2025年沖縄の旧暦大晦日「トゥシヌユール」はいつ?過ごし方やお供えレシピ、祝い方

沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」の過ごし方とは?お供え物やレシピ、拝み方

2025.01.04

沖縄では旧暦の大晦日も祝う家庭が多いですよね。旧暦12月30日の大晦日は毎年異なりますが、2025年は1月28日(火)です。本記事では沖縄での大晦日「トゥシヌユール」の過ごし方、ヒヌカンやお仏壇へのお供えものや料理のレシピ、拝み方が分かります。

沖縄では旧暦の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」を祝う風習が残っています。旧暦とは月の暦「陰暦」ですので、西暦で過ごす現代の暦とは少しずつずれていますよね。

2025年沖縄の旧暦大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」は2025年1月28日(火)です。本記事を読むことで、沖縄の旧暦大晦日トゥシヌユール(年の夜)の過ごし方やお供え物、祝い方が分かります。

行事食レシピもご紹介しているのでぜひぜひ参考にしていただいて、2025年は旧暦行事も楽しんでいただけると幸いです。

小正月・二十日正月とは?

沖縄では旧暦行事が今も残り多くの地域で新正月も全国と同じように祝いますが、旧正月も行います。

そのため沖縄では新正月に飾ったしめ縄などのお飾りを旧正月まで飾り続ける家も少なくありません。特に2025年度は新正月が明けた1月中に訪れるので、そのまましめ飾りを飾っても良いでしょう。

ここでは沖縄の旧暦大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」までの行事をご紹介します。

全国的なお正月に向けた大掃除は12月8日に行われる「煤払い」ですよね。沖縄の旧正月では旧暦12月24日が煤払いの日となるでしょう。

旧暦12月24日は屋敷の神々へ感謝を捧げる拝み「ウグァン(御願)」が行わます。これが「ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)」です。

<旧暦12月24日大掃除>
●旧暦12月24日2025年1月23日(木)
・大掃除
・ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)
・ヒヌカン(火の神)掃除
・ウグァンブトゥチ(御願解き)
・ヒヌカン(火の神)上天の拝み
 

ヤシチヌウグァン(屋敷の御願)の後、ヒヌカン(火の神)を祀る家ではヒヌカン(火の神)のステージとウコール(香炉)を掃除して今年1年の祈願を解き、ウティン(御天)へと里帰りをするヒヌカン(火の神)をお見送りします。

それぞれのウグァン(御願)の仕方について、詳しくは下記コラムで解説していますので、コチラを参考にしいながら進めてみてください。

旧暦12月29日が沖縄旧正月の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」、西暦で12月は31日ありますが旧暦では29日です。

沖縄ではトゥシヌユール(年の夜)に旧正月の飾りつけを済ませて、全国的な年越しそばにあたるソーキ汁をいただきます。

<トゥシヌユール(年の夜)>
●旧暦12月29日…2025年1月28日(火)
・旧正月の飾りつけ
・ご馳走を供える
・ソーキ汁をいただく

トゥシヌユール(年の夜)ではヒヌカン(火の神)・仏壇へソーキ汁の御膳などのご馳走を供えて、家族で共食しながら信念を迎えます。

ヒヌカン(火の神)やご先祖様へは、今年一年を家族がブジ(無事)に過ごしたことへの感謝を捧げ、新しい年も良い年となるよう祈願しましょう。

トゥシヌユール(年の夜)の行事食「ソーキ汁」や美味しいレシピ、ヒヌカン(火の神)・仏壇へのお供え物については後ほど詳しく解説しますので、どうぞ最後までお付き合いいただければ幸いです。

旧暦1月1日は旧正月「ソーグァチ(正月)」です。今年も家族でブジ(無事)に新しい年を迎えることができたことに感謝して初のウグァン(御願)「ハチウグァン(初御願)」を行います。

沖縄の旧正月では新年最初に汲んだお水「ワカミジ(若水)」が大切です。かつては集落の井戸「ウフガー(産川)」からワカミジ(若水)を汲みましたが、現代では最初に注いだお水であれば問題はありません。

