沖縄で深刻化するお墓問題とは?本州と違う特徴や、墓主が抱える6つの問題や対策を解説

2024.09.22
沖縄で深刻化するお墓問題とは?本州と違う特徴や、墓主が抱える6つの問題や対策を解説

個人墓地が多い沖縄では本州のお墓問題よりも複雑な事情を抱えています。墓地の名義等で複雑化し問題の解消を断念する墓主も少なくありません。本記事では沖縄ならではのお墓問題・本州とは違う5つの特徴・墓主が抱える6つの問題と解決策が分かります。

・沖縄の深刻なお墓問題の特徴は?
・沖縄で墓主が抱える6つの問題と解決策は?
・沖縄でお墓問題を解消する手順は?

私有地である個人墓地に建つお墓が多い沖縄では、本州のお墓問題よりも複雑な事情を抱えています。沖縄でも無縁墓の問題は抱えているものの、墓地の名義問題等で手続きが滞り、抱えているお墓問題の解消を断念する墓主も少なくありません。

本記事を読むことで、沖縄ならではのお墓問題・本州とは違う5つの特徴や、沖縄の墓主が抱える6つの問題と解決策が分かります。

沖縄の特殊なお墓問題とは

沖縄のお墓のしきたり
本州では江戸時代の取り決めにより民衆は集落の寺院に属し、亡くなると寺院の境内墓地(寺院墓地)に建つお墓に埋葬されてきました。これを「檀家制度」と言い、現代の戸籍と同じ役割を果たします。

一方で琉球王朝の歴史を持つ沖縄は独自のお墓文化を辿ってきたため、昔から檀家制度の風習がありません。私有地にお墓を建てる「個人墓地」が主流です。
戦後に日本復帰を果たすまで、比較的自由に個人でお墓を建ててきました。

さらに琉球王朝時代からの「琉球神道」により、ご先祖様を神格化する「祖霊信仰」が根付いています。そこで沖縄では嫡男が門中墓・先祖代々位牌「トートーメー」を継承するしきたりがありました。この点が沖縄の、本州のお墓とは大きく違う問題の要因でしょう。

 

 

①沖縄に残る門中墓のしきたり

沖縄では父方の血族が入る「門中墓(むんちゅうばか)」があります。現代では門中墓により決まり事は異なりますが、もともとは父方の血族とその嫁のみが入るとされました。

父方血族のなかでも嫡男が継承するとされ、次男以降は新しくお墓を建てる方法が昔の流れです。沖縄で門中墓を継承し墓主となった宗家は「ムチスク」「ムートゥーヤー」と呼ばれます。

沖縄のしきたりとしては父方血族が継承することに拘るため、お墓の継承者がいないからと血族以外の継承等はあまりありません。次男以降の子ども達から継承者を探します。

ただし法的にはお墓の名義人である墓主の判断で、お墓に入る人を決めることは可能です。そのため現在では、門中墓へ入る人の決まり事も緩くなりつつあります。

 

②沖縄に残るトートーメー継承

沖縄ではお墓の継承とともに先祖代々位牌「トートーメー」を継承します。そしてトートーメーにも嫡男継承(チャクシウシクミ)のしきたりがあり、沖縄のお墓継承を深刻化する原因のひとつです。

トートーメーへの考え方も今では家により異なりますが、昔の沖縄ではトートーメーを家から出してはいけないとされ、それ故に継承した嫡男は沖縄県外等へ移住しにくい壁となる家もありました。

また沖縄にはご先祖様は7代目にして「カミ(神)」となる祖霊信仰が根付くため、継承したムートゥーヤーは丁重にお世話をしなければなりません。年中行事や供養の主催も行います。

特に年中行事や供養の主催はムートゥーヤーに嫁いだ嫁が働くため、かつての沖縄では長男との婚姻を避ける女性もいました。

 

③遠方による継承者の不在

沖縄は離島にあるため高校・大学進学を機会に本州へ移住する子どもも多くいます。本州で就職し家庭を築くと、なかなか沖縄へ戻ることも難しくなるでしょう。

遠方に住んでいてもお墓の継承はできますが、お墓は定期的なメンテナンスが必要です。
特に沖縄のお墓は私有地に建てる「個人墓地」が多いため、墓主がメンテナンスを怠ると一気に廃墟と化し、雑草が生い茂る墓地も多いでしょう。

遠方から行うお墓の管理は、業者に依頼する方法もありますが費用が掛かります
家族で定期的に沖縄を訪れるとしても、飛行機に乗るため交通費が大きくかかる点がデメリットです。

