジュウグヤー(十五夜)など、秋の訪れを実感する季節です。
暦としても9月は日に日に夜が長くなる「夜長月」が、いつしか「長月」になったように、夏から秋への移り変わりを感じます。
時候も「早秋の候」「鈴虫の音が美しく」「鰯雲が秋を告げております」など、秋を感じる言葉から始めると良いでしょう。
・【沖縄の秋彼岸】2023年は9月20日(水)~26日(火)、秋彼岸3つの過ごし方
2023年新暦9月、沖縄の旧暦8月はジューグヤです
2023年新暦9月、沖縄の旧暦7月17日~8月16日に掛かる時期は、何と言っても大綱引きなどの奉納行事で賑わう「ジューグヤ(十五夜)」でしょう。
2023年は新暦9月後半、沖縄の旧暦行事が全国的な秋彼岸と重なるため、なにかと慌ただしくなります。
大綱引きを開催する集落では、毎週末に集まって縄をない、当日には中学生も朝から手伝う行事です。
コロナ禍で中止を余儀なくされてきましたが、2023年は沖縄の旧暦行事が次々と再開されているため、ジューグヤ(十五夜)も各地で開催されることになるでしょう。