<ソーグァチ(旧正月)>
●旧暦1月1日…2025年1月29日(水)
・ハチウグァン(初御願)
・ウビナディ(お水撫で)
・正月のお供え

旧正月飾りはトゥシヌユール(年の夜)で飾りますが、沖縄の旧正月はヒヌカン(火の神)や仏壇へのお供え物の供え方も独特です。

トゥシヌユール(年の夜)前から準備を進めるお供え物もあるので、下記コラムをぜひ参考にしてください。

沖縄では旧正月明けの旧暦1月2日から、家族の干支日にヒヌカン(火の神)や仏壇へ守護を祈願するウグァン(御願)「マドゥトゥシビー」もしくは「ウフトゥシビー」を行います。

マドゥトゥシビー」はその年の干支にあたらない家族のウグァン(御願)です。対して「ウフトゥシビー」はその年の干支、つまり年女・年男の家族に対して行います。

60歳以降のウフトゥシビー(大年目)は長生きしたとしてお祝い事へと変わります。マドゥトゥシビー・ウフトゥシビーについて詳しくは下記コラムをご参照ください。

ヒヌカン(火の神)「下天の拝み」とは、里帰りをしていたヒヌカン(火の神)を迎える儀式です。旧暦12月24日にヒヌカン(火の神)を見送る「上天の拝み」を行いますが、コチラと対になった儀礼です。

<下天の拝み>
●旧暦1月4日…2025年2月1日(土)
・ヒヌカン(火の神)迎え

ヒヌカン(火の神)下天の拝みでは一般的に赤ウブク(赤飯)をヒヌカン(火の神)へ3膳供えてお迎えします。お線香でヒヌカン(火の神)を迎える階段を作るなど、独特の作法を用いた迎え方もあるでしょう。

ヒヌカン(火の神)下天の拝みについて、お供え物や迎え方など詳しくは下記コラムをご参照ください。

旧暦1月7日に行う沖縄の旧正月行事「ナンカヌシク(七日節句)」は全国的な人日の節句「七草粥」にあたります。ただし全国的には七草粥をいただきますが、沖縄では沖縄野菜をふんだんに入れた雑炊「ナージューシー(菜雑炊)」が行事食です。

<ナンカヌシク(七日節句)>
●旧暦1月7日…2025年2月4日(火)
・ナージューシー(菜雑炊)をいただく
・正月七日のウイミ(節目)
・旧正月の胃腸を労わる

またナンカヌシク(七日節句)を目安にして正月飾りを片付ける家が多いです。この後にも小正月・二十日正月と続きますが、基本的には松七日とされるように正月祝いは7日間が目安となるでしょう。

正月飾りはお焚き上げで焚き上げる方法がありますが、燃えるゴミとして処分しても問題はありません。正月飾りに塩を振り、白い紙に包んだ後に新聞紙にくるんで捨てることで、より安心して捨てることができるでしょう。

オススメ モダン仏壇

かつて旧暦沖縄の大晦日では、夕方頃に貴重な豚を一頭さばいて、ご馳走を用意しました。沖縄では大晦日にさばく豚を「ソーグァッチグァー(正月豚)」とも呼びます。

●沖縄では「豚は鳴き声以外すべて食べられる」と言われてきました。

今では法的にも難しくなり、家庭で豚を一頭さばくことは難しい世の中になりましたが、沖縄の豚肉料理は「全てを使う」ことで有名です。

それでは沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)から旧正月にかけていただいてきた、豚料理をいくつかご紹介します!どうぞ参考にしてください。

チーイリチャー

チーイリチャーは「血炒め煮」の意味で豚の血を炒める料理です。栄養価が高い血そのものをいただきます。

県外では驚く人々も多いですが、沖縄では今もチーイリチャーを提供する定食屋さんが数多くありますので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

<チーイリチャーで有名な定食屋>
●菜菜
nana (1)
[住所] 〒904-1201沖縄県国頭郡金武町字金武409
[営業時間] 6:00~14:00(売り切れ次第終了)
[定休日] 日曜日
[TEL] 098-968-564
●久松食堂
hisamatu (1)
[住所] 〒904-1201沖縄県国頭郡金武町字金武41
[営業時間] 10:30~14:30(売り切れ次第終了)
[定休日] 日曜日
[TEL] 098-968-2987
※現在、臨時休業中