[お墓の継承]
・沖縄でお墓の継承者は誰?引き継ぐとどんな負担がある?継承前に理解したい5つの豆知識

 

④コンクリート墓

沖縄のお墓は大きく、古いお墓にはコンクリート造りのお墓がほとんどです。墓石も劣化はしますが、コンクリートはさらに経年劣化が激しい傾向にあります。

戦後に建てたコンクリート墓のなかにはひび割れがひどく、毎年修繕を要するお墓も見受けるようになりました。大きいお墓で毎年の修繕は、管理費用がかさみます。

沖縄では同じ門中墓に入る家族から定期的にお金を集めて管理費とする「模合(もあい)」制度もありますが、近年では門中墓から抜ける家族も増えました
毎年の修繕では追い付かず、建て替えを検討するお墓も急増しています。

 

⑤遠いご先祖様「アジシー墓」

ご先祖様を神格化する沖縄では、現在使われていないご先祖様のお墓「アジシー墓」を管理する家もあります。

「アジシー墓」は「按司子墓」と書き、琉球王朝時代の高い位「按司」の血統を意味するお墓です。毎年4月の清明の節気に行うお墓参り「シーミー(清明祭)」では、ムートゥーヤーは最初にアジシー墓を参拝する「カミウシーミー(神御清明祭)」を行います。

沖縄でアジシー墓も管理するムートゥーヤーが墓じまいをする場合、現在のお墓とアジシー墓の2基以上を閉じなければなりません。

 

沖縄の墓じまい問題とは

沖縄の墓じまい問題とは
沖縄のお墓は私有地にお墓を建てた「個人墓地」が多い点が、墓じまいにおける本州との大きな違いです。

全国的には昭和23年に施行された「墓地、埋葬に関する法律(墓埋法)」により、墓地の経営は都道府県知事から認定を受けなければなりません。そのため本州では自治体・財団法人・宗教法人等の墓地管理者がいる霊園・寺院墓地等にお墓を建てます。

けれども沖縄においては、日本復帰前まで私有地にお墓を建ててきた風習があったことから、個人でお墓を建てることが認められてきました

 

①沖縄の個人墓地

沖縄の個人墓地は、墓地登録した私有地にお墓を建てる仕組みです。相続において墓地は「祭祀財産」ですが、手続きは不動産と同じ扱いになります。

墓主亡き後に墓じまいを行いたい場合、まずお墓を継承して墓主としての権限を持ってから、墓じまいを進めなければなりません。

この際は他の不動産相続と同じように法務局で相続登記、及び名義変更を行います。祭祀財産は相続財産にはあたりませんが、遺産分割協議等の相続の手順を踏んだ継承が必要です。

・戸籍次項証明書・遺産分割協議書等、不動産同等の相続手続きとなるため多くの手順を踏まなければなりません。

②許可されていない個人墓地

日本復帰以前の沖縄では自由にお墓を建ててきたため、復帰後も墓地登録申請が必要であることを知らないまま、現在に至るお墓も少なくありません。

そのため、そもそも墓地申請の手続きを踏まないまま「墓地等経営許可(墓地登録)」を受けていない墓地もあります。そもそも日本復帰を果たした昭和47年5月15日以前のお墓であれば、許可を受けていないお墓がほとんどです。

沖縄で個人墓地の墓じまいを検討するならば、まず自治体の生活環境課に確認を取ると良いでしょう。

[沖縄県各自治体の生活環境課]
沖縄県:墓地に関すること(ページ下部に記載)

 

③個人墓地の名義人

また相続税や固定資産税がかからない祭祀財産である墓地は、名義変更をしなくても墓主に不便がないことから、何代も前の代から名義変更が行われていない墓地もあります。

墓地の決定権は墓主である名義人にありますから、墓じまいや墓地の譲渡・売却を検討しているならば、まず名義変更を行わなければなりません。

名義人が親までであれば個人で解決もできますが、祖父母・曾祖父母の代になると法廷相続人全員を探す作業が困難になり、名義人変更が滞る沖縄ならではのお墓問題もあります。
名義人変更が滞る事態があれば、司法書士・弁護士等の専門家にも相談を仰ぐと良いでしょう。

④沖縄県が霊園を推奨

沖縄の日本復帰以降、長く個人墓地を許容してきた沖縄ですが、近年では新規でお墓を建てる際には、墓地管理者がいる民間霊園・寺院墓地・公営墓地等に建てることを推奨しています。