豚の血を味噌や白出汁と溶かし、茹でた豚の三枚肉の細切りやかまぼこなどの具材とともに炒め煮をする料理で家庭料理としても親しまれてきました。

[沖縄のチーイリチャーレシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
中味汁

中味汁(なかみじる)は沖縄では定番ですね。沖縄の小中学校では給食にも出てくるメニューです。豚の内臓を汁にしていただきます。

中味汁で臭いが気になる方は生姜ヒハチ(ヒバーチ)を少々加える方法がおすすめです。沖縄の食品業者ではレトルトパックの中味汁も販売されているので、試したい方はいかがでしょうか。

<中味汁>
●オキハム
中味汁350g…503円

沖縄では中味汁用に豚の大腸・小腸・胃などが販売されているので調理もしやすいです。お汁は一般的に豚のゆで汁とたっぷりのかつお節で作った汁、醤油・お塩で味調整をします。

[沖縄の中味汁レシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
ソーキ

ソーキは骨付きあばら肉ですね。トゥシヌユール(年の夜)では年越しそばにあたる行事食になっていますし、ソーキが具材の沖縄そば「ソーキそば」は定番人気です。

またソーキには軟骨がプルプルに柔らかくなるまで煮た「軟骨ソーキ」もあります。軟骨ソーキは長く煮続けますが、最近は圧力鍋で手軽に作られるようにもなりましたね。

骨付きあばら肉は茹でて沸騰させアクを取った後、再び長ネギの青い部分とともに、酒・みりん・砂糖・醤油・水と一緒に煮込むと出来上がりです。

ソーキレシピについて詳しくは後ほどご紹介するので、どうぞ最後までお読みください。

ラフテー

皮つき豚バラの三枚肉を煮付けた豚角煮「ラフテー」も沖縄の定番料理ですね。沖縄そばにラフテーを具材として入れるのが定番です。

また沖縄ではお供え物の重箱料理にもラフテーが欠かせません。全国的な豚の角煮とは違い、皮つきの豚三枚肉を使います。またお酒ではなく泡盛で調理します。

ラフテーもソーキ同様に一度茹でてアクを取り、豚肉を洗った後で柔らかくなるまで弱火で煮詰めるだけです。豚の茹で汁を残して豚だしとして使うことがポイント、出汁と泡盛、お砂糖は黒糖にするとより沖縄らしいラフテーになるでしょう。

[沖縄のラフテーレシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
テビチ

テビチは豚足の煮付けです。沖縄でテビチは定番料理でもあるので、スーパーなどでは豚足も販売されていることでしょう。

一般的にはクーブー(昆布)デークニ(大根)と一緒に出し汁でのんびりと煮込みます。沖縄そばにも具材としてよく入れますね。昔はご馳走として振る舞われました。

テビチには軟骨などゼラチン質が豊富なので、いつまでも若々しいプルプルのお肌を保つ美容料理としても知られています。

[沖縄のテビチレシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
ミミガー

ミミガーは沖縄の言葉で「耳皮」ですね。豚の耳を調理します。ミミガーも沖縄ではスーパーや精肉店でそのまま、もしくは細切りにして販売されているでしょう。

沖縄ではミミガーを酢の物や和え物にしていただくことが多いですが、この他にもミミガーの揚げ物や甘辛煮もあります。お土産ではミミガージャーキーも人気ですね。

[ミミガーレシピ]
・沖縄の旧正月は豚正月?ソーキ・ラフテー・中味汁・テビチまで市販のお肉で簡単レシピ!
チラガー

チラガーは「顔皮」です。沖縄の市場に行くと豚の顔が真空パックになったお土産を発見した人もいるのではないでしょうか。沖縄では豚の顔まで調理していただきます。

一般的には炒め物「チェンプルー」チラガーの煮付けが多いでしょう。チラガーもミミガーやテビチ同様にコラーゲンがたっぷりなので美容食としても人気です。

スーチカー

かつて、残った豚肉は大きな甕(かー・かめ)に、お塩と一緒に漬け込んで塩蔵し保存してきました。沖縄の言葉で「塩(スー)に漬ける(チカー)」と言うので「スーチカー」です。