その背景には継承者不在による沖縄の無縁墓問題の深刻化があり、荒廃した個人墓地が街の景観を害している地域も出てきました。

また無縁墓を撤去する費用が自治体の財政を圧迫することから、新規で個人墓地にお墓を建てようとしても許可が下りない自治体もあります。

⑤風葬の歴史

沖縄では古くから、遺体を外気に晒して自然に還す「風葬」による葬送文化がありました。

この風葬は戦後の昭和23年(1948年)に墓埋法が制定され、火葬が義務付けられる近年まで続いています。沖縄では風葬の記憶が残る高齢の方々もいるでしょう。

風葬では遺体を納骨室の手前にある「シルヒラシ」に数年晒し、一定年数が過ぎた頃に再び遺体を取り出して骨を洗う「洗骨」の過程を経ます。最後に沖縄の骨壺「ジーシガーミ(厨子甕)」に納め、再び納骨してきました。

そのため墓じまいでお墓の内部調査を進めると、しばしば火葬を済ませていない遺骨が発見されます。火葬していない遺骨は改めて火葬をしなければなりません。

⑥墓じまいのタイミング

琉球神道と呼ばれる独自の信仰を持つ沖縄では、お墓事・仏壇事をいつでも行う訳ではありません。お墓事や仏壇事は墓主や関わる親族と相性の良い日、もしくは神様の目が届かない日に行うとされてきました。

墓主や親族と相性の良い日は、まず関わる人々の干支日以外で日程を決めることです。この他「神様の目が届かない」日は毎年旧暦7月7日の「ヒーナシタナバタ(日無し七夕)」、もしくは「ユンヂチ(閏月)」となります。

ユンヂチ(閏月)」は漢字で書くと「閏月(うるう月)」で、旧暦の月が続けて2回重なる時期です。沖縄ではユンヂチが起きる旧暦1年間は、自由にお墓事・仏壇事ができると信じられてきました。

けれども忙しい現代では仏教に倣い、丁重にお墓の閉眼供養を行いながら、タイミングを気にせず墓じまいを進める方も多いです。

 

 

沖縄のお墓問題を解消する「改葬」とは

沖縄のお墓問題を解消する「改葬」とは
改葬(かいそう)」とは遺骨やお墓を引っ越すことです。
継承者がいないと漏れなく無縁墓と化す個人墓地のお墓を改葬し、永代供養が付いた霊園等へ遺骨やお墓を移動します。

永代供養を利用することで将来的にお墓の継承者がいなくなる不安があっても、墓地管理者により遺骨は管理・供養されるためです。

①永代供養とは

永代供養(えいたいくよう)」とは、霊園の運営会社等の墓地管理者が家族に代わり永代に渡って遺骨の管理・供養をしてくれるものです。

霊園に建てたお墓に永代供養を付ける場合、25年・50年等の契約した一定年数は個別に管理・供養されます。
契約更新がないまま一定年数が過ぎるとお墓は撤去されますが、遺骨は永代供養墓等に合祀されて永代に渡り供養されるでしょう。

遺骨を収蔵する屋内施設「納骨堂」で永代供養を利用した場合には、契約した一定年数は個別スペースに遺骨を安置します。
契約更新がなく一定年数が過ぎると永代供養墓等に合祀され、永代に渡り供養される仕組みが一般的です。

[永代供養墓]
・沖縄の永代供養墓はどんなお墓?費用目安は?他の「永代供養」と何が違うかも詳しく解説

 

 

 

②墓地(霊園)の種類と注意点

ただし墓地(霊園)であれば、どこでも永代供養を受けてくれる訳ではありません。永代供養はあくまでもサービスなので、改葬する墓地(霊園)を決める際には確認が必要です。

基本的に自治体が運営する公営墓地では、お墓を建てる方々のために定期的に僧侶をお呼びして供養を行う永代供養はないでしょう。他の遺骨とともに埋葬する「合祀墓(合葬墓)」でも、供養を伴う「永代供養墓」でははない公営墓地が多いです。

また永代供養を受け付ける寺院墓地は多いですが、基本的に寺院の仏教宗派に基づくでしょう。また運営する寺院に属する「檀家」が義務付けられている寺院墓地が多くあります。

民間霊園は宗旨宗派を問わず利用できるため、独自の信仰を持つ沖縄では比較的受け入れられる傾向にありますが、あらゆる種類を見学しながら相性の良い墓地(霊園)を選びましょう。
墓地(霊園)の種類について詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

③年間管理料がかかる

墓地管理者が運営する墓地(霊園)にお墓を建てると、年間管理料を毎年支払います。寺院墓地では「護持会費(ごじかいひ)」「お布施(おふせ)」の名称も多いです。

「年間管理料」は公共スペース・設備にかかる費用で、分譲マンションにおける「維持管理費」に似ているでしょう。

墓地(霊園)では施設によって、さまざまなサービスがあります。例えばあずま屋・桶や柄杓の貸し出し・個別の法要室・お墓参り後に利用できる芝生広場等は、公共施設です。

そのため年間管理料は墓地(霊園)により幅広く、約5千円~3万円ほどが目安になります。公共スペースや設備が上質になるほど、年間管理料も高くなる傾向です。

沖縄でお墓問題を解消する改葬の手順

沖縄でお墓問題を解消する改葬の手順
沖縄で改葬を進めるならば、まず現存のお墓を墓じまいしなければなりません。そのため墓じまいにより取り出した遺骨の新しい納骨先を、まず最初に決めます。

お墓から遺骨を取り出す改葬では、お墓がある自治体窓口で「改葬許可申請」を行い改葬許可を受けなければなりません。

改葬許可申請では遺骨の受け入れ先を記載する欄があるため行政手続き上でも、最初に遺骨の新しい納骨先を決めておくとスムーズです。

①新しい納骨先を決める

ホームページ等から複数の墓地(霊園)を調査し、2件~3件に絞って墓地見学へ行きましょう。実際に墓地見学をすることで、公共スペースの清潔感・受付スタッフの様子等が確認できます。

最初に遺骨の新しい納骨先を決めることで、納骨先の墓地(霊園)で改葬に関わるあらゆる相談ができる点も心強いです。墓地(霊園)では改葬・墓じまい手順のパックサービスを提供する施設もあるでしょう。

[改葬・墓じまい相談]
・沖縄メモリアル整備協会「改葬・墓じまい

 

②お墓の内部調査

お墓の内部調査を行い、内部にある遺骨の柱数・状態をチェックします。
取り出した遺骨を納骨堂や永代供養墓など、お墓のいらない納骨先にするならば、遺骨1柱ごとの料金システムが多いです。

また風葬時代の遺骨が残っている場合には、火葬を済ませた後の納骨となります。火葬場の予約や別途費用もかかるでしょう。

お墓の内部調査は新しい納骨先の墓地(霊園)に相談すると、適切な業者を紹介してくれることが多いです。その他、石材業者等に相談しても良いでしょう。

③改葬許可申請

お墓がある自治体窓口で改葬許可申請を行い、「改葬許可証」を入手します。
改葬許可証がなければ、お墓から遺骨を取り出すことができません。石材業者も受け付けてくれないので、先に改葬許可申請を行いましょう。

全国的な改葬許可申請では、現存するお墓が建っている墓地(霊園)の管理者から、遺骨の証明として「埋葬証明書」を入手しなければなりません。けれども沖縄の個人墓地では、名義人は墓主本人ですよね。

自治体によっても異なりますが、一般的には墓地の地図・墓主(墓地の名義人)のサイン(印鑑)を提出する手順が多いでしょう。申請前にそれぞれの自治体へ電話確認をすると安心です。

[参照]
・豊見城市「墓地の改葬について
・沖縄市「改葬許可申請書
・那覇市「改葬許可について
・糸満市「墓地の経営許可及び改葬について

 

④閉眼供養

「閉眼供養」とは、お墓から魂を抜く作業です。お墓の扉を開き遺骨を取り出す前に、お墓の魂を抜いて魂のない「墓石」に戻します。開眼供養を行ったお墓であれば、閉眼供養は対で行いましょう。

沖縄ではユタやノロによる「ヌジファー(抜魂)」儀式もありますが、現代では僧侶をお呼びして閉眼供養を行う流れが一般的です。

遺骨の新しい納骨先となる墓地(霊園)で、僧侶の手配も相談できるでしょう。近年ではネットから「僧侶派遣」サービスを利用する方もいます。

閉眼供養で墓主は読経のお礼として「お布施」を包みますが、一般的にお布施に明瞭な料金は提示されません。費用目安としては1回の読経供養に付き、約3万円~5万円を包みます。
お布施の包み方・渡し方マナーについて、詳しくは下記コラムをご参照ください。

 