塩蔵した豚肉はその一年、旧盆などの旧暦行事で「ここぞ!」と言う時、この甕(かー、かめ)からを取り出してご馳走をこしらえました。

沖縄の旧正月の正月飾り

沖縄の大晦日では旧正月のお飾りを、ヒヌカン(火の神)・お仏壇・床の間の3箇所に飾ります。ただ現代風の間取りが増えた現代では、リビングに飾る家も増えましたね。

沖縄の正月飾りは縁起の良い三色の紙「ウカリー」・炭の昆布巻き・ミカンが定番です。

ただ沖縄では大晦日のトゥシヌユール(年の夜)でも、ヒヌカン(火の神)や仏壇へお供えものを供えるため、玄関先のしめ飾り門松床の間の飾り物が中心です。

旧正月のヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えものは、旧正月当日の朝一番から整えることが多いでしょう。

沖縄の大晦日:旧正月のお飾りは?

沖縄の旧正月では玄関に門松としめ縄を飾ります。沖縄ではシンプルな藁のしめ飾り「注連飾り」の中央に炭とミカンを付けたものが定番です。

炭は「住み」として安心して住むことを差します。また墨の黒さは邪気を祓う力があるとされてきました。さらに墨は脱臭効果もあるので門前で邪気・悪鬼を跳ね返す役割です。

一方ミカンは実の中にたくさんの房を抱えることから子孫繁栄を表します。

かつて沖縄の平屋には玄関入ってすぐの一番座にトゥクヌマ(床の間)がありました。床の間には「トゥクシン(床神)」もしくは「トゥクヌカミ(床の神)」と呼ばれる神様が鎮座されています。

沖縄の大晦日トゥシヌユールでは、このトゥクヌマ(床の間)に縁起の良い若木や生け花を飾ることも旧正月へ向けた準備です。

現代は沖縄でも新正月を祝いますよね。そのため旧正月のお祝いは抑え気味になる家が増えました。それでも小さなしめ縄を飾る様子を見かけることも多いでしょう。

また最近は床の間のない家も増えたため、リビングに若木や生け花を飾ることもあります。

この他、特に旧暦行事が盛んな糸満市など沖縄南部や北部・離島地域では、新正月のしめ縄を旧正月まで続けて飾る家も多いです。

ソーキ汁

沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)の行事食はソーキ汁です。全国的な大晦日の「年越しそば」と似た役割になるでしょう。

「ソーキ汁」は、名前の通りソーキ(骨付きあばら肉)のお汁でしたよね。家庭によって味つけも変化する「我が家の味」がある料理がソーキ汁ですが、今回はごくシンプルなソーキ汁レシピのご紹介です。

沖縄の大晦日にいただくソーキ汁

基本的には、たっぷりのかつお節でとっただし汁に、ソーキ・しぶい(冬瓜)・昆布・シイタケなどを入れます。

<ソーキ汁の材料>
・ソーキ…800g
・シブイ(冬瓜)…1個
・昆布…数本
・シイタケ…3~4個
・お水…適量

[調味料]
・だし汁
・醤油…少々
・泡盛…ミニカップ1杯(80ccほど)
・塩(味調整)
・白だしなど

ソーキ汁の材料はいっぱいのかつお節で作りますが、市販の白だしやだしパックでも良いでしょう。沖縄のソーキ汁は日本酒や料理酒ではなく泡盛を利用するのが一般的です。

ソーキは水洗いをしてから熱湯でゆがきアクを取ります。その後再び水で洗いましょう。昆布は水で戻しておきます。

沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)ですから、少し豪華にシイタケは飾り切りがおすすめです。乾燥シイタケであれば昆布同様にもどしておきましょう。

沖縄ではシブイ(冬瓜)はよくいただきます。ソーキと同じ大きさに切っておいてください。

結び昆布返し昆布 (1)