⑤遺骨の取り出し

改葬許可証がある限り遺骨の取り出しは個人でもできますが、墓石は重く怪我のリスクも伴うため、一般的には石材業者に依頼します。

閉眼供養と遺骨の取り出しは同日に行う方が多いです。閉眼供養時に石材業者に待機してもらい、閉眼供養に続いてお墓の扉を開けます

沖縄では選ばれた「お墓の扉を開く人」が扉を開ける風習がありました。今では石材業者に依頼するため、選ばれた人は墓地の草を摘む等の儀式を行うことが多いです。

また遺骨を取り出す時にも、手に取った後は遺骨にお尻を向けぬよう、後ろずさりで納骨室から退出するしきたりもあります。厄祓いの呪具「サン」を振りながら出る等の風習も見受けるでしょう。

墓石の解体・撤去費用は1㎡あたり約10万円以上が目安ですが、周辺環境や墓石の種類等により大幅に変化するので、事前に現地で見積もりを出してもらう必要があります。

 

⑥墓地廃止手続き

遺骨を取り出した後のお墓は、墓石を撤去して墓地は更地に戻します。
取り出した遺骨は新しい納骨先に納骨しますが、移動は車が一般的です。本州等、遠方に遺骨を運ぶ場合は、ゆうパックでの郵送ができます。

更地に戻した墓地は「墓地廃止届」を提出することで私有地となり、一般的な土地と同じように売却・譲渡が可能です。

[参照]
・石垣市「墓じまい(廃止)に関すること

 

 

⑦遺骨の火葬・メンテナンス

風葬時代の遺骨を取り出した場合、ほとんどの墓地(霊園)で再火葬を済まさなければ納骨を受け付けてくれません。火葬を済ませていない遺骨は衛生面に問題があるためです。

火葬場で予約をして火葬を行います。再火葬の費用目安は約5千円~4万円ですが、遺骨の大きさや状態により異なります。近年では火葬場が混み合っている状況もあるため、早々に予約を取りスケジュールを立てましょう。

また遺骨が汚い状態であれば洗骨や乾燥、よりコンパクトに遺骨を残すために粉骨するケースもあります。状況に応じて遺骨のメンテンナンスを行ってください。

 

⑧納骨式

新しい遺骨の納骨先で納骨式を執り行います。お墓を建てた場合、お墓に魂を入れる「開眼供養」の後に納骨式を行う流れです。

遺骨の取り出しと納骨は同日に行う流れでは、一般的に閉眼供養を依頼した僧侶に納骨式もお願いします。

家族を亡くしてすぐの納骨式とは違うので、墓じまいの納骨式では特別な供物を用意しない方が多いです。供えるならば、お線香等の他に供花・果物・お水等を供えます。分からなければ僧侶に伺うと良いでしょう。

また、同日に複数の読経供養を行った場合には、依頼した回数を考慮してお金を包みます。1回の読経供養で約3万円~5万円が目安ですので、2回では約5万円~6万円が相場です。

 

⑨遺骨の納骨・供養

納骨堂や永代供養墓、樹木葬等、お墓のない永代供養を選ぶならば、納骨後の供養方法も確認しておくと安心です。

永代供養では定期的に供養祭を執り行いますが、墓地(霊園)によって毎月・3か月ごと・仏教行事ごと等、供養祭の頻度が異なります。

また供養祭に家族が参加できるかどうかも確認しておくと安心ですよね。納骨後の参拝方法等も契約前に確認して、納骨後に後悔しないシステムを選びましょう。

 

まとめ:沖縄では霊園等でお墓問題の相談ができます

まとめ:沖縄では霊園等でお墓問題の相談ができます
個人墓地が主流となっている沖縄のお墓問題は、墓地管理者がいる本州よりも複雑です。また独自の祖霊信仰が根付く沖縄では、お墓とともに継承する先祖代々位牌「トートーメー」の継承問題も絡んできます。

このような沖縄のお墓問題は、墓地(霊園)等で相談することも可能です。また仏壇仏具店にトートーメー継承問題とともに相談しても、適切な相談先を紹介してくれるでしょう。

沖縄では改葬によりお墓問題を解消した後、トートーメーの継承問題も解消しなければならないためです。沖縄にはトートーメーの永代供養・処分に関する相談を、お墓の継承問題とともに受け付けてくれる仏壇仏具店もあります。

[沖縄の相談できる仏壇仏具店]
供養ギャラリーMemorial

 

[トートーメーの永代供養]
位牌永代供養

 


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