沖縄ではお祝い事に結び昆布の煮付けをよく出します。慶事では結び昆布・弔事では返し昆布になるのが作法です。

戻した昆布は等間隔で結んだ後に結び目の真ん中で切ると、より作りやすくて便利ですよ。余裕を取ってしっかりと結ばないと、煮るうちに解けてしまうので注意をしてください。

ソーキは鍋に入れて出し汁をひたひたに注ぎます。続いてシブイ(冬瓜)・昆布・シイタケの具材を加えましょう。

味付けはお醤油・お酒・お塩・白だしなどですね、味見をしながら調整します。煮る時は弱火でくつくつ1時間以上煮ると美味しいです。

最近は長時間煮ずに圧力鍋を使用する家庭も多いですよね。かつおだしは大量のかつおを煮出しますが、市販のものでも構いません。かつおをお茶パックに入れて一緒に煮込む家庭も見受けます。

現代ではソーキ汁をそうめんに掛けて、年越しそばとする家庭もありました。簡単に作ることもできるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

沖縄旧暦12月30日:トゥシヌユール(年の夜)

前項で作ったソーキ汁は、豚の三枚肉の煮付けなど、その他のご馳走と合わせた「年越し膳」、ヒヌカン(火の神)やお仏壇へのお供えものです。

ただ一般的に、沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」に供える年越し御膳は、お仏壇のみとする地域や家も多いでしょう。神様であるヒヌカン(火の神様)には、赤ウブク(赤いご飯)3膳を供えます。

日ごろのお供え物は、ウサク(お酒)・マース(お塩)・ミジティ(お水)です。ウサク(お酒)やミジティ(お水)が少なくなっていたら、一度全てを捨てて入れ替えましょう。マース(お塩)も固まっていたら替えます。

供え葉も枯れていたら交換しましょう。ヒヌカン(火の神様)には神木としてチャーギやクロトンなどの供え葉を添えます。

沖縄の大晦日トゥシヌユール(年の夜)でのお供え物は赤ウブク(赤飯)です。仏飯器などに3膳の赤ウブクを供えます。赤いご飯であれば良いので沖縄の古米を混ぜて炊いても良いでしょう。

ご先祖様に供える仏壇のお供えは御膳料理「年越し膳」です。ご飯はヒヌカン(火の神)と同様にお赤飯を供えます。下記を参考に御膳を整えてください。

<仏壇の御膳>
・赤ウブク(赤ご飯)…お赤飯など
・ウチャワキ(お茶脇)…おかず
・ウサチ(酢の物)
・ソーキ汁
・ニンニクの葉

香りが強いニンニクの葉は邪気祓いになるので御膳に添えます。ウチャワキ(お茶脇)はご馳走をお皿に盛り付けたものです。豚三枚肉の煮付けなどのご馳走が多いでしょう。

仏壇で日ごろ供えているウサク(お酒)ウチャトゥ(お茶)も交換します。仏壇のウチャトゥ(お茶)は左右対称に2杯を供えてください。

<仏壇のお世話>
・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)…左右2杯
・供え花…左右2対

神様であるヒヌカン(火の神)へはチャーギやクロトンなどの神葉を供えましたが、お仏壇には菊などの供え花を飾るのが一般的です。位牌の左右対称に2対で供えます。

オススメ モダン仏壇
沖縄の厄年ウフトゥシビー:お仏壇

沖縄大晦日トゥシヌユール(年の夜)では年越し膳などお供えものを供えますが、その際はお線香を供えて手を合わせますよね。お線香の本数はヒヌカン(火の神)と仏壇で異なるので注意をしてください。

また最近は仏壇がコンパクト化したことで10本以上のお線香を供えると割れてしまうウコール(香炉)ことが増えました。そこで略式として日本線香で少ない本数を供える新しい考え方も広がっています。

ヒヌカン(火の神)へ供えるお線香の本数「コーブン(香本)」は、日本線香15本分にあたる「ジュウゴフンウコー(十五本御香)」です。

<ヒヌカン(火の神)へのお線香>
日本線香…15本、もしくは5本
ヒラウコー(平線香)…タヒラ半(2枚と半分)

コンパクトなウコール(香炉)であれば日本線香5本で良いでしょう。でんぷん由来の沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」は煙のみで香りは出ませんが、日本線香は香りがあるため「香りが届く」として、より重要なウグァン(御願)で扱われてきました。

仏壇へ供えるお線香の本数は「ジュウニフンウコー(十二本御香)」です。日本線香12本分にあたりますね。沖縄線香「ヒラウコー(平御香)」は日本線香6本分が横で繋がっている状態です。

<仏壇へのお線香>
日本線香…12本、もしくは4本
ヒラウコー(平御香)…タヒラ(2枚)

お客様が来訪した時、沖縄線香ヒラウコー(平御香)であれば半分に割った半ヒラを供えますが、日本線香では1本だけ供える家が一般的になりました。

沖縄で供えるお線香の本数について、詳しくは下記コラムをご参照ください。

親子で拝む

旧暦沖縄の大晦日では仏壇にご馳走を供え、ご先祖様と静かにご馳走をいただきながら、年越しを迎える家庭が一般的です。

沖縄の大晦日で拝むタイミングは、お供え物をヒヌカン(火の神)・仏壇(ご先祖様)に供えた後となります。

お供えをした後、ヒヌカン(火の神)・仏壇(ご先祖様)それぞれに、今年一年、家族が無事に過ごせたことを感謝しながら来年一年のお見守りを祈願してください。

「ウートゥートゥ 
ヒヌカンヌウカミガナシー
(あな尊き 火の神様)

今年も、
ヒヌカンガナシーのお陰様で、
家族みな無事に
トゥシヌユール(年の夜)を迎えております。

何事もなく無事に
この日を迎えさせていただき、
誠にありがとうございます。

新しい一年もどうぞ、
この家に住む家族みな、
家族円満、健康でありますよう、
お見守りください」

沖縄の旧暦行事で行うウグァン(御願)では、沖縄言葉で唱える「グイス(祝詞)」もあります。

「ウートゥートゥー
ウヤフジガナシー
(あな尊き ご先祖様)

今年も一年間、
この家に住む家族の健康と安全をお見守りくださり、
誠にありがとうございました。

お陰様で家族一同、
今年も無事にトゥシヌユール(年の夜)を
迎えることができております。

どうぞ来年もまた、
家族が健康で安全、
夫婦和合親子和合しますように。

ミーマンティー ウタビミスーリー。
(見守っていてください)

ウートゥートゥー
(あな尊い)。」

けれども現代の言葉でこのような内容をお伝えすれば、ヒヌカン(火の神様)やご先祖様に届くでしょう。

旧暦沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」は旧暦12月29日となり、次回は2025年1月28日(火)です。

ただ沖縄の旧正月行事にあたる大晦日トゥシヌユール(年の夜)は、外に繰り出して年越しを祝ったり御嶽(うたき)を巡拝するなど、外に出かける行事ではありません

家族団らんを楽しみながら静かに過ごす家庭が多いのです。そして年越しそばの代わりに、家庭の味と言われるソーキ汁をいただき年を越す風習がありました。

ただ翌日の旧正月はお飾りとともにヒヌカン(火の神)・仏壇(ご先祖様)へお供え物をしますので、大晦日までには旧正月の準備が必要です。

オススメ モダン仏壇

まとめ

沖縄の大晦日「トゥシヌユール(年の夜)」

・沖縄の御馳走は豚肉料理
・ソーキ汁をいただく
・豚肉料理を供える

[お供えもの]
①ヒヌカン(火の神)
●日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・マース(盛り塩)
・ミジティ(お水)
●赤ウブク(赤飯)3膳

②お仏壇(ご先祖様)
●年越し膳
・赤ウブク(お赤飯など)
・ウチャワキ(お茶脇)
(豚の三枚肉の煮付けなど)
・ウサチ(酢の物)
・ソーキ汁
・ニンニクの葉

●日ごろのお供え物
・ウサク(お酒)
・ウチャトゥ(お茶)2杯(左右)

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